4の日【低速RP】
メルメッテ・アインクラング 2021年4月1日
ある春の日の午後のこと。天気は晴れ。
外はすっかり暖かくなり麗らかな日の光が射している。
施設周辺一帯の草一本生えない荒地も、どことなく長閑な陽気に包まれていた。
休憩所の室内で準備を一通り終えたメイドは、キーを叩き入力内容を送信。
同時に、黒板代わりに設置された複数のモニターにはこう表示された。
『●本日のおやつ
カスタードシュークリーム』
解放的な空間に、数えるならば両手の指で足りる席。
静かな水の音が聴こえる中、メイドは今日も偶然の誰かを待っている。
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メルメッテ・アインクラング 2021年4月1日
（一人のメイドが、テーブル上の消耗品の点検を行っている。「あら。お砂糖が足りないでしょうか。」シュガーポットの蓋を開け、棚から取り出してきた箱の中の角砂糖を小さなトングで1個ずつ摘まんでは、コロンコロンと補充していく。）……本日はどなたがいらっしゃるのでしょうか。
メルメッテ・アインクラング 2021年4月4日
（続けて、各席に置いているカトラリーのセットを点検。スプーン、フォーク、ナイフにお箸。全て良し。）
～♪（ついつい口ずさんでしまっているのは、主様から教わった曲の鼻歌。ささやかな声量のメロディが室内の空気を小さく震わせ、とぽとぽという水音と共に静けさへ溶けていく。）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月7日
（キッチンへと移動し、棚に並んでいる瓶類……加糖ソーダに使うフレーバーシロップを見つめて思案中。）
（自分で自由に使える予算内から、自身のクロムキャバリア『Hanon-60』の維持費を引き、残りを諸々の費用に当てて……ええ、これでしたら幾許か余裕があります。「僅かずつではありますが、シロップの種類を増やしてみましょうか。」まずは1瓶、選ぶとしたらどのような物が良いでしょう？）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月10日
（タブレット端末を使って電子カタログを開き、シロップを探している。）……まあ、「キューカンバー味」。お野菜のフレーバーもあるのですね。青い風味に甘さが加わるのでしょうか？
（気にはなったが、お客様へお出しするお飲み物に変わり種を使用するつもりはない。想像だけに留めてスライドし、次のページへと。）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月13日
（次へ。次へ。やがて、あるページで指が止まる。）「アマレット」。杏仁のフレーバー……。（ぽつりと呟き、香りを思い出している。確か甘くて華やかで、柔らかな印象の……）こちらでしたら、ソーダともシロップチェリーとも合うのではないでしょうか。（「決めました、後で購入致しましょう。」ぽん、とブックマークを付けた。）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月16日
（ドリンクに使用するグラスを磨く。「硝子」の名の通り、ぴかぴかにしてお客様をお待ちしましょう。窓から入る日の光に透かし、真剣な眼差しで曇りはないかを確かめている。）
キリジ・グッドウィン 2021年4月17日
おーい、メルメっち。やってるか？
（入り口で立ち止まりキョロキョロとあたりを見渡す）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月17日
!!（お客様！ 磨いていたグラスをそっと置き、ぱたぱたとお出迎え。私をメルメっちと呼んでくださるのは……）――キリジ様！ いらっしゃいませ。（背の高いキリジさんを見上げるようにして目を合わせ、一礼。室内へと案内する。）ええ、やっておりますよ。どうぞお好きなお席へお座りください。
キリジ・グッドウィン 2021年4月17日
よ、花見と妙な美術館行って以来だな。
（見下ろす形になるが、一応目を合わせて挨拶）
あー前回は窓際だったから、今回はキッチンに近い方にするか。
メルメッテ・アインクラング 2021年4月17日
はい。その節は、とても楽しく過ごさせていただきまして。心より感謝申し上げます。
かしこまりました。それでは、こちらへどうぞ。本日はいかがなさいますか？（と、キリジさんをカウンター席へご案内。自身はそのままキッチンへと移動し、注文を待っている。）
キリジ・グッドウィン 2021年4月17日
こっちも新鮮なものが見れたりしてなかなか楽しませてもらったぜ？
ちょっとした打ち合わせみてぇな用事であまり長居するつもりないし
口の中にあまり残らねぇモノかな。水でも良いが任せる。
メルメッテ・アインクラング 2021年4月18日
お任せで。承知致しました。「口の中にあまり残らないもの」……（考えつつ、冷凍庫の氷をグラスに何個か入れた。続けて冷蔵庫から無糖ソーダ水のボトルを取り、蓋をパシュッと開け、透明な泡粒がきらめく冷たい炭酸を注ぐ。最後に個包装のストローとコースターを添え、キリジさんにお出しした。）――どうぞ。無糖ソーダ水でございます、風味や香りはつけておりません。
もしお水の方がよろしければ、そちらをご用意致しますので遠慮なく仰ってくださいませ。
「打ち合わせ」……ひょっとして、以前お話しておりました”壁の絵”の件でございますか？
キリジ・グッドウィン 2021年4月18日
ん、これ貰うわ。サンキュ
（ストローを取り出し喉を潤す）
ご明察だメルメっち。さっきシーラーでの下塗りが終わった所なんで乾けばいつでもいける。
何処から何処まで見たいか知らねぇが行けそうな日程聞いておこうと思ってな
その足で来てみたが都合上アポ無しになっちまうから、たまたまここにいて良かったぜ
メルメッテ・アインクラング 2021年4月18日
（飲んでくださってるのを見て、ほっとしながら会釈。”壁の絵”の話を聞くと、みるみる顔が綻んだ。）わ！ いよいよなのでございますね！ 少々お待ちください！
（はやる気持ちが溢れ出るかのように、慌ただしくタブレット端末を手にしてキリジさんへと駆け寄り）お待ちくださいね……カレンダーを出し、まして……。それでは、こちらの日はいかがでしょう？（と、キリジさんに画面をお見せし、ある日付を人差し指で示した。）
最初、途中、最後。拝見させていただけるのでしたら、どこからどこまででも構いません。本当はずっと見ていたいくらいですけれども、お休みは有限ですものね。
それに、日帰りでしたら『主様』……私の雇い主に伺いを立てなくとも問題なく外出できますので。
キリジ・グッドウィン 2021年4月18日
随分と張り切ってるなァ……美術館にあるような本格的なモノじゃないから期待すんなよ？
（前に二人で迷い込んだ美術館に在ったような、技法を解説出来るようなものではない。そう付け加えて）
成程、じゃあそこで一回来てもらうか。多分描き始めてすぐくらいになると思う。
『主様』。まあ『メイド』ならいるよなァ。暗くなったら止めるつもりだしそんなに遅くならねぇから、メルメっちの帰りが遅くなる事はないから安心しろ
…………あ、メルメっちさえ良かったらこの辺にもう一度来れるか？
伸びる分には構わねぇし、別に来なくてもいい。
（メルメッテが持つタブレットの画面を指でなぞり先程提示された日付より更に一週間程後を指でトントンと叩く）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月18日
はい！（脊髄反射的な元気の良いお返事。）かしこまりました。私のことはお構いなく。キリジ様は制作に専念していてくださいませ。
承知致しました。それでは。（日付を指でタッチ。絵筆型のスタンプが付く。）
まあ。時間のことまでお気遣いいただき、ありがとうございます。
？ ええ、問題はありません。雨が降ろうと弾が降ろうと参ります。（キリジさんが指で叩く箇所へ自分も指を伸ばし、トンッとタッチすると同時に音符型のスタンプが付いた。喜びを隠し切れない様子で、無意識に顔がにまにましている。）
キリジ・グッドウィン 2021年4月18日
ん、まあメルメっちが良いならそうさせてもらうわ。適当に休憩も取るしそっちも楽にしとけ。
どういう『主様』かは存知上げないが、何かあって今後制限とかついても良くねぇだろうし。
じゃあそこで決まりな。（先程勝手にタブレットの画面を叩いて何か操作しなかったか、とお伺いの為にメルメッテの顔を見る）
オイオイメルメっち？凄い顔ゆるんでるぜ
メルメッテ・アインクラング 2021年4月18日
（「今後制限とかついても良くない」という言葉を聞いて頷き）キリジ様の仰る通りです。その翌日は再びお仕事でございますから。（頭の中で『主様』を思い浮かべ、業務に支障を来してはいけないな、などとぼんやり考えている。）
はい。よろしくお願い致します。
!!（指摘を受け、瞑目して落ち着き、スッ……と姿勢を正す。表情も立ち振る舞いも、数秒で完璧なメイドのそれに戻った。）――大変失礼致しました。私は本来、心が表に出やすい方だそうでして。特に嬉しいときなどは、つい緩んでしまうようなのでございます。日頃は私なりに抑えるよう気を付けているのですが……あの、あまり、お気になさらず。
キリジ・グッドウィン 2021年4月19日
……
まあメルメっちは今仕事中だもんな
指摘して悪かった
（今この時歓談と相成っているわけだが『客』の前でメイドらしく在る事が『メルメッテ』もしくは『主様』とやらの方針ならオレが口を出す筋合いはない、という言葉を残りのソーダ水と一緒に飲み込む
何故か『客』という線を引くのを躊躇われた）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月19日
（キリジさんを安心させるように柔らかく微笑んで）いいえ、私の方こそ。それに、休日や休憩時間には「メイド」ではなく「メルメッテ・アインクラング」としておりますよ。
私の休憩の時間帯は……お客様がいらっしゃったら勿論そちらを優先致しますので定刻は決まっていないのですけれど、大体ですと（ここの室内に居るのは、そう。）――夕方頃。
その時間は基本的にプライベートとしております。もしその頃にいらした際にタイミングが合いましたら、「お客様」ではなく「キリジ様」と一緒に、私もお茶をさせてください。お任せでよろしければ簡単な軽食もご用意できますので。（本当に簡単なものになりますけれど、と付け加えて苦笑した。）
（改めて、端末に向けられる視線。空白だった日は今、カラフルなスタンプで輝いている。”約束の日付”を待ち遠しそうに見つめた。）
キリジ・グッドウィン 2021年4月20日
（ふいとそっぽを向いて呟く。素直なヤツは会話を組み立てるのが楽だが、時々こうやって"見透かしている"という態度を取ってくるからやはりそれなりに難しい。透かして見る程の中身はないのに）
（タブレットを見つめるメルメッテに目線だけ寄越して）
…んじゃ、そろそろ帰るわ。スケジュール聞きたかっただけだしソーダ水だけで長居してもな。
メルメッテ・アインクラング 2021年4月20日
（にっこり、しっかりと頷いて）はい、承りました。
……あ。お帰りですか？（もう少しゆっくりしてくださっても……と喉まで出かかったが、これからまた別な予定があるかもしれないお客様を只のメイドが引き止めてはいけない、と思い直して気を引き締める。）（瞬時に駆け巡ったそんな一連の思考を隠すように微笑んで、手近な机に端末を置き、しゃんとした。）それでは、お出口までお見送り致しますね、キリジ様。
キリジ・グッドウィン 2021年4月21日
（席を立ち、出口まで歩く。やはり後ろからきっちり着いてくるメルメッテに、振り返って）
メイドってのはこう、丁寧だよな。間隔も客の歩幅に結構合わせに来てんだろ？
オレが最低限すぎる接客って感じだからなんか格の違いってのを改めて見た気がするわ……
メルメッテ・アインクラング 2021年4月21日
「接客」？（突然の親近感。ぱっと顔が明るくなり）まあ、キリジ様も接客のお仕事をされているのですか？ 一体どのような？
ふふ。実はそうなのです。お褒めをいただきまして、ありがとうございます。
（出迎えたときと同じように、キリジさんを見上げて目を合わせる。澄んだ瞳にキリジさんの目を、その色を映し。）――いってらっしゃいませ、キリジ様。どうぞお気を付けて。
キリジ・グッドウィン 2021年4月21日
オレは売店の店番。補充とか陳列とかまあテキトーに。その話はまた次にでもするか
（と、また立ち話でも始めてしまいそうな気がしたので適当に打ち切る。話し足りないとでもいうのか？）
じゃ、当日。またな
（あの日と、初めて泉に来たときと同じように右手をひらひらと振って退出）
メルメッテ・アインクラング 2021年4月21日
はい。またの機会に、ぜひ聞かせてくださいませ。
（恭しくお辞儀をする。顔を上げて目に入ったのは、キリジさんが振ってくださる生身の右手で。名残惜しさを振り払うように、努めて明るい笑顔でお返しした。）
……（姿が完全に見えなくなった後。気持ちを切り替えて食器を片付け、テーブルを拭き、席を整える。次のお客様がいらっしゃるかもしれません、準備をしておきませんと。）
メルメッテ・アインクラング 2021年5月1日
只今の時刻は……あら。そろそろ一区切りと致しましょう。
【PLより】
月が替わりましたので、4の日はここで終了とさせていただきます。ありがとうございました。
