茜空
黒江・イサカ 2021年3月22日
元オフィスビル≪天原ビルヂング≫
6F。石油ストーブがまだ仕舞われていない。
→
https://tw6.jp/character/status/f14904
1
黒江・イサカ 2021年4月19日
いいの?僕の慰め方を憶えておかないで。(両足で君の膝裏を強く蹴押した)(何となく、君の後ろ姿が僕の後ろ姿のようにも見えたので)(その頼りなさが懐かしく思え、涙の味が舌の奥に滲んだような気さえ)(慰められたかったのかしら、ぼく)………いいよ、じゃあ。何にもしないから。此処にいて。(自分に優しくするのはやめた)
矢来・夕立 2021年4月19日
(簡単に姿勢を崩し、まずは膝。膝から腰と、床の上に座り込む。大して力なんかいらないのに、持ち直せるほど元気でもなかった。思いのほか脆くなっていると、また歯を食い縛る。無力さを噛みしめるみたいに)辛いってことにも、苦しいってことにも、気づくでしょ、慰められると。(ほんの少し、俯きがちに振り返るとソファの角が見える。優しさが待っているのだろうそこはたいそう居心地がよさそうであったが、だからこそ躊躇われた)
矢来・夕立 2021年4月19日
……悲しい、だけでは、済まなくっても、構いませんか。
矢来・夕立 2021年4月19日
ひぐ うぐ、(格好の悪い呼吸が肩を揺らす。嗚咽を耐えるための力、その弾みで立ち上がった。また顔を拭って)……は、あ。(溜め息。歪んだ顔をなるべく曝さないよう、口許を覆ったまま)(床にくっついたところを払いもしないで、ソファに腰を下ろした。もう片手は上着の裾をぐしゃぐしゃに掴んでいる)
黒江・イサカ 2021年4月22日
よしよし。(隣に来てくれたので、寄り掛かるようにした)(肩口に頭を載せて)悲しくて、びっくりしちゃったね。
矢来・夕立 2021年4月22日
グ……(泣き声は唸るみたいだった。喉の奥から、手のひらの下から。こらえた分だけ肩も大きく震えて、そうすると情けなさがより強く感じられる)(鼻を啜る音)ダメなん です。 くッ、 …苦しい 、 っとか、つらいとか思っ たり、だれかに 頼ったりッ (引きつれて空気を吸い) ……したら。いけないのに。(いけないのに、すこし高い体温を払い除けられないでいる)
黒江・イサカ 2021年4月26日
そうだねえ。僕もそれ、よく言われたよ。何の権利があってとか、お前にその資格ないだろとか、(尤も、正しく“殺した身分”でその死を悲しむなんて、と思う気持ちはわからなくもない)(寄り掛かかったまま、君の方も見ず、時折側頭部を擦りつけるようにするだけ)……でもしょうがないよね。だって悲しいものは悲しいし、寂しいものは寂しいもの。(手は腿の上、祈るように組んだ)僕もそうやって、駄目だって思ってた。
矢来・夕立 2021年4月26日
それも、分かるんです。オレは、たとえば、それこそ、 友達、になら 、 悲しいなら悲しいでいいって、別物だって、言うだろうし。(撫でられているようだと思う。言いたかったことを正しく口にしてもらえて助かった。とても説明できる心持ちでない。声も震えているし、油断すると喋れなくなりそうだ)……ねえ、いまはダメじゃないって思うんですか。どうやったらそうなれますか。
黒江・イサカ 2021年4月28日
あんまり権利ないなあとは今も思ってるよ。でも、しょうがない。(しょうがない、をもう一度呟く)(駄目かもしれない、それは大いに認めるところだ)(でも、駄目なことをしないなんて今更すぎるルールだったし)(君の膝の上にひとさし指をひとつ、のせて)愛しい≪カナシイ≫んだもの。証明してやらないといけない。
矢来・夕立 2021年4月28日
ダメでも、しょうがないから。
矢来・夕立 2021年4月28日
好きだった。あいつのこと、好きでした。もういないのを、ダメでも、悲しいと思うくらい。
黒江・イサカ 2021年5月1日
そうだね。(腿をなぞる指先)悲しいね、夕立。苦しくて辛いね。
矢来・夕立 2021年5月1日
(優しくされた分だけ、涙はそのかさを増した。力が抜けていく。一度頷いたきり項垂れて、そうするともう顔は上がらない。堪えて、堪えて、呼吸におかしな癖までついて、それでも大声で泣くことはしないでいる。ずっと、静かだった)
矢来・夕立 2021年5月1日
(薄い皮膚の目もとが赤い。汚れた手袋を外して、指先でそうと瞼を冷やす。平熱でも十分つめたい)
黒江・イサカ 2021年5月4日
僕はもっと大声で泣いた。泣いて、呻いて、お前が殺したんだろがって思い切り蹴られた。(僕の名誉のために言うと、子どものときの話だけど)(君の涙の邪魔をしないよう、内緒話の声量で言い足して)……でも、君くらいの歳のときも結構泣いた。干からびるくらい。
矢来・夕立 2021年5月4日
ひとつ、思い、出しました。(冷えた瞳の際を拭う。まばたきをすると目が重く、腫れぼったい。ひっくり返した涙の底から出てきたような、記憶が一個)あれはたぶん、オレのシゴトが、キライでしたが。…許すって。言われました。何人殺していても。どれだけひとを傷つけていても。きっと、そんなような。(そんなようなトーンだった、気がする)
矢来・夕立 2021年5月4日
もう少し……干からびたりはしませんけど、もうちょっと、苦しがっても、いいですか。
黒江・イサカ 2021年5月4日
いいよ。(そら、そんなこと言う子が君の手に掛かろうとはしないだろうあなと、思ったけど言わなかった)(君と僕は違って、そして君はその子を殺したいなんて思ってなかっただろうから)(可愛らしいトモダチだねと、囁く声は自然だといい)頭を撫でてあげようか?
矢来・夕立 2021年5月4日
(俯いてばかりの頭を持ち上げた。傷ついたかおなら、あなたは見慣れているかもしれない。今はそうそうないほど情けなく眉が下がって、また瞳に水の膜が張る)……そうして。(また下を向いた。ぱたと音を立て、しずくが落ち)(涙でまだら模様を作った眼鏡を外し、行き場もわからず手の中に置いたまま)
黒江・イサカ 2021年5月6日
そういう約束だった。(頭の上に手のひらを乗せ、お手本みたいに丸みを撫でた)(短い距離を何度も行ったり来たりする)(君のかたちを確かめているだけのような、そんな気安さで)疲れるまで泣いたらさ、その子のお墓を作りに行こうよ。いい場所知ってるよ、骨がなくてもやってくれるとこ。
矢来・夕立 2021年5月6日
(短い息と、濡れた頬をぬぐうのと、忙しなく繰り返していた。ぴたりと手が止まる)……友達のお墓って、見たく、ないです。悲しくなるから。(見るたびこんな気持ちになるならいらない。彼は綺麗に消えたかったのかもしれない。それなら墓を作るのも野暮だ。どこかの悪ふざけで訊いとけばよかった)
黒江・イサカ 2021年5月8日
そうだね、悲しくもなる。でもあった方がいい。そうしないと、その子が悲しいだけの子になってしまうから。(黒髪を梳いたり、そういう遊びもしない)(一定のリズムで、君の鼓動の邪魔をしないように触れ)面白かったこととか、嬉しかったこととか、全部悲しいだけになっちゃう。それにほら、墓石まで立てろって言ってるわけじゃない。いい場所なんだ。ちゃんと坊主みたいなひとが毎日いる。
矢来・夕立 2021年5月8日
(喪失が苦痛に繋がるのは、そういう明るい記憶のせいだ。鼻の奥が痛んできた。こみ上げてきた涙を、先に押さえて)うん、…うん。そう。そうですね。悲しいのばかりはイヤです。
矢来・夕立 2021年5月8日
お墓、作ることにします。……管理されてる方に、きちんと御挨拶できそうなとき。
黒江・イサカ 2021年5月10日
よかった。そのときは僕も一緒に行ってあげるよ、知ってるひとだから。(止まらない涙を覗き込むように身体を傾げ)じゃあ、ハグしてあげる。眼鏡外して此処座って。(示す、ソファに座る自分の脚の間)(その床)
矢来・夕立 2021年5月11日
ええ。お願いします。(一瞬だけ、立ち上がりそうな身じろぎ。ソファの端へと眼差しが逃げ込んだ。悲しい気持ちを認めてみたって、こう甘やかされるのは気が引ける)……そっちは、いい。そこまでしてもらわなくても。頭だけで十分です。
黒江・イサカ 2021年5月15日
守ってあげたいんだ。悲しい以外のことから。(ん、とねだるように腕を広げて見せ)悲しいだけが出来るのは今だけだからね。つまり、今日だけってことさ。
矢来・夕立 2021年5月15日
守……(悲しい以外、何かを感じることがあるんだろうか。そんなことが過ぎってすぐ、今しがた現れた遠慮じみた何かを思った)(立ち上がる所作にはまだ迷いがある。どこかぎこちなく、けれど言われた通りに座り込んで。視線は右足の花で留まり、上へ行かない)
黒江・イサカ 2021年5月18日
はいぎゅー。(こちらを見ない君の胸倉を掴んで、お腹に顔が埋まるように引き寄せた)(その肩を言葉通り、ぎゅーっと抱き締め直し)……やっぱ眼鏡痛い。外して。(ちょっと緩めた)
矢来・夕立 2021年5月18日
……もうおしまいでよくないですか。(そのくせ逃げない。緩んだ隙間から両手を差し入れ、外した眼鏡を膝の上に置いた。ぼそぼそとした鼻声は弱い力で埋まっている)
黒江・イサカ 2021年5月20日
そうかもね。(これは自分のしたいことであったから、もしかしたらそうかもしれない)(言う通りにしてもらった礼も言わず抱き締め直して)悲しいねえ。
矢来・夕立 2021年5月20日
(慣れ親しんだ匂いと温度が優しい。痛いほど染みて、伏せた睫毛から雫が落ちた。まなうらの霜でも溶かしたみたいに)(こんなふうに、縋るみたいに泣きたくなかった。それは確かだ。でも今、悲しむだけでいいなら)(躊躇いのわかる遅さで、腰の裏あたりへ腕を伸ばす。悲しいを肯定して、甘える)
黒江・イサカ 2021年5月23日
よしよし。(頭を撫でる続き)(いなくなって悲しいと、もう逢えなくて悲しいはきっと種類がちょっと違う)(逢えなくて悲しいと思う自分を認めることが出来たなら、あとは悲しいをするだけだ)(巻き付く腕に応えるように、両脚が君を閉じ込めて)
矢来・夕立 2021年5月23日
(密やかな慟哭。悲しい。さびしい。そんなことを、何度も繰り返した。より深くうずまると、噦り上げる声も響かずに済む。引き攣った震えや噛み殺しきれない泣き声が、四肢と胴に閉じ込められ)(…やがてそれは鼻の鳴る音と小さなしゃっくりに変わり、腕に籠もった力も抜けてゆく。ちょっとお腹から離れて)ひやすもの、ください。(喉はがらがら。声は曇っていた。俯きがちに隠した目元はもっとひどく腫れている)
黒江・イサカ 2021年5月25日
(君の涙も声も全部、おなかの中に入れてやった)……いいよ。使われてやるなんて今日だけだぜ。(俯かれたから前髪の上、口づけてやればソファの上に立ち上がり君を飛び越えていった)(ご機嫌そうにフロアを出ていき、6Fを出ていき、階段を下りる音
)(……)(上ってくる音)保冷剤あった。あと、タオル。
矢来・夕立 2021年5月25日
(上手く回らない頭の、額に唇の感触があり。扉の閉まる音、遠ざかる足音、時折外を走る車のエンジン音、ただ聞き流している)(……看病に来たはずだった)(思い出す頃にはあなたがもう戻ってきてしまっている。きまり悪そうに立ち上がり、保冷剤をさして「それ」と)……自分で、つかっ て、ねつ、 あるでしょう。 タオルだけ ください。
黒江・イサカ 2021年5月27日
まだ大丈夫だから大丈夫。(元より、身体がいつもと違うときの動かし方くらい知っている)(保冷材もタオルも君の頭の上に載せれば、またソファに座り直して)もっと熱上がって動きたくなくなったら買ってきてよ、冷えピタ。あとカルピス。
矢来・夕立 2021年5月27日
ありがとう、ござい、ます。(タオルに包んだ保冷剤を瞼に当てる。余った端で頬や口許を拭い、漸くひとつ息をついた。熱の上がる前提でされたような話に呆れたようでもある。長椅子の隅へ、遠慮がちに腰を落ち着けて)わかった。…でも、じっとしててください。熱なんか、あがんないほうが、いいんですから。
黒江・イサカ 2021年5月28日
もう今日はおしまいって思ったら顔も洗っておいで。(ずるずると、沈み込むようにソファへ深く滑り落ち)風邪引いたら絶対熱まで上がるんだよ、熱が上がったら風邪って思うくらいね。でも今回のは全然軽い方。いつも重い風邪を引くわけじゃないってことだ。
矢来・夕立 2021年5月28日
(うん、と、小さな返事はタオルの厚みに紛れる。赤くなった鼻先を拭き、立ち上がる仕草からはだいぶか弱さを失っていた。給湯室へ向いた、その背中から振り返り)……。カイロ、いりません?
黒江・イサカ 2021年6月1日
…………え?(帽子のつばをちょいと上げると、丸まった双眸が現れ)(次いでにやついた)なになに、急にどうしたの?いいよお、ちょっと調子悪い方が頑張れたりするし。
矢来・夕立 2021年6月1日
……? うん。うん……(「頑張る」に思い当たるのが朧気な記憶だ。流しのある方へ引っ込み、顔を洗い、眼鏡も綺麗に拭いて、かけ直したとき。クリアになった視界に導かれるみたいに思い出すことがあった)
矢来・夕立 2021年6月1日
バカ。ふつうに温まってるだけでいいから。(ソファと男と、もろとも同化していそうな毛布を、強引に引っ張るかめくるかする)ここ入れてください。
黒江・イサカ 2021年6月3日
だははっ げほごほほ、(納得したように去っていったのに戻ってきた途端にキレたのがウケた)っひひ、……伝染っちゃうよ、風邪。(毛布を捲られたまま)
矢来・夕立 2021年6月3日
もう遅いでしょ。(隣り合うみたいに毛布に埋まる。もっとかき集めて隙間なく重ねると案の定暑いけど、出ていく気にはならなかった。高めの体温の傍で目をつむる)
矢来・夕立 2021年6月3日
(少しの間を置き、瞼が薄く開いた。言葉を選ぶのに時間が要ったのだ)……助かりました。(ポツリと落っことしたものをそのまま押しつけるような、一応お礼のつもり)(そうしてまた瞑目すると、もう開かない)
黒江・イサカ 2021年6月5日
言って君、あんまり伝染らないじゃん。馬鹿だから。(落っこちないように抱き寄せてやって)しかし此処、2人で寝るには狭いって。片方僕よりデカいし。あはは。無茶する、はは
、………(バカって言われちゃったしなあ)(起きたかと思えばそんなことを言うものだから、ちょっと迷いはしたものの、まあ、寝かせてやることにした)どういたしまして。お休み、夕立。(しばし、黙り)
矢来・夕立 2021年6月10日
(沈黙をいいことに眠ったふりを続けた。確かに無茶だなと思いこそしたものの相変わらず居心地は良い。安心して意識を手放せるひとだ。そうしてもよいと感じる場所だ。「甘えるべきでない」なんて意地も、今日はなくなっていた)
矢来・夕立 2021年6月10日
(いつもよりも、幾分か深い寝息だった)