【RP】昨日の敵は今日も敵
ロキ・バロックヒート 2021年3月8日
隣り合った世界の隣人は
稀に、否、よく牙を剥くものだ
ああ、その炎のいろに出遭った時は、大抵――
***
UDCアースのなんでもない夜
お呼びした方と殺り合い
キリの良いところでダイスを振り合い勝敗を決定
低い方が勝ち
確定ロール可
1
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月9日
(ヒールの音が艶やかに、UDCアースの街角に響く。時折振り返る者はいるけれど、そんなものは気にしない。中世風ドレスなんて、そりゃあ珍しいだろうけど、己にとっては普段着なのだ)(不思議なものばかりある。四六時中光る看板。あの店は休みなく開いているらしい。其処から出てきた者も、不思議な首輪を――)(おや?)
おや。
(蒼い瞳が捉えた。よく知っている顔だった。会いたくもない顔でもある。懐かしい。けれど顔をよく覚えている訳ではない。だって彼が現れて述べる事は、いつも同じ事だったから。……けど)
おや?
(するり、と猫のように路地に入る影を思わず追った。ふわり、と浮いて――滑るように。)
どうして逃げるの?
(声の高揚を抑えきれない)
ねえ、ねえ!久しぶりじゃない、どうして逃げるのさ!
ロキ・バロックヒート 2021年3月12日
(暗くてどんな格好をしていたかなんて覚えていない。唯、鮮烈な焔のいろだけが鮮やかに燃えていた。白よりもなお熱い、青色の)(それが目の前に現れた時は、決まって――)
――どうして、って。
(追われて逃げて、辿り着いた行き止まりを背にして、疑問に対して漸く口を開いた。追いかけてきた者に対する甘さも、通ずるような高揚もない。そのまま邪険にするでもないが)
確か一番最後に遭った時は、眼が合った瞬間燃やしたでしょ。
(学習する生き物なんだよ、等と戯言でも云いたげ)
ロキ・バロックヒート 2021年3月13日
(目の前の女がどんな生き物なのか識って居ながら、どんな者なのかは知らないなぁ、とは思い至り)
ねぇ、お腹でも空いたの?食べる?おいしいよ。(笑いながら。がさりと、コンビニの袋を差し出してやった)
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月15日
(行き止まりだ、…つまらない。どうせなら捕まるまで逃げて欲しかったけど。――ふわりと中空を泳ぐ肉食魚のように漂う。昏い色のドレスが陽炎めいて揺れた)
――だって、お前がいう事はいつも同じなんだもの。
「うるさい」「もう聞きたくない」「つかれた」
「殺してよ」――
……ねえ?
(ゆっくりと首を傾げた。陽炎は徐々に色を帯び、白い火の粉となって立ち上る)
でも今日は言わないね。何か面白い変化でもあったのかしら。
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月15日
要らないよ。(切って捨てるように)
今あたしが欲しいのは、“逃げたお前の死”だ。
逃げるって事はさァ。生きたくなったんでしょ? 死ねなくなったんでしょ。いいね、そういうのとてもそそる!
(火の粉は集まり合って、生き物のように焔となって渦巻く。初春の路地裏に炎獄の暑さが訪れる。それらは槍の穂先と形を変えて……)
お前の事、嫌いだったけど。もうちょっとで好きになれそうだよ!
なあ、仲良くしようよ!!
(焔の槍、其の数は5。一息に相手を貫かんと飛翔した)
ロキ・バロックヒート 2021年3月21日
(過去の繰り言に、少しだけ眉を上げた。常人ならば暗くて見えないだろうが)(けれど、次に口を開いた時には笑っていた)
お望みならまた言ってあげても良いけど――でもさぁ、
おまえじゃ、神様は殺せないでしょ?
(ことりと首を傾げた)
ロキ・バロックヒート 2021年3月21日
残念。おいしいのになぁ。……(云われて宵闇でも目立つ金眼を丸くした。逃げたから、生きたくなった?死ねなくなった?)
あはは!は、ははっ、ははははは! はッ、
(あんまりにも面白くて笑っていたら。槍のひとつが指先を瞬く間に焼き焦がしたのはどうでも良いけど、持っていた肉まんも消し炭になったのは頂けない。折角ひとが作ったものなのに)
(身体は足元から生じた影に放り投げられて、ビルの上へと一足飛びに跳んでいた。残りの槍は蠢く影を貫いていく)
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月23日
……。
(きょとん、と蒼眼を丸くした。そんな事を言われたのは初めてだったからだ。死んでも死んでも同じ顔なのを不思議には思っていたが、そうか、カミサマだったのか。いや、しかし――)
……随分と強気じゃないか。仕掛けられると燃えるタイプだったのか? 判んないなァ。
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月23日
丁度試してみたかったんだ。――カミサマは何分ぐらい燃えるのかってね!
(コンビニの袋ごと、肉まんが泡のように消し炭になる。高く跳んだ相手を見上げ、燕のように宙を舞った。ドレスからぷくぷくと白い光球をあらわしながら、瞬く間にビルの上。左右を見回して神の影を探す)
ロキ・バロックヒート 2021年3月28日
――さっきの肉まんみたいに、一瞬じゃないかなあ。(君の疑問に答えるこえは届かない。夜に溶けるようなひとりごと。あの炎に委ねれば、なにかを感じる間もなく一度死を迎えるのだ。炭化した指の数本もそれを物語っている)
……なんで逃げたんだっけ?(こちらの疑問にも答える者も居ないだろう)
ロキ・バロックヒート 2021年3月28日
(ビルの上を浚う夜の風に、長い髪を靡かせる姿がある。浮かぶ君を捉えるのは、きっとこちらの方が速い。女を人差し指がピタリと差した)
(――しかし、今はそれだけ。命を脅かされたとて、“お仕事”や“役目”か、気紛れでもなければ攻撃や反撃に出ることはないから)
……ちょっと思い出してきた。そういえば、おまえには随分と世話になったよね。でも、名前を覚えてないなぁ。聞いてなかった気がする。
今まで殺してくれたお礼ぐらいはしてあげるけど、なにがいい?
(「死んでくれ」は無しね、と付け足しながら。どこまでも世間話のように)
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月31日
(見つけた。闇に冴え冴えと靡く蒼い髪は、相手からよく見えるだろう。獣のようにぎらぎら輝くアズライトの色した瞳も、)
…。
(指差されている。容易には動けない。だが、動いても問題ないような気も、する。戦意が感じられないのだ。逃げはすれども、応戦はしない。まるで其れは余裕のようで、正直、癪だ)
…世話になったどころの話じゃないよ。死にそうな顔してさ、ころしてころしてって何度もあたしの前に現れて。
(夜風にドレスを靡かせながら、不機嫌そうに。そう、死にたがりは嫌いなのだ)
お前はカミサマで、あたしは魔女だ。其れで良いだろう? 今は名乗る気分じゃない。(ふん、と目を細めて。…お礼、か。其の言葉には暫し考える間を置いた)
ヴィズ・フレアイデア 2021年3月31日
そうだな。……質問に答えてくれ。
(口から出たのは、存外真面目な答えだった)
神が死ねないのは知っている。やろうとおもえば殺せる事も知ってはいるが、ただ燃やすだけでは死ねなかったんだろう。何度も同じ顔が来るから不思議だったんだ。
――あたしは神の苦悩を知らない。だから知りたい。
どうして死にたかったんだ? 今は違うのか?
ロキ・バロックヒート 2021年4月2日
(青を金が見据えている。君の読み通り、動いても今はなにもない。
ただ――ほんの気紛れひとつでこの人差し指は意味を持つ。そんな予感もするだろう)
……実はさぁ、あんまり覚えてないんだ。むかしのこと。
(こーんな高いところに居たら、すぐに身を投げるぐらい死にたがったのは覚えてるんだけど。そう語る口調は笑み混じりで、ひどく軽い)
そう、残念だねぇ。仲良くなりたいんじゃあないの?
(そちらが名乗らないならこちらもと。黙っている間ゆっくりと待っていて。強い風が髪ばかりを浚った)
ロキ・バロックヒート 2021年4月2日
ふぅん、質問?
……。
(返ったのは口閉ざす沈黙だ。面倒になってきて、一度手を下ろした)
どうしてそんなこと知りたいの?
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月5日
覚えてない?
……。其の割には、逃げるのは速かったねえ。
(揶揄いを含めた声色だ。殺し合いを仕掛けておきながら、茶会でもしているかのような)
今のお前とは仲良くなってみたいよ。
言ってなかったかな、死にたがりは嫌いなんだ。其れを隠しもしない奴はもっと嫌い。今のお前はどっちかな。…隠してるのかな。隠したいと思うような事があったのか?
(とん、とビルの端、フェンスの上にヒールを置いて立った)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月5日
知りたいからさ。
(下ろされた手。何かが変わる訳でもない)
あたしは死に至るまでの苦悩を知らない。死にたいと思った事はあるけれど、其れは興味から来るもので、苦悩ではないんだ。
多分永遠に理解出来ない。出来ないから、聞いてみたいんだ。
(手を翳すと夜が滲んで、日傘がぽんと現れた。夜なのに日傘をさし、くるくると回して)
……何か、苦しい事があるの?
(優しい声色だった。たとえるなら、母が子に尋ねるような)
ロキ・バロックヒート 2021年4月8日
自分でも逃げたりできるんだなぁって、ビックリしたところ。(それは正直なところで。肩を竦めた)
聞いたことなかったね。嫌いだから殺してくれたの?(揶揄るような聞き方だが、疑問はそのまま聞く)(あちらの質問も続く。隠す?と首を傾げて)死にたいなんて言えば、楽しいことにはならないでしょう。楽しいことをしていたいんだよ。
ロキ・バロックヒート 2021年4月8日
…………。
(少しの間、沈黙が降りた。日傘がくるくると回る間。それとももっと長い間?)
(ややあって答える声は、やれやれ、とでも云いたげな)
……いいよ、お礼をするって言ったもの。質問にはちゃんと答えてあげる。
たださ、ずうっと忘れてたことなんだけど――
(ぞろりと、闇が動く。正確にいうと影だ。それが音も意思もなく魔女に忍び寄る。歪で巨大な獣が後ろから鎌首を擡げ、)
私ね、憐れまれるのが大嫌いなんだ。
(冷淡な言葉を告げた瞬間。
影の獣が青色も何もかもを喰らう“くち”を開け――ばぐん!と閉じた)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月10日
ははは!反射的に逃げたのか?益々に興味が湧くなァ。
(笑う顔は無邪気で子どものようだ)
嫌いだから…とは少し違うな。
だって、魔女は願いを叶えるものだから。最初は正直「何だお前」って思ったけど、願われたなら叶えてあげなくてはと思ったのだ。
(嘘ではない。よくもわるくも、この魔女は嘘をつかぬ)
楽しい事か。…そう思えるだけでも、お前は変わったよ。片手間に殺した時のお前は、もう死ぬこと以外を考えていないようだったから。
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月10日
(日傘は夜のような色をしているのに、夜に浮かんで見える。実用性の低そうなつくりをしていて、眩暈がしそうだ)
忘れてた?
(きょとん、と目を丸くする魔女の後ろで、影の獣が口をあんぐりと開け――ごきん、と硬い音を立てて口を閉じた)
(……ように、見えた)
…おお、怖い怖い。不意打ちは良くないぞ。
(影の獣の牙の間から顔を出して、びっくりしたと瞳を瞬かす。獣の顎に日傘を立てて、僅かな隙間を縫いするりと出てくる)
哀れんだつもりはないが、そう見えたなら仕方ない。謝りはしないよ。
…あたしもいい加減に昂っている。お礼は――この戦いの後にして貰おうか!
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月10日
(ばきばき、と日傘が折れて影の獣に噛み砕かれる。その咢の上に傲慢にも立ち、周囲を浮いていた光球を輝かせた)
(其れは言うなればレーザーだ。熱と光を帯びた熱線が数条カミサマ目掛けて放たれる。微妙にタイミングをずらし、一息に避けられないように)
ロキ・バロックヒート 2021年4月11日
……なんか変な感じだよ。おまえと話していると。
――ああ、そうか、
(誰かに対する姿勢が似ているのだ。予想外のことに喜び、ごく自然に見下し、何者の願いも叶えるモノ)(厭に込み上げて来るこれは、同族嫌悪、自己嫌悪といったところか)
死ぬこと以外考えてなかったのは覚えてるよ。世界がそれを猟兵にするっていう、とんだお節介をしてくれたんだよね。(皮肉げに笑うけど、楽しくない。神は世界に逆らえぬ)
ロキ・バロックヒート 2021年4月11日
どちらでもお礼はするけど――その時おまえが聞ける耳があればの話でしょう。(小首を傾げながら、悪びれる素振りもない。手応えは薄かった。あの日傘もなんだか気に入らなかったから、べつにいいか)(魔女が乗った途端、影はカタチを保つことを止め、崩れた。レーザーに意識が向いたからか)
……あつい、
(今更、焼かれた腕が熱を訴えてきた。神経や痛覚は元より、さっきから煩わしい程警鐘を鳴らしている。掠っただけでもこうなるなら、まともに喰らえば――あっさり死ねるだろう)
ロキ・バロックヒート 2021年4月11日
(やたらとちらつく誘惑に誘われるでもないけれど。あえて避けるように動かず。今度こそピタリと向けた指先から――ひと一人は容易く覆うような、閃光が一条放たれた。熱もない、ただ触れたものをほどく、純粋な破壊の光。神罰というべきもの。夜を一瞬、真昼のように染めた)
――あッ、?
(それで全部相殺か掻き消すつもりだったけれど。タイミングがずれて掻い潜ってきたものが、脇腹にひとつ、片足にひとつ)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月12日
変な感じ? そりゃアそうだろ、お前とこうやって話して戦う日が来るなんてあたしゃちいとも思っていなかった。
…?
(相手は勘づいたようだが、自分は全く判らなかった。ナチュラルボーン上から目線の魔女は、自分が上から物を言っている事にすら気付いていない)
猟兵に。
……はは、なんだあ!お前もか!あたしも猟兵なんだ。
…はて? 猟兵になったから、そうそう死ねなくなったのか?
(其れも妙な話だね、と首を傾げる)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月12日
言ってくれるじゃないのさ。あたしは例え霊魂になっても、耳だけは失わないって決めてンだ――おっと!
(獣が泡のように消えて、ふわりと浮遊し直した。熱線の行く先を見ていると――ひたり。指差されて、第六感が警鐘を鳴らす)
(ひゅん、と今までにない素早さで横に抜けた。眩い閃光は熱を持たず、いかづちでもない。其れが何なのかを考える暇はなく、ただ、本能的に恐怖し、無意識のうちに恐怖を心中で打ち消した。)
へえ。カミサマというだけの事はある。いまのは何か? 権能……(ぼろり)…おや?
(ぐらり、バランスを崩した。見れば右手が肩からなくなっている。僅かに光が掠めただけなのに?)
(熱線は君の肉を貫き、貫通していく。片や脇腹と片足。片や右腕全部。…力の差を見せられたような気がして、無性に腹が立つ)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月12日
――カミサマの癖に生意気!
丸焼きになっちゃえ!!
(左手を天に翳す。ほろ、と天にまします星から光が“落ちてくる”。其れは花弁だ。桜ではない。炎の花弁。触れればすべてを炎で包み込み、魔女の言葉通り丸焼きにするだろう)
ロキ・バロックヒート 2021年4月29日
そっちじゃないよ。(思い違いへの指摘は素気なかった。おかしい。上手く喋れない。この魔女にくべた過去が、己の裡で未だ燻っているかのよう)
おまえも?……前に会った時から?
……猟兵になったから、“自由”になったんだ。死を望む一本道じゃなくなった。(おそらくそれだけなのだ。結局死を望んでいようと)
ロキ・バロックヒート 2021年4月29日
そちらの耳が失くなるより先に、こちらの口が無くなりそうだよ。(ごろりと、ビルの屋上に転がっている。片足が役に立たなくなった所為だ)(落ちる光を遮るように、翼ある獣のカタチとなった大きな影が天蓋となる。その影も花の花弁に彩られて燃える。夜風も燃えて、ひゅう、と思い切り吸い込んだ喉を熱気が焼く)
(げほげほ、と一頻り咳き込んでから、それは笑った)
ねぇ。燃やす以外に能はないの?おまえ。
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月30日
違うのか。(どうでも良さそうに答え、ふらふらと飛んでいる。右腕がないというのはなんとも不便なものだ。まあ、両利きなのでいいけど。)
いや、…最近だ。カクリヨが放たれて自由になったとき、自分の存在に新しいラベルが付けられる気配がした。
あれは多分、猟兵になったという感覚だったのだろうね。
――その自由は、どんな自由なんだい。好きな時に死ねる自由かい。
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月30日
(はらはら落ちる、天蓋からの花弁。其れは優しい灼熱でもって、獣の影を焼き尽くす。真っ白い炎と真っ黒な影が交じり合うようにねじりあって消えた)
(なーんか調子でないなあ。相手のペースに呑まれているというか)
!
な!?
い、いきなり何を言い出すかと思えば!あたしは魔女だぞ、出来ないことなんかあるものか!
(見てろ、と周囲のちからが魔女に収束する。何にしようか。恐ろしいものにしようか。いや、こいつを驚かすなら――)
ヴィズ・フレアイデア 2021年4月30日
(さあ、と清浄な風が吹き抜ける。其れはカミサマの傷をくすぐって過ぎていき、周囲を瞬く間に薄桃色の花畑に変えた。名前も種名もない花が、ビルの屋上に咲いて揺れている。)
言っておくが幻覚ではないぞ。
あたしの想像を投影して現実にしたのだ!
(すごかろう、と胸を張る)
ロキ・バロックヒート 2021年5月3日
(揺らめく身体にも、その腕を飛ばしたことに対する感慨もない。どちらも肉体なんて少しも価値を見出していないだろうから)
そう。世界も趣味が悪いなぁ。
……こうしてひとの中に混ざって、好きにできる自由だよ。(漸う笑う言葉は、焼かれた喉には吐息のよう)
ロキ・バロックヒート 2021年5月3日
だっておまえに燃やされるの、飽きたんだもの。
(それは影であるがゆえに、苦しみもせず、断末魔もあげぬ。かかる火の粉も払わずに寝転がって、熱が収束するまで焼かれるままで)
魔女なら色々できるんでしょう?せめてなにか面白いことでもやって――
ロキ・バロックヒート 2021年5月3日
(眼をまあるくした。おまえの狙いは果たされたと云って良い。最近で一番ぐらい驚いた。予想外なことにも、ここが何処だったか思い出してしまったのも駄目で)
……なに、するかと思えば、
は、ははははっ……!あはははは!
(ぽぽん、と眼前に、周囲に咲いた花を見て、色々と馬鹿馬鹿しくなったから。
でも笑いに震えることは、焦げた喉にも穿たれた腹にも優しくない。寝転がる背が小刻みに揺れながら丸まった)
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月4日
人の中に混ざって好きにして、いいじゃないか。
其れともお前は何か? カミサマらしく雲の上でふんぞり返っていたかったのか?
(理解できない、という声色。実際理由を話されたとて、理解は出来ないだろう)
――あ!!! 飽きたあ!? 失礼な! ド失礼だ!
あたしの炎は芸術なのに! 飽きただなんて!
(焔は影の獣を残らず食いつくし、消えていく。余りに高温である代わりに、持続力がないようだ)
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月4日
(ビルのフェンスの上に再び立つ。薄桃色に囲まれて笑う褐色膚のカミサマは、いっそ芸術かなにかのように思えた)
なんだよ。
何かしろっていうから、何かしてやっただろう?
……。全くお前は。生きたいのか死にたいのかどっちなんだ?
ロキ・バロックヒート 2021年5月6日
神様、って、なんだと思う?
(ひいひい、くすくす。笑いの波が全く収まらないまま、問う。
熱は解けて消えど、夜の空気が戻って来るには少しかかるだろう)
飽きたよ。だって、何回それで焼かれたと思ってるの?
……ああ、いや。数えてないなぁ。
(近くの花弁をひとつ、ぷちりと摘む。香りまでするから本当に本物だ。やっぱり笑った)
まぁ、燃やすよりは面白かったよ。ちょっとはね。
(ぷちり、ぷちり。手慰みに続けて)
――死にたいよ。
生きるのは、なにもしなくても“そう”なるでしょう。
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月21日
は?
(夜風に吹かれて、蒼い髪が燻る。突然の問い掛けに思わず意図を問うような疑問符)
…カミサマは、…なんていうか、信仰される存在だろう。信じられて、崇められて、いつもこっちを見下ろしてんの。
殺すには焼くのが…いや…焼くというよりは、力を放ったら炎になるというか…
(花弁は甘い桃色をしている)
…ふん!そりゃァどうも。
………。
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月21日
生をナメるな。
何もしなくても生きられるなんて、それじゃ本当に生きているだけだ。
長命のデメリットだな。長い生に意味を見いだせないんだろう、お前は。
…そんなんじゃ、死にも意味を見出だせなくなるよ。
ロキ・バロックヒート 2021年5月27日
よっぽどおまえは神が嫌いなんだね。(あんまり知る気もなかった、興味もない、みたいな返事に思えた)間違ってはいないけどさ。
(花はどんな味がするのかなぁ、口元へ持って行きかけて、やめた。零した花弁がはらはらと落ちる)
――は、(ちょっと笑った)生死に意味を見出そうとするなんて、ひとなんだなぁ。おまえも。
神の生き死にに意味はないよ。舞台装置がひとのカタチをして、役目を果たすだけ。(他の神は知らないけどね、と付け添えはしたが)……逆を云えば――役目を果たせなければ、それこそ本当に、なんの意味も、ない。
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月28日
嫌いだよ。神様なんて大嫌いだ。
(はっきりと述べた。魔女にしては珍しい物言いであった)
あたしはヒトじゃない。ヒトじゃないけど、一つの存在だ。
あたしが生きている事に意味とかあるのかなぁ、って考える事もあるのさ。何かを成すために此処にいるのかなぁ、ってね。
…。
(舞台装置。其の言葉に僅か黙す。デウス・エクス・マキナ。其れは芝居の中での神。逆説するなら――神はその場面以外では不要なのだ)
舞台装置としてのお前は、あたしに幾度と殺されて尚、役目を果たせなかったのか。まあ仕方ないね、あんなげっそりとしてちゃあね。
ロキ・バロックヒート 2021年5月30日
そう。(嫌われても如何でも良いのだけど、なんとなく伝えてやることにした)私もおまえが嫌いだ。
それはひとだよ。生きている意味を考えるなんて、己はなにかを成せると思っているってことだ。そんな願望、ひと以外抱かない。
べつに、おまえに殺されるのが役目じゃあないからね。(煽ってるんだかなんなんだか、“げっそり”なんて形容詞を用いる相手に横目を向けてから。よいしょと身を起こした)質問には答えたよ。
ヴィズ・フレアイデア 2021年5月31日
そうかい。
あたしは今のお前は嫌いじゃないけどね。
(咄嗟に逃げたという事は、きっと生きる意志があったのだ。このカミサマは其れを判ってないみたいだけど。)
――ヒトか。そうだな。獣や虫は生きる意味なんて考えないだろう。何かを成そう、成せる、そんな事もきっと考えない。
…はっはっは! そりゃァそうだ。あたしに殺されるためのカミサマなんて可哀想に過ぎるだろう!あたしは死にたがりは嫌いだしね!
(ぱさ、と何処からともなく取り出した日傘を開いた)
……。そうだな。ではあたしは行くとするよ。また戦いたくなったら言って。(花たちが静かに白く染まった。温度のない炎で焼かれ。もろもろと崩れていく)今のお前となら、面白い戦いが出来そうだけど……お前は戦うのにしり込みしているね。其処だけが残念だ。
ロキ・バロックヒート 2021年6月5日
――は?
(聞き返しているようで聞き直すつもりもない返答は、今日一番刺々しかった)
いや。おまえをひとだなんて思うと頭がおかしくなりそうだよ。やっぱひとじゃない。おまえは魔女だ。(首を振って断じた。これを可愛いと思うなんて冗談じゃない)
死にたいのは変わんないけど?(よくわからない顔をした)……戦いなんて、今一番意味のないことだよ。戦って何を得るって云うの。おまえと私どっちが死んだところで、また蘇るんだから。(ほら、その日傘の様に元通りだ)(大きな影の獣が寄り添う。崩れる花を嗅ぐ素振り。それも大して意味はないのに)
ヴィズ・フレアイデア 2021年6月6日
言い直してやろうか?
(勿論質の悪い冗談である。相手がこういう言葉を一番聞きたくないのだと判っている。が、其れでも嘘はつけない)
……。
ひゃっは、あは、あはははは!!
(暫しの沈黙の後、げらげらと笑いだす)
そうだよ、あはは、あたしは魔女だ!それ以外の何者でもない…あはは、ははは……あー、笑った笑った。
でも、あたしを見た瞬間逃げただろう? 其れだけでもお前の中では何かが変わったのさ。確実にな。
ヴィズ・フレアイデア 2021年6月6日
……。
意味のない事、か。
あたしにとっては意味のある事だよ。ええ、大いに意味をもつとも。例え生死に意味がなくとも、勝敗に意味がなくともね。
(ふわり、花が火の粉になって散った)
…ふ。まあ、お前と本気で戦うのはまたいつかの楽しみに取っておこう!
アディオス!
(ふうわり、日傘を差して屋上のフェンスを蹴る。中空をふわふわと、重さないもののように滑空して――夜に溶け込むように鮮やかな蒼は消えていった)
ロキ・バロックヒート 2021年6月12日
……。(厭味に、笑い声に、視線を逸らして無視して影の獣を撫でるも、己の造形物がなにか“カタチらしい”ことを返す訳でもない。八つ当たりのように掴んで力を籠めても、そう、意味がない)
(ただ)
――――、
(逃げただろう、と。その続く言葉に。初めてそれに気付いたような視線を向けた。やっぱりなにも言わないで居ようとして――首を振る)
そんなわけがないでしょ。
(変わったからなんだと云うのだ。――否、この魔女の言い分を認めるのが、厭なだけかもしれないが)
ロキ・バロックヒート 2021年6月12日
じゃあ、私に意味があるって思わせるような戦いをもっておいでよ。
それなら少しぐらいは面白そうだから。
…………。
……いや、違う。そうじゃなくて。
(その返答が、まるで再会しても良いと云ってるかのようだと気付いたのは、魔女が憎たらしいぐらい爽やかに去った後)
(本当に再会することになったのは、そう遠くない夜の出来事だ)
【〆】