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[RESERVE] こころ酔わすは

コノハ・ライゼ 2021年1月23日


或る日、宵の口、路地裏の一角

まばらだった客足も途絶え、今は馴染みの顔がいつものカウンター席にひとり
漫然と食事を口に運んでいたその男の「呑みたいなあ」の一言に
店主は暖簾を下げ入り口の灯りを落としたのだった


※約束の方と、一晩の




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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
(店内の照明も最低限に落とし、カウンターの中へ戻る。自分用にシンプルなロックグラスをひとつ。酒瓶が並ぶ棚からとっておきを取り出して)
ナニにする? 今日は特別、食事代に込みにしてあげるわ。
(だから好きなだけドウゾ。問いはしないが促すように、その笑みが含むのは優しさかただの好奇心か)
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
(ひぃふう、みくち程度残ったビーフシチュー。つけ合わせの人参をフォークで転がし)……ん、甘いやつがいいな。度数はなんでも……いや、やっぱ低いの。ひどいことになりたくないし。
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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
あら、酔いたいンじゃねぇの? (少し考えた後置いたワイングラスに、淡い蜂蜜色を注ぐ。ワインの中でも特に甘く薫る、貴腐を冠するもの)
(追加で蛸のマリネとチーズの盛り合わせを並べると、カウンターの内側から自分と其方のグラスを打ち合わせ鳴らした)ほら、ちまちまやらずに思い切った方が美味しいわよぉ。
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
だってさぁ、美味しかった物の記憶台無しにしたくないじゃん。こないだの宴会もひどかったし……(シチューの残りを平らげ、目の前の蜂蜜色を眺める)……まぁ確かに。楽しい飲み方したほうがいいよね(いい音を鳴らしたグラス。すん、と匂いを嗅いでひと口)かんぱーい。
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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
嬉しいコト言ってくれるネ。でもそう酷いモンでもなかったよぉ。(本人がどう思おうとこちらは相応に楽しんだのだ、ウソではない。カンパイ、と返せば自分は濃い琥珀を口へ含んだ)確かにね。でも素面じゃ吐き出せないコトを吐き出す為に飲んだって、別に悪かぁナイのよ。体さえ壊さなきゃネ。(美味しー、と小さく声を弾ませ)
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
おれの場合、お酒に逃げるのはよくない気がするぅ……甘いものドカ食いするのとどっちがましかって話だけど(とは言いつつ、)……あ、これ飲みやすい。甘くていいねぇ(ふす、と鼻腔から抜ける酒気)
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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
あは、スイーツヤケ食いもするンだぁ。発散方法が色々あってイイんじゃナイ? (からからと笑ってグラスを揺らす。甘いモノも食べる? ナンてデザートのショーケースを覗きに行って)でしょでしょ、下手なカクテルやお菓子より甘くて女の子ウケもイイのよ。チーズと合わせると蜂蜜みたいでオススメ。
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
んー…あとお風呂入るのもすき。熱いお湯にバスボムとか入浴剤入れるんだ。ぽんって(空いた左手首を軽くスナップさせ)あ、デザート食べたい。チーズもいいな(上体動かし、ケース越しの主人と目を合わす)
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
……女の子受けかぁ(そうしてワインをもうひと口)
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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
あ~、イイ香りのお風呂。アレは良い文化だね、花びらが浮くのとか大体のコは喜ぶし。(おっけー、と手を振って小さなデザート選ぶ。ケーキにプリン、ゼリー……)
(それらしく盛り合わせた皿をまたカウンターへお気に戻り、首を傾げた)おや。女の子ウケするのはおイヤ?
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
そうそう、かわいいんだよね。宇宙色っていうのもあるんだよ。ラメがきらきらしててさぁ。流石にちょっと気味悪くて、一回買ったきりだけど……お、(カフェセットに尻尾が揺れる)
んーん、かわいいのはすきだよぉ。そうじゃなくて、ねぇ(更にひと口)
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コノハ・ライゼ 2021年1月23日
……一回は買ったのネ。でもソレ使えそうだわ、後で買ったお店教えて頂戴。(付き合うようにグラスを傾けた。歯切れの悪さに、フォークを彼の目の前で揺らしながら)じゃあナンなの。
……はぁん、もしかして女性関係の悩み? んん? (にんまり、口の端を上げる)
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揺歌語・なびき 2021年1月23日
ふふ、おっけぇ。メッセでいー?(言葉の端が徐々にゆるんでいる)
んー……女性、ではない。いや、せーべつは女だけど。「おんなのこ」だから。うん。(とろとろ、グラスのフチを人差し指でなぞる)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
(おんなのこ、と反芻した口元が平坦になる。ああ、と察した声も感情も表には出さなかったが)ナルホド、ね。うん、ソレで。ナンかヘマでもしたの。(この人狼の語る相手には心当たりがあったし、知らぬ仲でもなかった。だからこそ声は穏やかに。橙色のチーズを一切れ食べてから、指が遊ぶグラスへワインを注ぎ足した)
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
んー……やらかしてはないよ。たぶん。いつもとおんなじ。ただねぇ、(プリンをスプーンでつつき)今日さぁ、おれ一人で夕飯食べに来てるじゃん。出かけてるんだよねぇおともだちと。

だぶるでーとだって。
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
……。へえ。(割と素で驚いた声だった。あの子が、ねぇ)まあ青春真っ最中なお年頃デショ? むしろ今まで無かったの、そーゆーの。(ぐいとグラスを煽って空にする。次は辛口のにしよう、と棚を漁り)ソレで寂しいってワケ。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
とくになかったかなぁ……あー、いや。どうかな、職場につれてくと人気あるんだ。だからおれが知らないだけかもしんない。かわいいから(プリンをもぐもぐ、やっぱり蜂蜜色もひと口)あ……まだ付き合ってないよぉ、オトモダチからってやつ。彼のことなんにも知らないからって。かわいいねぇ(とろとろ)
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
これがはじめてじゃないんだぁ、秋からだから。なんだっけ、そう。クリスマスすっぽかしたから、埋め合わせみたいなもん?って。
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
(肴に合いそうな銘柄を開けグラスへと。椅子を手繰り寄せ向かいに腰掛けると、カウンターに肘をつき覗きこんで)ホント、可愛いわね。謳歌してそうで何よりだわ。(真面目なあの子の顔を思い浮かべる。律儀なだけか、甘酸っぱい物語の序章かは知らないが)……ん、ソンだけでヤケ酒する気になったンじゃあナイでしょ。(ホラホラとガトーショコラを一口分、掬ってそちらへ差し出す。口を開けて、全部吐き出せと誘うように。ケーキの甘さじゃ埋め合わせにもならないだろうから)
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
(獣耳がへたりと動く)んんー……(あ、と開けた口。少しだけほろ苦い味がする)これちょっとにがくない?(咀嚼しながらも甘みを求め)
……かわいいんだよぉ。だからさぁ、おれがまもんなきゃいけないんだよぉ。でもさぁ、あのこはつよいこなんだ。でも、おんなのこだからさぁ(ずぶずぶ、)

おれは、おうじさまにはなれないからさぁ……。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
おおかみは、なんでもたべちゃうからさぁ。
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
甘過ぎないのがイイトコなの。(かつんと行儀悪くフォークでワイングラスを叩いた。甘さが欲しければ、さあ、と)そう、そうね。守るべきだわ、保護者だもの。(それは違え様のない事実で。でも其れとその先は、)ケド女の子だから守りたい訳じゃあナイでしょう。守るのは王子様だけじゃあナイでしょう。(宥めるように、もう一匙)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
(食べちゃうから。その行動は分かり過ぎるほど、分かる。けれど自分とは根本的な何かが違う、ソレに。返す言葉はなく、沈みゆく男の次の言葉を待った)
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
ホイップほしい……(ねだりながらも、素直にもうひと口)そうだよぉ、おれは保護者失格だもん。あいつだってぜったいそうおもってるもん……でもだから、うらぎっちゃだめなんだ……なかせちゃだめなんだ、でもあのこにはおひめさまでいてほしいんだ……ず。ぐす。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
ぐ、ず。おれじゃだめなのかなぁ、だめなんだよなぁ。うらぎりだよそんなの。めちゃくちゃにしちゃうもんなぁ。なかせちゃだめだもんなぁ(顔を突っ伏して、尻尾が垂れ下がる。無様な犬が居る)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
(尻尾と同様垂れたままの耳の横を撫でる。突っ伏すままにしておいて、そっと席を立った)あのねぇ、あんな強い女の子が保護者失格と思ってる大人の元に黙っているワケないデショ? それだけはネ、オレにだって分かるヨ。(埒外の身だ、いくらだって生きてく術はある。どこからか真白のクリームをタッパーに詰めて。スプーンで雑に黒茶色の上へ落とした)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
あの子が何に泣くかナンてオレには分かんないケド。笑顔のお姫様でいて欲しいなら、ソレがアンタの望みなら。そのようにすればイイ。幸せに出来るのは王子様だけじゃないんだから。……ただ勝手に結論出して、相手の声を聞く勇気がないなら……どんな未来でも、ずっとヤケ酒のお世話になるしかないわね。(慰める気が有るのか無いのか。言いたい事を言うこの狐は楽しんですらいそうだ。雪の様な白をたっぷり掬ったなら、意地悪く笑う)食わないなら、食っちゃうよ。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
……ず(身じろいだ拍子に、愛らしいデザートの皿が動く)……ちいさいままで、いてほしかったんだ。でも、ちゃんとおおきくなるから。そしたら、おれ、おうじさまどころか、いつかおにいさんの役もやらせてもらえなくなるから。それが、こわいんだ。(でも、)……おなかにいれてもいいよって、言われたいんだ。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
――それは、だめ。絶対、やだ。おれのだもん(ぼんやりと桜の眼がひかった)コノハにだって、くれてやらない。
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
そうネ、そうなるかも知れないしならないかも知れない。(続く告白に、何故か自分の指がぴくりと痙攣した。口が、喉が。その奥の腹の底が、ぎゅっと締め付けられる)……怖くても、そう言ってもらいたいのね。(その結果を、自分は身をもって知っている。けれど其れだって「そうなるかも知れないしならないかも知れない」のだ。遠くを見た瞳はすぐに現実へと帰った)(――そこで、朧に光る桜色と合った)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
……あら。言えるじゃナイ、はっきりと。奪うのも楽しいケド、友達の恨みを買う気はねぇヨ。
(そうして白雪を男の口元へ、)ま。怖くて泣きそうになったらいつでも付き合ったげるわ、ヤケ酒でもヤケスイーツでもネ。
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
なんだ――冗談か(す、と剣呑な彩が消えて、ホイップの乗ったガトーショコラに視線が落ちる)……ん、そうして(ひと口齧って、白を黒ごと飲み込んで、ついでにワインを一気に煽る)
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揺歌語・なびき 2021年1月24日
んん……言ってくれるかなぁ(とろりと桜がとけて)言ってほしい、なぁ(そう洩らしたきり、唸るようないびきを鳴らした)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
そうだねぇ、言って貰えなかったらそン時はフルコースで慰めてあげる。(宴会ネ、なんて意地悪もその耳に届いたかどうか。聞こえてきたいびきは大切なものを守る威嚇にも似て、思わず笑う。自分もまたグラスを空にしたなら、ブランケットを寝入るその背に掛け、静かに食器を片付けるのだった)
(寝込んだ体が傾いでカウンターからずり落ちそうになった頃を見計らい、声掛け起こそう)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
(――ああ、今夜も楽しい酒だった)
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コノハ・ライゼ 2021年1月24日
--〆--
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