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都祁・一六八 2021年1月17日


二千二十一年
一月十五日 天気 雪後晴

ミステリ。
小説の分類としてはそう古いものではない。
世界最古のものはここ二百年あまりの間に成立したと言われている。
小説でないものは、此処に置かれるような代物ではない。

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■本日のお品書き
 コーヒー    ¥300円
 紅茶      ¥300円
 ジュース   各¥150円
 日替わりサンド ¥370円
 週替わりデザート¥450円
 読書       無料

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都祁・一六八 2021年1月17日
此処で一番古いものか……お客さんが洋の東西、どっちが好きかによる。西ならエドガー・アラン・ポーのものが此処だと最古。ただ、訳本だ。東なら、江戸川乱歩のものがある。だけど、表現が古かったり、難解な物が多い。(取り出して来た一冊目は「モルグ街の殺人」、二冊目は「赤い部屋」)飲み物は何が良いですか、お客さん。
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小結・飛花 2021年1月18日
東と西。あたくしは幽世の住人でございます。遥か遠くの世の話は、目にした事もございません。(取り出された二冊のうち、片方は知らぬ題。もう片方は朧気に覚えている程度の内容でした。静謐さの中では、吐き出す吐息すらも響いて聞こえた)片方は知らぬ題。もう片方は内容すらも危うい一冊でございます。そちらさんのより好きな方を。飲み物。(漆黒の髪が流れた。飲み物は特に決めていない。お品書きと書かれた文字を横目でなぞる)お冷でも?
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都祁・一六八 2021年1月21日
幽世……カクリヨファンタズムか。お客さんも妖怪で?(声が少し硬くなる。妖異とかかわる仕事をすると、硬くなる事は避けられない。)(グラスに冷たい水を注ぎ、客の側に置いた。)どうぞ、お冷です。面白さを求めるなら俺は赤い部屋の方が好みです。モルグ街はミステリと最古の部類とはいえ、今読んでも新鮮味のあるトリックは無い。教養として読むなら良いかもしれないな。お客さん、普段からミステリよく読みますか。
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小結・飛花 2021年1月24日
(かたくなった声色のいとをかし。とっぷり水を注ぐ仕草すら、凝り固まってしまったように見えたけれど、からっぽの器から溢れること無くみたされていた)有り難う。(流暢に紡がれてゆく数々はあらすじだけならよく知る。伏し目がちの双眸で否と答えた)普段からミステリは読んでおりません。興が乗ったのです。それだけで御座います。ミステリ以外にも、そちらさんの好きなお話があるのでしたらそちらでも。
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都祁・一六八 2021年1月27日
興が乗った。お客さんにこういう事を聞くものでもないんですが、興が乗った訳を聞いてみたい所ですね。(お冷だけというのも味気ない。茶菓子も後から添えた。)まあ、ミステリ以外のお勧めといっても俺もあまり博識という訳でもないので。そうだな、お客さんの好きなモノにもよります。
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小結・飛花 2021年1月30日
構いません。あれはいつの事だったかしら。たまたま。本当に偶然、立ち寄った本屋で手にした物が、ミステリで、誰かのデビュー作だったのです。帯には期待の新人と書かれておりました。(いつの間にか水と共に、茶菓子が添えられていた。他愛の無い言葉を甘く浸す。言葉の合間に喉を潤し、そうしてもう一度茶菓子を含むのです)花が好きです。どのような花でも好きです。花の本はさすがに無いでしょう?
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