2の日【低速RP】
メルメッテ・アインクラング 2021年1月1日
ある冬の日の午後のこと。天気は曇り。
雪はないが、空は重たくどんよりとし、外は一段と冷え込んできている。
暦の上では新たな年を迎えた……という概念は、ある。しかしながら、特別だとは感じない。本日もまた、一日の始まりだ。
休憩所の室内で準備を一通り終えたメイドは、キーを叩き入力内容を送信。
同時に、黒板代わりに設置された複数のモニターにはこう表示された。
『●本日のおやつ
苺のショートケーキ』
解放的な空間に、数えるならば両手の指で足りる席。
静かな水の音が聴こえる中、メイドは今日も偶然の誰かを待っている。
1
メルメッテ・アインクラング 2021年1月3日
(大笑いする男性にきょとんとした後、微笑んで。)そうだったのですね。私の方こそ失礼致しました。そちらの紙はファイルごと持ち帰ってくださっても構いません、どうぞご自由に。
まあ。では、キリジ様の楽しみは破壊ではなく創作なのですね。しかも、絵を……絵を、描かれるのですか……?
(キリジさんは、他者と殆ど接した経験がなく絵どころか字も上手く書けないメルメッテにとって、初めてお会いしたアーティストだ。「わ……!」みるみる表情が輝き、声に明るさが増してくる。)
あの、背丈よりも大きな壁に? 描きたいと思ったものを、心の赴くままに……?
あ、かっ、かしこまりました! では加糖ソーダと、おやつをお持ち致しますね。少々お待ちくださいませ!
(絵に関するお話をもっとお聞きしたいと気が逸っていたが、慌ただしくキッチンへと駆けて行き、注文の用意を始めた。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月3日
武器の手入れ以外は描くか…寝るかになっちまうからやっぱ『楽しみ』になっちまうのかなァ……
創作って言うほど高尚な趣味じゃねぇけど、そんなに驚く事か?
(あまり指摘されたこともないので改めて『楽しみ』などと言われると少し照れ臭いようだ)
(メルメッテがキッチンに向かっている間手持ち無沙汰になったのか、受け取ったファイルから紙を取り出し、青い鉛筆でまっすぐな線を何本も引き出した。濃淡だけで絵としての輪郭を作っている)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月4日
はい。少なくとも、私にとっては。
この世界で生まれ育った私が今までに見た、描かずにはいられない・創らずにはいられない……そうして生み出されたであろう”芸術”と呼ばれる全ては、過去の画像や映像のみ。完成までの過程はおろか、本物を見聞きし触れた経験さえ、ただの一度もございません。ですので……。申し訳ありません、少々弾んでしまって……。
(苦笑しながら、ふわふわのショートケーキを皿に一切れ載せ、フォークを添えて完成。続いてソーダの準備に取り掛かる。)
(キリジさんが紙に何かを書いていることに気付いたが、何を書いているかまでは、ここからは見えない。情報を整理しているのでしょうか?)
キリジ・グッドウィン 2021年1月5日
慣れねェ、ってだけで悪くは思ってねぇ。
逆にメルメッテはこれから何でも詰め込めるし塗れるし描けるしいいんじゃねぇか?良いと思ったもの赴くままに摂取出来らぁ。その自由が無い訳でもなさそうだし?
(少なくともここに入るまでのセキュリティの類は、メルメッテを外に出せない様な仕掛けにはなっていなかったように思う。キリジなりに一応言葉は選んでいる様子)
(線、線、線、線。キッチンに声をかけている割には集中して絵を書いている。4つの足がある動物のようだ)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月5日
(キリジさんの言葉で、はっとした表情になり)……はい! そうですね。経験する機会がなかったのなら、これから作れば良いのでございます。気付かせていただき、ありがとうございます。
(キリジ様は「味覚が鈍い」。それなら、何か代わりに楽しめるような……視覚、嗅覚。色と香りはいかがでございましょう?
棚に並んだ瓶類に指をツーっと滑らせ、青林檎のシロップで止め、手に取った。氷を入れたグラスに通常の分量よりも多めに注いで、ソーダで割る。マドラーでしっかりかき混ぜたら、氷の上にシロップ漬けのチェリーをちょん、と載せて出来上がり。コースターと個包装のストローも添えた。後は運ぶだけだ。)
――お待たせ致しました。加糖ソーダと、苺のショートケーキでございます。どうぞごゆっくり。
(真っ赤なチェリーが載った、透き通った鮮烈なライトグリーンのソーダを、ケーキと一緒にお出しした。林檎の香りが泡と共に弾けている。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月5日
外には他人様的に見たくねェような物も転がってるけど、アンタもまぁその辺の取捨はハッキリしてそうだしな
(運ばれてきた加糖ソーダを、瞬きがシャッターのように感じられる程見つめた後1/3程飲みこむ。炭酸の刺激、少しだけ鼻に刺すような青林檎の香りを堪能する。)
へぇ…サンキュー。中々いいじゃねェか
だけど残念、色は揃いにはならなかったなァ
(そう言うと受け取ったばかりの座標が書かれた紙をグラスに寄せる。そこに描かれていたのは青い線のみで描かれた猫だ。それにグリーンアップルの光が透けて当たり、猫の瞳を爛々に輝かせている。
ケーキに文字通り手を伸ばしながらメルメッテに軽く目配せをし、見て良いのだと合図する)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月6日
光栄でございます。「揃い」? 一体、どのような……あっ、ああっ!!
(なんて活き活きとしたネコでしょう! 絵が描かれた紙を両手で受け取る。近付けたり遠ざけたり、掲げたり。「わっ、わ、わ……!」感嘆の声を小さく上げ、様々な角度から観賞している。)
絵を、描かれていたのですね。この短時間で、一色のみで、ここまで……!?
(先程描かれたばかりの線に指でそっと触れ、心を決めて、大きく頷く。不躾だろうか、それでも自ら動かなくては。そうだ、機会は作るもの!)
あ、あの! キリジ様! お願いが、あるのですが。
壁はこちらの座標に幾つかございます。そのうちの一つに絵を描かれるとき、私も共に参って、見学させていただくことはできませんか? キリジ様の後ろで拝見させていただくだけでお邪魔は致しませんし、私に一切のお構いは要りません。どうか……!
(最後の方の声は震えていただろう。両目をギュッと瞑って頭を下げた。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月6日
オイオイ急にテンション上がったなァ?!頭下げる程の事じゃねェ
別に見に来るのは構わねぇ。ただアンタみたいに手厚くもてなす事は出来ねぇぞ?
(ケーキとソーダ水を指してニヤッと笑う)
そこそこの期間で描くから好きな時に見に来ていい。ただ割と見たままを描いたコレとはまた違うっつーか……まぁいいか。
(メルメッテの両手から溢れるような感情の発露に少しだけ面食らったが、初めて顔を見た時と大分印象も変わりこういった交流も悪くはないな、と思う。
汚れるのを厭わず手掴みでショートケーキを掴み、頬張る。スポンジとクリームの区別はあまりつかなかったが苺の酸味は十分に伝わってくる。)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月7日
(「構わない」。ということは……! バッと頭を上げて顔を綻ばせ)ありがとうございます、キリジ様!
(「もてなせない」。しかし、それが何だと言うのか。元より描画の邪魔はしたくないのだ。にっこり頷き)ええ、問題ありません。キリジ様は制作に集中していてくださいませ。
「また違う」? では、見学させていただく際のお楽しみに致しますね。
(手掴みで食べる姿にも全く動じない。服のポケットからウェットティッシュの袋を取り出し「よろしければお使いください。」と袋ごと机に置いた。その後、ふと思い至り――)
少々お待ちくださいませ。(再びパソコン前へ駆けて行き、はがきサイズの紙を印刷して戻ってきた。)こちらをどうぞ。私のクロムキャバリア『Hanon-60』の識別コードでございます。私は恐らくキャバリアで向かうこととなりますので、念の為に。お手を止めさせてしまったら申し訳ありませんので……。
キリジ・グッドウィン 2021年1月7日
ん。(途中まで手に着いたクリームを舐めとっていたが、メルメッテの厚意にバツが悪そうに手を拭きはじめる。普段は差し出されても従うことは少ないのにも関わらず)
装甲車でも積んで迎えに来いって事になるかと思ったらキャバリア乗るのか……まぁそうか。比較的安全とはいえこんな所で休憩所なんざやってるんだしなァ。
(メルメッテからカードを受け取り、このフォーマットかと思い至る。そして先程猫を描いた紙にさらさらさらと印刷されたかのように新しいモノを描き足す。まるで手動のプリンタのようだ)
じゃあこれ、こっちのキャバリアの識別コードな。アンタに貰った座標は記憶したし、この紙はそのまま持っとけ。なんか突っ返すようで悪ィけどな。
やってる事は結構地味だし泊まりもザラだから飽きたら一人でも帰れるようにしときな
メルメッテ・アインクラング 2021年1月7日
(装甲車、の話を聞いてクスッと笑い)いえ、そんな。キリジ様のお手を煩わせるわけには参りません。
はい、一応ではございますが。紺色の重装甲に黒の単眼の機体が見えましたら、私が乗っているとお思いください。
(紙を両手で受け取り識別コードを確認。ああ、この字も手で書かれたものなのだ、と感動しつつ)感謝致します。登録させていただきますね。……あの、本当に「絵」ごと、よろしいのですか?(勿論いただけたら嬉しいのですが……という気持ちを隠し切れない、そわそわした様子で。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月8日
いらねぇならそのまま持って帰ってもいいんだぜェ?
そうすると、どうやって俺の『シャルル』を認証すんのかわかんねぇなァ……どうやって見に来るんだろうなァ?!
遠慮しすぎんのも勿体ねぇだろ。オレなんざこの流れに乗じて食い逃げしようとしてんのに。
(つつつ……とメルメッテに渡した紙に指を伸ばす。人が人らしく感情に揺れ動く様は好きなので大層楽しそうだ。)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月8日
あっ、あっ、ああー……!(紙に指が伸びてくるにつれ、見て分かるほど焦りがじわじわ大きくなる。思わず勢いよく紙を引っ込め、自分の方にしっかりと寄せた。)要ります! いただかせていただきます!
いえ。【メニュー】の下部、モニターに表示しております通り「お代はいただいておりません。」ので、ご安心くださいませ。
「遠慮し過ぎは勿体ない。」……仰る通りでございます。折角の機会を失うところでございました。肝に銘じさせていただきます。(自分自身に言い聞かせるように。キリジさんの言葉をとても真面目に受け取った。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月9日
(メルメッテの必死な姿が何かの小動物のようにも見え、楽しくなり思わず破顔する。)
ハハハハッ、そんなに大したモノじゃねぇけど遠慮なく貰っとけ。
アンタのもてなし、無料じゃ勿体ねえからその紙がお代がわりって事で。
んじゃそろそろ出るわ。ぼちぼち陽が暮れる前に教えてもらったトコも下見してぇしな。
メルメッテ・アインクラング 2021年1月9日
(取り乱してしまったことを恥じ入り、もぞもぞと落ち着かなさそうにしていたが、お帰りの雰囲気を察知し気持ちを切り替えて一礼する。)かしこまりました。では、お出口までお見送りさせていただきますね。
そうでした。当休憩所の情報は、他の方には内密にお願いできますか? その……方針なのでございます。外に表立って看板を出していないのも、その一環でございまして……。(最後に、非常に言いにくそうに切り出した。ご協力、いただけますでしょうか。)
キリジ・グッドウィン 2021年1月9日
(大きく伸びをして椅子から立ち上がり首を鳴らす。出口へ向かうときっちり後ろからメルメッテが着いてくるのでメイドってのは丁寧だなと驚く)
んー、久々に背もたれに凭れ掛かった感じするわ。
あーあー、なるほど?別に話すような相手もいねェから安心しろ。口はそこそこ堅い方でな、爪全部剥がされても喋らねぇ自信がある。
(それに下手な奴がここに来てもこのセキュリティじゃ通れねェだろうしなあ……とここに来るまでにいくつか見かけた注意深いあれそれを思い返す)
そんじゃ準備出来たら通信を入れるから、それ待っとけ。
メルメッテ・アインクラング 2021年1月10日
よろしければ、またいらしてください。お飲み物とおやつと、お寛ぎの場しかご用意できませんが。
ありがとうございます。まあ……(例示のハードさに目を丸くしたが、すぐに元の調子で微笑み)ふふ、ええ。私も、例えこの先、破壊を楽しみとされる方がいらっしゃったとしても、該当する壁の座標は公表致しません。――その場合は、別な場所をお教えしませんと。(廃墟の心当たりなら他にもあるといった様子。)
かしこまりました。お待ちしておりますね。(お出迎えしたときと同じように。改めてキリジさんを軽く見上げるようにして目を合わせ、恭しくお辞儀をした。)
――いってらっしゃいませ、キリジ様。どうぞお気を付けて。
キリジ・グッドウィン 2021年1月10日
休憩ってのもたまには良いな。今度は歯ごたえのあるヤツ頼むわ。
(ギザ歯を見せカチカチと軽く歯を鳴らしニッと笑ってみせ、店の外へ足を踏み出す。
後ろ手で右手をひらひらと振りメルメッテに別れを告げる)
じゃあなァ、メルメっち。
(本来ならば廃墟になっている壁なんてしらみつぶしに探していけば描ける場所はいくらでも出てくる。キリジにとってこれは寄り道でもあったが、たまにはいいものだ。と満足げに「休憩所」を後にするのだった)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月10日
(まあ、あだ名までいただいてしまいました。何となく、くすぐったいような嬉しさを感じる。にこりと笑って、キリジさんの背中を見送った……。)
(てきぱきと洗い物やテーブルの片付けを終え、再び先程の紙へ。コードの登録をささっと完了し丁寧にファイルに入れ、1の日の後に購入した大事な物を仕舞うケースを開ける。描かれた猫に対して小さく「また後で。」と呟き、蓋を閉めた。ぱたん。)
――さて。(次のお客様に備えましょう。いらっしゃるかは、分かりませんが。)
エミリア・ジェフティー 2021年1月11日
(カツ、カツン。なんだかちょっぴりせわしない足音が廊下に響きます。最初は警戒気味に施設を進んでいた少女ですが、身の危険に晒されるような事は何もなく。今ではすっかり興味の方が勝っているようです)
へえぇ……なんなんでしょう、この施設。
(無遠慮に壁を観察したりしながら廊下を進めば、突き当りにはガラスのドア。もちろん、少女はガラス越しに中の様子を窺います)
……喫茶店?
(なんて、ガラスの向こうに広がる光景に少女は小首を傾げました。荒野のど真ん中に、こんな場所が? 少女はドアを開いて、中へ足を踏み入れました)
ごめんくーださいっ。
どなたかいらっしゃいますかー?
メルメッテ・アインクラング 2021年1月11日
!! ええ、只今参ります。(いそいそと少女のお出迎えへ。同い年ほど、でしょうか。背筋を伸ばして礼儀正しくお辞儀をし――)いらっしゃいませ。ようこそ、当休憩所へ辿り着いてくださいました。よろしければお好きなお席にお掛けになって、一休みして行かれませんか?
【メニュー】はモニターに表示されております。ご注文が決まりましたら、私、メルメッテ・アインクラングにお申し付けくださいませ。(いつものように自己紹介。次いで、ふわりと微笑んだ。)
エミリア・ジェフティー 2021年1月12日
わっ、ホントにいらっしゃった。
(応答を返していそいそとこちらへやって来たのは、同い年くらいの女の子。荒野の真ん中にお店のような場所があっただけでも驚きなのに、そこへ可愛らしいメイドさんが現れたのですから、少女は思わずぽかんとしました)
休憩所……えっ、じゃあ本当に喫茶店みたいな感じの場所なんですか、ここ?
(おまけに休憩所ときたものですから、少女の困惑も最高潮。ですが、その困惑もすぐに好奇心へと変わっていきます)
エミリア・ジェフティー 2021年1月12日
へえぇ……こんな荒野の真ん中で休憩所だなんて。
面白いことしてますね、あなた!
(ふわりと笑顔を浮かべたその女の子に、ずずいっと近寄って、まじまじとその顔を見つめて……)
エミリア・ジェフティー 2021年1月12日
(僅かな一瞬、少女の顔つきが真剣になります。その視線は顔というより、瞳のずっと奥を見据えているようで……)
エミリア・ジェフティー 2021年1月12日
…………それに可愛い!
(不意に、少女は表情を綻ばせて)
メルメッテちゃんっていうんですね! やー、こんなに可愛い子にお誘いされたら、一休みしていくしかないですねっ。
(なんて、悪戯っぽく笑いながら近くのテーブル席につくのでした)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月13日
はい、おりますよ。お代はいただいておりませんのでお店ではありませんが、休憩所としてお飲み物とおやつと提供しております。
(近付いてきた少女と見つめ合い……目をぱちくりとさせて)「可愛い」ですか? 私が?(容姿に関するお褒めを頂戴するなんて。育ててくださっている主様のおかげですね。)光栄にございます。
お客様は、お美しい方でございますね。緑、青。息づく世界の色を映し、外の風と共にこの場所へと運んでくださったかのようです。(少女の姿を見て感じた本心をすらりと口にし、柔らかく微笑む。)お客様は本日、どちらからいらしてくださったのですか?
ありがとうございます。ご注文がお決まりでしたら、いつでもお声掛けくださいね。
エミリア・ジェフティー 2021年1月14日
(ふん、ふ〜ん。鼻歌まじりにモニターのメニューを眺めながら、メルメッテちゃんの言葉に耳を傾けて)
わ、ホントですか?
へへ、美しいなんて言われたの初めてかもしれません!
もう、口が上手なんですから〜!
(きゃっきゃとはしゃいでみせる少女。ですが、どこから来たのかというメルメッテちゃんの問いには、)
エミリア・ジェフティー 2021年1月14日
ふふ、さぁてどこから来たと思います?
当てたらリゾートにご招待しますよ。
(顔の前に人差し指を立て、どこまで本気かわからない不敵な笑みを浮かべて、そんな言葉を返すのでした)
(かと思えば、すぐに少女はご機嫌そうな表情に変わって)
それにしても、このメニューに載ってるの全部お代不要……なんです?
随分と太っ腹なことしますねー。
(そんな事を言いながらメニューに迷うそぶりを見せますが、その実、頼みたいものはもう決まっています)
それじゃあ……アイスの紅茶で。
ミルクティーに出来ます? ミルクたっぷりの!
それと、今日のおやつっていうのもお願いしちゃいます!
メルメッテ・アインクラング 2021年1月14日
ふふ、どちらからなのでしょう。世界は広いですものね。(根掘り葉掘り聞くのは失礼に当たると判断し、それ以上の追及はせず。)まあ、「リゾート」? そのような施設も、どこかに存在しているのでしょうか。
あ……大変申し訳ございません、「牛乳」を使ったお飲み物は当休憩所ではお出ししておらず……。ですが、少々お待ちください。(キッチンへと駆けて行き、冷蔵庫を開けて中を確認。うん、と頷いて)個人用で恐縮ではございますが牛乳のストックがありましたので、そちらを使用してお作り致します。只今はお客様以外の方がいらっしゃいませんので、特別に裏メニューということで。
はい、おやつもですね。承りました。早速取り掛からせていただきます。
(片手鍋に分量の水を入れて加熱。沸騰したらサッと紅茶葉を入れ、牛乳を注ぎ、電磁調理器の温度を調節して木べらでかき混ぜ始めた。美味しくなりますように。しっかりゆっくり、丁寧に。)
エミリア・ジェフティー 2021年1月16日
広いしちょっと目を離した隙に国の名前が変わってたりするし、せわしない世界ですよねぇ、ここ
(察しが良くて助かります、なんてメルメッテちゃんの反応を見て思い)
ふっふ。存在してるんですよ、そんな施設も。
広ーい温泉に入ったり、綺麗な景色を眺めたり、色んな行楽も出来たりするそうで。
一度行ってみるべきですよ!
(UDCアースで見た旅行雑誌に載せられていたリゾート地の光景を思い浮かべながら、少女はそう言いました。行ってみるべき。それはメルメッテちゃんだけでなく、自分自身に対しても言った言葉だったのかもしれません)
エミリア・ジェフティー 2021年1月16日
あ、無いんですね。それなら――
(それならストレートでいいかなぁ、なんて言おうとしましたが)
――わ、わ。いいんですか? そんなに良くしてもらって。
(ちょっと待ってと言うメルメッテちゃんに小首を傾げていたら、なんと特別に作ってくれると。割と自分本位な所がある少女ですが、この申し出にはさすがにちょっと恐縮しちゃいます)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月17日
温泉、行楽……(その中でも、特に目が輝いたのは。)綺麗な景色! 素敵でございますね。お客様はそういった場所で、どこか良い所をご存知ですか?
問題はありません、どうかお気になさらず。
牛乳を使った品の殆どは他のお飲み物以上に丁寧にお作りしないと御味が落ちてしまうので、メニューへの追加は断念せざるを得なかった、という経緯がありまして。現在は合計で10席ご用意しておりますが、厨房もホールも私一人でございますので……。
折角いらしてくださったお客様には美味しいものをお出しさせて頂きたいものですから。腕が鳴ります、とびきり美味しく致しますね。
(この場に少女以外にもお客様が居たならその時はきちんとお断りしただろうが、今は他に誰もいないから大丈夫。ミルクティーをかき混ぜる手は動かしたまま、少女を安心させるように微笑みを返した。)
エミリア・ジェフティー 2021年1月19日
(興味深げに弾むメルメッテちゃんの声。それがとても微笑ましくて、思わず少女の頬が緩みます)
そうでしょうそうでしょう!
こんなドンパチが日常茶飯事な場所では見れない、素敵な光景!
ええ、もちろん心当たりはありますよ!
まあ、それはとっても遠い場所なんですけどねー。
(得意げに少女は胸を張り、そしてキッチンに立つメルメッテちゃんへと言葉を続けます)
……メルメッテちゃん。あなた、異世界って信じます?
(このクロムキャバリアにおいて、猟兵や異世界という存在は全ての人に等しく認知されているわけではありません。メルメッテちゃんはどうなのでしょう。果たして自分たちのような存在を知っているのか。はたまた、自分たちと同じような存在なのか。興味深そうに少女は尋ねました)
エミリア・ジェフティー 2021年1月19日
えへへ、じゃあ今回はお言葉に甘えちゃいます!
期待させてもらっちゃいますね!
(返ってきた微笑みに、少女は安心したように肩の力を抜きます)
なぁるほど、お客さんの為のこだわりってわけですね。
一人で切り盛りするとなると、大変ですものねぇ……
(なんて言いながら、少女は辺りを見渡します。なかなかの広さのホールですし、メルメッテちゃんの言う通り、席が全て埋まるほどの人が来ればきっとてんてこ舞いになってしまう事でしょう)
(と、そこで少女はふと違和感に気付きました)
……"一人"?
(思えば、施設に入ってこのホールに到着するまで、人の気配のようなものを感じませんでした。一人というのは、もしかして)
……もしかして、この施設全体を一人で面倒見てるんですか?
メルメッテ・アインクラング 2021年1月20日
遠い場所……「異世界」? そうですね、「信じる」と申しますよりも、存じております。実はこれまでにもほんの僅かですが赴いたことがございまして。その時初めて、自らが猟兵と呼ばれる存在なのだと知りました。(改めて、自分と同い年ほどであろう少女を見つめ直し)あの。ひょっとして、お客様も……なのですか?
はい。『無理はしないように』と申しつけられておりますので。
「一人」? ええ。主様のご命令により私一人で当施設の管理を行っております。
その傍らではありますが、休憩所を開きたいという私の我儘を、主様より幾つかの条件付きでお許しをいただき現在に至ります。(主のメイドである自分にとっては命令の順守が日常だ。一人で働く毎日にも疑問はない。何か不思議な所があったかな?と思い、小首を傾げた。)
(手応えを感じて鍋の加熱を止め、頷き)そろそろ完成です。お持ち致しますので、少々お待ちくださいね。
メルメッテ・アインクラング 2021年1月20日
(氷をたっぷり入れたグラスに、同じく氷を入れた茶こしを通して最後の一滴まで注いで急冷。マドラーで軽くかき混ぜてしっかり冷やし、滑らかで深いアイスミルクティーの完成だ。ストローとコースターも忘れずに。)
(ふわふわのショートケーキをお皿に一切れ載せ、フォークを添えて出来上がり。先程の飲み物とセットにして少女へとお出しする。)お待たせ致しました。アイスミルクティーと、本日のおやつでございます。シロップが必要な場合はお席に個包装の物をご用意しておりますので、そちらをお使いくださいませ。どうぞごゆっくり。
エミリア・ジェフティー 2021年1月22日
(メルメッテちゃんの回答に少女は瞳を輝かせます)
おおっ、それなら話が早いですね!
そう、何を隠そう私も猟兵でして。今言ったリゾート地っていうのも、別の世界にある施設なんですよ!
いやービックリしてワクワクしちゃいますよね、こんなフィクションみたいな事が実際に起こるなんて!
(なんて、ちょっぴり興奮気味に少女はまくし立てて。それから、妙案を思いついたような表情をします。漫画だったら、頭の上に電球が浮かんでいる事でしょう)
あ、猟兵同士こうして会ったのも何かの縁ですし、時間が合えば一緒に行ってみません? そのリゾート地!
エミリア・ジェフティー 2021年1月22日
(そしてメルメッテちゃんの次の言葉を聞いて、少女は驚きの表情を浮かべました)
ひえぇ、こんなにおっきな施設を一人でですか!?
その主様って人、なかなか無茶な事を申し付けますねぇ……
(ほへぇ、と呆けた様子でメルメッテちゃんの方を見つめます。そもそもここが何の施設かすら分かってませんが、この休憩所も含めて一人で面倒を見てるとなると、結構な負担になるのではないでしょうか。ほわほわして儚げな女の子ですが、このメルメッテちゃんという子、意外とバイタリティ溢れる人物なのかもしれません)
へぇ、お願いして……じゃあこの休憩所の運営は、メルメッテちゃんの趣味ってわけですね。
メニューや、この内装も。
(言いながら、少女はこの休憩所内をぐるりと見渡しました。ゆったりとした空間に、硝子から透き通る光。そして先ほどから耳に自然と溶け込んでくるのは、室内に作られた噴水から流れ落ちる水の音。感心したように少女は息を零します)
エミリア・ジェフティー 2021年1月22日
(そうこうしているうちにアイスティーが完成したようです)
わぁお、本格的な感じのアイスミルクティーじゃないですかー!
それに美味しそうなケーキ!
へへ、これは期待が高まるってものですよ!
(テーブルへ差し出されたそれと、そしてふわっふわのショートケーキ! 胸の前でぽんっと手を合わせた少女の瞳は、キラキラと輝いていました)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月23日
(少女の輝いた表情に釣られて顔を綻ばせ)自信作でございます。お口に合えば幸いです。
まあ、私と同じ「猟兵」だったのですね。
リゾートに、私と? お会いしたばかりですのに、よろしいのですか……?(突然のお誘いに驚いたものの、その顔がみるみるぱあっと輝き出す。)はい。近頃、段々と日々のお仕事に慣れ休日を作れるようにもなりまして。日帰りでしたら主様に伺いを立てなくとも問題ありませんので、お客様さえよろしければぜひご一緒させていただきたく存じます。(お休みの日に一緒に遊びに出掛けるなんて――まるで、概念として知る「友達」のようだ。お話している声も一段と明るくなる。)
お客様……そうでした、お名前をお聞きしても?
メルメッテ・アインクラング 2021年1月23日
ふふ。けれども苦ではないのでございます。主様のメイドとして与えられたお仕事ですもの。(と、少し誇らしげに。)
そうですね。メニューも、この一室も、休憩所としては丁度良いのではないかと考え選ばせていただきました。
この世界は人型兵器キャバリアに乗られる方が殆どで、通常のコックピット内はお世辞にも広いとは申せません。ですので、せめてここではゆったりと、落ち着いてお茶をし、お寛ぎいただきたくて。(広い室内を見渡し、高い天井を見上げ、再び少女に穏やかな視線を戻す。)
ええ。趣味のようなもので、辿り着いてくださった方にお喜びいただけると私も嬉しいのです。『宣伝はしないよう・させないよう』と主様にきつく命じられておりますので、当休憩所の情報の一切は私とお客様の、ここだけの秘密とさせていただきたいのですが
……。(「ご協力願えますか?」申し訳なさそうに、少女の顔を覗き込んだ。)
エミリア・ジェフティー 2021年1月25日
(いただきます、とまずはアイスミルクティーを堪能。まろやかな舌触りに紅茶ならではの深みが喉を駆け抜けます)
わ……すごい、ちょっとお高めのお店で出てきてもおかしくないですよ、これ!
(舌に粘りつく感じもなくて、すっきりとした後味に少女はご満悦です。続いてフォークを手に取り、一口大にしたケーキを口へ運んで)
……ん〜〜〜!! このケーキも!
美味しいし、舌の上で溶けちゃいそう!
(クリームだけでなくスポンジもふわっふわ。満足そうに少女は舌鼓を打ちます)
エミリア・ジェフティー 2021年1月25日
(さて、そんな風におやつに夢中になっている少女ですが、メルメッテちゃんの問いかけはもちろん聞き逃しません。一度フォークを置いて)
もっちろん良いですよ!
一人で行くのもなんだか寂しいな〜って、ちょうど思ってたところでしたし。
それに会ったばかりだからこそ親睦を深めるんですっ。
(なんて、人懐っこい笑みを浮かべるのでした)
っと、そういえばまだ名乗ってませんでしたね。
私、エミリア・ジェフティーっていいます。どうぞよろしくお願いしますね!
エミリア・ジェフティー 2021年1月25日
ほほーう。親愛なる主さまのためならば、ってやつですねっ。
やーん健気じゃないですか!
それにそんな理由で休憩所を開いてるなんて……
こんな一生懸命なメイドさんに慕われてるなんて、その主様は幸せものですねっ。
(この群雄割拠の世界には似つかわしくないくらいに優しい心の持ち主のようです。胸の内が暖かくなると同時、その優しさが少し心配にもなります)
ふふ。そんな優しいメルメッテちゃんの頼みなら、聞くのもやぶさかではないですっ。
いいでしょう、ここは二人の秘密って事で!
(そう言うと少女は人差し指を立てて、茶目っ気たっぷりにウインクをするのでした)
メルメッテ・アインクラング 2021年1月26日
(美味しそうに頬張る少女の姿にほっとして、おやつタイムを和やかに見守っている。喜ばしい限りです。ほのぼの。)
エミリア様ですね。こちらこそよろしくお願い致します。
お出かけを心置きなく楽しめるよう十分な遊興費を貯めませんと。(そう独りごちて、矢庭に意気込む。)エミリア様、お休みの日が決まり次第ご連絡を差し上げたいのですが……連絡先は、お聞きしても問題ないでしょうか?
ふふ。私には主様のお考えを推し量ることは敵いませんが、メイドとして少しでもお役に立てていたら幸いですね。(自らの胸に手を当て、小さく頷いた。)
ご協力、ありがとうございます。(エミリアさんの真似をし、人差し指を立てて自分の唇に当てる。”秘密”を意識した囁くような声で)ふふ、「しーっ」……でございますね。
エミリア・ジェフティー 2021年1月30日
(荒野の真ん中で得られた、貴重な憩いのひと時。一口一口、ケーキと一緒にしっかりと少女は味わいます)
ふっふー、もちろん良いですよ!
お休みのご予定だけじゃなくて、プライベートなお話とかも遠慮せずどうぞ!
(端末を取り出して何度か画面をタッチ。内蔵された小型プリンタから情報が印刷された紙が吐き出されて)
はい、これが私の連絡先です!
……といっても、それなりに色んな場所を飛び回ってますから、リアルタイムで連絡つくわけではないですけども。
なるべく早く応答できるように努力しますね!
(切り取ったその紙を、メルメッテちゃんに手渡しします)
エミリア・ジェフティー 2021年1月30日
そうそう、「しーっ」ってやつです。
こんなに素敵な場所を秘密にしておくっていうのも、ちょっと勿体ない気もしますが……
ふふ、けど隠れた名店的な魅力っていうのも、なかなか乙な物かもしれませんね。
(そういう少女の表情は。それはそれは楽しそうで。宝物を見つけた子供というのは、こんな表情をするのかもしれませんね)
(さて、楽しい時間というのは過ぎ去るのも早いものです。美味しい美味しいアイスミルクティーもケーキも、あっという間になくなってしまいました)
はー……ごちそうさまでした! ホント美味しかったです!
メルメッテ・アインクラング 2021年1月30日
よろしいのですか? ありがとうございます。では、私からも。(パソコンのあるスペースへ行き、キーをタタッと入力。はがきサイズの紙を印刷して戻り、エミリアさんがくれた紙と交換するように手渡した。)こちらが当施設の連絡先でございます。どうぞお持ちくださいませ。
まあ、かしこまりました。ふふ。お心遣い、感謝致します。
(「ごちそうさまでした」と「美味しかったです」。声に出してくれたその言葉が有り難くて。エミリアさんへ向け、お辞儀をする。)
私の方こそお出かけの機会までいただきまして、ありがとうございました。遠出など私一人では考えたこともありませんでした。
よろしければ、またいつでも休憩にいらしてくださいね、エミリア様。
エミリア・ジェフティー 2021年2月1日
っへへ、ありがとうございまーす!
良いですよねー、連絡先交換。なんかこう、お互いに親しみが増したような、そんな気持ちになれません?
(入れ替わりに受け取った紙を見つめて。それからポケットにしまい、少女は嬉しそうににっこりです)
ふっふー、そんなこと言ったら本当に遠慮無しですよ?
お仕事で嫌な事があった時とか、あまーいお菓子と美味しい飲み物で癒されに来ちゃいますからね!
(冗談めかして言いながら、少女は席を立ちます。言い方こそ冗談っぽいですが、きっと彼女は本当にまたここへ軽々しくやって来ることでしょう)
色々とおもてなし、ありがとうございました!
こちらこそ、一緒にお出かけできる日を楽しみにしていますからね!
(そう言って、少女は休憩所を後にするのでした。ドアに手を掛ける前に振り返ってメルメッテちゃんにぶんぶんと元気良く手を振ったのは、きっと名残惜しさの現れだったのでしょう)
メルメッテ・アインクラング 2021年2月1日
(交換した紙を両手で大切に持ち、エミリアさんと目を合わせ)ええ、本当に。繋がり、或いは、結びつき……それらの言葉に込められた感覚が、何となく分かります。
勿論でございます、どうぞお好きなときに。私はいつでも、ここでお待ちしておりますので。
ふふ。私も同じ気持ちです。またお会い致しましょう。
それでは――いってらっしゃいませ、エミリア様。どうぞお気をつけて。(背筋を伸ばし、恭しく一礼。顔を上げると、こちらへ手を振ってくれているエミリアさんの姿が目に入った。)
(メイドとしては不作法だろうか。けれども、どうしても返したくて。ためらいがちに小さく片手を振って、はにかんだ。)
【PLより】
月が替わりましたので、2の日はここで終了とさせていただきます。ありがとうございました。