ground cherry
片羽・サラ 2020年12月31日
気まぐれを起こして降り立ったダークセイヴァー。
人々が嘆き苦しむ闇の世界。
「大丈夫?」
苦しそうにしゃがみこむ一人の青年を助け起こした。
「………ぁ」
彼は縋るような目をした…ように映ったが、感じたような気がする。
その奥の、計算し尽くされた目。
抱き寄せられると、首筋に牙を立てられ、思わず突き飛ばした。
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片羽・サラ 2020年12月31日
………吸血鬼、じゃないよね。ダンピールさんかな?
霧島・ニュイ 2020年12月31日
……そうだね。ダンピールだよ。凄く甘くて美味しそうな匂いがしたものだから。
ダメだね、最近抑えが効かないや。飢えてるのかな……
(口元を抑えて一歩後ずさり)
片羽・サラ 2020年12月31日
………。
(目の前の青年を観察する。
穏やかに振舞っているが、その目が物語る。純朴だが裏腹に計算高いタイプと見る。
まだきっと血を諦めていない。けれど…)
お兄さん、カクリヨで見たことあるよ。猟兵?
(前に身内で集まった忘年会でちらっと見た影。
それよりも気になるのは…彼から感じる獣にも似た、血の匂いだった)
霧島・ニュイ 2020年12月31日
(その問いにビクッと身を震わせ)
当たり。ごめん、黙っておいてくれないかな。
猟兵が飢えて血を求めてるなんてバレたら面倒で…。お願い…
(手を合わせて頼み込む様子は、捨てられた仔犬のようで)
片羽・サラ 2020年12月31日
………いいよ。黙っておくね。
(彼の様子を見る。
飢えて苦しんでるのは嘘じゃなさそうか。
このままだとまた血を求めてさ迷いそうだ)
……僕の血を吸えばいいよ。貧血にならない程度で宜しくね?
(黒のコートのボタンを外せば、首筋が露わになる)
霧島・ニュイ 2020年12月31日
………!!
………ごめん、ありがと……。
(微かに笑みが零れてしまう。
好意は無駄にしないように。彼女の体調を悪くしないように…
優しく抱きとめると、その首筋に牙を立て、そうっと啜った)
片羽・サラ 2020年12月31日
………。
(初対面の男に抱きしめられるのはあまり好きじゃないかもしれない。
ハグ自体は大好きなのだが…
そう考えていると、昇ってきた血でくらくらしてきた。頭がぼうっとする)
……ぁ…。
(まるで何かの薬を投じられたかのように何も考えられなくなる。
これは、危険かもしれない……)
霧島・ニュイ 2020年12月31日
………ありがと。凄く楽になったよ。
(それだけじゃない。とても甘くて澄んでいて、好みの味がした。
これは正直手放すのが惜しい。
だからーー)
彼女、お名前なんて言うの?
僕はニュイだよ。
(見るからにお人好しの彼女とコンタクトを取っておきたくて軽く自己紹介をする)
片羽・サラ 2020年12月31日
………楽になったなら、良かったぁ……。
(身体を離されると、ほっと息をついてそう答える。
それだけでも、血をあげた価値がある。)
サラだよ。宜しくね、ニュイくん。
同じ歳くらいかなあ……。
(でも。)
ごめんね、もう血はあげないからね。
(ぷいっとそっぽを向いた)
霧島・ニュイ 2020年12月31日
あ、うん。勿論いいよ。一回貰えれば充分だよー。
飢えないように気をつけるからね。
(宛が外れた。仕方ない。でも)
2回目はダメな理由だけ教えてくれる?
荒々しかったかな。痛かった?
血をくれる人を傷つけたくないんだ。
片羽・サラ 2020年12月31日
(そっぽを向いたまま頬が赤く染まる。)
なんかこう……気がついたら血が減ってるのが、危険な感覚、というか……。
……どうせなら愛しい人に血はあげたいというか……。
霧島・ニュイ 2020年12月31日
(やり方自体はダメじゃないようだ。
血が減る感覚自体は仕方ない。
それよりも)
えっ、彼氏いるの!!?ごめんね!!?
自分の女が他の男に血を貰われるとか嫉妬案件だからね!!?
(手を合わせて平謝りである)
片羽・サラ 2020年12月31日
いないよ!!フリーだからそこは安心していいよ!!残念ながら!!
(とてもせつない気持ちになりながら、ぎゃあぎゃあと喚く。)
じゃあね、ニュイくん。
飢えないように気をつけてね。
(手を振って、踵を返した)
霧島・ニュイ 2020年12月31日
あ、うん。ありがとね、サラちゃん。
(お人好しの彼女に手を振って別れを告げる。
さて、と。
聖夜から年明けまで、咎人殺しは休みがない。
その頃は感情ももつれる時期だ。
故に今日の仕事2個目に繰り出そう)
片羽・サラ 2020年12月31日
…………。
(近くの壁に息を潜める。
気になってたんだ、彼から香る血の匂いが。
好奇心は猫をも殺す。
けれど知りたい。心に何かを秘めた人のことを……
そのまま静かに尾行して、そこで見たものはーー)