【個別】例えば郊外の廃墟で
新堂・十真 2020年12月20日
MMキングダムはダーティエリア。
それなりの広さのある廃墟にて。
どうやら元は何かの倉庫か工場であったらしいそのスペースは
人目につきもしなければ、ユーベルコードの被害も外へは及ばない。
よしんば倒壊したところで、周囲に被害も出ないだろう。
つまり、そこは猟兵が暴れるのに――
もとい、腕を磨くのにはうってつけのロケーションであるといえた。
※ルール
1回判定の模擬戦。
最終的にダイスを振り、出目の多い方が勝ち。
◆書き込み可能
新堂・十真
鳴宮・匡
1
鳴宮・匡 2020年12月20日
(初回の射撃に同じく殺傷能力はないが、一時的に命中箇所の感覚・運動能力を脱失する効果がある。当たれば相手はおそらく、“急に膝が崩れたように”感じるだろう)
(――もちろん、素直にバランスを崩してくれれば、ということになるが)
(無効票)
新堂・十真 2020年12月20日
殺せるけど、まだ殺されてないからな。
猟兵ってのは多かれ少なかれ、そういうもんだろっ……
(持ち替えての銃撃。狙いは――こちらの移動速度を鑑みての予測射撃か――)
新堂・十真 2020年12月20日
っ……!!
(違う、これは地形への――)
(気づいた時には遅い。姿勢を崩されてしまえば、もう一発の弾丸も食らう)
新堂・十真 2020年12月20日
――っが!!
(結果、綺麗に膝を崩して地面に転がる形になった)
(咄嗟に受け身を取る、という余裕もなかったようで、割とまともに、地面に突っ伏することになったろう)
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月20日
まあ、言われてみればそうかもな――(なんて相槌を打つ間に)
(いつぞや。名状しがたき“瞳”に視られたことやら)(見上げるほどの竜に変ずる友人のことやら)
鳴宮・匡 2020年12月20日
(――そんな折々のことをを頭の隅に思い返しながら、)
(体はそれとは無関係に戦闘行動を継続する――右手の銃を、頭部へ向けようとして、)(そこで止まる)
(感覚の脱失は数秒程度で回復する。銃弾自体の殺傷能力はゼロ。痛みも残らないから、感覚が戻れば即座に動ける。後遺症もない)
(相手が動けないうちに、視覚なりなんなりを奪っておくのが定石だ、と思う、が)
(――それでも、さすがに、顔面に目掛けて銃弾が飛ぶというのは、怖ろしいものだろうな、と。他人事のようにではあるが、思い描けてしまったから)
(一瞬、銃口が狙う先を見失ってしまったのだ)
(無効票)
新堂・十真 2020年12月20日
(――その一瞬で)
新堂・十真 2020年12月20日
……まぁ食らった俺も無様だが
(その一瞬で、片腕を動かすくらいには十分だ)
思ったより、優しいじゃねえか。
(手甲型装備の手首部分。名をMávros ánemos)
(指先程度の操作で起動可能な、フック付きワイヤー射出装置は、銃弾よりは幾分遅くとも――ほぼ音もなく、空間を飛来する)
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月20日
(“ほぼ”音のないものであっても、埒外の聴覚は捉えらえてしまうし)(“よすぎる”眼は、視認困難な細いワイヤーを捉えては、いた)
(――ただ、それは銃弾で狙うには細すぎて)
(“巧くない”とわかっているが、左手の銃を手放して、それで受けざるを得なかった)
鳴宮・匡 2020年12月20日
(細い鋼線を把握した指先が痛む。僅かばかり奥歯を噛んで、)
言ったろ、殺さない戦い方は苦手なんだよ。
(取り落したはずの銃は、地面に落ちる前にほどけて黒い影になり。足元に蟠る黒と同化するように消えていった)
(無効票)
新堂・十真 2020年12月20日
(銃を取り落としてくれたのは、想像以上の釣果だろう)
(避けられることも想定していた)
どうやらマジでそうらしいな……。
喧嘩はあんましたことない、みたいな。
(が、そのよく見える目で、掴んでくれたのなら、ワイヤーを引き戻すことでこちらへ引っ張ることも、そうでなくても手を切らせることも出来ようが)
新堂・十真 2020年12月20日
……となると
こっちも殺傷しちまいそうな武器は、手札にするのは無しだ。
(ワイヤーの巻取りを行わず、手首から射出機構を外して)
(その一連の行動で出来た時間を、姿勢の立て直しに使った)
拳と脚は、さすがに簡便な。
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
……そうだな。そもそも、喧嘩なんて機会がなかったから。
(喧嘩をするような相手なんて存在しなかったのだ。“対等”な立ち位置の誰かというのを必要としなかったし)
(そういうものがある今も、“自分が折れればいい”と思ってしまう、ふしがある)
(――ただ、ぶつかるのが怖いだけかもしれないが)
鳴宮・匡 2020年12月21日
…………、……そっちも随分優しいじゃん。
(別にこれくらいいぜ、と、切れた指先に滲む血を、親指で乱雑に拭う)
……そりゃまあ、それ封じたら無抵抗で撃たれてくれって言うようなもんだろうし、もちろんいいけど。
鳴宮・匡 2020年12月21日
(とはいえこれ、為になってるんだろうか――なんてちらりと、思ってしまって)
……悪いな、どうも。
昔より、人の殺し方も、戦い方も、下手になっちまったみたいで。
あんまり、参考にはならないかもな、これ。
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
そういうタイプには見える。
喧嘩なんてのは、やってみると意外とめんどくさいコミュニケーションだしな。
(喧嘩はルール無用なんていうが、ルールが無ければ喧嘩にならない。あれは結局〝戦闘〟ではないのだし)
今、一瞬狙い外したろ。そのお返しみたいなもんさ。
……でもま、なんとなく分かって来たぜ。
確かに、鳴宮サン、人間らしくなったらしい……
新堂・十真 2020年12月21日
……オーケイ分かった。
ペース配分しながらやる「模擬戦」ってのもよくなかった。
(そのばで、低く腰を落として構える)
(ボクシングスタイルとは違う、先に見せた中国拳法とも違う、今度は空手のような――)
新堂・十真 2020年12月21日
(――バンッ、と。空気が弾けるような音がして、青白い光が爆ぜた)
(構えた十真を中心に、雷雲の中を切り取ったような、風と雷を纏うオーラが渦巻き、渦巻き……少しずつ、凝縮するように集まって行く)
……この距離から、俺が撃てる中で一番鋭い突きを撃つ。
アンタが俺を無力化できなきゃ、当てに行く。
これで……少しは、ピリッとしてくれるか?
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
というより、そういうのする相手がいなかったんだよな。対等な……というかさ。
職場では外れ者だったし、対等な相手ってのができても――どうも、そういうの、踏み込めなくて。
鳴宮・匡 2020年12月21日
……ああ。ばれてたか。
(軽く、肩を竦めるような仕草をした)
そうだな、「非殺傷」はどうも向かないみたいだ。
どんだけ傷を負っても問題のない模擬戦用のシステム、なんてのもあるし、そういうのにすりゃ、――……いや、
鳴宮・匡 2020年12月21日
――……違うな。結局のところ俺の問題だ。
(そういう覚悟がない、というだけだ――“友達”というものを相手にする覚悟が)
(“そういう仕事だ”なんて言っておいて、片手落ちだけれど)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(……ひとつ息を吐いて)(握り直した拳銃の感触を、確かめる)
……当たったら死なない、それ?
(ただの人間にはハードル高いぜ、なんて言いながら、――銃を構える)
いいぜ、そうしよう。
五体満足で帰れるように、きっちり止めさせてもらうとするさ。
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
……そうだろう、そうだよな。
俺もついぞ1年ほど前まではそういうのをしなかった。
もっとも、俺の場合は単に怖かっただけだけど。
だからまぁ、ちと、今回の模擬戦はやり方を間違ったかもしれないが……。
(それは裏返せば、それだけ、自分の事をそれなりに良く思ってはくれているのだろうけれど)
(だからといって、じゃあなぁなぁになって終わりましょうか、とも行かないだろう)
(何せ戦いは始まっていて、男が二人相対している)
(という子供じみた理屈は、説明しても分かって貰えそうにはないが)
新堂・十真 2020年12月21日
死ぬ。
だから止めてくれよ。
(ストロボのような音が何度も響く)
(凝縮しきれなかった〝気〟が空気に干渉し、爆ぜる音だ。これが起こっている時点で、自分の拳はまだまだ達人には及ばないと言えるが)
…………行くぜ。
新堂・十真 2020年12月21日
(踏み込み――からの右正拳)
(ただ純粋に、サイキックエナジーを込めただけの基礎通りの右ストレートは、しかし踏み切った軸足から、関節の一つ一つに力を伝えるにつれて、連鎖的に体内で〝気〟を炸裂させ、多連薬室砲のごとく、拳を加速させる)
(その拳を撃つ様は、一言で言うならば)
(――地上を真っすぐに、稲妻が走るように見えたろう)
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
…………ほんと、どうしようもないところばっかり似てる率のほうが高いよな。
(なんて、吐息めいた苦笑とともにそう、零して)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(――まるで、雷光が地を滑る様を見るようだった)
(超常の知覚を持つ男にとっては、それは一連の動きとして捉えられている、が)
(いつも、痛感することだ。“視える”ことと、それに対処できるということは、まるで違う話なのだ、と)
(――もちろん、だからといって、素直にそれを受けるというわけになどいかない)
(“諦める”というのは。もう、やめにしたから)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(――ひとつ息を吐いて)
(見据えたその先に銃口を向けた。黒い影の銃が、右腕を半ばまで覆いつくすように形を変える)
(――銃口から放つのは、)
(あらゆる“力”を殺す、影の弾丸)
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
……ほんとにな。
過程はともかくとして、結果がやけに、似かよう。
(それがここまでの縁を作ってくれた、ともいえるだろうが)
新堂・十真 2020年12月21日
(超速でまっすぐに打ち放つ突きは、敵の攻撃と交差した際の相対速度もまた苛烈)
(まして影の弾丸。〝見てから避ける〟など不可能に等しい)
(であれば――自分がその対応を潜り抜ける手段は何か)
(引き金が引かれる前に、狙われるたった一点を決め打ちして、紙一重で避けるために出来ることは何か)
(答えはひとつ)
新堂・十真 2020年12月21日
(拳は、彼の眼前で止ま――らない)
(ただ、羽のように軽く、その胸に触れる)
(〝浸透勁〟)
(本来は鎧の内を穿ち、防御を貫通するための技術。それを用いて――一切のダメージ全てを、〝伝えず逃がす〟)
(対処となる攻撃を紙一重で避けて、なおかつ自分の攻撃を叩き込み、その上でダメージを殺しきるという至難。それが可能だったのは――)
新堂・十真 2020年12月21日
(確かに、どうしようもないところばかり似ている)
(だからと言って、自分は「鳴宮匡 」ではない)
(彼と同じ人生を歩んできたわけでも、同じ苦しみを分かち合って来たわけでもない)
(けれど――)
(〝僕と似ている彼ならば、この瞬間、此処を狙う〟と)
(こころを信じることくらいは、出来たからである)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(――反応しきれない速度である、ということは理解していたから)
(それが避けられた、という時点で覚悟はしていて)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(――さすがにそれはもちろん、殺しはしないだろうな、とは思っていたけれど)
(幾らかなり、痛みはあるものだと思っていた、ので)
(胸に触れた拳から伝わる力が、“なかった”ことに息を吐いたのが、安堵だか驚嘆だかわからないまま、)
――……優しいじゃん。
(同じ言葉を二度目、繰り返した)
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
…………いや。
(拳を引く。肉を抉った手ごたえはない)
(しかし、体を傷つけず突き抜けた衝撃は……彼の背後の壁を砕いた。まるで作りそこないのビスケットのように、廃墟の壁が崩れる)
新堂・十真 2020年12月21日
………苦手だなんて言ってたけどさ
アンタそれでも「殺さない闘い」を選べるんだ。
だったら俺もそういう形じゃなきゃ
勝ちにはならないでしょ。
(たまには――どうしようもなくはないことで、似てると感じたいものだから)
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
(背後で、壁やら何やらが崩れる音がした。――天井をざっと確認する。そのまま崩落、ということはなさそうだったから、視線を目の前の相手へと戻して)
…………欲張りだ、って、よく言われるんだけどさ。
鳴宮・匡 2020年12月21日
ずっと、殺すことしかしてこなくて。
今も、殺すことしかできなくて。
それでもその力で何か守れるものがひとつでもあるんなら、それでいい――なんて、そんな風に、割り切ったつもりでいたけど。
…………でもさ。
やっぱり、それって、決定的に何かを変えちまうというか――取り返しのつかないことなんだよ。
鳴宮・匡 2020年12月21日
……何も諦めないって決めたんなら。
そこを諦めたら、それは、嘘になっちまうだろ。
…………だからさ。
殺すことも、殺さないことも、……この手が紡げる可能性は全部、ものにしておきたいんだ。
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
…………そっか。
(結局、今回の模擬戦、転倒時以外怪我らしい怪我は喰らわなかった)
(脚を穿ったあの銃弾も、体を傷つけるようなものではなくて)
(むしろ咄嗟に放ったワイヤーで、血を見せてしまったのは自分のほうで)
新堂・十真 2020年12月21日
……戦場格闘術や狙撃術。
ゲリラ戦法なんかばりばり使われて、そんなアンタはめちゃくちゃ手ごわいだろうな、と思って
緊張しながら挑んだつもりだったけど
……そういう戦い方を選んできた、鳴宮サンのほうが
想像していたよりずっと、強く見えた。
ありがとな。
俺も、大事なとこを見つめ直した気がする。
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
……ま、俺に殺されたやつとか、俺が見捨てたやつからすれば何を今更、って感じだけどな。
でもそういうのを言い訳にしてたら結局、今までと変わらないからさ。
鳴宮・匡 2020年12月21日
うん? ……そういうの使うならお行儀よく対面からはいスタート、ってしねーよ。
待ち伏せてお前が踏み込んできた瞬間頭狙うぜ。
――……そもそも、“強く見える”だけじゃ意味ないしな。
(殺さない、ということは)
(殺される可能性をあえて見逃す、ということでもある)
(多分それは、ただ“殺す”ということよりもずっと、強くなければ為せないことだ)
鳴宮・匡 2020年12月21日
ま、そういうわけだ、腑抜けた戦い方で悪かったな。
次はもう少しうまくやれるように努めるよ。
……さしあたって、埋め合わせだ。
別のエリアに移動してなんか食おうぜ。奢るからさ。
(無効票)
鳴宮・匡 2020年12月21日
と、ああ、それから
、…………えーと。
……どういたしまして、でいいのかな、こういうときは。
(無効票)
新堂・十真 2020年12月21日
……いや、それでいいと思う。
たぶん、そのほうが。
……だよなぁ。うん、そういう感じで来られてたら
流石に粘れたかもわかんねえ。
新堂・十真 2020年12月21日
……いや、むしろ気合い十分って感じだったぜ。
(殺さない闘い。相手を制する戦い)
(渡り合えた理由があるとすれば、もう一つ)
(〝殺さない闘い〟を心掛けた日々の、ほんの少しの差だろう。だから……次にやる時は、それこそ結果は分からない)
新堂・十真 2020年12月21日
おっけー、別に奢ることないよ。
と言いたいところだけど……今日はお言葉にあまえとこ。
それじゃ……なんだ。
ごちそうさま、って言っとこうか。どっちに対しても。
(グローブを外してくすりと笑うと、「いこうぜ」と歩き出す)
(演出終了)
鳴宮・匡 2020年12月21日
――……そうだな。そう思うよ。
(今更、という後悔は自分のもので、それが苛むものは、自分の内側だけであるべきだ)
(それを理由――否、免罪符にしていいはずなどない)
まあお前の鍛錬って意味ならそっちのほうがよかったのかもしれないけどな……今度やる?
鳴宮・匡 2020年12月21日
……それこそ、気合いだけじゃダメだろ。
ちゃんと次は技術も追いつかせないとな……心構えとかもだけどさ。
うん、甘えてくれると割と俺の精神衛生上いい感じなんでそれで頼む。
(手の中の影の銃は、霧散して、また肌に滲み込むように消えていき)
(その右手を、小さく握った)
ん、行こうか。
おすすめの店とかあったら教えてもらえるとありがたいけど。
(――なんて言いながら、歩き出した彼の後に続いて)
(演出終了)