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【或日】かみさまにおくる星空

ケビ・ピオシュ 2020年12月5日


 外はまだ、星の見える時間でも無いけれども。
 ここは星くじら図書館の中――この施設で、一番立派で目立つ場所。
 本の森を抜けた先の、白鯨の刺さったまあるい屋根のちょうど真下。
 仄白いライトに照らされたドームの真ん中に、まあるい機械がふんぞりかえっているホール。
 背もたれが深く倒れる座席が幾つも並ぶ前を、小さな足音を響かせながらテレビウムは君の前を歩いている。
「神様には、ここで一番の星を見てもらいたいと言っただろう?」
 言葉と共に足を止めて振り返ると、テレビウムは君を見上げて。
「やあ。このあたりの席ならばとっときだ、好きな席に腰掛けておくれよ」
 なんて、首を傾げた。
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 お呼びした方とのロールスレッドです。
 20レス程を目安に閉めさせて頂きますが。勿論、キリの良い所までで!
 また、始まってから3日お返事の無い時点で締めさせて頂きます。
 指定:エルネスト・ナフツ(神の聖者・f27656)




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エルネスト・ナフツ 2020年12月6日
(テレビウムの後ろを歩いていると、見たこともない機械が我の目の前に現れた。)(闇を引き連れた我は、迷いなく機械に近い席を選ぶ。知らない物の近くにいたいのだ。)これは見たこともない物だ。丸い。隕石のようだな。本当にここから一番の星が見れるのか?(天井が開く。椅子が飛び上がる。数多の可能性を思い浮かべ、じっと機械を眺めていた。)
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ケビ・ピオシュ 2020年12月6日
例えばそれが隕石ならば、たしかにこの辺りで一番大きな星かもしれないけれどねえ――(ひょいと君の横の席へと腰掛ける。手にした小さな杖をくうるりと回すと仄白い明りに色が灯った。それはまるでまあるい屋根――巨大な円形スクリーンが透けてしまったかのよう。そっくりそのまま外の風景が、まあるいドーム全体に映し出される)
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ケビ・ピオシュ 2020年12月6日
(まるで建物が硝子張りになってしまったかのようにも思えるが、じっと機械を見つめていればぴかぴか瞬く真昼の光が、この機械から生み出されている事に気づくかもしれない。こざっぱりと整えられた図書館の庭の向こうには、遠くに臨む事のできる海。逆方向にはキマイラフューチャーの栄えた町並みが見えるだろう。)
やあ、失礼。
神様は眩しい所が苦手だと言っていたね。
(たっぷりの冗談めかしてから再び小さく杖を揺らすと、スクリーンに映し出された光景と昼の空が早送りで茜色に飲み込まれはじめ――)
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エルネスト・ナフツ 2020年12月7日
(静かに眺めていた機械から、眩い光が溢れた。星屑を写した双眸をそっと伏せる。闇になれないこの目に光はあまりにも眩い。この世界から光を遮断していると、謝罪の声が聞こえて来た。特徴的な髭を持つテレビウム。彼が杖を揺らす気配を感じ取る。その度に光が変わっていった)ああ。すまぬ。我は光のある所は苦手でな。お気遣い、感謝する。(再び開いたそこには茜色の景色があった)ほぅ。これは見事な夕日よ。お主は魔法使いであるか。
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ケビ・ピオシュ 2020年12月8日
(鮮やかな茜に宵の色が混ざり、澱が揺蕩うように陽が飲み込まれ。少しずつ、少しずつ、空に夜が注がれる。――しかし、しかしだ。光が苦手だと解っていて、定番だからと一度昼を映し出した上で礼を言われてしまえば、すこうしばかりバツが悪い。すこしだけ視線を泳がせていると、とぷり、と空が夜に沈んだ。)
……いいや、いいや。失礼したねえ。
(なんとなくもう一度謝罪の言葉を口に。瞳を一度瞑って、開いて)
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ケビ・ピオシュ 2020年12月8日
(気を取り直して君の空青と夜色の溶ける瞳を見上げ、肩を竦めて。それはすこうしだけ笑ったのだろう)
魔法使いなんて、光栄な言葉だ。
でもね、私はただの魔力も持たぬテレビウムさ。
けれどこの場所では確かに、奇跡を起こす事だってできるさ。
(夜に沈んだとはいえ、全てがリゾート化されたこの世界の町並みはぴかぴかきらきら。夜も決して眠る事の無い光を宿している)
星を見るにはすこし明るすぎるね。
(杖を振るう。町の明りが――町並みがぱっと消えた。)
あの大きな大きな衛星だって、少し眩しすぎるものだ。
(再び杖を振ると、ぴかぴかと輝っていた大きな星明りもぱっと消えて。)
ウム、ウム。
これで――この世界で一番美しい星空になったろう?
(それから少しだけ誇らしげにヒゲを撫でて空を見上げると、――残った昏い夜空には、普段は明りにかき消されてしまう小さな星々まで見えているのであろう。無数の数え切れぬほどの光が瞬いていた)
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エルネスト・ナフツ 2020年12月9日
(茜の空がやがて、我の慣れ親しんだ色合いに塗り変わる。夜が訪れたようだ。杖を振るうたびに景色が変わる様は、やはり魔法のようだと感じた)ほぅ。ただのテレビウムか。それにしても面白い。此処であるからこその奇跡ならば、我は今、奇跡の中にいるのか。(夜空を彩る星の数々。住まう世界でも中々見ることのできない美しい空。我の星屑を映した眸が煌めきを増した)これは、美しい。このような星空は我の住まう世界でも中々見れない。この世界で一番美しい星空。その通りだ。……これは、この奇跡は、一体?
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ケビ・ピオシュ 2020年12月11日
やあ、勿体ぶってしまう悪癖があるものでね。――これはねえ、この世界の技術で投影している星空さ。
瞬く星空も、流れる星も、全て全て。その隕石のようだ、と神様が呼んだ機械が映し出しているのだ。
(一度視線を機械に向けてから、君を見上げた。それは全て全て、偽物だという告白でもあるのだけれども。作り物だと知れば、落胆されてしまうかもしれない。再び杖をくるりと回せば星空がゆっくりとゆっくりと流れ出す。それは昼も訪れぬ、時の流れを無視した星の季節の移り変わりだ)
――これが、私が此処でだけ起こせる奇跡だよ。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月11日
此方の大きな球体がこの美しき景色を映し出していると言うのか。人の世とは、まこと不思議よのぅ。(種明かしに驚きの声が乗る。先程まで見つめていた球体が、全てを映し出しているようだ。)(それから再び空を見上げると、ゆるやかな動きで星は形を変えた。頭の良いものなのだと一人で納得をする。)
これはまさに奇跡と言えよう。神である我には出来ぬ事。この景色は此処でしか見る事ができないだろう。我の知らぬ星ばかりが空で瞬いておる。この奇跡を生み出す事が出来るのなら、星には詳しいのか?
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ケビ・ピオシュ 2020年12月13日
この世界では特にそういう機械が沢山存在しているのだよ。
きっと同じような天象儀は他の世界にも有るのだろうけれども――、私の一番はいつだって此処さ。
(翳す杖で操作されている事を示すように。空明りが移り変わる姿は、まるで全ての星が流れ落ちて往くかのようにも見えるだろうか。)
この世界で見れる星ならば、ほどほどに、さ。
名前だって沢山知っているよ。
けれども此処では皆が好きに星の名前を付けるものだから、それほど重要じゃないかもしれないねえ。
(空いっぱいの流星群をより見上げようと、深く深く椅子の角度を倒し。――そこのボタンを押すと倒れるよ、と付け加える。)
しかし、しかし、この空は神様の世界とは、まったく星の並びが違うのだろう?
神様の世界の星は、同じように輝くのかい?
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エルネスト・ナフツ 2020年12月15日
ほぅ。皆好き好きに名を決めると。ならばあれは我の星にしよう。名はエルネスト。良いか?(真上の三等星にエルネストと名付ける。それは我の名。好き好きに名付けるのならば名付けても構わぬだろうとそこを指差したまま興奮気味に問いかけた。)(椅子もそのままだ。)不気味な色の星ばかりだ。それに、闇に紛れている時のほうが多いかもしれない。このような輝きの星など、いつぶりだろう。
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ケビ・ピオシュ 2020年12月17日
勿論、良いさ。
あの星はエルネスト、かみさまの星としよう。
(――それは丁度、この世界で言えば春の星空。手のひらの中に握り込んだ杖で星の流れをうんと緩やかにすると、寝転んだまま了承の声を。)
――周りの星々をつないでね、星座を作る者だって多いけれども、どうだい。かみさまの神話を今日は作っていくかい?
生まれから、そうだね。今までをつないで、お話を作るなんて。
素敵だろう?
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ケビ・ピオシュ 2020年12月17日
(いち、に、さん。眩いけれども、一番でも、二番でも無い、三番目の眩さに値する星。その星には、この星で古くから呼ばれる名前だっていくつかあるけれど。気にするほどでも無い事だ。自由に呼ぶ事は、自由なのだ。それに、お話を紡ぐ者は好ましいと思うもので。)
なるほど。このように輝く星空はそりゃあ、なかなか見られるものでも無いと思うけれども――。
(すこしだけ誇らしげにその言葉は響く言葉、この施設が褒められる事は自分が褒められるように嬉しいのだ。)
空のいろが不気味に星を見せる世界もあるのだね。……なんとなく星だけは、いつだって空に美しくあってほしいものだったのだけれど、そうか、そのような空の世界から訪れてくれたのだね。今日この空を、神様が美しく思ってもらえたなら。私は嬉しく、そして誇らしく思うよ。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月17日
我の話を作るとな。(椅子を倒して寝っ転がった。星屑の瞳で捉えた三等星、名をエルネスト。それに相応しい物語を作り上げるとなると、唸り声をあげてしまう。)不思議な図書館に訪れたあの星が、不思議な図書館で色んな星を色んな空に放つ物語などどうだろう。ここから世界中の星を生み出した物語だ。この世界、それもここだけの特別な物語になる。我も素敵だと思う。(ならば隣の星は?その隣の星は?次から次に星への興味が沸き上がった。)
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エルネスト・ナフツ 2020年12月17日
ああ。この空はとても美しい。この空を記念に我の部屋に持ち帰りたいくらいには気に入っておる。星を持ち帰る事など不可能であろう?目に焼き付けて帰るとしよう。(名付けた星がゆっくりと流れて行った。)
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ケビ・ピオシュ 2020年12月18日
やあ、それではあの星はいちばんに空にうまれたのだろうね。なんたって、神様の名を貰ったのだから。――そうだねえ、神様が空で独りでは寂しいからね。共に行く本――否。従者にテレビウムなんてどうかな。あの小さな星さ。
(冗句のように紡ぐ言葉は楽しげに響く。勝手に星に物語りを付けながら、二人並んで見上げる空は、本物以上に本物らしいかもしれない)
――そうだねえ。ここの星を持ち帰られてしまうと、私が寂しいものね。それでも、そう。神様が来たときには、すぐに用意をするくらいの事はできるよ。
(なんて、すこうし君を見たモニタは薄ぼんやりと明るい)
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エルネスト・ナフツ 2020年12月20日
従者のテレビウムか。一人旅ではなく二人に増えるのも、また良きものよのぅ。あの星一つでは叶えれぬ事も二つあれば遠くまで手も伸ばせよう。それではあの星はそなたの星にしよう。(そこの小さな星に従者の名を付け新たな物語の一頁を捲った。この星々を取り巻く物語はそれはそれは壮大なものになるのだろう。)(作り物の星だと忘れてしまうくらいには見入っていた。)ほぅ。ならば我の星が恋しくなった時はまたここを訪れよう。そうして物語の続きを紡ごうではないか。二頁目は一体どのような話になるのか楽しみだ。仲間も増やしたい物だ。
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ケビ・ピオシュ 2020年12月22日
星の並びを繋げれば、新たな出会いも生まれるだろう。やあ、星の瞬きを共にすることを許してくれてありがとう。(並んで見えていても、何億光年も離れてる可能性だってあるけれども。並んで見れば全て同じようにみえるもの。ロマンチックな部分とアカデミックな部分が混ざり合う星見。ぱちぱちとモニタの上の瞳を瞬かせると、大きく頷いて)
ならば、次は、ココに集う者達もよばなければね。皆でみる星もまた、素敵な事さ。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月23日
一人目の友が出来たよ。此処に集う者たちが揃うのなら、それはもう楽しき旅路となるのだろう。我は其々の生み出した物語も聞いてみたい。(空に浮かぶ星々にここに集う者たちは何を思い、どの星に名をつけるのだろう。見上げた星。名付けた星。その名をエルネスト。彼の星が遠退く)我はここに集う物たちが星にどのような名を付け、どのような物語を綴るのか読んでみたい。彼らの物語を一冊の書物として此処に保管をするなんて事は出来るのか?(そんな問いを零した)
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ケビ・ピオシュ 2020年12月24日
それはとても――面白いね。
勿論、勿論、残す事は可能さ。
しかしね、そうなるとね。
(ぴょん、と上半身を起こして、空では無く君を見る。)
神様、神様は本を書いてくれるかい?
私は物語を残そうという者が、とても好ましいとおもうのさ。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月26日
我が本をか?(星空を眺めていた両目が小さな身を起こした隣へ向けられた。常と変わらぬ表情が驚きに染まる。それ程までに驚いてしまったのだ。)我は本を書いた事は無い。文章を残すのはいつも人だった。しかしそうだな。主が望むのなら書いてみるのも悪くはないと思うよ。人の子の操る文字を書くところから始めねばならぬがな。
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ケビ・ピオシュ 2020年12月27日
それは、それは、それは、楽しみだなあ。
私はね、人々が紡ぐ物語が特に好きなのだけれども――。
その紡ぎ手が増える事は、望ましくて好ましくて嬉しくなってしまうのだよ。
(だからこのような場所の管理をしているのさ、なんて付け加えて。すこうしばかり落ち着き無く帽子できゅっと顔を覆った)
本当さ。
神様が紡ぐ話が今から楽しみだよ。
文字を知ることにぴったりの本だって、用意するさ。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月28日
(星は幾つ流れ、エルネストはどこまでいったのか。沢山の光の中から、仄暗い輝きを放つそれを見失った所で身を起こす)そうか。それは頼もしい言葉だよ。文字の練習をする時はまず、ここを訪ねよう。(天井には星空が、絶えず夜が映される。夕の景色を映したのだから時期に朝もやってくるのだろう)もうすぐ朝が来るのか?朝が来る前に、我は帰らねばならぬな。今宵は一番の星を見せてくれてありがとうの。とても美しき景色だったよ。
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ケビ・ピオシュ 2020年12月30日
こちらこそありがとう。
私の自慢の夜を楽しんでもらえたのなら、とても誇らしく思うよ。
(ひょい、と杖を振るう。月が生まれた。もう一度振るう。賑々しくしい街の姿が夜に現れる。)
それでは、神様には夜のうちに逃げていただけるように空の時間を止めてしまおう。
(ふ、と全てがたち消えれば、ドームには仄白い明かりが灯るばかり。)
また神様が来てくれた時に、またこの空の時間だって動き出すよ。
――今日はどうも、ありがとう。
また、いつか。
そう、文字の本を読みに来るときにでも。
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エルネスト・ナフツ 2020年12月31日
やはり主は魔法使いのようだ。配慮に感謝をするよ。ありがとう。ではまた主ら小さき子らに会えることをねがって。またの。(朝が来る前に時が止まった。礼の代わりに瞼を伏せ、配慮に感謝を告げる。我は夜の闇に影となり消えた)
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ケビ・ピオシュ 2021年1月2日
(あとに残されるのはテレビウムの姿だけ。溶けるように消えてしまった影に瞳を瞬かせて、こつんと杖が音を立てる。)
ああ、またね。
おやすみなさい、神様。
(返ってくることのない挨拶を口に。テレビウムもまたホールに背を向けた。)
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