【噺】酩酊エチルベンゼン
神埜・常盤 2020年11月18日
大正浪漫の馨を纏う古惚けたビルの二階、
其処には陰気な古書堂が有る。
疾うの昔に廃版になった百科事典から、
或る文豪が綴った日記に、有名な寓話の初訳本まで。
店内には数多の本が、所狭しと並べられている。
誰かが古惚けた頁を開けば、ふわり。
過ぎ去りし日の馨が柔く、鼻腔を擽った――。
* * * * * * *
☞UDCアースの古書堂にて。
☞初見・既知問わず、先着壱名様と1:1を。
☞置きレス式。三十レスを目安に〆。
☞噺が十日間途絶えたら御仕舞い。
3
神埜・常盤 2020年11月18日
(古典ミステリを並べた戸棚の前で、はらはらと頁を捲る。古書特有の、甘く芳しい馨に包まれて、ほう、と酩酊の吐息をひとつ。)(指先が軈て、次の頁を捲った刹那。はらり――。本の隙間から、一枚の便箋が溢れ落ちた。)
神埜・常盤 2020年11月18日
あ、 ――……。(佇んだ儘、咄嗟に視線だけを床に向ける。)
コノハ・ライゼ 2020年11月19日
おや、ラブレターかな。(君が視線を向けた、その反対側から。作った声音で愉しげに語り掛けるも、きっと正体などバレバレだろう)失礼。(その反応を待たずして狭い通路をすり抜け、便箋と思しき紙を拾いあげる)
神埜・常盤 2020年11月19日
――……さァ、如何だろう。(聞き覚えのある聲が、鼓膜を揺らした。流し目をちらり、其方へ向ける。)僕のものじゃァないけれど。中身、覗いてみるかね?(ぱたん――。本を閉じれば、君のほうへ歩み寄った。)
コノハ・ライゼ 2020年11月19日
なぁんだ、ジンノのじゃナイの。(ザンネン、なんて言う割には軽やかに。視線には一度笑みを返して、拾った紙を翳すように持ち上げる。透かす程の明るさはないが、微かな甘さが漂い落ちたので鼻をすんと鳴らして)(返事より先に、とても丁寧に、ゆっくりと君にも見えるように折り目を広げた)特製レシピってワケじゃあ無さそうだけど。本の一部と思えば、覗かないでおくのももったいないデショ。
神埜・常盤 2020年11月20日
僕はその辺、抜かりないさ。(静まり返った店内に、固い靴音はよく響いた。君の隣に並び立てば、広げられた便箋をそうっと覗き込んで。)ふふ、この本にレシピを挟める読者、居るなら逢ってみたいものだ。(小脇に抱えた本をひらひら振って見せる。表紙に右から左へと綴られた銘は「毒の匙」なるもの。)――さて、何が綴られているのかな。
神埜・常盤 2020年11月20日
(年季の入ったその手紙は、戯れる君の云う通り、確かに「戀文」だった。つらつらと書き手のこころの裡が綴られているけれど。要約すれば――貴女のことが好きで好きで堪らない、息が詰まって死んでしまいそうだ。……などといった所か。)
コノハ・ライゼ 2020年11月21日
(片眉を上げ笑んでいたが。ひらひら、視界で揺れた表紙を見たなら、ぷぷっと噴き出して)むしろオレなら挟んでみるなあ。(そうして共に綴られた文字を追う。一通り目を通し終えるとやはり可笑しそうに息を吐いた)その本に挟まれてたとなるとまた意味深に見えるねぇ。焦がれて死んでしまいそうだなんて、ソレこそ毒のようじゃナイ? (もう一度、触れない程度に紙へ顔を寄せ。その匂いを確かめるよう息を吸ってみても危険な馨はしなかったけれど)……さて持ち主に宛てたのか、渡せずに終わったのか。ナンだか匂いまでお似合いな気がしてくるわね。ナンの香りだったかしら。(空間にも広がる同様の馨を追って周囲を見回した)
神埜・常盤 2020年11月21日
あァ、怖い怖い。でも、君が造ったモノは毒入りでも美味しそうだねェ。(勢い余って、皿まで喰ってしまいそうだ。なんて、牙を覗かせ乍らも戯れて。)……然様。戀は致死性の毒だよ、きみ。書き手の安否が気に成るねェ。(その狂おしい程の慕情を揶揄うように、にやにや嗤って便箋を覗き込む。形こそ整っているが、細部は熱に浮かされるように跳ねている――歪な文字が印象的だ。)道ならぬ戀を諦めたくて、本に挟んだまま此れを売り飛ばしたのか。或いは、己に向けられた熱量が恐ろしくて、棄ててしまいたくなったのか――……。(少なくとも大事な想い出の品なら、こんな所に置いておかないだろう。相変わらず鼻腔を擽る馨に、つぅと眸を細めて。)僕が思うに、これはインクの馨かな。
コノハ・ライゼ 2020年11月24日
ふふ、そン時は勿論気付かれないように作るさ。途中で投げ出されないようにネ。(何でもない世間話のような応酬。愉しげな声を聴く内、やがて瞳を好奇の色に変え、二、三度瞬いた)……へえ、物知りねぇ。(二つの答えに対して。彷徨わせていた視線を紙へ戻せば、その毒の具合を改めてなぞり)毒を手放して命拾いしたか、そのまま侵されたか……あぁ、怖い怖い。残念ながらソンな毒は口にした事がないなあ、恋しいモノは沢山あると思ってたケド。アンタは。手放したクチ? それとも――、(口調を真似てから、ごく軽く問う。服毒経験あり、の前提は真面目に問う気が有るのか無いのか。すべて言い終えぬ内何度目かの深呼吸もして)へええ、インクってこんな甘い香りになるの? 時間が経った所為かしら。
神埜・常盤 2020年11月26日
はは、君の皿を途中で投げ出すなんて。そんな罰当たりが世間にいるのかね。(相も変わらず冗談粧しながら、便箋に綴られた熱狂を何度も追い掛ける。いま腕に抱くこの本の毒と較べて、何方が劇薬なのだろうか。)伊達に「探偵」を名乗っては居ないとも。……然し、意外だなァ。君は場数を踏んでいそうなのに。あァ、それとも、("毒を盛る側"なのかね――。そう嘯いて、悪い貌で笑って見せた。)僕も同じさ、だから斯うして生き長らえて居る。君と違って、戀しいものは持たずに、ね。(虚な中身を誤魔化すように、悪戯に片目を閉じる素振り。一方で戯れる指先は、ぱらぱらと頁を捲っている。至近距離から馨る甘さが、鼻腔を仄かに擽った。)そう、長い時を経たことでインクの成分が揮発して……「エチルベンゼン」と云う化学物質を発生させるのさ。それが、此の馨の正体だ。
コノハ・ライゼ 2020年11月27日
あら光栄ネ。(毒と知って尚というなら、其れこそ恋のようだと。過ぎった所で見透かされたような笑みを向けられた。わざとらしく肩を竦めて見せて)そうよ、挟んだレシピも好みの料理もたぁくさん。デモどうするかは相手次第だもの。(だから罪は無いのだと言わんばかりに。しれっと”盛られた側”であろう誰かが綴った手紙を、ひらりと返してみたりした)それに意外っていうならジンノこそだわ。盛られても気付いてないフリしてそー。どうせ一つ二つ口にしたって死にやしないでしょーに。(微かな音立て生まれた風を受けながら、言いたい放題。何せ手に持つ本のタイトルもよく似合って見えたので)へえ……。ならこの手紙の想いも、こんな風に甘く変化してるとイイわね。じゃなきゃ……この様子だもの。下手したら”コッチ”の領分じゃない。(古い紙を壊さないよう、元の折り目に添って畳み直すとそっと口元へ寄せた)
神埜・常盤 2020年11月27日
君に毒を盛られる人は、至れり尽くせりで幸せだねェ。(冗談とも本気ともとれる口ぶりで相槌を打つ傍ら、にやりと口端を持ち上げて。)そうは言っても、僕はその“毒”の味を知らないからなァ……。確かに味さえ良ければ、ひとつふたつと云わず、幾らだって喰らってみせるケド。(君に倣って、芝居掛かった動きで肩を竦める。揺れる便箋に、妖しく双眸を細めながら。)こんな情念を抱いた所為で“過去”に存在が刻まれる、か。はは、なかなかロマンチックじゃないかね。僕はそう云うのも嫌いじゃないが、書き手のことを想えば、……ウン。甘く苦い想い出として、こころの裡で風化して居たら好いと思うよ。(ゆびさきで適当な頁を開きながら、君へと小首を傾けて。)それ、君が持っておくかい。見つけた時のように、この本に挟んでおいても良いけれど――。
コノハ・ライゼ 2020年12月1日
お互い甘ぁい毒には縁が無さそうってことかしら。(手遊みに揺らす手紙で婦人のように口許を隠しても、思わず漏れ出た笑い声は隠せやしなかったけれど。その特有の馨を楽しむ仕草で、浪漫を語る声に耳を傾けた)……あら、お優しいコト。(やがて溢した声はほんの少しだけ残念そうな、しかしそれ以上含むものはなく。続けて問われれば、開かれた頁へ視線落とし数秒ほど思案する)そうねぇ……そういうコトなら。ねぇジンノ、その本はお買い上げ?
神埜・常盤 2020年12月2日
そうらしいねェ、残念だ。(含み笑いを掌で隠しながら、ゆったりと頷き返す。嫋やかな動作に隠された君のこころは知らねども、古紙の馨に酔っていることは同じらしい。)おや、コノ君はそういう情熱を大事に抱えておく性分なのかね? 僕としては知らぬ者の噺より、君が語る想いの噺に興味が有るなァ。(赫茶の双眸をつぅ――と細めながら、思案に耽る貌を静かに見つめて。)あァ、買って行く心算だよ。この作家の本、実は密かに集めていてねェ……。
コノハ・ライゼ 2020年12月5日
ふふふっ、(吹き出す、に近い形で笑い声をあげた。ゆらゆら、畳んだ紙を指先に挟んで揺らして見せる)オレが、他人の熱を? はは、まさかぁ。(こうするの、と。揺らす手の側の小指を立てれば、爪先に小さな焔が灯る。あーんと開けた口に丸ごと放り込む真似をしてから、ぱ、と焔を消した)コレだけの熱量、どんな味か気になるじゃない。君が買うなら遠慮なく”頂ける”と思ってネ。(再び紙を鼻先へと戻して、馨に酔いしれる。食事を前にした期待で声を弾ませて。ようやく向けられた視線に気付いたように見返した目が弧を描く)あら、隠すようなコトもないしいくらだってお聞かせするケド。でも、ふふ、その噺のように出来たモノじゃあないかもね。ジンノが好む書き手の本なら勉強になりそうだし、今度貸してもらえる?
神埜・常盤 2020年12月7日
おや――。(ゆびさきに灯った焔の行方に、業とらしく双眸を円くした。確かに君らしい答えだが、)……劇薬かも知れないのに?(その古い便箋に籠められた熱量は、個人的には大層不気味に想えた。まるで呑み込んだら最後、胎を食い破って“何か”が出て来てしまいそうな――。)勿論、君が望むなら差し上げよう。味の感想、ぜひ聴かせてくれ給え。果たして苦いのか、甘いのか、気になるからねェ。……さて、如何だろう。「現実は小説より奇なり」とよく云うし、君の実体験の方が面白いかも知れないが。(君の科白を耳朶に捉えれば、抱えた本の表紙へ視線を落とした。作家の名をゆるりと指先でなぞって、)ウン、構わないよ。ミステリしか残していない作家だが、平気かね。まァ、一冊くらいは君のお眼鏡に適えば幸いだ。
コノハ・ライゼ 2020年12月10日
最近毒の勉強にも熱が入っててねぇ……どんな反応が起きるかだって興味深いじゃない。(もとよりバケモノだらけの肚の中、むしろ歓迎だと言わんばかりに。少なくとも香りは好ましいと、機嫌よく棚の中居並ぶ古めかしい背表紙たちにゆるりと視線を巡らせた)……それに『強ければ強い程美味い』ンだもの。ええ、モチロン頂いたお礼にね、食レポなら任せて頂戴な。(視線に遅れて一歩、二歩。とてもゆっくりと棚に添い歩き)あはは、確かに。奇妙……奇抜? さなら物語にも負けない生活だよねぇ、お互い。んー、実体験をミステリ風に言うなら毒の与え方と毒の食し方、或は毒の手に入れ方……ナンて所かしら。(ドレがお好み、と目に映る背を悪戯に撫でる)ん、ありがと。ミステリも好きよ、レシピを読み解くようで。
神埜・常盤 2020年12月10日
へェ、誰に盛る気なんだね?(君のことだ、きっと実践に活かすに違いない――なんて、端から決めつけてかかる。)君の肚のなか、毒と異形が如何なる化学反応を起こすのか、実に興味深い。(甘い馨がすると良いねェ。そう他人事のように相槌を打ちながら、ケラケラと笑った。)おや、僕の半生は在り来りだよ。心の臓を逆さに振った所で、母の噺しか出てこない。――ふふ、それじゃァきみ、まるでハウトゥー本じゃないか。敢えて選ぶなら、……「入手法」が好みかなァ。(くつくつと愉快そうに肩を揺らす傍ら「毒」にはまるきり縁が無いのだと、わざとらしく眉を下げて見せた。床を軋ませつつも、件の書籍が秘められていた本棚を仰ぎ。)殺しのレシピかい、耽美な響きだねェ。読み解くのが好きなら、少し難度の高いものを貸してあげよう。
コノハ・ライゼ 2020年12月14日
ソレはコレから決めるのさ。この毒も、(畳んだ手紙を自然な所作で胸ポケットへしまう。最初からそこにあったというように)「使える」毒だとイイ。(同じように声上げ笑って。君が仰ぐ方へと視線を移す)オレにはそのありきたりこそが新鮮だけどねぇ。家族だとか身内だとかいうものには縁がない、ましてやただ一人の話ナンて。撒いた毒で得る一時の縁なら沢山あってもネ。……まあ忘れてるだけかもダケドーーふふ。そう、how toの見本のようなお手軽な毒の話しかなくてよ。本来毒ナンて誰でも持っているンだから……より甘いのを味わいたいなら、ソレに合わせて己の毒を調合すればイイ。(誘き寄せるようにネ、なんて言いながら本の背を離れた指はひらひらと蝶のように。赫茶の横まで飛んで、弾けて)人聞きわるぅい、解くのは殺し方だけじゃナイわ。でもアリガト、楽しみにしとく。
神埜・常盤 2020年12月18日
ふふ、僕もソレが「使える」ことを祈っておこう。感想も是非聞きたいからねェ。(敢えて悪い貌を象って、そう笑って見せた。こういう場合も、「共犯」に成るのだろうか。)……おや、そうなのかね。新鮮なら、僕の叱られエピソォドでも聴いて行くかい。(ざっと数えて百は有るのだと、からから笑いつつ。ふと、徐に眉を下げて見せた。)しかし残念だなァ。君の子供の頃の話とか、僕は結構興味があるンだが。(頑張って想い出して呉れよ、なんて。適当な事を宣いながら、蝶のように揺れるゆびさきを視線で追いかけて。軈て其れが眸の端で弾ければ、可笑しそうに肩を揺らす。)はは、君の毒は調合せずとも甘そうだねェ。――しかし、良いことを聴いた。僕の中にも毒が有るなんて、未だ信じられ無いが。必要に迫られた時は、調合も試してみよう。
コノハ・ライゼ 2020年12月20日
(見ずともその空気で表情を察しただろう。悪いヒトね、なんて囁いておいて)叱られ……、(ぷは、と。この薄暗い店の雰囲気をぶち壊すような、些か迷惑なほどの笑い声を響かせた)あっはは、どんだけ腕白坊やだったのよ。そんだけあるなら当分酒の肴には困らないわネ。……あら、沢山のお話を聞いたらつられて思い出すかもよ。オレも興味あるからたぁくさん刺激を貰わないと、ネ。(以前ならどうでも良いと流しただろうが。己を知るのも、知られるのもそう悪くはないと言ったら、どんな毒にあてられんだと笑われるだろうか)あらあら、ふふ。ジンノったらホント誉め上手。ええ、実践したら是非成果を聞かせてちょうだいな。
神埜・常盤 2020年12月24日
ふふ、僕も気を惹きたくて必死だったからなァ。――関心を抱かれないなら、あとはもう、嫌われるしか無い。(戯れるように零す言葉に、僅かな毒をちらつかせた。君なら分かるだろう、なんて。悪い貌をしながら頸を傾けて。)そうだねェ……あとは、君が作ってくれた軽食さえ有れば完璧だ。ふふ、なら沢山話そうじゃ無いか。一個くらいは、君の琴線に引っ掛かる噺が有ると良いなァ。(棚から贔屓の作家の書籍をもう一冊。適当に引き抜いた。題すら碌に確認せず、先ほどの書籍と共に小脇に抱えて。)
コノハ・ライゼ 2020年12月29日
あらあら、本当に悪いコ。(毒をなぞり取る様に柔らかく紡ぐ、似て異なる台詞。母、或は親というのはどのように子を叱るものだろうかーー経験にも記憶にもないからそれらしく言ってみたのは悪戯心に他ならない、が)そういうコトならディナーくらい準備しちゃう。夜通し愉しめるようセッティングしましょ。(追加の本を手にした君へ、コレも、と紙幣を一枚押し付けて。指先で胸ポケットを軽く叩いた)授業料……いえ、食材代かしら。ねぇ、早速この後どう? いいブランデーが手に入ったのよ。それから……、(すぐに出せそうな食事や肴をつらつらと挙げながら、甘い馨の谷間を抜ける。指先に月白の焔が灯ったのが、君にだけは見えただろう)
神埜・常盤 2021年1月2日
……ふふ。(叱るような響きを秘めた科白に、楽しげに笑う。押し付けられた紙幣を、ゆびさきで確りと挟んで。)君の食事を夜通し愉しめるなんて、素敵だねェ。報酬を払うべきは寧ろ此方だケド……まァ、貰っておこう。(にやり、口角を上げれば会計場所へ視線を向けて。)其れは勿論、喜んで。運がいいことにね、僕の家はこの上に在るんだ。其処でご馳走を作ってくれるかね。ブランデーも、楽しみだなァ。(三日月に緩めた瞳で月白の焔を眺めつつ、会計場所へとのんびり歩いて行く。)
コノハ・ライゼ 2021年1月5日
(擦れ違うよう出口へ向かう。胸元へ置いた指の下、月白が一度燃え上がり)おや、とびきりの肴を提供してもらうんだもの、そこはおあいこってヤツよ。(会計のやり取りを背中で聞きながら、欠伸をするようにのんびり口を開いた。手を添える仕草で、小さくなった焔を放り込みーー静かな天井を見上げる。よく見せる、満足げな笑みで)まあ、なんてラッキーな日。(そうして一時足を止めたのが、同意のしるし)
神埜・常盤 2021年1月8日
(君から貰った紙幣で会計を済ませれば、本を小脇に抱えて踵を返す。燃え上がる月白を視界に捉えれば、くつりと肩を揺らした。)君も僕も、とびきりの肴に有り付ける訳だ。いやァ、寄り道してみるものだねェ。(炎の行方を見届けて、おっとりと微笑んで見せる。立ち止まる君の隣を、するりと抜けて。)――では、行こうか。
神埜・常盤 2021年1月8日
(古い床をぎぃ、と鳴らして。ふたりの男は、店を後に――。)
神埜・常盤 2021年1月8日
(〆。御相手感謝致シマス。)