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おひさまのむすび

君影・菫 2020年10月15日


灯りの祭りで結んだ約束。
零した音は、
――お陽さまの下のキミにも会いたいもの、と。

いつもの鮮やかな着物を纏い、そんな想い出がふと浮かんだのは。
空に浮かぶお陽さまがいっとう煌めく日だったから。

巡る季節が凡て、桜の花びらが舞う世界にて。
覚えの有る、赤色をすみれ色に映した。
覚えの有る、黒く三つに揺れる尻尾に近づいて。

「なあなあ、灯猫のキミ」

まるであの日とは逆。
その色を見間違うはずがないと、ゆうるり声をかけてみた。
心に映した灯りは消えてはいないのだから。

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場所:日中、サクラミラージュの何処か
相手:お約束したかたと
期間:お互い切りの良いところまで




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君影・菫 2020年10月15日
(亜厂、とキミの名前を呼ぶ。明るい世界でも見失わないキミの色を改めて記憶して)(前の時より肌の見える和装にふわりとした絹の布を靡かせて、けれどあの日と同じ聲色で紡ぎを落とす)
(――振り返って、くれるやろか?)
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五月雨・亜厂 2020年10月27日
(本日のバイトは半休。仕事を終えて店を出て、んにゃーごと伸びをひとつ。空は快晴。まっすぐ帰るも良いけれどぶらぶら散歩も悪くない。桜ひらひらぽか曜日)
(お天道様浴びてご機嫌歩いていればふと。風乗る音は己が名と同じ響き。いやいやそれよりも。届いた声がいつかの夜に戻りゆく。声鳴る方に顔向けて。そこある姿は瞬時の印象違えども、その姿は未だ記憶に新しい。
……菫?…菫ですかな?
(名を識るものも限られる。ならば答えは見えれども)
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君影・菫 2020年10月27日
ふふ、そうよ。すみれ。灯のお祭りを一緒した菫やよ。
亜厂覚えててくれたんね。
(ぱあと、お陽さまの下ですみれ色が煌めいた)
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五月雨・亜厂 2020年11月8日
おなごは装いひとつでもまた変わる。別嬪さんに呼ばれるとどきりと胸も高まりますにゃあ(添えた語尾は照れ隠し。あの夜よりもどこか大人びても見えはしたものの、その笑顔を見れば同じくゆかしい菫色。見紛う筈もなく)

…いやはや、それにしても本当にあかりの見える時間に本当会えるとは。
逆に声を掛けられてしまいましたな。憶えていて貰えるのはなんとも嬉しくこそばゆい。
(ゆらぁりゆらり、三つ尾も揺らして上機嫌。あの日の再現をも感じたものだから。にゃあごとひとつ招いてみたり)
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君影・菫 2020年11月8日
はら、別嬪やなんてお上手。ふふ、この装いも色鮮やかで気に入っとうの。(ひらりくるりと身を翻し、からころ機嫌良く花下駄を鳴らして見せる。振る舞いはあの日よりもきっと、ずっと幼い)

うん、うちも吃驚してもうた。最初夢かと思ったもの。でもキミの色は間違えへんなあって改めて思うたわ。――あと、後ろ姿に声掛けたくなる気持ちも。ふふ……ほんまにね。覚えていて貰えるて嬉しい。うちは元がモノやから余計にそうなのかもしれへんけど。(三つ尾を覗くように興味津々に視線が行ったり来たり。にゃあごの聲があの日をまたひとつ、ふわりと呼び起こすような)
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五月雨・亜厂 2020年11月17日
気に入るというぐらいですからな、今のお衣装もとても似合っておいでで。お髪と眼と同じお色が並んでいるのもまた良いですな。
…と、今日は髪にもまた違う菫が咲いているではないですか!
(見合う色は不思議と目に馴染むもので。初見かどうかはきっと些細な事。そして気付いたは髪を飾る菫の色の簪ひとつ。あの日も咲いていたけれど、また違うと)

後ろ姿…、にゃるほど、三つ尾の欲張りもあったというもの。目印にもなってくれましたか。
(黒だけでは夜に融けるも染めた赤髪が見つけ色になるは幸い。ふさふさ自慢の黒い三つ尾をまた揺らす。数いる猫の種の中でも一際目立つ大きな尾でもある)

…もの、…モノ。…おや、おやや?もしかしてそちらの生い立ちは…、
(お互いを憶えていた事に弾ませていればふと。己は名乗った通りの妖で。けれど対する彼女は見る限りには豊か表情も変える人姿そのもの。そこでモノと称するならば、)
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君影・菫 2020年11月20日
相も変わらず褒め上手なこと。眸と髪となあ、あと帯にはお陽さまの色も入っとるんよ(とんと一歩近づいて、ようみえるように)違う菫?(キミの視線を追って、答えが見えたのなら)……ふふ。これなあ。
(こっちが、うち自身やのて。耳打ちのような、密を秘めたおとで咲った)

その欲張りも目印になってくれたけど、一番の印は亜厂、キミ自身やよ。その灯をうちは忘れへんもの。(あの日は赤がいっとう鮮やかだったけれど、お陽さまの下の黒も煌めくから楽しくなってしまう。視線は変わらず三つ尾に夢中なのだけれど)

そ、モノ。さっき云うたようにこの菫色がうち自身なん。
ふふ、改めて自己紹介しよか。
うちはこの“すみれ”の簪、ヤドリガミ。
君の影と花の菫で君影菫。ヒトの身を得てからそう名乗うてるよ。
(ふわりふわりと奏でるように自身を紡いでゆく)
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五月雨・亜厂 2020年11月27日
ふふ、菫にもあかりが灯っておるのですな。お陽さまの、あかり(とん、と近付かれれば鮮やかな衣装がふわりと揺れる。飛び込んだ陽色へ琥珀の双眸を向けては、あかり、と楽しげに紡いだ)
…それは、それは。(次いでそっと耳を擽ってゆく秘めやかな咲音は音小さくとも存在を確かに伝える音。簪へと視線を移しては、興味深げにまた覗く)

褒め上手…、それを言うなれば菫もくれるではないですか。お陰で紳士ぶろうとした顔がふにゃふにゃで…(それこそ猫の顔洗いのよう、目を細めては、お恥ずかしい、と招き片手で顔を擦る)
(――妖とて、存在すらも曖昧なもの。己は分かれ尾の化猫である。だからだろうか、亜厂として見つけられたが純に嬉しく届く)
…宜しければ触ってみますかにゃ?ふさふさには自信がありますとも!
(視線追えば三つ尾に辿り着いたものだから。語尾添えはやっぱり照れ隠しなのだけれども)
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五月雨・亜厂 2020年11月27日
…なあるほど、なあるほど。宿りの神でありましたか。なれば二度目ましての初めまして、にもなりましょうか(ひとり、ひとつ、の”すみれ”に。先程に咲いた音をまた思い出すように。ヤドリガミ、との答え合わせに繋がりゆく)

…此方も改めて名乗りましょう。
姓は五月の雨にて、五月雨。名を亜厂と。
…キミカゲ、サミダレ。響き音がなんだか似てもおりますな?
(初めて聞き伝えた音達はどこか似た音を奏でたのが面白く、つい、と)
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君影・菫 2020年12月2日
纏ってるつもりやったけど、さよか。これ灯ってるって表現にもなるんやねえ。ふふ、あかり。お揃いやんね?(ご機嫌にひらり、前より多い肌色さえ見てえしまうだろうけれど、それもまた娘の気にせぬ処)
……きになる?(覗く視線に気づいて小首を傾げた。厭な視線ではないから躱すことはないけれど)

はら、まあ。意識して褒めたつもりはないんやけど、ふふ。会った時の紳士なキミも、ふにゃふにゃなキミもどっちも素敵やと思うよ。だって、どっちも亜厂やもの。(恥ずかしそうな様子は少し興味もあって覗いてしまうかも)
……!ほんまに?ええの?(童女の眸を煌めかせ、食い気味にずずいと近づいた)めっちゃふさふさでええなあって思ってたんよ。(ぴょんと跳ねれはからりと花下駄が嬉しそうな音を鳴らし、そわそわする簪の娘はそっと手を伸ばす)
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君影・菫 2020年12月2日
出会った祭りでちゃんと自己紹介出来んかったのは堪忍ね?ふふ。二度目まして。本体にも挨拶してくれるんは、なんや嬉しいねえ。(ヒトの形をとった菫がふんわりと咲む、簪のすみれが柔く髪で咲く)

さみだれ。五月のあめ。雨。ふふ綺麗な綴り。
はら、確かに響きも似てる気いするね。
さみだれ、きみかげ、ほんまや楽しい語感。
(気に入ったのか何度か繰り返して樂しそうに紡ぐ。リズムが乗れば童向けの唄のよう)
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五月雨・亜厂 2020年12月15日
表現の妙ですな。単に揃いにしたかっただけかも識れませぬよ?灯の下で出逢ったならば灯の縁が灯れば良いと。
(振る舞いに時折に咳払いで隠す戸惑いひとつも生まれよう。あまりに無邪気と咲むものだから指摘も無粋に思うもひとつ。その調和すら彼女の魅力でもあるのだろう)
…三桁の時を経てもその輝きが衰えぬ。さぞや大事にされていたのでしょうなあ?(宿るまでに百を数えると聞く。そして宿ったが彼女であるのならば、)

まったく菫には敵いませぬなあ…。…これこれ。あまり覗き込むものではありませぬ。茹だってしまっては髪に融けてしまいます(これは素直に受け取らねば罰当たり。冗談すらも織り交ぜて)

ええ、ええ。ふさふさも三倍ですゆえ、ここは豪勢に振る舞いましょう!(長毛種故の柔らかさ、猫の種故の大きさとを合わせ持ち、猫魈の妖故の数にておもてなし)
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五月雨・亜厂 2020年12月15日
それとてお互い様でありましょう。此方も灯の代わりと名乗っただけですからな。宿りの神の本体ならば挨拶せぬ訳にはなりませぬ。人となるは本体あってこそ。充分な理由となりましょう?
(己の双眸に簪を映し込み、そうっと瞳を細めては口元は緩く弧を描く。咲いた菫につられるようにと)

…不思議なものですなあ。音並べて初めて気付くのですから。楽しみ方は見つけた者勝ちとも。
(幼子の遊びのよう己も並べ唄って。今は重ね年など気にならぬ)
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君影・菫 2020年12月21日
揃いなら揃いでええんやないの?灯の下の出会いに灯の縁を結び灯すなら、なあんも悪いことあらへんやろ。(咳払いには不思議そうに首を傾げるも、具合が悪い訳でも無さそうなのは安心しつつ)
せやね、うちは誰かを彩って飾るものやったから、大事にされとったと思うよ。三桁、は妖のキミでも長く感じるん?(百を越え、それから形を変えて三十数えた、それでも未だ識らぬことばかり)

はら、覗き込むのやっぱ失礼やったやろか。厭やったらごめんなあ。今日はあん時より亜厂がよう見えるもんやから、つい。茹だると亜厂は髪に融けてまうの。そらアカンなあ。(割と真に受けたのかきょろきょろした)

(おもてなしというのなら最早人目も気にせず、まるで娘が猫のよう)ふふ、ふふ。ふっかふか。ほんま素敵な尻尾を持ってるんなあ。(大きな尻尾に、ごろごろ、ごろごろ鳴かぬ喉から鳴き声さえ出てしまいそうな心地好さ)
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君影・菫 2020年12月21日
ほんま、キミって紳士やねえ。確かに本体が無いとうちはこの姿取れんけどもなあ。でもやっぱ嬉しいなて思うよ。(本体の簪はキミの眸にどう映ったろう)
言の葉って紡いでも並べても不思議やから興味ばっか。見つけたもの勝ち、ほんなら亜厂の勝ち?でもうちら両方楽しんでもうてるから勝ち負けもあらへんかもしれんね。(並べ唄われたのなら、とんとんと合わせリズムを繋ぐ、視線も何も気にせず。楽しんだもの勝ちとでも言いたげな奏でを)
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五月雨・亜厂 2021年1月2日
それもそうですな!なにせ陽の色ゆえに灯ったのですから(変わる表情真っ直ぐで純には敵わぬと)
菫を咲かせて粧す、やはり素敵な一品ゆえに大事扱われたのでしょうとも。
…三桁の月日、自分には長ぁく。…一月とてまだかまだかと待ち侘びたもの(思い起こすは妖なる前もの遠い遠い記憶)

そうそう、茹ってネコではなくタコになってしまうやもですぞ?…もしや?…菫は照れた事は?(ついと冗談増やし。反応楽しくあるけれど、最後は遠回るより近道へ)

心地はいかがかな。このふさふさ種、メインクーンと申します。以後お見知りおきを、にゃあんて。(もしも猫同士の戯れなれば枕や毛布代わりになっていたかと思い笑む)
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五月雨・亜厂 2021年1月2日
紳士かどうかは己ではわかりませぬが、思ったまでを言ったこと。(簪見つめや、もしも傷などあったなら、菫の姿も変わっていたのかも知れぬ、と)

言の葉は尽きぬ程、未だ知らぬも沢山ありましょ。ふむ。ここは一人勝ちするよりも一緒楽しむ方が何倍にも。(此方も視線も気にならぬ様子でまた唄う。今今の楽しさを共感するがいち。名前ひとつで楽しめるのだと羨ませすら)
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君影・菫 2021年1月11日
うん、陽の色ゆえになあ。(ふうわりと空で咲うおひさまの光も微かに映してから、もう一度自分に灯るおひさま色を眺める)
菫を咲かせて粧すなんて、えろう擽ったい響きやねえ。
そうなんや、妖の感覚も不思議やな。ひと月も待ちわびてまうの?て思うたけど……うちも簪、ひと月待ってたら錆びてまいそうやんな。(キミは何を思ったんだろうと伺うように、そっと覗き込んだ)

え、亜厂。蛸にもなれるん?多才なんやねえ。(真に受けたまま)……照れは、いっぱい擽ったくなることよね?あると思うけど意識したことは無いかなあ。ねえ、今亜厂は照れとうの?(純粋に聞き返した)

ふふ、しあわせの心地って感じするよ。めいんくーん。うん、うち憶えた。うちはもふもふとかふさふさお返しできんけど、またしてもええ?(今もまだ手が離しがたくらいには、魅惑の心地なのだけど)
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君影・菫 2021年1月11日
思ったままを言うて紳士と感じるなら、そっちの方がそれっぽいと思うんやけど。(彼が簪を眺めるから、簪は持ち主を倣うようにゆうるりと大人びて咲った)
せやな。まだまだうちが知らんことばっかやわ。ふふ、ほんならふたり勝ち、な。(唄の合間に囁いて。幼子のような游びは何処まで付き合ってくれるんやろと。すみれ色はキミの灯りを眺めて、そんなこと)
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五月雨・亜厂 2021年3月30日
見上げるお天道様はとおくとおくにこそ在りますが、我らはこんな間近でお互いに見れるのですから、贅の沢とも言えましょう
(ゆうらゆら、気持ち良さそうに尾を揺らし。眼前で咲む姿もまたお陽さまのようだと。ああ、本当にあたたかな)
…眠り過ごすことも出来ましょうが…やはり、退屈、では有りましたな。錆と同じくお手入れしなければ体も鈍ってしまいます。
(むかぁしむかし遠い昔、遊び盛りの仔猫が寄り道好きな人と共に過ごしてましてなあ、と。どこかもう朧気な光景を他人事のようにけらけらと)

…実際この妖、どろんっと化けられる術も習得済みで!…しかし、地上で八足は動きにくそうではありますなあ?水も要りましょう…。やはりここは猫のままで!(笑って冗談事を真にも出来ることも添えて)

種も憶えて貰え、遊んで貰えたならばもふもふ冥利に尽きるというもの。それで充分ですとも。菫ならばいつでも大歓迎ですゆえ!
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五月雨・亜厂 2021年3月30日
ふたり勝ち!うむうむ、良いですな。…にゃんだか、唄っていたら喉が乾いてきましたなあ?この辺りはカフェーなどもわりと在りますゆえ、ここは一杯どうでしょう?(本日は桜ひらひらぽか曜日。桜眺めてお陽様浴びての休憩にも気持ちが良さそうだ)
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君影・菫 2021年4月27日
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灯りの祭りで縁結んだ猫と再び出会ったお陽さまの時。
あやかしとモノを陽射しが映し、足元に綺麗な影を作ってゆく。
楽しげな言の葉遊びを紡ぎながら。
何度もふたり勝ちして。

向かうは此の桜色の世界のカフェー。
何処へ行こうか、何を食べようか、向かう理由は喉を潤すことだけれど。
その先さえ他愛なく紡ぐのも楽しく、愉しき。
桜ひとひら、ふたりの頬をかすめ。
行く先をお陽さまが照らすのだから、ふうわり笑って。

今日も灯りが居る時間まで、何しよかと。
簪の娘が咲えば、灯猫の答えが耳を擽るはず。
それは心地好い彼の持つ尾のように。

【〆】
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