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【噺】桃源郷ハ輝石ニ宿リテ

神埜・常盤 2020年10月4日


此れは、如何いう訳だろうか。
弍階の宝石店『プシュケ』が、近頃やけに騒々しい。
風の噂に拠る所、何やら怪現象が起こるのだと云う。

『硝子の照明揺れる店内。敷き詰められた赤絨毯の上。
物々しく管理された、硝子ケェスがひとつ丈。

其処で眠る大粒の金剛石を覗き込めば、
眩いばかりの煌めきに紛れて、
輝石のなか薄らと、桃源郷が浮かび上がるだらう』

はてさて、真相の程や如何に。
硝子の扉を押し開けたなら、カランコロンと鐘が鳴る――。

* * * * * * *

☞サクラミラージュの宝石店にて。
☞初見・既知問わず、先着壱名様と1:1を。
☞置きレス式。三十レスを目安に〆。
☞噺が十日間途絶えたら御仕舞い。




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神埜・常盤 2020年10月4日
(店の中に入った瞬間。天井から降り注ぐ、シャンデリアの煌めきに襲われた。くらり、思わず眼が眩む。入口の傍で、滑稽にも蹈鞴を踏んで。)……帰ろうか。(そう独り言ちたところ。擦れ違うご婦人方の黄色い聲が、耳朶にふわりと届いて来た。)
(「嗚呼、あのダイヤを御覧に成りまして? とても美しかったわねぇ」「ええ、ほんとう。まるで、桃源郷のよう……」)
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神埜・常盤 2020年10月4日
――……。(結局は好奇心の勝利。ゆるり、硝子ケェスの元へ歩んで征く。果たして其処には、眩いばかりの煌めきを放つ、大振りの金剛石が寝かされて居た。きらきら、きらきら、其れはプリズムの輝きを放って居る。)……なんだ。今の所、眩しいだけじゃァないか。(如何にも「眼が痛い」と言いたげに、眉間に軽く皺を寄せた。)
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愛徳・琥瑚 2020年10月7日
(かららん、ころん。其処に下がる鐘が軽快な音を立てて扉が開く。煌びやかな店内に、吹き込む風の様な軽やかさで1人の女性が滑り込んだ)――わぁ!思った以上に、ずいぶん煌びやかなところなのね?すごぉい、チカチカしちゃう!(眩いばかりの内装に、好奇の満ちた瞳を泳がせて、そのうちに硝子ケェスとその前に立つひとりを目に留めたなら)あ!ねぇねぇ、其処のキミ。もしかして、それが噂の?桃源郷、見える?(跳ねるようでいて、音立てぬ足運びで近付いたなら興味津々といった風で語りかけた)
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神埜・常盤 2020年10月7日
(ふと、鐘の音が耳朶を擽った。嗚呼、新たな客が来たのだなと、そう想いながらも、中々視線は外せずに。眉間を撫でながらケェスを眺めて居れば、)――あァ、そうとも。(不意に、聲を掛けられた。脚音は聴こえなかったから、少しだけ驚いた貌をして振り返り。芝居掛かった調子で以て、君に肩を竦めて見せる。)いやいや、未だ見えないなァ。部屋中きらきらして居るものだから、何が何やら分からなく成って来た。(そう云いながらも、金剛石を再び覗き込んでみる。)(↑50 で今度こそ、桃源郷が見えるだろう。)
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神埜・常盤 2020年10月7日
(幾度か瞬きを繰り返しながら、眩い煌めきを放つ其れを見つめて居れば、)――……はは。(輝かしい光のなか、桃花が咲き乱れる楽園の如き光景が、芒と浮かび上がって来た。)そんな話をして居たら、とうとう見えた。もしや、お嬢さんは幸運の女神かね。(なんて戯れを放ちながら、すっと隣に避けて見せる。)――ほぅら、君も御覧。
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愛徳・琥瑚 2020年10月8日
(驚き帯びた表情を向けられたなら、あっ!という顔をして悪戯に舌が顔を出す)あは、急に声かけて驚かせちゃったかな?ごめんね。それにしても……うーん、そっかぁ。お店全部がキラキラしてて、目が眩みそうだものね。――あ!もしかして、それが桃源郷の真相……え?なになに?見えたのっ?(噂の真相見たり!と云わんばかりの語り口。しかし、言い終わる前に、彼の様子が変わったならば、此方もころりと表情変えて視線はケェスへ移しつつ、続く彼の言葉を聞いたなら、楽しそうな笑い声が響く)
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愛徳・琥瑚 2020年10月8日
――あははっ!キミ、お上手ね?そんな風に言われたら、琥瑚さん、御機嫌になっちゃうなぁ!ふふ、『幸運の女神』かぁ。(機嫌良く笑ったなら、帰りに富くじでも買って帰ろうかなぁ?なんて軽口交え、位置譲られれば、嬉しげに)――あ!有難う!見る見るー!(興味と好奇に満ちた瞳で金剛石を眺めれば、咲き誇る桃花の景色に感嘆の息)――わ……ぁ。すごぉい……!(ケェスにぴたりと手を額をくっつけて魅入り眺める様は、面白いものを見つけた子どものよう)ね!これ、どうなってるのかしらねっ?(興奮気味に彼へと戻した金色はきらきらと)
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神埜・常盤 2020年10月9日
あァ、構わないさ。ふふ、君は猫みたいな脚を持って居るんだねェ。(君の悪戯な貌に、冗談めかして笑って。)ウン、僕は夜型だから特に、こういう眩しいのは苦手で……。(まるで朝陽が其処に在るかの如く、つぅと目を窄めて見せれば、人相が更に悪く成った。)いやいや、僕にとっては正しく女神さ。この光景を見た後なら、一等賞だって叩き出せるやも。琥瑚さん――……其れが、君の御名?(密やかに問いながらも、君に場所を譲った)
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神埜・常盤 2020年10月9日
桃源郷は比喩で無く、此処にちゃぁんと在ったようだ。(君の背中越し、輝石の煌めきを眺めながら、くつくつと喉奥で笑う。芒と浮かび上がる桃園の光景は、此方にまで甘い馨が漂って来そうな雅やかさ。)如何なってるんだろうねェ……。知ってるかい、きみ。“石”には偶に、不思議なものが宿るのさ。(良くも悪くもね、なんて。上げた口端から、牙をにやりと覗かせた。)
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愛徳・琥瑚 2020年10月10日
あら、しなやかなあの子達みたいって言ってくれるの?嬉しいなぁ!(冗談めかされた言葉にも嬉しげに笑って)あ!そうなのねっ?夜に慣れた眼には、また刺激が強そうよねぇ……(つぅと狭まった眼を見たなら、大丈夫?と、首傾げ)あははっ!じゃあ今日は琥瑚さん、キミの女神でいてあげる!でもでも、運の神様は気まぐれだから、次の瞬間、貧乏神になってないように気をつけなくちゃね?(そう告げたなら、くふふ、と手を口へ当て可笑しげに笑ってみせて)
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愛徳・琥瑚 2020年10月10日
そ!琥瑚さんは私の名前。姓は愛徳って言うのよ。ね、そう言うキミの名前も、聞いていい?(己が背中越しから金剛石に向けられる赤茶を見上げ、からりと問う。そして続く言の葉に、覗いた其れにぱちりと瞬いて)――あ、所謂、曰付きってやつ?元の持ち主の想いとか、在った場所の記憶とかってそれよね?この子に宿る不思議かぁ。想像するのも浪漫だけれど……キミは聞いたことあるの?――ふふ、ご立派な其れ持つキミの中にも、何か宿っていそうだけれど!(犬歯と呼ぶには鋭い其れを牙と認識したなら見つめつつ告げて)
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神埜・常盤 2020年10月11日
そうそう、星はこんなにキラキラして居ないからねェ。……あァ、大丈夫、直に慣れるさ。(気遣いに礼を告げ乍ら、軽く眼を擦る。軈て覗かせた赤茶の双眸を、穏やかに緩ませて。)はは、其れは有難い。それじゃァ、女神様の機嫌を損ねないよう、せいぜい紳士の振りをしないといけないなァ。(根が幼稚なもので、なんて肩を竦め乍ら、)もっとも、君のような神様なら何でも大歓迎だがね。(喉奥からくつくつと、篭った様な笑聲を響かせた。)
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神埜・常盤 2020年10月11日
愛徳、琥瑚さん。軽やかな君に似合いの響だね、漢字ではどう綴るのだろう。(記憶に刻む様に、君の名前を反芻して。)僕は神埜――……神埜、常盤さ。(お見知りおきをと、胸に手を当て確りと腰を折って見せた。貌を上げれば瞬く君へ、悪戯に笑い掛ける。)そう、想いや思念は往々にして、石の中に遺ることが有るようだ。割れて血を流す石もあれば、人が住まう石も有るとか……。此のダイヤは確か、上海で買い付けたらしいが。(水蜜桃と一緒に寝かされていたのかな、なんて冗談めかすように笑った。)
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神埜・常盤 2020年10月11日
あァ、此の牙かい。コレはねェ、怖い蝙蝠とお揃いなのさ。(にぃ、と見せびらかす様に口を開けて。)
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愛徳・琥瑚 2020年10月12日
そう?ならいいんだけど。無理はしちゃ駄目よ?(眼を擦る様を見やりつつ最後にぴっと指立てて告げたなら、緩んだ赤茶へとそれ以上は言わないとばかりに笑って)あら、十分紳士に見えたけど、其れはフリだったの?あははっ!だったら逆に、ホントのキミを何処かで見たいかもねっ!若しかしたらその方が、機嫌良くなっちゃうかも?(神様は気紛れだから、と、くつくつと笑う彼の声にからころと笑い声が重なった)
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愛徳・琥瑚 2020年10月12日
本当?自分の名前、気に入ってるから嬉しいなぁ!漢字?ええとね、『愛』と『徳』で愛徳。琥珀の『琥』に珊瑚の『瑚』で琥瑚よ。(伝わるかしら?と、宙に指先で描いて見せながら、恭しいまでの礼と名乗りを聞いたなら楽しげに笑み)へぇ!キミは『じんの、ときわ』君かぁ。ねぇ、君の漢字も、聞いていいかな?――あ!『ときわ』は、常盤色の其れで合ってる?(問いつつ直ぐに、ぽん!と握り拳を片方の掌に当てながら、クイズに答えるように告げてみせて)
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愛徳・琥瑚 2020年10月12日
そう思うと不思議よね。石に其れが宿るのか、想いや意思が石になるのか……なんて、想像も膨らんじゃうわ!えっ!?人が住むの?石にっ?(想像の範囲を超えたのか、金色が転がり出そうな程見開いて)あ、上海って何かいいよね!何がって言われたらこう……難しいんだけど!華々しい中に、其れこそ曰く突きな物が溢れてるイメージなの!(行った事無いけど!と最後はおどけて。にぃと改めて覗かされた牙をじぃ、と見たなら)怖い怖ーい蝙蝠さん、かぁ。私、蝙蝠って結構可愛いイメージあるんだけれど。ほら身体とか、ふかふかしてない?其れとも、怖いのは蝙蝠さんじゃなくて、キミの方?(今の所そうは見えないけどな、なんて言いながらも視線はそのままに)でもそっか、キミの牙は、狼さんじゃなくて、蝙蝠さんとお揃いなのね?(そう告げたなら、記憶の中を探る。今では出会う事も増えた猟兵という存在に、そう言う種のヒトが居た筈だ、と)
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神埜・常盤 2020年10月14日
有難う、君は優しいねェ。――ふふ、猫を被っているだけさ。本当の僕を視たら、きっと君は呆れて仕舞うよ。(肩を竦めて見せながら、くつり。冗談めかすような笑聲を漏らし。)でも、女神さまのご機嫌が取れるなら、吝かでもないなァ。辛抱強く眺めて居てくれたら、――ふとした瞬間に、ぽろりと本性が零れ落ちるやも。(己の唇を指で封じて、にやりと微笑む。)
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神埜・常盤 2020年10月14日
おお、『愛』と『徳』で『なるえ』と読むのか。恥ずかしながら、其の綴りは初めて知ったよ。琥珀の『琥』に、珊瑚の『瑚』……あァ、宝石店に似合いの煌びやかな名だ。きらきらと明るい、君らしくも有る。(君が名に冠する石たちも此処に有るのだろうか。探る様に、ぐるりと店内を見回してみる。)……そういえば、君の眸も琥珀みたいだねェ。(まるでクイズに答えるかの如き、君の振舞に微笑まし気な眼差しを向けて、)ははは、ご名答!(細やかな喝采を降らせるのだった。)そうそう、あの穏やかな彩と同じ名前なのさ。名づけの意味はまた違うらしいが。因みに苗字は、神様の『神』と林の下に土を書く――……『埜』で、神埜と呼ぶよ。
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神埜・常盤 2020年10月14日
想いが石と成ったら素敵だねェ。哀しければ水の彩で、嬉しければ黄金の彩を纏うのかな。(軽い調子で他愛も無い話を広げつつ。驚いた様な其の貌には、如何にも悪そうに目を細めて。)偶に、そう言うことが有るらしい。住まう人はさまざまで、手招く者もあれば、直ぐに消えて仕舞う者も居るのだとか。 ――あァ、上海は阿片窟とか有ったらしいからね。今は流石に合法だろうが……少しダァクなイメェジが有るのも分かるとも。(蝙蝠が褒められると、ほんの僅か貌に喜色を滲ませた。)あァ、本物の蝙蝠は可愛い。縫い包みみたいだよねェ、目も割と円らで――……ふふ、怖いのは僕の躰に流れる「血」さ。(君の反応を伺う様に、眸をにんまり細めて見せる。)そう言う琥瑚さんは、何とお揃いなのだろう。例えば君が纏う、其の「馨」とか。(其の爪先が戯れる程に、花の様な、ハァブの様な、良い馨が揺れるのは気のせいだろうか。)
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愛徳・琥瑚 2020年10月15日
あら、普通よ?それか……ふふ、キミと一緒で猫を被ってるかもね?(こーんな分厚いのっ!と両手広げて笑って見せて)だからきっと、キミのホントを見たって呆れたりしないわよ。吃驚はするかもしれないけどっ!(と、口に手を当てくふふ、と悪戯に笑ったなら)――桃源郷を見せてくれた、その金剛石みたいに?だったら俄然、粘っちゃうわよ?じぃーっと眺めて眺めて、キミに穴が空いちゃうくらい!(にやりと笑む赤茶に負けじと、金色が弧を描いた)ああ、ヒトの世でもそう多く無い姓みたいよ?だから、私を切欠に覚えてくれたなら嬉しいわ!なんか縁起良さそうじゃない?字面的にっ!(覚えてるだけで恩恵あるかも?なんて、くふくふ笑い)らしいって言ってくれるなら、琥瑚さんご機嫌よ!まぁ、ちょっと煩いくらいかも知れないけど。其処は光に目が慣れるみたいに、慣れてくれたら助かるわ(多分治らないから、と肩竦め)
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愛徳・琥瑚 2020年10月15日
あはは!ホント、常盤くんは褒め上手ね?今なら琥瑚さん、ご機嫌で空飛べちゃうかも!(告げては爪先トントンと鳴らして見せて、彼の小さな喝采を聞いたなら、ぱちんと手を慣らし)あ!正解?やったぁ!ふぅん、意味は違うのね?なら、常盤色の元になる悠久とか不変とかそっちの方かしら?(などと小首を傾げつつ、姓の方を聞いたなら、自分の掌に指でなぞり書きつつ)『神』に、『埜』……わぁ!こっちにも自然現す文字が入ってるのね。『埜』って草原って意味もあるじゃない?神の草原の常盤色って考えたらなんだか素敵ね!紅葉の様な色をしたキミがこの名を抱くってのも(内側がそうだったりするのかな?と目を細めて)
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愛徳・琥瑚 2020年10月15日
でしょでしょ?色や輝き方が想いに添うなら、きっと素敵だわ(彼の挙げた例を瞼の裏に描くように、一度金色を内に仕舞って)何だかそう聞くと、幽霊とかってそう言うものなのかしら、って思っちゃうわね?残留思念、ってやつ?(続く話を聞いたなら、んーと想像膨らませ)ね!マフィアとか、裏取引とか?んー!なんかドキドキしちゃう!(蝙蝠の話に眦が緩んだ彼に微笑んで)あ!お揃い褒められると嬉しいのね?若しかしてお友達もいたりするのかしら?――……怖いのは、血。……其れは、血縁に怖い人がいる、ってこと?(細められた眸を真っ直ぐ見返して想ったままを問う)あ!気付いた?ふふ、これはね煙管の残り香!香草弄って作った特別製なのよ。吸ってから来たからなぁ。でも、そうね。植物って意味ではお揃いかも! ――琥瑚さんはね、桜なのよ。(内緒、と云うように、口元に指当てたなら、空いた手でお団子に隠した花枝をそっと覗かせて見せて)
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神埜・常盤 2020年10月16日
それはそれは、随分と愛らしい猫の皮だねェ。(君に釣られたように、くつくつと喉を鳴らして笑う。)はは、ではお言葉に甘えて少しずつ。尤も、余り見つめられすぎると――。(横目でちらり、薄ら消えかけて往く桃源郷を眺め見て、)本当に穴が空いて仕舞うやも。(お手柔らかに頼むよ、なんて。戯れる様に紡ぎながら、そっと肩を竦めて見せた。) そういう君の被った猫も暴いてみたくあるけれど……淑女が秘めたものを解き明かすのは粋じゃないか。あァ……すっかり覚えたとも。縁結びの神様みたいで、確かに縁起が好いよねェ。(白い掌に指で「愛」と「徳」の字を何度も書いて、ご利益にあやかろうと。)イヤイヤ、治す必要なんて無いさ。其処に居るだけで場が華やぐなんて、とても素敵じゃないか。(君の眩しさは太陽や宝石の其れよりも、向日葵の眩しさに似て居ると、穏やかに頸を振ってみせた。)
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神埜・常盤 2020年10月16日
ふふ、正直者なだけさ。――そうそう、こう見えて長男だからねェ。どうやら「悠久」の繁栄を願って、命名されたらしい。(自然、と意外そうに反芻すれば。顎に手を当て考える素振りを見せて。)そう謂われてみれば、統一感が有るなァ。はは、その考え方は素敵だね。清浄で神々しい雰囲気で……。(内側を問う聲には、軽く視線を彷徨わせた。紅葉に似た彩の双眸が、ゆらりと游ぐ。)まァ、伸び伸びとして居る所はそうかも知れない。
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神埜・常盤 2020年10月16日
残留思念か、確かにそうかもなァ。心残りや執着が無ければ、化けて出てくることは無いだろうし。……因みに君、幽霊を見たことは?(口許を覆う指先の裏で薄らと笑いながら、ゆるりと頸を傾け問う。)友達と云うか、ペット、みたいな物かな。――親父がね、怖い怖い吸血鬼なんだ。(真面目な貌を作って、そんなことを宣う。果たして君は、信じて呉れるだろうか。)おや、煙管の馨なのか。てっきり香水か何かかと。香草が原料とは、道理で良い馨だと思った――。(結った御髪に隠された花枝を視界に捉え、一瞬眸がまあるく成る。成る程、溌溂とした猫皮の中身は、)桜の精だったのか、きみ。気づかなかったなァ……。
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愛徳・琥瑚 2020年10月17日
琥瑚さんの猫は着ぐるみ級よっ!なーんてね。あら、空いた穴からホントのキミがぜんぶ見えちゃうから?(軽口混じりに、くふふ、と楽しげに笑って)あら、縁結び?確かにそんな御利益なら素敵ね!ふふ、そんなに書いてくれるってことは、何か結びたい縁でもあるのかしら?愛徳大明神が聞いてあげましょうか?(なーんてね、と、くすくすと)ふふ、だったら、正直者な常盤くんの言葉を、有難く受け取っておくわ。向日葵みたいって云うのも嬉しかったしねっ!ありがとっ!(と、片目を瞑って感謝を告げて)へぇ、長男ってことは常盤くんには兄弟がいるのね?ふふ、まだお兄ちゃんらしいのか、らしくないのか、判断できる程はキミを知らないけれど、色々と知れるのは嬉しいわ。くふふっ、ほら、そんな顔とかね?(ゆらりと游いだ視線を追えば眦緩めて)いいじゃない?清々しい草原みたいに伸びやかに、それって素敵よ?
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愛徳・琥瑚 2020年10月17日
幽霊ねぇ、影朧もその一部って言われたら、あるってことにはなるけど。其処は別枠でしょ?だったら、無いかしら(と、こてんと首を傾げて)へぇ!キミは蝙蝠さんがペットなの?お名前ついてたりする?(蝙蝠がペットと言うのは馴染みがなく、興味に満ちた視線を注いで、続いた言葉には少しばかり思案して)――それは、キミのお父さんが怖いヒトってことなの?それとも、吸血鬼という種族を、怖いと言っているのかしら?……キミは、吸血鬼であるお父さんが、好きではないの?(真面目な顔をして語る彼の言葉。それを疑う素振りもなく真っ直ぐに受け止めながら、再び浮かんだ問いを返す。まっすぐに)ホント?匂い強すぎたりしない?自分で吸ってると加減がたまに分からなくなりそうで。ふふ、良い馨って言って貰えたら嬉しいわ!(そうして続いた言葉にもまた嬉しげに)あ、桜って気付かなかった?なら、上手く人に溶け込めてるのね、良かった!
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神埜・常盤 2020年10月21日
そう、隠していた本性が雪崩のようにね。でも其れだと面白くないし、少しずつ楽しんで呉れ給え。君だって――……着ぐるみが暑くなったら、何時でも中身を見せてくれて良いのだよ?(可笑しそうに笑みながら、片目を閉じて見せた。)はは、逆さ。運命の女性には未だ出逢えてない。愛徳大明神を拝めば、素敵な出会いに恵まれるかなァ。(悪戯にゆびさきを組み合わせつつ、双眸を弛ませて。)どういたしまして……あァ、弟と妹が居るよ。面倒など碌に見たことは無いケド。――そういう琥瑚さんこそ、兄弟は?(自身より幼げに見える君へ視線を戻して、かくりと小頸を傾ける。)ふふ、最初に言った通り、僕は幼稚なのさ。けれど向日葵の様な君が褒めてくれるなら、こういう性分も良いかも知れない。
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神埜・常盤 2020年10月21日
あァ、影朧とはまた違うよねェ。僕も、目にしたことは無い。(多分、と付け加えた言葉は、少し自信なさげに響いた。)桃源郷の中に居るかも知れないと、思ったけれど――どうやら、当てが外れたようだ。(くるくると紡がれる問いには、おっとりと口許を弛ませて。)はは、沢山いるから名前は無いよ。付けた所で覚えられはしないし。(ほら、なんて。ゆらゆら片手を宙に揺らせば、五指が忽ち蝙蝠へと変形する。其れはすぐさま音も無く羽ばたき、男の影に溶けて行った。)――両方さ。“良い吸血鬼”なんて、聴いたこと無いだろう? だから、ウン、僕は好きに成れないなァ。(真っ直ぐな君の問いを受け止めて、静かに首肯する。)あァ、何処か癒される馨だから、気に成らないとも。僕も吸うから気にせずに……おや、種族を隠していたのだね。勿論、よく溶け込めて居るけれど。なにか、理由でも?
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愛徳・琥瑚 2020年10月22日
あははっ!確かにそうね。最初に全部わかっちゃったらつまらないわ。なら、穴空くほど見つめるのはやめにして、少しずつね。ええ、琥瑚さんのも!(くすくすと笑い零して、りょーかい、と告げたなら、片目瞑る彼へと指で丸を作って見せた)あゝ、そうなのね?よーし、だったら常盤くんに運命のヒトが現れるよう、愛徳大明神の力を全力で送っちゃうわ!だから、だからっ!もしそんな出逢いに恵まれたなら、琥瑚さんにこっそり教えてくれる?あ!秘密はちゃんと厳守するからっ(『愛徳』の恩恵があったか知りたいじゃない?とパチンと手を一つ打ち鳴らした)わぁ!弟さんも妹さんもいるのね。……ん?そうなの?あんまり仲は良くないのかしら?琥瑚さんはね、きょうだいは居ないわ。まぁ、桜だから元々ヒトの其れと概念が違うかもしれないけれど。そうね、同じ桜の樹から生まれた子も居ないから。一人っ子ってやつになるんじゃない?(けろりと笑って告げて)
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愛徳・琥瑚 2020年10月22日
……たぶん?(という事は、確証無いながら似た経験はあるのだろうか、と小首を傾げ)ん、その言い方だと、キミには会いたい幽霊さんが居たりするの?(何となく、言葉からそう取れた。そうっと、もう朧げな桃源郷へと視線を向けて)あ、そうなのね?……わっ!わぁ、すっごぉい!今のが?今のがキミのペットたち?何だか奇術みたいね!(彼の指から現れた蝙蝠達の在り様を見て、再び金が零れそうな程に眼を開き手を叩いた)
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愛徳・琥瑚 2020年10月22日
(彼が紡ぐ問いの答えには真摯に耳を傾けて)……そうねぇ、琥瑚さんは影朧を癒せる桜だからかもしれないけれど、悪いだけの種ってあまり実感ないのよ。“良い吸血鬼”だっているかもって。でもね、キミがお父さんも怖いヒトだというのなら、キミの目に映るのはそうなのかしら、とも思うのよ。好きになれないと言葉にする其の気持ちだって確かなキミの。でもね、琥瑚さんは、その吸血鬼の“血”を持つキミを、怖いとは思ってないわ。少なくとも、私の知る限りの今は、ね?(まだ出会ったばかりのキミ。その全てを知る訳ではないから、今思う分だけを伝えて)ふふ、本当?好きで嗜んでる物をそう言って貰えたら嬉しいわ!あら、キミも吸うのね?ふわーっと煙漂うの見てるのも良いわよねぇ(お仲間ね!とからりと笑って)そうねぇ、癒しの話を出しておいて何だけれど、桜じゃない琥瑚さんで、ヒトと出会いたいって思ったから、かしら。
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神埜・常盤 2020年10月25日
はは、それは頼もしい!(牙をちらつかせながら、愉快そうに笑みを零す。)両の手を祈るように組み合わせて、)ウンウン。いつか、そんな人に出逢えそうな気がしてきたなァ。勿論さ、素敵な出会いがあったなら、真っ先に君に教えるとしよう。(君の提案には、徒に片目を閉じて見せた。内緒だよ、と己の唇を指先で封じながら。)……あァ、僕と彼等は年が離れて居たのさ。歳の近い者同士で遊ぶ方が、子どもだって楽しいだろうし。――おや、琥瑚さんは一人っ子なのか。(思えば同じ櫻の木から、そう何人も櫻の精が生まれる訳も無いか。納得したように頷きつつ、口端をゆるりと緩めて。)確りしているから、長女っぽいなァって勝手に想っていたよ。(消えたり浮かびあがったりと忙しない桃源郷を、ぼんやりと見つめて居る。)……いや、ただの興味本位さ。宝石に宿る幽霊なんて、きっと美人に違いない。(冗談めかすように、そう言って笑って見せた。)
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神埜・常盤 2020年10月25日
見ての通り血を分けた子達だ、可愛いだろう。ふふ、僕は奇術師じゃないのでねェ。種も仕掛けも無いのだよ。(ひらひらと手を振る男のゆびさきは、いつの間にか五本とも揃って居た。)――……それは、優しい考え方だね。僕も“良い吸血鬼”と云う者に、お目に掛かって見たくなった。(真摯に紡がれる言の葉に、ゆっくりと瞬いて。)はは、ありがとう。自分で自分が恐ろしく成ることも、無くはないのでねェ。そう言って貰えると、少し重荷が取れた心地に成るよ。(笑う君には「仲間だ」と、こくり頷いて見せた。)煙管を嗜む君の姿は、さぞ絵に成るのだろうなァ。――分かる、煙の行方を追うの楽しいよねェ。(紡がれた答えに、ちいさく頸を傾けた。「櫻の精」であることは確かに、この世界だと何か特別な意味を持ちそうだ。)成る程……。「ただの琥瑚さん」としてヒトと触れ合うのは、櫻として触れ合うのと、矢張り違ったかい。
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愛徳・琥瑚 2020年10月27日
わぁ、本当?そう思って貰えたら琥瑚さんも嬉しいわ。ふふ、約束ねっ!(内緒も勿論!と、彼と鏡合わせのように、唇に指当ててウインクひとつ)あ、なるほどー!年が離れていると話題も迷っちゃったりするっていうものね?おにいちゃーんって甘えてきたりはしなかったの?(きょとんと首を傾げつつ)あら、そう?ふふ、煽てたって今日は何も持ってないわよ?(くふふと笑って告げ乍ら)あゝでも、もし同じ桜から……ってことが、これからあるとしたなら、私もお姉さんになるのかしら?妹にはなれなくても、お姉さんは可能性あるものね?(そうしてぼんやり見つめる視線をゆるりと追って)――そうなの?琥瑚さんの考え過ぎかぁ。(ちぇーっと軽く舌出して)そうね、きっと其処に立っていたなら、夢に誘う程の美人さんかも!石の中へと攫われちゃいそうな程っ!あら、ふふ。奇術より種も仕掛けも無い方がずっと凄いと思うわ(元に戻った指に再び拍手を贈って)
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愛徳・琥瑚 2020年10月27日
優しい……そう、かしら?住む世界や種族による価値観の違い、かもしれないけれど。でも、私の言葉が、キミがそんな風に思う切欠にもなったなら、何だか嬉しいわ。そっかぁ。んー、だったらそうね。キミが琥瑚さんに悪い事をしない限り、いつだって言ってあげる。琥瑚さんはキミが怖くないわよって。軽くなった荷物がいつかまた増えたなら、下しにいらっしゃいな(ぱーっと吹き飛ばしてあげるっ!と両手を上げて)あら、またそんな風に煽てるんだからー。でもでも、だったら、今度一緒に吸いましょうよ。ぷかーって煙追いながらお喋りしましょ?キミの吸う姿も見てみたいわ、琥瑚さん(「お仲間」と吸うのも良いでしょ?と煙管を持つ真似をして)ん、そうね。私の気持ちの問題も大きいかもしれないけれど、やっぱり違うわ。いつもより足が軽くヒトに会えるの。こうして声かけるのもね。
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神埜・常盤 2020年10月29日
そうそう、全く話が合わないんだよねェ。甘えられることも無かったなァ。――自慢では無いがね、弟妹たちの中で一番“可愛げがある”のは僕なのさ。(子供じみた笑みを湛えながら、ゆるりと頸を振ってみせた。)同じ櫻から出づるなら、弟や妹と表わしても差し支え無さそうだ。いつか忘れた頃に、「お姉さん」って呼ばれる日が来るかもしれないよ?(戯れる様に言の葉をつらつらと重ねながら、君の仕草に瞳を弛ませて。)ふふ、石に魅入られる人間も居ると聞くし、言い得て妙かも知れないなァ。――もし新聞の尋ね人欄で僕の名を視掛けたら、宝石幽霊に誘われたと思ってくれ給え。(兎角、そういうモノに惹かれる性分なのだと。自嘲するが如く、肩を竦めて見せたのだった。)
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神埜・常盤 2020年10月29日
僕の故郷には凡そ「救い」が無かったから。君は勿論、この世界の摂理そのものすら、とても優しく想えるよ。(続く科白に、ゆっくりと瞬いて。眸を伏せながら、静かに頸を縦に振った。)はは、じゃァ……悪巧みは出来ないなァ。せいぜい清く正しく生きて往くとしよう。抱えきれぬ時はまた、その科白を聴かせて貰えると嬉しいよ。(聊か眉を下げながら、緩い雰囲気でそんなことを乞う。)いいねェ、吸おう吸おう。僕の姿が絵に成るかどうかは分からないがね。君と紫煙を楽しむひと時は、とても楽しそうだ。(弛めた口端から八重歯を覗かせつつ、くつりと笑んで。)あァ、矢張り違うのだね。僕は「櫻の精」という種族に特別な想いを抱いて居る訳じゃないが、それでも。正体を知る前に、何者でもない琥瑚さんと言葉を交わせて良かったと想うよ。(素の“ひとのよさ”が伝わって来たのだから――。常より幾分か落ち着いた聲彩で語ったのち。ゆっくりと目を閉じた。)
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神埜・常盤 2020年10月29日
――……。(それから、そうっと眸を開く。硝子ケェスのなか、気づけばもう桃源郷は消えていた。)嗚呼、そろそろ魔法が解ける頃合いのようだ。
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愛徳・琥瑚 2020年10月30日
あら、そうなのね?ヒトの兄弟っていうものも色々なのね(それもそっか、と一人頷き乍ら)だったら……そうね、一番“可愛げ”のある常盤くんと会えて良かったわ!だってその方が楽しいもの。ふふ、いつか私に出来るかもしれない弟や妹が、キミの様な“可愛げ”のある子であることを願うわ。「お姉さん」って呼んでくれるような、ね(戯れるような言の葉に、ころころと笑って返して)――あら、其れは困っちゃうわね。だってキミが攫われちゃったら、今日色々した約束が果たせなくなっちゃうわ?いーい?攫われそうになったら、叶ってない琥瑚さんとの約束、想い出して頂戴。そうして思い留まること!琥瑚さん、約束破られるの嫌いなのよ。叶えないままそんな事になったら、石の向こうまで追いかけてって、怒りに行っちゃうんだから!覚悟して?(肩を竦める彼へとそう言い乍ら、腰に手を当て、めっ!と云わんばかりに指をピッと立てた)
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愛徳・琥瑚 2020年10月30日
そう。“そう云う”世界に生きてきたキミなのね。だったら此処に来た時は、キミが感じるその“優しさ”に存分に浸っていくといいわ。其れくらい、世界を渡る恩恵を受けたっていいじゃない?(ふふ、と笑って)ええ、そうして頂戴!ま、琥瑚さんは寛大だから、ちょっとした悪戯位なら許してあげるわ?(悪戯めかしたウインクと共にくふふと笑った)やったぁ!じゃあ、それも約束よ?破ったら怒っちゃうんだからね?(覚えてて?とからころ笑って)ふふ、ありがとう。その言葉が、琥瑚さんはとっても嬉しいわ(ゆっくりと目を閉じた彼へと、柔く眦綻ばせて)……あら。本当。魔法のような景色も、勿論素敵だったけれど、琥瑚さんはキミとのお喋りが楽しかったわ!切欠になった桃源郷の噂と、此処に在ってくれた事に感謝ね!ふふ、常盤くんも、いっぱいお喋りに付き合ってくれてありがとっ!(告げては、んー!と大きく伸びひとつ)
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神埜・常盤 2020年10月31日
出逢ったばかりでこんなコトを云うのも何だが。君の弟妹なら、きっと可愛げに溢れて居そうだ。(同じ櫻から生を受けた者同士、似通ったりするのだろうか。真相は分からねど、思うままのことを口にした。)あァ、――そうか。運命のひとに出逢うまでは、ふらりと消える訳には行かないなァ。歪な誘惑に駆られた時は、君との約束を想い出さないと。……琥瑚さんに石の中まで足労掛けるのは、僕と云えども心苦しいからねェ。(叱られることなんて滅多に無いので、君の反応はとても新鮮だった。眉を下げながら観念したように、緩く頸を振って見せる。)
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神埜・常盤 2020年11月1日
そうだね、折角“猟兵”に成れたのだし。この恩恵をめいっぱい甘受させて貰うとしよう!(灰色だった半生を吹き飛ばして見せようと、人の悪い貌で笑み。)本当かい? じゃあ、羽目を外し過ぎない程度に。可愛い悪巧みで以て、偶ァに羽を伸ばそうか。蝙蝠は窮屈な所が嫌いだからねェ。(ぴくりとも動かぬ影の中、溶けて行った眷属の羽搏きが遠く聞こえる。)――僕のほうこそ。君とお喋りする時間は、夢の様に愉しかった。これも桃源郷が見せた幻なのかと、そう思うくらいにね。切欠と成った宝石は勿論、話し相手に成った君にも感謝を捧げないと。どうも有難う。……ではそろそろ、帰るかね。(名残惜しいが、と口許を弛ませながら。ちらりと、扉の方を見た。)
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愛徳・琥瑚 2020年11月1日
あははっ!常盤くんがそう言ってくれるなら、そうなるかもね?そんないつかを楽しみにしちゃおうかしら(ありがとっ!と、嬉しそうに笑って)そうよ?琥瑚さんを怒らせるようなこと、しちゃいけないんだから。琥瑚さん怒ったらこわーいのよ(観念した風の素振りを見せる彼へと、判れば宜しい、と、大仰にえへんと胸張って)ええ、ええ!そうよ。どんなことだって、そこにある恩恵は目一杯受けちゃうべきだわ。そうしてキラッキラな毎日にしちゃいましょ(人の悪い笑みへと重ねて、にひっ、と白い歯で笑った)くふふ、可愛い悪巧みがどんなものか楽しみにしてるわ。伸び伸びとした、常盤色の悪戯をね(仲良しなペットくん達も一役買うのかしらね?なんて羽音を聞いて眦緩めつつ)
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愛徳・琥瑚 2020年11月1日
あら、それは光栄だわ。でも覚えていて、琥瑚さんは幻なんかじゃないからっ!きっとまたいつか逢いましょう?約束はね、叶えるためにあるんだから。ええ、楽しい時間は名残惜しいものだけど、終わりがないと次が来ないもの。いつかくる次の為に、今日はばいばいっ!(またねっ!常盤くん!と微笑んだなら、このひと時への感謝をも込め彼へと手を振って。来た時と同じように、足音もなく爪先かろく駆けてゆく。かららん、ころん。鳴ったのは扉の鐘。ふわりと煙に混じった花の香りだけを残して彼女の黒髪は閉まる扉の向こうへ消えた)
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神埜・常盤 2020年11月6日
僕は叱られるの嫌いだからなァ、せいぜい気を付けるとも。(きっと君は、怒った姿すら愛らしいだろうけれど。さすがに、口には出さなかった。)此の店の宝石に負けない程の、煌めく日々を送れると良いなァ。総ては心掛け次第、君を見習って僕も快活に生きるとしよう。(踵を影に打ち付けながら、双眸をおっとりと弛ませて、)ふふ、きっと見る人が笑顔に成れるステキな悪戯さ。(楽しみにしててくれ給え、と片目を閉じて見せた。)
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神埜・常盤 2020年11月6日
あァ、覚えているとも。君は現、願えばいつかまた逢えるひとなのだと――……。(楽しかったひと時を噛み締めるように頷いて、扉へと向かう君を視線で追う。)勿論さ、約束はきっと叶えよう。まずは次逢う時を、楽しみに!(「またね」と笑って、去り行く君の背中へひらひらと手を振った。)(それから暫し間を置いたのち、もう何も魅せぬ宝石に一瞥を呉れて。男もまた、店の外へ。カランコロンと、見送りのベルは謳う。ひと時の幻想譚の幕引きを告げるように――。)
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神埜・常盤 2020年11月6日
(終幕)(御相手ニ感謝致シマス)
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