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🐠空燃ゆる

霄・月希 2020年10月1日


黄昏の空が燃えていた。
冷たい風が、赤い赤い葉を揺らす。
ぱち、ぱちり、燃え爆ぜるようなささやかな音だった。


◇海色の君と
◇10/15までに終了




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霄・月希 2020年10月1日
(山の裾、登山道手前。紅葉を見るなら其処だと教えてくれたのは、仮住まいの屋敷の近隣で茶屋を営む老人だった。「海のもんにゃあ珍しいかい、ちと時期は早いが今見るなら彼処だぁな」、そう笑って、持って行けと茣蓙と笹の葉に包まれたお団子セットを渡してくれた)……うっわ、……赤い……。(惚けた声)
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泡沫・うらら 2020年10月2日
(満月が一回分。ひとつき廻っただけで随分と様変わりした木々の新たな装いを物珍しそうに見上げながら)(ゆらり、ゆらり。話し相手の方へと游いで行く)月希さん。(惚けた色の乗った声に、見慣れた相貌。貴方を見つけ、其方へとひと游ぎして)
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霄・月希 2020年10月3日
(名を呼ぶ声に振り返れば、真っ赤な中に浮き上がるような海の色。宙を泳ぐ海の人。陸に上がると海の生物の片鱗をその能力にしか残さなくなる男は、まるで童話の中みたいだなァ、なんて思いながら)あれ、うらら。うららも紅葉見に来たの?(よさそうなばしょに茣蓙を敷いて、腰を下ろす。傍らには笹包と竹の水筒。典型的な物見遊山)
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泡沫・うらら 2020年10月4日
(問いかけには柔和に微笑み)ええ。夏にはこの先にある小川へキャロティさんとご一緒したんですけども、秋の装いも素敵やな、思いまして散歩がてら。(寛ぐ算段が整った持ち物に音無く喉を震わせて)そちらは……、紅葉狩り、いうやつやろか?
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霄・月希 2020年10月5日
へぇ、キャロティと。ていうか小川もあったんだな。(この付近をそんなに見回って来なかったな、と今更気づいて、少し勿体なかったかもしれないと。笑う相手の姿に悪童のような悪戯っぽい笑みを返して)そ、屋敷近くのお茶屋さんのおっちゃんが場所教えてくれて、おまけに茣蓙貸しておやつまで付けてくれちゃったからさ。何なら、うららもどう?
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泡沫・うらら 2020年10月6日
ええ。夏場は涼し気で心なしか泳いでる魚も気持ち良さそうでしたよ。(思わぬお誘いには眦を下げて貴方の元へ游ぎ寄り)まぁ、嬉しい。ほなご一緒させて貰いましょかな。御邪魔します。(隣へ腰かけて)
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霄・月希 2020年10月7日
ざぶざぶさんとこの海なら行ったんだけどなァ。(先日まで居た世界を思い出しながら。相手と自分の間に、笹の葉包みを置いた。開ければ、餡子の乗ったお団子が四本。竹の水筒は口を直接付けて飲むものだから、少し迷った)あ、しまった。お茶……んー、俺がもうちょい術系とか明るけりゃ氷とか水とか何かでグラスくらい作れそうなもんなんだけど。うらら、そういうの出来るひと?
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泡沫・うらら 2020年10月9日
(貴方の言葉に同じく先日まで居た世界を裡に浮かべ)彼処の海も過ごし良い穏やかでええ場所でしたね。不思議の国に拠点を移しても構わんなと想えるくらいには。(彼処に住まう彼らの姿も相まって。言葉にしながら口元緩め)ああ、お水の類でしたら何なりと。(人指し指をくるり一回転。竹水筒から一口分の水の塊が浮かび出て)
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霄・月希 2020年10月12日
彼処拠点にしたら、幾ら驚いても足りなさそうだけどなァ。(知らないこと、突拍子もないことばかりで楽しかったけれど。くすくすと笑を零して、涼しい風に瞳を細めた。お団子の串を一本取ってから、包みを相手の方に押しやって)ほい、お団子。……うわ便利。みんな器用だよなァ、猟兵……。
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泡沫・うらら 2020年10月13日
毎日刺激に溢れて、退屈しやんで済みそうやないの。驚かされすぎて、寿命が縮まってしまうやもしれませんけども。(からころ楽し気に鈴音揺らし。差し出された包みを受け取って)おおきに。勿論猟兵の力で精度が増したんはありますけども、大半は産まれに由るやろか。うちらみたいなんにとって水は、空気よりも近いもんやさかい。(分裂させてふよふよと浮かせながら)
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霄・月希 2020年10月16日
ははっ、流石に寿命縮むレベルだとその内滅多なことじゃ動じなくなりそうだなァ。(可笑しそうに笑って、お団子をひと口。餡子の優しい甘さが口の中に広がって、もにもにと弾力がありながら柔らかいお餅の素朴さが幸せ)んー……俺も一応、海の中で生きて来たんだけどなァ。ぶっちゃけ、魔力使う必要ってあんまなかったから、力の伸び代はあっても育ってないんだよなァ、多分。(シロナガスクジラの男は、恵まれた体躯と音の力もあって、それ以外の手段を必要として来なかった。浮くお茶の玉の中に、燃えるような景色が浮かぶのが少しだけ面白い)
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泡沫・うらら 2020年10月16日
(団子と同じくもちもちしていそうな頬の動きに眦を下げ、包みを両手で覆い)ふふ、とっても美味しそうで見てるだけでお腹が膨らみそう。お仕事の後、小腹が空いた時にでも呼ばれましょかな。(浮かせたひとつを口元へ。残りは変わらず宙に浮かせたまま)つこたらつこた分だけ身近に、馴染みのあるもんになっていきますよ。きっとね。
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霄・月希 2020年10月20日
(穏やかな会話と優しい涼風。燃えるような紅葉と、やがて暮れ行けば真っ赤になるであろう空。鮮やかな世界で、静かに会話は続いて行く)
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霄・月希 2020年10月20日
【〆】
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