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🐠そぞろ歩き

穂結・神楽耶 2020年9月30日


江戸に職人の集う街がある。
ひとの手で作られる、ひとに寄り添うモノ達。
後進の姿を見に、モノ達は秋を行く。


◇びいどろ金魚のあなたと
◇10/15までに終了




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穂結・神楽耶 2020年9月30日
(幻焔のゲートを開いて踏んだ地は喧噪に溢れていた。職人街は呼び込みの声と制作の音をつねにかき鳴らしているのだ。幾度か訪れて慣れているそれをさらりと聞き流し、刀は傍らのあなたを振り返った) 真珠様、お足元は大丈夫ですか? 踏み固めてるだけなので苦手な方は苦手かと思うのですが…。
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雅楽代・真珠 2020年10月2日
(自分とは違う門を興味深げに眺めたのちにいつもの人形の腕の中で尾鰭を揺らめかせた地で、人魚はきょとりと視線を彷徨わせた。たくさんの音が耳に届く。活気のある音たちだ。)うん、大丈夫だよ。如月の足は僕と違って頑丈だからね。神楽耶は大丈夫なの?(視線は一度お前にいくものの、すぐに珍しげに辺りへ向けられる。)思っていたより、賑やかだ。
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穂結・神楽耶 2020年10月2日
わたくしはもとより刀を扱えるように出来ている身体ですから。(大丈夫と示すように踏む足はたおやかでありながら安定している。喧噪の大きい方へと先導していきながら) ええ、職人たちの集まる……エンパイアの最先端かと。真っ直ぐ行けば蜻蛉玉工房になりますが、何か御覧になりたいものはありますか?
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雅楽代・真珠 2020年10月4日
そうか。神楽耶は鋼だから頑丈なのだね。(強く打ち付けられれば割れてしまう己が本性とは違う硬い存在。確りとした足取りの姿を人形に追わせ、得心したように僕は頷いた。)蜻蛉玉、可愛いよね。僕は風鈴の工房になら行ったことがあるよ。見たいものか……組子細工とか、あるかな。神楽耶は気になるものはないの?
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穂結・神楽耶 2020年10月6日
お気持ちは大変有難いのですが、此度は真珠様をご案内差し上げたく。時間があったらですねぇ。(とぼけたような表情で、けれど言葉は断固と。ゆるりと差し向ける歩調はゆったりと気遣いを含ませて) 組子細工でしたら……ええと、すこし遠いですがこっちの方ですね。(道を進んで三番目を左折。やや喧騒が静まり、周囲を歩く顔も年配のそれが増えてきた通りに組子細工でできた看板が見えた)
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雅楽代・真珠 2020年10月6日
そう。(特に気にした様子も見せずに頷いて、歩むお前に僕を抱いた如月をついていかせる。)(時折視線を左右の建物にやりながら道を進めば、次第に静かになっていく。喧騒よりも木の香りを濃く感じるようになって)此方は静かなのだね。どこもかしこも賑やかなのかと思っていたよ。神楽耶は色んな所へ足を運んでいるのだね。(組子細工の看板が視界に入り、柔らかに目を細めた。)
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穂結・神楽耶 2020年10月7日
単に放浪趣味なだけですよ。静かな方が作品自体はゆっくり見られますし。(工房の扉を開く。まず目につくのは正面に立て掛けられた四枚屏風だ。近付けば綿密な組子細工と分かる裏には小物を並べた棚。奥では職人が数名黙々と木を組んでいる)
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雅楽代・真珠 2020年10月10日
見聞を広めることは良いことだよ。僕は書物で知識を得るばかりだから、今日はとてもいい機会だ。(お前に続いて人形が歩を進め、工房へと入る。屏風に棚、奥の職人へと視線を向けてから、元より大きくはない声の調子をひとつ落とした。)繊細な仕事ぶりだから、賑やかな空気よりも静かさが合うね。(屏風の見事な造りに目元を綻ばせ、こういう雰囲気は好きだよと告げた。)
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穂結・神楽耶 2020年10月11日
ふふ、そう言って頂けるとこちらにご案内させて頂いた甲斐がありますね。(こちらも元より大きくはない声をひそめて小さく笑う。組子細工は派手ではないが確かな技術が必要な芸術だ。遠目に眺めるだけに留めて、棚の方へと近づいた。さほど金子は持ってきていないが、小物入れくらいなら手が届くろうか) なにかお土産に買って行かれます?
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雅楽代・真珠 2020年10月12日
(棚に並ぶ、繊細な組子細工たち。ひとつひとつ形も組み合わせも違う細工を眺め、視線を動かさぬまま口を開く。)僕はね、茶托を買おうかなと思っているよ。今屋敷に居る全員の分があれば、皆で茶を飲むひとときがより楽しくなるかと思ってね。(これなんて花のように見えて可愛らしいねと気になった茶托を覗き込み)神楽耶は何か、気になるものは?
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穂結・神楽耶 2020年10月12日
ああ……なるほど。揃いのもの、ありませんでしたものね。大変素敵な案かと。(並んだ茶托を見遣った。手作りゆえにふたつと同じもののないそれは、ひと夏の集まりによほど相応しいものに思えた) んん……どれも大変素敵すぎて目移りしているところです。小物入れとかなら誕生日の贈り物によさそうでしょうか。(掌大のそれを手には取らずに目線だけで見分していく。どれも良い物であることは言うまでもない)
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雅楽代・真珠 2020年10月12日
組子細工の茶托なら使わない時は立てて飾って置いても綺麗だしね。(気に入った柄の茶托を指差す度に、執事人形が手に取っていく。)そうだね、小物入れは良さそうだ。少し大切な物を入れるのに向いているかも知れないね。誰かに贈る予定があるの?
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穂結・神楽耶 2020年10月13日
ええ、お世話になってる後輩の誕生日が近くて。……ううん、でも合いそうな柄がありませんね。ゆっくり探すとします。(名残惜しげにしつつもきっぱりと小物入れから視線を外した。会計を待つ風情で二歩下がり) よいものは、いつかよいひとに巡り合うでしょうから。それまでの辛抱です。
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雅楽代・真珠 2020年10月14日
心より欲しいと思ったもの、心が向いたものを手にするのが一番だものね。神楽耶のことだからうんと歩いて探すことだろうし、きっといつか、巡り会えるだろう。今ではなくてもいいものね。(執事人形が少し多めに茶托を手にし、それから最後にもう一つ)これもあるといいかもしれない。(菓子器も手にしたところで店員を呼んで支払いを済ませた。)
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雅楽代・真珠 2020年10月14日
皆でお茶をする時間が楽しみになったよ。神楽耶、良いところへ案内してくれてありがとうね。(茶托に菓子器、お茶の用意を揃えたから、帰りに美味しい茶菓子の店も案内してと口にした。)
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穂結・神楽耶 2020年10月14日
どういたしまして。こちらこそ、わたくしの好きなものを気に入って頂けて光栄です。これでするお茶の時間が楽しみですね。(鮮やかな笑みひとつ、先に立って工房を出る。はてさて、このびいどろ人魚のお眼鏡に叶いそうな茶菓子のお店はどこを選ぼうか──)
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穂結・神楽耶 2020年10月15日
[〆]
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