MOIL
松本・るり遥 2020年9月17日
「命に平等を」
「懸命に生きていたい」
「死にたいとも、死にたくないとも、言わずに済む魂へ」
ーーだの、だの、なんだの。
妙なビラが配られていたのを、なんと無しに、ただ進行方向に邪魔だったので、受け取る。
ああ、宗教か。
並べ立てられた文言が気になるほど飢えてはない。し、猟兵活動をしていると、こういった言葉への警戒心は強くなる。どうしても。
ビラを畳んでしまおうとした。こんな、読み方もよくわからない宗教の事は、家に帰る頃には忘れている。いつもなら。
けれど。
そのビラを、ゴミ箱ではなくポケットにぐしゃぐしゃに押し込んでから、十数分後。
買い物のビニル袋を持ったまま、あの躑躅色がいるだろう扉を叩いたのだ。
「よ」
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(ジンガとるり遥)
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松本・るり遥 2020年9月17日
飯これから? なんか一緒に食いたくなって。(支度済みなら適当にあるもの食うし、と買い物袋を掲げる。LINEひとつ送っていない突発来訪だ、少しでも困った顔をしてくれるならそれで帰る。ポケットに丸めたビラの無駄な質量ががばがば気持ち悪い、やっぱりちゃんと畳んで仕舞うんだった。)
ジンガ・ジンガ 2020年9月17日
……、……これから。(驚いたように目を見開いたのは一瞬だけ。慣れた友の姿に、ゆるりと目元が緩む。この群青が連絡なしで来るのは珍しい、気がする)いーよ、一緒に食お。ちょーど今、テキトーになんか作るかにゃーって冷蔵庫見てたトコ。(扉を大きく開いて、どうぞ、と彼を招き入れる。カップ麺に手を出す前で良かった、本当に)
松本・るり遥 2020年9月17日
お。何作るよ。(ありがと、少し頭を下げてお邪魔します。部屋をなんと無しに見渡せば、大体はーーまあ全く違う間取りもこの団地にはあるらしいがーー大体は己ら松本家と似た間取り。……生活感もある。良かった。……ああ、まずは手洗い場借りるわと、慣れた様子で奥へと姿だけ引っ込む。声だけ届く。)手伝える事あったら手伝うし。
ジンガ・ジンガ 2020年9月17日
んー、今ウチにある材料だと……(聞こえてくる声を背に、冷蔵庫をがさがさ漁る。さっきチラッと見たとき考えてたのは、確か――)チャーハンかー、オムライスかー……あー、ガリバタチキンもイケそ? ……お、豚キムチ丼も選択肢にイン出来るわコレ。(好きなの選んでー、と声を返しながら、炊飯器をかぱり。うん、大丈夫。余裕で足りる)