0

🐠秋のとっておきを探しに

琴平・琴子　2020年9月16日

琴平・琴子　2020年9月16日
真珠さん、こちらです。（こちら、と手を向けたのは喧騒から少し離れた裏道にひっそりと立つ舞台衣装や少女たちが憧れる華やかな衣装を取り扱う少し大きな衣装屋。ショーウィンドウには大人しめのワンピースを着たトルソーが並んでいた。）（目の前に好みの服が並んでいるかと思うとそわそわと少しだけ落ち着かない様子で片手は胸の前、もう片手はワンピースの裾を掴んでいた）

雅楽代・真珠　2020年9月17日
（執事人形の腕に抱かれ、こちらと向けられた手に導かれでついていった。賑やかな表通りとは違い、ひとつ呼吸を顰めたような静かさが漂う裏道。其処へ建つ建物を、ツ、と見上げ――視線をそっと琴子へと向けた。）良い雰囲気の店だね。こういう洋装がお前の好み？（僕の目には異国調の装いだけれど、可愛い装いは可愛いと思う。落ち着かない様子のお前の姿を微笑ましげに見つめると、執事人形が一歩前に出て扉に手をかけた。）さあ行こう、琴子。お前が好む装いを見つけに。

琴平・琴子　2020年9月19日
このお店、クローゼットの中を見ているみたいでわくわくするんですよ。（こういうのが好きなのか、そう言われて照れくさそうに僅かに頬を紅く染める。）はい。和装も嫌いではないのですけども、どちらかと言えば洋装の方が好きです。いくつか和装も見たんですけど……「こういった形の」が、好きなので。（こういった、と言いながら広げて見せたのはワンピースの裾。）真珠さんはいつも可愛らしいのを着ているので見立ててもらうの、楽しみです。（彼は可愛いから身に着けるものだって可愛いくて当たり前かもしれないけれど。）（扉に手を掛けてくれた執事人形さん、真珠さんへそれぞれお願いします、と頭を下げてから扉の前に立った。）

雅楽代・真珠　2020年9月21日
（くろぉぜっと。確か、行李や箪笥と似たようなものだ。そうだねと口にして、人形に扉を開けさせた。）（扉を止めたままの人形の腕から降りて、僕は店内へと游ぎゆく。広がる世界は、僕には馴染みのないもの。けれど大きな衣装箱という点では洋も和も然程かわりはしないことだろう。）琴子の好きな、「そういった形の」服が沢山あるね。（扉を押さえている人形は、お前が入るのを待っている。お前が入店すると人形は丁寧に扉を閉め、僕に追従する。）（「いらっしゃいませ」と頭を下げた店員に鷹揚に頷き返すだけに止め、ぐるりと店内へと視線を向け、はたと止まるのは秋色めいた洋服が並ぶ棚。）秋物はあそこのようだけど、あそこから見る？　先に目についた物を見ても良いけれど。

琴平・琴子　2020年9月21日
（店内に入って、「いらっしゃいませ」と頭を下げた店員さんには頭を下げる。）ブラウスとスカートの……袴みたいな組み合わせも好きですよ。（真珠さんはサムライエンパイアの出身だからそれで伝わるかしらと言い直した。）（欲しかったものも安くなっているかもしれないから、目についたものも見たいけれど今日の目的は秋の服。）目についたものから順番に見たいところなのですけれども、付き合ってもらっている身ですし一先ず秋物からでもいいですか。（足を向かわせるのは秋色の洋服が詰まっている棚――ハンガーに掛けられた服が所狭しと詰まっている棚の前へ。）元々舞台衣装を貸していたお店らしいので詰まっていて取るのに一苦労するのですよね。

雅楽代・真珠　2020年9月21日
すかぁと、知っているよ。さくらみらぁじゅで女優が着こなしていた。袴と違って丈が色々とあるのだよね。（琴子の今日の装いを見て、丈の長さを確認した。）そうだね。では、まずは秋物を見ていこう。……舞台衣装の。詳しいね、琴子。この店にはよく来るの？（琴子の手元を覗き込み、棚を見上げ、それからぐるりと周りを見渡す。どれも可愛らしい装いだ。）高いところや、つまり過ぎてている時とか、如月の手を借りても良いからね。

琴平・琴子　2020年9月22日
サクラミラージュの女優さんも綺麗ですものね。（脳裏に過るのは足首まである丈やそれ以上より長いものを持ち上げて動く姿。）（自分のは膝丈ぐらいでそんな長いものは引きずって転んでしまいそう。）ＵＤＣに来る度にこちらのお店の前を何度も通ってたら店員さんに話しかけられて……。それで聞いたんですよ。着るのはともかく、舞台衣装も華やかで見てるだけでも楽しいですし。あら、如月さんの手も借りての良いのですか？ 困った時の如月さん、とても頼りになりそうですね。（ふふ、と笑みを零してから詰まった棚のから目についてあっ、と呟く。手に取ったのは丸襟の長袖のココアブラウンのワンピース。）少し、地味すぎるでしょうか？

雅楽代・真珠　2020年9月22日
ああ、それで知っているの。（地味だろうか口にするお前の手元のワンピースは、落ち着いた色。地味だとは思わないよと僕はふるりと首を振る。）琴子もいつか、女優のようなすかぁとが似合いの女性になるよ。背伸びをしてみるのも良いけれど、今お前に似合う装いはきっと今という短い期間だけしか出来ない装いだろう。お前の胸が高鳴るものを着こなせばいい。それに、秋物は大抵落ち着いた色合いでしょう？　地味だということはないよ。地味だと思うのならば、ぶろぉちやこさぁじゅ、ろぜっと等の装飾を足せば良い。（これも可愛いと手に取ったのはべーじゅとちょこれーとのすとらいぷ模様のわんぴぃす。腰にリボンの留め具が付いたべるとが付いている。）

琴平・琴子　2020年9月23日
あの長いスカートは少し憧れがありますし、似合う女性にはなりたいですけども、こう。（身長が、と言いたくて頭の上で手を動かし高さを表す。）胸が高まる……（そう言われて浮かんだのは、ブラウスとハイウエストのスカートだったり、一枚で着れたりブラウスと合わせて着れる様な膝丈のワンピース）ブローチやコサージュだったら有り合わせのもので作っても良さそうですね。（針と糸を用いたものには多少心得があるけどその手のものは合わせた事が無かったな。ロゼットは確か使ったものがあったかもしれない）そちらも可愛いですね。腰が重たくなるので私はあまりしませんがスカートを膨らませたりしてもいいかも。真珠さんだったら、こういうのもお似合いでしょうか。（自分の物を見立ててもらう筈だったのにも関わらず空いた手に取ってしまったのは真珠さんに似合いそうな薄桃と白の矢絣柄と鳥居と狐面がスカートの裾に描かれたジャンパースカート）

雅楽代・真珠　2020年9月26日
琴子はまだ幼いもの。成長する為の力として憧れはとっておいで。（ひとの子は、瞬く間に大きく成長する。今は背も低い目の前の女の童とてそうだろう。少しだけ視線を投げてから、洋服へと視線を移した。）作る……琴子は、装飾品を作れるの？　裁縫が得意？（手にしたわんぴぃすの刺繍部分を指先で辿るように撫でてから、元あった場所へと戻した。）これくらいの装いなら鯨ひげは使わないのかな。ごわごわしたれぇすのようなのを重ねているのを見たことがあるけれど、あれもまた大人の装いなのか。（琴子が手にしたすかぁとを見て、ひとつ頷いて）和の装いめいたものもあるのだね。仮紐要らずで着れるのは、洋装の良いところだね。（次に手を伸ばしたのは、貯古齢糖色の風船袖のわんぴぃす。五重線で縁取られた丸襟に、子猫たちが音符のように跳ねている。同じ五重線はすかぁとの裾にもあった。）琴子は、こういうのも似合いそうだね。

琴平・琴子　2020年9月26日
憧れ……はい、将来のためにとっておきます。（その言葉はその言葉でまた別の物があるものの、その装いをするのも悪くないなとくすりと微笑み）縫い物は得意とは言い難いのですが、心得が少々。身を寄せていたところで針の扱いに詳しい方から教えて頂いたりして、自分の服の改良も。（少しだけと親指と人差し指でコの字を作って見せた）パニエですか？　あれもスカートが膨らんで素敵ですよね。あの中に夢がいっぱい詰まってそうで。（メレンゲを幾重にも重ねた様なパニエ。これらもスカートに合わせると可愛いだろうけども。ワンピースをしまってパニエを手に取って。）和の装いもまた素敵ですよ。私が着ると文化人形みたいになってしまいそうですけども。（それはそれとして嫌いではないが真珠さんの手にしたワンピースが目に入るなり、目を見開く）あら、 五線譜の上で猫さんが踊って素敵ですね。これならボンネットに合わせても……。

雅楽代・真珠　2020年9月28日
心得があるのは、良いことだと思うよ。自分好みへと改良することや、繕うことが出来る等、やれることが多いのはお前の将来への選択肢を増やすことにもなるだろうしね。（僕は出来ないけどねと小さく笑う。けれどそれを恥じている雰囲気等微塵もなく、それがさも当然だと思っている口ぶりだ。）ぱにえって言うの？　不思議な響きだね。ごわごわとしていそうだけれどふわふわとして見えて、見た目も不思議だよね。くりぃむを重ねたようで美味しそうにも見える。――服を買ったら喫茶店へ行こうか。僕、けぇきを食べたくなったよ。（文化人形を想像してみたが愛らしいとしか感想が浮かばず、駄目なのだろうかとゆるく首を傾げて）琴子の年頃なら、猫の愛らしさも合うと思ってね。ぼんねっと……は、可愛い帽子だったかな。ぼんねっとは持っているの？

琴平・琴子　2020年9月28日
真珠さんぐらいになるとお屋敷にお針子さんとかいらっしゃいそうですし、お願いしてできそうですものね。（自分の手で指に針を刺さないのはいいかもしれないけれどそれだと自分の理想にはやや遠いだろうし。）これでスカートを膨らませて可愛く見せるんですよ。（真珠さんのおすすめしてくれたワンピースのスカート部分に入れてほら、と膨らませて見せる。立体的になって丸く膨らんだスカートの出来上がり。）クリームいっぱいのご所望でしたら良いお店を知っておりますよ。（お店のすぐ近くなんです、と店のドアを指さして。）文化人形、古風で可愛らしいですけどもその……私がすると古風すぎやしませんか。見た目が。（気に行った髪型ではあるけど、地味なんだろうか。）ボンネットは無いですね。あまり大きめのお帽子は持って無かったかもしれません。

雅楽代・真珠　2020年9月29日
そうだね、家の者たちや出入りしている呉服屋がするよ。僕も習えば出来るとは思うけれど、僕が出来るようになるということは誰かの職を奪うことになる。だから、やらないよ。（出来る日が来たとしてもそれを家の者の前では言わないのが上に立つ者だよと袖を振って、お前が膨らませたすかぁとを見る。なるほどと小さく頷いた。）あぁ、それはいいね。決まりだ。（買い物の後は甘味が待っている。機嫌良さげに微笑んで）そう？　古めかしいと僕は思わないけれど……どう思うかは人それぞれだものね。けれど、そんなことはどうでも良いことだよ。僕は僕が可愛いと思う姿をする。琴子も好きなようにあれば良いよ。誰かの目など気にしないで良い。――それなら、帽子も合わせて買おう。金子を案じる必要はないよ。今日は僕が全部持ってあげるからね。（これも似合いそうだ、と花の古風なかめおを手に取った。）

琴平・琴子　2020年9月29日
真珠さんは器用ですからすぐにできるとは思いますけどね。（でもそれをしないというのはそれが真珠さんなりの優しさなんだろう。膨らませたスカートの中からふわふわのパニエを取り出して、棚の中へ。）お店に通うお姉様がたがよく話してらしたよ。（した事はないけどお店を出てから買い物袋を持って甘い物とお茶のセットを頼んで喫茶店で今日一日の出来事を語らうのだとか。）まあ。真珠さんったら太っ腹。（甘えるのはそんなに得意ではないけれど、日頃お屋敷のお手伝いをしているし、口から出た折角の厚意。お言葉に甘えましょう。）如月さん、此方お願いしても？（選んでもらったワンピースを如月さんに抱えてもらってカメオに目を近づける。大人っぽい。でも良いなあと目を輝かせる。）

雅楽代・真珠　2020年9月30日
如何に僕が可愛くて万能であろうとも、出来ないことはあるのだよ。（矛盾する言葉を口にして、ふ、と小さく笑った。）（成程と得心がいった顔をする。）良い買い物で心を満たしたら、甘味で舌も満足させねばね。皆、考えることはいっしょのようだ。ふふ、僕は琴子の祖母君より年寄りだろうからね、これくらいなんとも無い。それに、お前はいつも確りと手伝いをしてくれる良い子だからね。良い子には、甘露と褒美を与えないと。（声を掛けられた執事人形は少女の手から恭しくワンピースを受け取り、少女によく見えるようにワンピースを抱えた。）どう？　琴子。僕は良いのではないかと思うけれど……大人びたすかぁとはまだ履けずとも、装飾をひとつ大人びて見せるのも洒落ているでしょう？　胸に飾れば、心に近い。きっとお前の気持ちも前向きにしてくれる、おまじないだ。

雅楽代・真珠　2020年9月30日
（それでも身に合わぬと思うのならば、りぼんを付けて愛らしくしてしまうのも良いねと口にする。いつもより少しだけ年長者の顔で僕はあれこれと口出しをして、そうして様々な装飾へと指を滑らせた。頭の先から足元まで、お前が望むのならば一式購入することだろう。）

琴平・琴子　2020年9月30日
ふわふわのクリームも、チョコレートのケーキもあった筈ですよ。気になってはいたのですけどね。（困ったように笑って肩をすくめて。一人だから語らう相手もいなかったし、入るのは戸惑っていた。けど今日なら、今ならその一歩を踏み出せそう。）では今日はそんな可愛らしいご年配の方に甘えさせて頂きますね。そうしたら……そうですね、この子もお願いしてもいいですか？ 今はリボンを付けて。大人になったらカメオだけで。この子も長く使ってもらえる方が良いでしょうね。（つん、と人差し指でカメオを軽く突いく。）（あれこれと出される口と手。指先を滑らされるあれもこれもそれも良いかもしれない、と如月さんに持ってもらう。）（フルコーディネートができそうな山。――ああでもやはりとっておきは少しがいい。お会計は選んでもらったワンピースとカメオだけで。）

琴平・琴子　2020年9月30日
（お帽子はいつか似合うものが自分で作れたら。そうだ今度カメオに似合うリボンも探してみよう。前に向かう足はそれらの元を探しに行く。けどそれは今ではなくいつか近い明日。）真珠さん、今日は本当に有難うございました。いつか選んで頂いた装いを見て下さいね。（店から出て、頭を下げる。手には今日選んでもらって買って貰った服の入ったお店の紙袋。）お店、あちらになります。お口に合うかどうかは分かりませんけども……。（その足はお勧めだという喫茶店の方へ。似合う物を揃えてもらった今だけは。子供らしく甘さを欲していたのだから。）

琴平・琴子　2020年9月30日
（貴方と甘いひとときを過ごして。）【〆】