【個別】例えば絵画を仰ぎ見て
新堂・十真 2020年9月10日
芸術の秋という言葉が、UDCアースないし地球に類した文化圏には存在する。
これはそんな、秋の一日の話。
誕生日プレゼントを贈るついでにカジュアルに約束を取り付けて、後日。
ちょっと遊びにいこうという感じでやってきたのは、とある街の市立美術館。
それなりに立派な施設なのだが、いかんせん秋だからと言って絵画を見に来る人が、込み合うほどいるわけでもなく
妙にのんびりした空気が漂っていた――。
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新堂・十真
リグレット・フェロウズ
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新堂・十真 2020年9月10日
はやくちごめん。(正気に戻った)
うん、うんごめん、マジで人と一緒にくるのめっちゃ久々で……。
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新堂・十真 2020年9月10日
そいつは良かった……そうだな、この時代は点描とか筆触分割とかいろいろ独特の表現が……や、そう言うのはとりあえずいいか。
(グーにした手をぶんぶん振りながら)
この時代はこう、宗教画とかじゃなくて風景画とか当時の風俗とか出てくるからな、そういうのは面白いぞっ!
(ゲートのほうにあるきつつ、こっちこっち、と手招きする)
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……成る程。ええ、納得はいったわ。そこまで絵が好きだとは知らなかった(口端を、ほんの少しおかしげに持ち上げて)
へぇ、……それは、肖像画など見るより刺激的そうね(ええ、と頷き。て招かれるまま、促された方へと歩いていく)
新堂・十真 2020年9月10日
んー、父さんが同僚の美術の先生と仲良くてさ。そこからそっち方面に興味が……あと色々戦い方とか教えてくれた師匠っぽい人が画家やってて。
何かと触れる機会多かったんだよね。
(こくこく、頷きつつ進み)
まー画家によって作風の違いはあるけど、ルノワールは萌え絵だし……マネはエロいし……。(くるっと振り返って)
裸婦画で気分害したりしない?
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
へえ、美術の……。それに師匠。……女ね(なんとなくそんな気がした。だからどうというわけでもないのだが、呟きと共に一つ頷き)
もええ。え……(こほん)
(その振り返りには肩を竦めて)……多分ね。見てみないと分からないけれど、ええ、見るわよ、どの道。貴方は好きなのでしょう?
新堂・十真 2020年9月10日
…………えっ、俺言ったっけ?(なんで分かるの、怖っ、みたいな顔)
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新堂・十真 2020年9月10日
萌え絵。ルノワールはふわふわした画風の柔らかいタッチで描いた美少女とかが有名で……病気になった晩年ほどそれが強調されていくんだけど。(こくん、と頷き、絵の並ぶフロアへと足を踏み入れる。たぶん、くっきりした写実的な絵とは違う、靄のかかったようなふわふわした絵ばかり)
……人生は綺麗なことばかりじゃないから、絵くらいは楽しくて綺麗でいいじゃん、みたいな。そういうスタンスが好き。
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
女の勘よ。(口にする表情がおかしげなのは――ただ単に言ってみたかった、という気配もただよっていないではなかった)
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
へぇ――(解説に頷きつつ、一枚の絵の前に歩み出て、じっと見つめ。描かれているのは黒いドレスの母親と、幼い少女たち。大きな犬が蹲る前で団欒する家族の姿を見つめて)
確かに、幸せを描いたような絵ね。まるで、この透明な絵の世界には悲しみというものがないような。
……欺瞞にも思えるけれど、いいのではない? そうね、絵くらい――美しさだけを描いても。
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
…………ん。(と、小さく、眉を上げて)
けれど、これ――(掲示された、『シャルパンティエ夫人と子どもたち』の解説に視線を向けて)……ああ、やはり。美少女だけではないのね、描くのは。それも、「もええ」で良いの?
新堂・十真 2020年9月10日
……もしかしたら俺史上もっとも恐れるべきワードかもしれん……。(冗談に付き合う感じ半分、ちょっと本当に脅威だな、と思ってるの半分)
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新堂・十真 2020年9月10日
あー、シャルパンティエ夫人。そうだねえ、とはいえ此処に描かれてる女の子たちもだいぶふんわり柔らかいタッチで明るい色合いで……萌え絵ってのはその辺を噛み砕いた表現だけども。
(うむ……と絵画の前に腕を組んで見つめつつ)
可愛くて綺麗な物描くんだよね……ていうか、めっちゃ犬描くんだよね、ルノアール。好きなんだろうな、犬。
(無効票)
新堂・十真 2020年9月10日
まあ、兎角絵画の世界を美しく描き続けたルノアールは、追いつめられるほどその作風を研ぎ澄ましていったわけだが――……生活は苦しかったらしい。
若い頃は豆しか食えないほど貧乏で、サロンでは作風が認められず、有名になってからは詐欺にあい……お人よしだったからな。
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
男の子、だそうよ? 小さい方の子。姉とお揃いの弟、ということかしらね男の方が死亡率が高かったから、女の格好をさせて死神を誤魔化すのだ、と(貼られた解説のその項を、白い指先が辿って)
それこそ、当時の風俗という話なのでしょうし、そういう意味でも興味深いけれど――
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リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
――その祈りを描いているようにも思えて、悪くないわね。その話を聞くと(騙されがちな、それでも幸せだけを描き続けたお人好し。そんな人物像に、もう一度家族の団欒を見つめながら目を細めて)
新堂・十真 2020年9月10日
うん……まあそういう風習は確かだろうし当時の風俗の一つではある。が、ルノワールはマネのオマージュで裸の美少年と猫の絵画も描いてたし……そも印象派ってこう、なんつーのかな……。
格式高い評論家から破廉恥扱いされたようなジャンルだから……うん……。
(もごもご)
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新堂・十真 2020年9月10日
ところがルノワールも不幸なだけの人生だったかって言うとそう言う訳でもなかったんだよな。結婚もしてたし、何より――掛け替えのない人がいた。
(ひょこ、と次のフロアの方へ目を向けて)
光の画家と呼ばれた、クロード・モネだ。
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……成る程。見る側からあまりに綺麗に見るのも、なんというのだったか……そう、解釈違い、というところかしら、貴方には(く、と笑って、一先ず納得したように頷いて)
へえ――かけがえのない人(歩みを、進めつつ)
新堂・十真 2020年9月10日
そこまで言やしないが……基本ロックなんだよな、この時代の人達。
元々はサロンで認められなかったから、自力で展覧会開いてジャンル開拓してった人達で、だからこそ苦しかったわけなんだけど……。
そう、狭いアトリエからルノワールを広い世界に連れ出していった、生涯の親友。
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新堂・十真 2020年9月10日
モネは風景じゃなくて、こう……景色の中にある「光」を書くんだ。だから絵の輪郭がぼやけてる。
例えばこの「積みわら」とか……。
(展示された、同じ積み藁を違う日、違う天気で掻き分けた連作を見つめ)
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……ロック(全く、詳しいわけではないけれど。漏れ聞くそのジャンルと、この絵柄の印象は正反対だけれど)(じ、と、絵を見つめて
)…………その先にこの絵がある。……ええ、貴方が気にいるのは、分かった気がする。
生涯の、親友……。
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……不思議な連作ね。ただ移り変わりを描いているわけでなく……タッチそのものが変わっている。いえ、写実を離れていったのかしら。
景色の中にある光。……ええ……嫌いじゃないわ。(じ、と、真剣な目で絵を覗き込んだまま)
新堂・十真 2020年9月10日
前衛芸術だったってことだな。印象派ってのも元々「印象には残るよね」って侮蔑の言葉だし……それがジャンルになるまで大逆転したんだから熱い話だが。
そう、勝手に手をポケットを突っ込んでタバコもらっても
「ああ、君か」しか返事が返ってこないくらいの仲だったらしい。いいよね。
(無効票)
新堂・十真 2020年9月10日
写実的には見えないよなあ……でもモネからしてみれば、見たままを描いたらしい。
モネはそこにある藁じゃなく、藁を取り巻く光を見てた。本当に、光が見えてたんだ。
(顎に手を当てながら、うんうん、と頷いて)
恋の景色に似てるよな、こういうの。
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
その評価は……面白いわね、皮肉で。今はこうして、格調の高いものとして扱われているのに。本人が見たらどう思うのかは、気になるけれど。
…………それは、また。確かに親友、だったのでしょうね。
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リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……そうなの? それは、意外ね。こういう風に……。(じ、と、改めて光の描写を見返して)
――ふぅん、恋の……
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新堂・十真 2020年9月10日
この時代の話は面白いよなぁ……。
フランスの格調高いとこじゃ売れなかったからアメリカで花開いたわけで。
だから日本でも人気あるんだよ、印象派。パッと見の印象で感じられるから。
お人よしと傍若無人のコンビだったらしいけど、だから噛み合ったんだろうなぁ。
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新堂・十真 2020年9月10日
モネの真似をした後追い画家に向かって「君には世界がこう見えているのか? それは嘘だ。だってこれは僕の見た景色だから」と言ったとか言ってないとか。
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新堂・十真 2020年9月10日
うん。(リグレットのほうを向き直り)輝いて見える。
リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
ふぅん……歴史には詳しくないけれど、王侯貴族のパトロンの下で、というのとは、正反対ね。
……成る程。確かに、入る前の話に想像したのよりも、取っつきやすく感じるわ。
……………………。自分の見た、景色。
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リグレット・フェロウズ 2020年9月10日
……良い趣味ではないわね。(反射的に、そう漏らしてから)
…………いえ。今の話の後で、「自分にそう見える世界」を否定する気にも、なれないけれど――
(無効票)
新堂・十真 2020年9月10日
そうそう、まあ稼ぐためには資産家の肖像画なんかも描いてたんだろうけど
そもそも「高尚なテーマなんかない、見たままの感性だよ」ってジャンルだしな。そう言うとこが好きなんだけど。
(無効票)
新堂・十真 2020年9月10日
失敬な。
モネが好きなやつの趣味が悪いわけないだろ。
要は見え方の問題だと思うんだよね。
好きな人って他の人と見え方違うんだよね。いや俺もそんな真面目な恋愛の経験が多いわけじゃないんだけど
自分の趣味に付き合ってもらってるだけのこの美術館もリグレットがいると一層眩しく見えるってのは確かって言うか……。
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新堂・十真 2020年9月10日
……いや、でもそういう視点で考えるとアレだな、俺好きな絵見てる時とお前のいる景色見てる時だと後者のほうが綺麗に見えるかもしれんな……一人で来てる分には分からなかったなこういうの。
展示物より一緒に来てる奴見てるほうが綺麗に見えるってなると確かに美術館はそんなデート向きじゃないのかな……そういうことかな、どう思う?
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
……テーマなんてない、見たままの感性……か。
………………そうまとめれば、ええ、趣味に合う。他のものも見たくなってくるわね。(そう、呟くように頷きながら)
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
待ちなさい。ストップ。タイム。ステイ。(繰り返す言葉は、珍しく少しだけ慌てた様子が混じっていた)(頭痛を堪えるように頭に手を当て、一つ、深呼吸をして)――――ま、ったく。そんなこと、聞くまでもないでしょうに。
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
(一歩、順路の先に歩き出しながら、ひらりと手を振って)
……人の見たままの景色より、自分の見たままの景色の方が美しく感じるのなら。それは、美術館がデート向きでないのではなくて、自分の向いている方向が違うだけでしょう。気になるなら、そうね、見るより描く方ででも吐き出してみたらいいのではなくて?
だって……
(無効票)
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
……その理由なら、何かを見る側でいる限り、綺麗な景色を見に行こうが何だろうが同じこと、――
…………ああもう、妙なことを言わせないで頂戴!(さすがに、どのツラで何を言っているのだと恥じる気持ちくらいは持っている)(あるいは、それ以外の理由かもしれないけれど。ほんの少しだけ、羞恥に頬を染めて)
新堂・十真 2020年9月11日
…………。
(無効票)
新堂・十真 2020年9月11日
なるほど。いや、確かに……俺にリグレットがどう見えてるのかとか、どう好きなのかとか全部は伝わらない、みたいなのはあったけど、そういう形で出力するって手はあるか……。
でもリグレットくらい綺麗だと満足に描くには大分技術が必要みたいな……。
(無効票)
新堂・十真 2020年9月11日
……でもうん、悪くないかも。
なってくれる? モデル。
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
……………勝手に描くなら、勝手にすればいいでしょう。改まってモデルを依頼するというなら――出来栄えにがっかりさせないだけの自信を付けてからにすることを薦めるわ(口にしたのは、そんな我ながら可愛くない言葉で)
それより――私は、展示の先が気になるのだけれど。
新堂・十真 2020年9月11日
んー、確かに……出来栄えの悪い似顔絵を見せたくはないしなぁ。
いやでも良いかもしんないな、勉強以外の趣味とかに乏しかったとこに丁度目標下出来る感じで……。(うん、うん、と頷いて)
(演出継続)
新堂・十真 2020年9月11日
っとと、そうだな。先に進むか。
たぶんモネのコーナーもかなり広めにとられてるから、『睡蓮』は見ないと勿体ないし……。
(こっちこっち、と奥を指さしながら、促す様に歩きだし――)
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
…………(軽率なことを)(言ってしまったような、気がしつつも――)
(演出継続)
リグレット・フェロウズ 2020年9月11日
…………そうね。ええ、進みましょうか――
(先は、気になるところであるし)(別に、悪い気持ち、というわけでもないので)(そうして、歩を進めていくのであった)