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【1:1】『miel』

フルラ・フィル 2020年8月30日


妖横丁、その一画。

緑の鳥居を越えた先
突如として現れるのは、新緑の花森と、濃緑の屋根、あえかな花々で彩られたの白いパティスリー。

硝子ケースの中には、何やらぶつぶつ呟きをもらす彩やかで美味しそうなケーキたちが並んでいる。

扉を開けば、リンとベルが鳴る。
にゃあと看板黒猫が迎えたならば、花蜜の魔女がキミに微笑む。

「やぁ、いらっしゃい。キミはどんな蜜をご所望かな?」

🍯本日のケーキ🍰
自慢の特製蜜を使った逸品を、どうぞお召し上がりください

・情慾のメルヴェイユ
・裏切りのシャルロット
・悲哀のミルフィーユ


🍯お招きした方と
🍯キリの良いところで〆




話し終わる
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終幕
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フルラ・フィル 2020年8月30日
(こつり、こつり、硬質な音が響く。白茶の髪を揺らして、ひとりの魔女が店内を歩んでいた。
店内のカフェスペースに、花紅茶に甘やかなケーキが並べて、魔女は小さく笑った)

フフ、束の間のティータイムと洒落こもうか。
シィ、お店番をたのむよ。
客人が来たならすぐに教えておくれ。
昨日のように、猫寝入りしていたらいけないよ (無効票)
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壱織・彩灯 2020年8月30日
(鳥居を潜って花緑に囲まれた先を、鼻歌混じりに機嫌良く進めばりぃん、りぃんと携えた鈴の音が鳴り、鴉が導くように其の店へと羽撃いてゆく)
(御伽噺に登場するような森の中に在る建物は、彩る花々の香りにふわふわ心地よく、弾んだ足取りで扉を開いて)

どうも、お邪魔するぞ。
…ああ、やはり甘くて芳しい蜜の匂いは此処からだったなあ、
ふふ、此れは佳き店を見つけてしまったようだ
(出迎える黒猫へ屈んで、喉元一撫で、
店主と思わしき淡き白橡のいろ揺らす髪の女性へ柔く笑み声を掛ける) (無効票)
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フルラ・フィル 2020年8月30日
(リンとなったベルの音。なつこく、にゃあと歌ってしらせてくれた愛猫に、おやと小さく声をもらす)

お客さまかな。
いらっしゃい。おや、素敵な方が来てくださった。

(それはそれはあまやかに微笑んで、スゥと新緑の双眸を細めキミを迎える。しなやかな指先が紅引くように唇をなどったならば、ふふりと得意げに微笑んだ)

ちょうど良いところに来たね。
茶会を開こうとしていた。
――キミも一緒にどうだい? (無効票)
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壱織・彩灯 2020年9月1日
(其の店が何たるものか、中へ踏み入れると硝子ケェスに並ぶ甘やかな甘味…ケーキたちを見遣れば成程、とご満悦に鬼はニィと口角を上げ笑う)

……おや、香りに魅了され導かれたんだが、茶会の寸前ときたなら此れも御縁というやつか、
俺の運も捨てたものじゃないなあ。(僥倖なこと、ところころ笑うは袖口で口元隠し)

…のう、店主の。
俺で良ければ呼ばれよう、
作法は拙いが赦しておくれよ?
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壱織・彩灯 2020年9月1日
(彼女の微笑みでさえ、あまやかに、蜜の滴がこぼれるように、不思議と眼が離せぬまま好奇心と共に誘いは断る理由も無く) (無効票)
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フルラ・フィル 2020年9月2日
フフ、そうさ。
これも御縁というものだろう。
(笑った鬼に、ふふり笑みをかえす魔女。それから、あまやかに叫ぶケーキをみやり、鬼のキミへ向き直る)

ああ、キミは幸運さ。
そうだね、キミの名を教えてもらおうか。キミ、では不便だから。
私は、フルラ・フィル。
ようこそ、花蜜のパティスリーへ。
(恭しく、わざとらしく礼をしたなら白茶がゆれて、傍らで猫がにゃあと鳴く)

(キミを席に案内したならば、新緑細めて魔女が誘う)
さぁ、キミよ。
どんな蜜(ケーキ)を喰らいたい? (無効票)
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壱織・彩灯 2020年9月3日
(名を、という言葉にぱちくり瞬いて、)
…噫、此れは失礼を。
俺は彩灯、……壱織・彩灯と云う。好きに呼ぶと良い、
有り難く店主の名も頂戴しよう。フルラ、宜しくな。
改めてお邪魔をするぞ
(丁寧に辞儀をする様も店の雰囲気に溶け込み違和感など存在しない)

…蜜は其処なけーき、と呼ばれるものであろう?
……ふむ、悩んでしまうが、
”裏切りのシャルロット”という蜜は、とても甘美な響きだな
何やら聴こえる聲も様々だ
(席へと通され、暫し悩むも名前の響きに柔らかな笑みは不敵に歪み) (無効票)
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フルラ・フィル 2020年9月27日
彩灯。ではそう呼ばせてもらおうかな。彩を灯す、とはよい名ではないか。
あぁ、とても。
彩やかな、ひかりがみえるようだよ
(ああ、よろしくと娘は顔を綻ばせる。フェネック耳がぴこりとはねた)

待たせてしまったね。
このこたちの機嫌をとるのも、なかなか大変なんだ。
(ケーキたちを一瞥し、ふふりと笑む)
そう、私のとっておきの、蜜たちをつかったケーキだよ。
ほう、彩灯は裏切りのシャルロットをご所望かい?
それはいい選択をしたものだ。
……このこの蜜は、格別でね。
きっと。キミの口にも合うと思うんだよ。

して、キミは。
裏切られたことはあるかい?

(悲哀に沈み、怒りに震える。零れ漏れる蜜の声。なんてことないように微笑みながら、皿にのせたシャルロットを運ぶ。にゃあ、とシィがひとつ鳴いた) (無効票)
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壱織・彩灯 2020年9月27日
ひかり、と。
…噫、フルラによい名と云われると、
永く使う俺の名も改め響くおとも変わるものよ、
(臥す瞼に、柔く口元を弛めながら嬉しそうに)

此れはまた、…面白い甘味だな
機嫌取りも店主の仕事とは、中々の駄々っ子なけーきとみた。
其方の特別な蜜に甘やかされたお味は期待出来そうだ
(くす、と口元に袖を当て眸を細め彼女のお勧めの話を聞く)

…裏切りか、悲しみも痛みも嘆きも随分前に一通り此の身で
経験は在るが。…ふふ、裏切る方がもしや多かったかもしれんなあ
(蜜の声に耳を傾けながら、運ばれたシャルロットを前にくるりとフォークを指先で回転させて、あっけらかんとした調子で応えを紡ぐ) (無効票)
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フルラ・フィル 2020年10月11日
私などの言葉でキミを満たせるとは思わないが、そう思ってくれるなら嬉しいな。
……良き名だと思うよ。
……私は、私の彩(ひかり)など――忘れてしまったからね。
(微かな音をつむいで魔女はいっそう笑みを深め)

あぁ、そうだろう?
私にしか作れない、私だけの甘味だよ。
この子はなかなかにわがままでね。機嫌を損ねれば苦くなる。
苦い甘味など、ゆるされまい。
とびきりの蜜で満たしてやるのさ
(何も考えられないくらいに―唇に人差し指をそえて、こそりと囁く)

裏切る方が?
それは意外だね。
ああ、私は裏切られる方が多かった。
信じなければ裏切られぬというのに、愚かな事だよ
(くすくす微笑みながら、ひとしずく、ふたしずく、紅茶に蜜をとろかしていく)

して、どうだい?

裏切りは、どんな味がする?

(新緑にたたえるのは慈悲でも慈愛でも責め句でもなんでもない、ただの好奇心。魔女は純粋に興味をもっている――裏切る、その時の蜜の味に) (無効票)
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壱織・彩灯 2020年11月3日
(柔らかに滲む新緑の眸をじ、と見つめ)
其方は、ひかりを忘れたとて、視える方向や視る者により違う
忘却は消失では無い、何れ取り戻せよう
…まあ、所謂爺の戯言だが(軽く流しておくれと)

…ほう、蕩ける様に甘い、フルラにしか作れぬ蜜で。
苦みが強ければ強いほど、蜜に溶けてゆくとき
一層甘美なものと成るのだろうな
(ふわり茶葉の馨る紅茶に蜜の雫が落ちてとろりと広がれば緋色の眸を細めて淡い光を帯びる)

其方を裏切る輩など
気にしてやる必要も無いが、――噫、そうだな
俺もそうして裏切られる前に、と
断ち切ってきた、他のことは云えぬなあ
(シャルロットをひとくち、ふたくち
蜜と聲は混ざり合ってやがて蕩けて消えゆけば口元は弧を描く)

…裏切りは、俺にとって血肉の味、だろうか
心を食い破り、自身の心さえも食い潰す
自覚は出来なくとも、摩耗してゆくものよ、
気づいたときには、…もう、遅い。
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フルラ・フィル 2020年12月6日
取り戻す、か……
(見つめ射止められるその視線に耐えられず、思わず逸らしてしまう)
キミは失ったものを取り戻したいと思うかい?
……例えそれが、痛みを伴うものだったとしても。

フフ、キミは褒め上手なことだ。
アア、これは私だけのもの。
私だけの魔法だよ。その魔法がキミをとろかすことができたなら、僥倖かな
苦味があるからこそ、活きる甘みがあるのだよ。
(とろりとした紅茶が、飲み干されていく様を穏やかにみつめる。酒も良く似合うが、紅茶も似合うでは無いかと片隅で思い、口許が笑みをかたどった)

なんと、彩灯もかい?
断ち切ってしまうべきものだよ。そばにいないなら、それは存在しないと同じなんだからね。
……見守っている、なんて。唯、眺めているだけと何が違うというのか。
(そう感じる私はひどく歪んでいるのだろうか。穏やかな笑みが瞬く間だけ卑屈にゆがむ)

――そう。
遅い。
(言葉を繰り返す)

だから私は、ひとなど信じぬと決めたのだよ (話し終わる)
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壱織・彩灯 2021年3月18日
…失ったものを、…なあ。
はて、もう永き時を過ごしていたら痛み蝕むものから避けたくなってしまいがちだが…

(ふうわり微笑み、逸らした彼女の揺れる甘そうな髪を指先でするりと絡ませ)

其れでも、と想う程の尊きものならば是が非でも奪い返そうぞ、

…噫、之は随分と、耽溺してしまいそうな…流石、魔女の手管、恐れ入る。…褒め言葉だぞ?(紅茶の味や細かな作法は心得ては居ないが、彼女が淹れたものは忘れ難く癖になりそうな、苦味と蜜に蕩けてゆく心地)

そうだな、居ぬものへ割く想いも時も惜しい。棄てて身軽に成るも良きことじゃ。
見守られる安心感など些事、と俺も大概歪んでおるし、フルラとて気にすることは無い。

…ふふ、だからこそ
ヒトは我等にとって異物で可笑しくて、飽きぬものと思うているよ、
俺も信じはせぬが、玩具には丁度好い。

…軽蔑するか?
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壱織・彩灯 2021年3月18日
(こてり、彼女へ首を傾げて。シャルロットの叫びを聴きながら、愉しげに食べ進めてゆく) (話し終わる)
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