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【◆1:1RP】廻天

エスパルダ・メア 2020年7月25日


かち、こち。
それは確かに動いている。
色褪せ、あるいは黒く沈殿し、細やかに彫り込まれた意匠は殆ど見えぬ。
かち、こち。
それでも音は止まずに続き、いつの間にか並べられた古物商の棚の中でも、変わらずに、開かれることすらなく幾年。
かち、こち。
「……あれ? 君はまだ、動いているのかい」
柔らかな肉球にそっと拾い上げられたのは――古めかしい懐中時計。


・20〜30レスで〆
・1ヶ月レスがなければ終了
・最長十月末日で〆


グィー・フォーサイス
エスパルダ・メア




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エスパルダ・メア 2020年7月25日
(物音と、声がした気がしてひょいと覗いた。元より客足など殆どない古物商、その気配は大概、知ったものであることが多いけれど)……グィー?来てたのか、いらっしゃい。(見知った姿を見つけて声を掛ける。その手にすっぽり納まる程度の懐中時計があるのを見れば、少し考えるような間を置いて)ああ、それ。よく見つけたな。随分年代物らしいんだが開かねえんだ、そいつ。グィー、そういうの詳しいか?
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グィー・フォーサイス 2020年7月28日
やあ、エスパルダ。お邪魔しているよ。(店主の君がいるとは思っていたから、僕は驚かずに平然とした顔で君へと顔を向ける。小さな手には大きな――僕からすれば――懐中時計。)うん、たった今ね、見つけたんだ。カチコチカチコチ、呼んでいたから。……開かないんだ、これ。(視線を懐中時計へと戻し、裏返して蓋側を見た。)懐中時計は持っているけれど、専門じゃないし、詳しくはない、かな。修理には出さないのかい?
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エスパルダ・メア 2020年7月31日
呼んで……(そう言われた時計に視線を落とす。相変わらず――とは言え、店番でもいつも目にしているわけではないそれ)巡り合わせが良いな。探すと見つからねえんだ、そいつ。だから修理にも出せねえままずっとだな。随分古いってのはわかるんだが。いかんせん開かないのがな。……気になるなら、そっちの座敷で座って見てみるか?(気軽に示すのは店の奥にある座敷。ログハウスのくせに妙に不釣り合いな和風の間取りのそこは、テレビやら何やら、気ままに置かれた家電と収まりの良い大きさの卓がある)
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グィー・フォーサイス 2020年8月10日
え、そうなんだ。探すと見つからないなんて、かくれんぼが得意なのかな。あ、見る見る。上がらせてもらうよ。……後から修理に出す?(見つかったのなら今が修理時?なんて君を見上げて)少しの間、君を見せてね。(手の中の懐中時計へと言葉を落とし、おじゃましまーすと座敷へと向かう。)ここはエスパルダのくつろぎゾーン?
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エスパルダ・メア 2020年8月17日
そうかもな、それかすげー意地っ張り。……ああ、ちゃんと見てどうしようもなかったら出すかね。グィー、この辺で時計屋知ってるか?(なるほど修理時、それもそうかと軽く笑って、見上げる視線に頷いた。時計に話しかける声には眦を緩めつつ、先に上がって座敷を開け放ち)ああ、気になって買って来たモンとか勝手に置いてる。音楽とか映画とか、暇潰しに気に入っててな。
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グィー・フォーサイス 2020年8月30日
ふふっ、意地っ張りかぁ。今日はご機嫌がよかったのかなぁ。あ、時計屋さんならね、配達で行ったことがあるよ。(場所を軽く口にしながら座敷にあがらせてもらう。)なるほどー。(きょろきょろ。快適そうだなぁと思った。知っている音楽や映画のタイトルを見つければ、嬉しくて少し尾が上がった。)
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エスパルダ・メア 2020年9月3日
ふは、そうかも。グィーに見つけられたかったんじゃねえの。おお、さすが郵便屋さん。……聞いた感じ、そう遠くねえとこ?(それじゃあ持って行くならそこにしよう。場所に当たりをつけながら、自分も座敷に上がり込む。暑い季節に冷房は完備、店番の遊び場である)お。グィーもその辺見たり聞いたりするか?(動いた尾に首傾げ、面白いよなと楽しげに)
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グィー・フォーサイス 2020年9月4日
そうだったら、とても光栄なことだね。うんうん、そんなに遠くはないよ。(動いた尾に気付かれたとすぐに察して、ゆるく尾が振られた。)僕はたまに映画とかを見るんだ。音楽も、街中で掛かっていると気になるしね。(小さく笑いながら口にして、懐中時計を卓上に置いた。かちこちと針が動く音に耳を揺らし、)今日は開きたいって気分になってくれないかなぁ。(蓋へと短い指を伸ばした。)
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エスパルダ・メア 2020年9月8日
使い手が物を選ぶが、物も結構相手を選ぶしな。良かった、いざってときの駆け込み先はなきゃあな。(揺らして貰った尾に楽しげに笑って)へえ、良いな。オレは結構こういうのに手出したの最近でさ。…時計さんや、弄るのはオレじゃなくて郵便屋さんだからな。案外今日はってのも、なくはない話だと信じてるぜ。(堅く閉ざされた蓋は開くか。冗談めかす口調は軽い。よくよく見れば蓋には花の柄が彫り込んであったらしい。果たして何の花か、彼ならわかるだろうか)
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グィー・フォーサイス 2020年9月21日
君は仕事柄、物に選ばれる人をよく見ていそうだよね。(最近だとの声が聞こえれば、頭と一緒に耳がパタンと横に倒れて)最近なんだ? へえ、ちょっと意外だ。エスパルダは色々と明るいのかと思っていたよ。……って、ふふ。話しかけたら開くのかな? 時計さん、時計さん。君の中を見せてくれるかい?(ダイス=ゾロ目で開く。)
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グィー・フォーサイス 2020年9月21日
あっ、開きそう……、……………いや、開かないなぁ。(少しだけ、かちりと蓋がずれた。けれど開くには至らなかった。)うーーん、開かないねぇ。でも、蓋に花の絵が描かれててとってもオシャレな時計さんだ。これ、何の花だろう。エスパルダ、知ってる?
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エスパルダ・メア 2020年9月21日
仕事って程立派でもねえよ。けどまあ、見える限りで妙な縁は繋いでやりたくもねえしな。(それが見通せるかと言えば手前勝手な判断のみだが。ぱたりと動く耳をつい目で追いつつ)お、意外か? だってオレこの身体ンなって二年あるなしだしな。服も機械も音楽も、全部目新しいばっかだよ。グィーは詳しいことってあるか?(軽く笑って楽しげに。話しかけるのを見守れば、音為す蓋に惜しい、と)まあそう簡単に開かねえか……。けど反応は悪くなさそうだが。ん、花?
(ダイス🎲90に近い程模様を理解する)
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エスパルダ・メア 2020年9月21日
……、……??? なんか、あれだよな。花がでかい。(時計を覗き首を傾げ、眉を顰め。ほとんどさっぱりわからなかった。頭がよろしくない)グィーはわかりそうか?
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グィー・フォーサイス 2020年9月21日
妙な縁以外なら、良縁なら繋いでくれるわけだ。(楽しげに笑って、けれど続く言葉にオヤッと瞳を瞬かせる。)あれ、エスパルダってもしかしてヤドリガミとかカミサマとか最初から大人な姿の種族なのかい? 二年で喋れたりしちゃうことだけでも僕にとってはすごいことだよ。僕が二歳の時なんて、母さんの後ろをちょこちょこついて回るくらいしか出来なかったと思うよ。(まあそんな小さな頃の記憶は記憶にないけど。時計を持っていない方の手を広げ、肩を竦めて)詳しいってほどでは無いけれど、文房具――手紙とかペンとかはよく触ったり見ているよ。仕事柄と、趣味でね。(君へと時計がよく見えるように少し掲げて反応を伺い、再度耳がぱたりと倒れる。)
(ダイス🎲90に近い程模様を理解する)
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グィー・フォーサイス 2020年9月21日
君も知らない花なのかぁ。……残念なことに、僕も花には強くないんだ。なんだか花弁も大きくて、ヒラヒラしている花だね。向日葵や朝顔じゃ無いことくらいは解るよ。あ、桜でもないし、タンポポでもない。(知っている花を思い浮かべてはどれも違うなぁと声を零した。)
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エスパルダ・メア 2020年9月26日
ま、それを良縁にするかどうかはそいつら次第だけどな。…あれ。グィーには言ってなかったか。(瞬いた大きな瞳にこちらも瞬いて、冗談めかして片目を瞑り)オレはヤドリガミだよ。ふは、変化しながらちゃんと成長してくお前らだって充分すげえよ。まあオレはヒトに使われる物だったからな、馴染みが良かったんだろ。…しかし小さいグィーは可愛いだろな。(言われる様を勝手に想像すれば楽しげに)オレからすればそう言う母親とかってのはよくわかんねえとこ。――成程、郵便屋さんらしいな。…万年筆とかの良し悪しもわかるか?(興味深そうに尋ねながら、掲げて貰った時計を覗いて)だいたいその辺で見るって感じじゃあねえよな。グィーも強くねえとなると…あ、そうだ。(ふと思い出したように戸棚の方へ。そこから取り出したのは一冊の割と子供向けの植物図鑑。それを机の方へ持って来て)
(ダイス🎲ゾロ目で近しい花を図鑑から見つける)
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エスパルダ・メア 2020年9月26日
(パラパラと捲り、捲り、捲って――)…………ギブ。(割とすぐにリタイアした。ずるずると図鑑を彼の方へ押しやりつつ)本読める奴はホント尊敬する。
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グィー・フォーサイス 2020年10月16日
あ、やっぱしそうなんだ。ふふ、お互いに不思議だなぁすごいなぁってなっちゃうね。小さい僕はどうだったんだろう。あまり記憶は無いけれど走り回りすぎて手がかかったとは聞いているよ。可愛いよりもヤンチャだったかも。……万年筆の良し悪しかぁ。見た目の形状の良さとか、書き心地の違いくらいなら解るよ。専門的だったりなことは分からないけどね。(君が図鑑を取り出すのを、おやっと眺める。そういうものも置いてあるのか、と。見つかるかなとわくわく見ていたら、割とすぐに図鑑が押しやられてきた。)……エスパルダ、読書苦手なのかぁ。(ダイス🎲ゾロ目で近しい花を図鑑から見つける)
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グィー・フォーサイス 2020年10月16日
これかな。いや、これかな。……あっ、この花は昨日配達途中で気になった花だ! へぇ、こんな名前だったんだ。なになに、分布は――ハッ!(頁を捲っては花の写真と文章を見て楽しげな顔をし、段々と探しものではなく気になった花の頁を熟読するようになってしまう。)……もしかして、僕たち調べものに向いていない?
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エスパルダ・メア 2020年10月28日
確かにな、なかなか慣れるようで慣れないもんだ。へえ、走り回るグィー……。今も仕事であっちこっちってイメージだけど。小さい頃から元気いっぱいか。手が掛かるって言っても心配ってほうじゃねえなら楽しそうだがな。……お、充分充分。書き心地の違いが解るならまた時間あるときに裏で寝てる何本か、試して欲しいんだよ。どうも値が付けられなくてさ。見目やら装飾は大体わかっても、書くのが本懐の奴らだし。(そういうのは向いてない、とぼやき半分。押しやった図鑑が捲られるのを見守れば、楽しげに見る様子をつい楽しげに眺め、)……。……向いてねえな? ふは、よし諦めるか。(笑ってさっくり諦めた。)そういやグィー、花とか好きか? 楽しそうに見てたからさ。
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エスパルダ・メア 2020年10月31日
(ふと気づく。開く気配のない懐中時計ではなく、部屋の壁に引っ掛けられた古めかしい時計がボォンと深みのある音を鳴らして夕暮れを告げる。すっかり話し込んでいたようで)と、これ以上引き留めちゃ悪いな。こいつは今度グィーの言ってた時計屋に持ってってみるよ。お前の話はもうちっと聞きたかったが、また次のときの楽しみに取っとくか。(言って懐中時計を栗色の布に包んで、気安く笑う)今日はありがとさん、グィー。一人じゃすぐ投げてたろうし助かった。(また気が向いたら手ェ貸してくれと悪びれもなく言いながら、廻ることのなかった時計の歯車がどこかでかちり、音を立てた)
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エスパルダ・メア 2020年10月31日
(〆)
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