0
🐠花庭に翠

雅楽代・真珠 2020年7月24日


.

丘の上の花々は美しいが、いくつもの階段を登らねばならない。
そのため人が居ることは滅多とない。
けれど今日は見えた人影が少しだけ珍しくて
――だから僕は、お前に声を掛けた。

「ねえ麗しい尾鰭の方。
 私あなたの事も何もご存知ないのですが教えて頂いても?」

◇真直ぐに前向くお前と
◇昼、花咲く丘で
◇長くても20レス以内、8/7までに終了
◇3日レスが途切れた途切れた場合、緩やかに〆




0





雅楽代・真珠 2020年7月24日
……お前は僕の事を知らないの。(ふぅん。小さく鼻を鳴らしてお前を見る。服装からして侍国出身ではなさそうな様子に、僕は得心した様子で頷いた。)いいよ、何が識りたいの?
0
琴平・琴子 2020年7月25日
(侍国には見覚えあれど、花が見たくて足を踏み入れたばかり。私は貴方の事は知らず、ええと呟き首を縦に一度振った。)まずはお名前でしょうか。私は琴子。琴平・琴子と申します。(尋ねるからには自分の名前を。礼儀知らずと思われては親に申し訳ない。)それと……その避暑地にお花は、ありますか。
0
雅楽代・真珠 2020年7月25日
ことこ。ゆかしい良い名だね。ことは、楽器の琴? それとも珠なる子か、寿ぎのことか。(どれ、と視線を向け、一拍置いてから口を開く。)僕の名は真珠。雅楽代家が所有する真なる珠。名を口にすることを許すよ。――花はね、サムライエンパイアにこの時期に咲く花なら揃えられているよ。そこら辺は家の者たちが僕のためにしっかりと誂えているからね。
0
琴平・琴子 2020年7月25日
有難うございます。(名を褒められ一礼。楽器のことです、と呟き頷いて)平らな楽器の琴で琴平。楽器琴の子で琴子です。(その家のお名前は聞いた事が無かったけど、人のような物に抱えられた貴方の麗しい尾鰭は白くて綺麗なまま。)……真珠、さん。どこか凄いお家のご子息だったりしますか。(そんな偉い人と話した事がないから緊張で体が硬直する。)まあ、さぞ立派なお庭でしょうね……それは見てみたいです。
0
雅楽代・真珠 2020年7月26日
そう、楽器の。琴がふたつもあるのだね。(人の気持ちを思いやれる子になるよう願って名付けられた名だ。二重に願掛けされているのだろう。そっと口元を袖で隠し、はたり、尾鰭を揺らめかせた。)子息……ではないね。僕は物であり、サムライエンパイアの国宝だよ。……宿る神、ヤドリガミは知っている?(小さく首を傾げてお前を見て)僕の庭は綺麗だよ。お前もきっと気に入ることだろう。
0
琴平・琴子 2020年7月26日
ええ。この名ではありますが楽器の類は扱えず、歌だけなら多少の心得があります。(この名に誇りは有れど心苦しいと言わんばかりの表情。揺れた尾鰭を目で追い掛け、国宝だから、そうかと頷き。)だからそんなにもお綺麗なのですね。ヤドリガミ、さま。実際目の当りにするのは恐らく初めてですが、耳にしたことはあります。(綺麗なお庭。そう聞いて心が躍るような気持ちになり、目を細めて笑みを零した。)お花が、好きなんです。それはとっても楽しみです。
0
雅楽代・真珠 2020年7月29日
そう。楽器も向き不向きがあるからね。それにお前自身が琴ということでしょう。(何故苦しそうな顔をするのだろうと言いたげに首を傾げる。)綺麗じゃなくて、僕は可愛いんだ。これくらいの、小ささなんだよ。(親指と人差し指をコの形にして)お前が気付いていないだけで、きっとそこらに居るよ。人に愛された僕たちはいつだって人とともにあり、見守っているのだからね。(年頃に似合いの笑みを見た気がした。僕の声もひとつ、柔らかなものとなる。)そう、いっしょだね。僕も花が好きだよ。ならば期待しておいで。
0
琴平・琴子 2020年7月29日
琴平の家は代々琴を学ぶのですが……その、琴平琴子の名で琴が弾けないのが少し引目に感じていたんです。(自分自身が琴であると貴方から言われて笑みを零して。)でも、そのお言葉をを聞けて、嬉しいです。(同じように親指と人差し指でコの字を作ってこれくらい、と目を丸くして呟く。)小さくて可愛らしい……。真珠さんも、人にたくさん愛されて、見守ってきてくれたのですね。(はい、とそこそこの大きな声で頷き)育てるのは苦手ですけど、愛でるのなら。期待致します。
0
雅楽代・真珠 2020年7月30日
(歌を歌うならばそうでしょう、と僕はゆうるり瞳を伏せて)(ゆっくりと目蓋を持ち上げる。)そうだよ。人は僕を愛してくれるし、僕も人を見るのは好きだからね。人の子の成長はあっという間で、見ていて楽しいよ。(目の前の女の童も、あっという間に大人になるのだろう。僕はいつだって、お前たちが残した一時の輝きを覚えている。)僕も水遣りくらいなら出来るけれど細かな事はできないけれど、愛でるのは好き。――あとは、何か知りたいことは?
0
琴平・琴子 2020年7月30日
(知りたいこと。そう問われて細めた目で見たのは真珠さんを抱えている男性。人には見えない。しかし良くできていると感じる。)そちらの男性は執事さんですか? 答えにくければ、お答えしなくてもいいのですが……。それぐらい、でしょうか。(それだけ問えば、残りの質問は特に無い様に頷く。)
0
雅楽代・真珠 2020年7月31日
(お前の視線の動きを見て、身体を預けた執事人形の涼しい顔を見上げる。)ああ、これ。僕の使用人人形の如月だよ。そうだね、執事のようなものだよ。(お守りとして家につけられたんだと尾びれを揺らした。)質問が終わりなら……(ゲートを開こうと手の平の上にグリモアを浮かび上がらせてから、ふと気付いて琴子を見る。)琴子、お前、いくつかは知らないけれど童だよね? お前の家族や保護者に伝えなくて大丈夫? 準備が必要ならその後でもでも僕は構わないからね。
0
琴平・琴子 2020年7月31日
こんにちは、お世話になります。(聞こえないと思うし、感じてすらいないと思うけれど如月さんへ挨拶代りの一礼。)(家族は。そう問われて言葉に詰まり、胸のあたりが苦しくなって胸のあたりを掴んだ。)五月で九つになりました。その……アリス、なんです。なので家族はいますけど、挨拶は必要ない、かと。
0
雅楽代・真珠 2020年8月1日
(僕が命じれば如月は動くけれど、基本的には感情の無い表情でお前を見るだけだ。)(如月に会釈をさせた。)九つ……やはりまだ幼いね。そう、ありす……(はた、と口元を袖で隠す。)(ありす。異国に招かれた者のことだ。招かれる際に全ての記憶を喪うはずだが、家のことや名のことを語る様子から記憶は取り戻してきているのだろうか。)(間が飽きすぎない程度に、ジッとお前を見た。)……そう。お前が望むのなら、お前が家に帰る手伝いも僕は出来ると思うよ。
0
琴平・琴子 2020年8月1日
(涼しげな顔は綺麗な人形、動いた様を目の当たりにして本当に生きてるみたいと息を呑み、すごい、と声を漏らした。)帰りたいのは山々ですが、家に帰れないなら帰らないなりに少しばかりの遠出と物事を学ぼうと思っておりますので。……お世話になります。(両手を膝に、深々と頭を下げる。)
0
雅楽代・真珠 2020年8月3日
(すごい。称賛の声を拾い、僕は満更でもない顔をする。如月は家の技師の粋を集めた結晶のようなもの。僕に仕えるに相応しい人形だ。)そういう考えは偉いよ、琴子。特にお前の今の年頃は物事の吸収率が良いはずだから、学ぶのにはぴったりだよ。たくさん学んで、そして羽根を伸ばすのだよ。――うん、僕の夏の池においで。(袖に隠されたままの掌を上にすれば、蓮花と金魚の光が現れる。蓮の上でくうるりと金魚が泳げばゲートが開かれることだろう。)
0
琴平・琴子 2020年8月3日
(真珠さんの掌の上、蓮の花の上で金魚が泳いで透明な小さな金魚鉢の中を見ているかのよう。丸くした目でぱちぱちと瞬き。おいで、と呼ばれた声にこくりと頷いて、前向く足はゲートの方へ。)
0
雅楽代・真珠 2020年8月4日
(くうるり泳いだ金魚がゲートを開く。お前の背がゲートへと消えるさなか、小さく唇を開いた。)子等の成長は早いからね。お前のひと夏の成長を楽しみにしているよ。(ぴちゃん。金魚が跳ねてゲートが閉じる。お前の目の前には、サムライエンパイアの『夏』が広がっていることだろう。)

(おしまい)(ひとなつをたのしみに)
0