①プロローグ
アニー・エステン 2020年7月5日
ズルッズルッズルッ…
荒野を這いずるように進む腐臭を纏う集団。
よくよく目を凝らせば、それが真っ当な人間などでないとすぐに分かる。
生乾きの血液、白濁した目、あちこち剥がれ落ちウジの湧いた傷
所々が腐敗を始めた肉体―――ただ彼らは止まらない――
際限なく訪れる渇きを紛らわす為、食事を求め
生を貪りながら彼らは止まらない―――
――「幽霊駅」まで、後数キロ
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アニー・エステン 2020年7月5日
(けたたましいサイレンが「幽霊駅」構内に鳴り響く)
緊急放送!!緊急放送!!
監視からの入電!!!
数キロの地点にゾンビの群れの接近アリ!!
一般市民は、地下シェルターへ
奪還者各員は、ポイントAにて迎撃の準備を!!繰り返す迎撃の準備を!!