●スタンディング・オン・ザ・プラネット
日東寺・有頂 2020年6月25日
→UDCアース
「会うぜ。きっと」
それは果たされることとなる。
←金原・子夜乃(孵る・f06623)
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日東寺・有頂 2020年6月30日
(俺が言い淀み彼女が目を細めるそれらは。俺の事情を、この子の事情を、互いに共有しているというサインに違いなかった)(違いない、と。俺はこうして、俺と君の間に或るものに目を凝らし続けるのだ)通報??? …通報されるんはむしろ。うむ。(微妙な眉根と一級に顰められた顔とが向き合う)まあ。何着てん似合うやろうしな。まだ15?やったか。そがんならまだ色気づ… お洒落に無関心かておかしゅうなか。(子夜乃以外ん人がどう揉めようがパーカーは。閉めたほうがいい。けど任せる。2度瞬く)インショクよ。気づいたらやっとーた。(不意に細く浅黒い指が天を指し、俺は啓示を受け取るように)ジンギ。(ホウモツの名を繰り返す)腕時計。かみどめ。メモ帳。俺が助言…… 任されよう。
日東寺・有頂 2020年6月30日
(もうぐぐりたくてぐぐりたくてケツのスマホに手を伸ばした所でいじらしい声だ)クレープ!おうおうおうクレープ食べよなクレープ〜。(軟体になる。俺はおじいちゃんみたいな顔になったと思う)
(そして世界は一変する) おう。(差し出された手を握った俺の、所狭い世界だ。されど俺のすべて。それが音を立てて組み変わる) 行こう子夜乃さん。先ずは腕時計探しよ。(俺は日常を逸脱する事なく笑えた筈だ。手を繋ぎ俺達は歩き出す。また、手を。)
金原・子夜乃 2020年7月1日
(握られてはもぞもぞさせて居心地の良さを探し、そうしてあの夜の日みたいに手を結んだ。こんなに賑やかな場所なのに、不意に過ぎった静寂のようなものは何だったんだろう?しばし、緑の眸は歩き出すまであなたを見上げていました) …んん。でも、子夜乃には前科があるからな。どうぶつと話し込んだり、ひとのうちの壁に登ったり。 (隣に並ぶと、あなたと同じように腕時計を売ってそうな店を探し。探すついで、すれ違う女の子の服装をバレないように流し見たりして) だから靴、プレゼントするのドキドキした。お礼とかじゃないしと思って、えいって選んだけど。 (それに、あなたの靴は前に見ていたから。何とか。無関心なりに考えたのだと、パーカーのファスナーを閉めながら話し) …気付いたら。……ねえせんぱい。そのアルバイトはいいバイト?楽しい? …ああ、よかった。適度にとか、カビでない程度にとか。よくわからなくて困ってたんだ。
日東寺・有頂 2020年7月2日
(連絡デッキの先、理想的な歯並びの如きガラス張りが俺達を迎えた。カーテンウォール。その名もエンターテイメントショッピングモール(仮))人んちの壁はブッブーやなあ。(この形で生まれついたんだと言わんばかりに俺はふたりを結んで歩く。糧を得た俺は活き活きと店先を物色していった。腕時計。カビでない。上品?機能的?)(そして何時ぞやの絵面を思い浮かべる。人々の垣根の向こうで独り動物に話しかける子供だ)ばってん、どうぶつと話してん良かやなか?通報される筋合いは無かよ。
日東寺・有頂 2020年7月2日
へっへっへ。(耳ピクしニヤつくと俄然大股で主張するガムソールのメッシュスニーカー。安心安全の臙脂色格好良い、これぞ子夜乃さんから頂いた一足。履いてきた!)えいっが大正解やったとよ。(有難うなと目配せし)おう。まだまだ慣れんがめっちゃ楽しいよ。気づいたらってのは、うん。元々は客やったとよ。そこん女の子が綺麗で通っとーた。 ええ?おん。うむ。任しとき。(目を白黒させ俺はそれとなくスマホを手に取るのだった)
金原・子夜乃 2020年7月3日
うん。でも、人前ではあんまりしないようにしてる。びっくりさせてしまうことに変わりはないから、……そう、壁のときだって。ネコさんに近道を訊いたとき、案内されたのが知らないひとの家の庭を通るルートだったんだ。あのときは子夜乃も、ちょっとびっくりしたな。 (歩くたびに見える、そして着く場所の何処も彼処もきらきらとしているような街でした。此処だってそう。あなたと手を繋いでいなかったらすぐさま駆け寄っているか、それとも怯んで逃げだしているか。そんな場所にふたりでいて、あなたに倣って店を覗き込みました。眼差しを確かめれば、真似っ子) 実はその三種の神器も、ネコさんから聞いたんだ。「働くニンゲンは準備するものらしいですよ、シヤノ」って。
金原・子夜乃 2020年7月3日
(ついて歩く道中、視線をまた下へ。その色が見えるたびお腹の底が擽ったくなって、ずっと見ていられないけど) ……大正解だった?よかった。履いてくれてるの見て、ちょっとアンシンしたんだ。 (自分の祈りなんてちっぽけだけど、安心安全は折り紙付きです。眼差しに和らいだまなじりが応え、深々と頷いて) へえ。お客さんから、アルバイトに?そういうのもあるのか…。…ああ、オンナノコが綺麗で。よく聞く。カンバンムスメ、でしょ?カワイイと仕事も見つかりやすいらしい。 (…カワイイから、この先輩もいつのまにか働いていたのでしょうか。そんな疑問がよぎると、好奇心の緑色はまじまじとあなたのことを見つめました。スマホを見るさまも、その隙を突かんばかりに)
日東寺・有頂 2020年7月4日
(華美でない腕時計と入力。『就活の時計を女性が選ぶ際のポイント!』就活。まあよか。間合いからひたと緑の気配を感じつつ俺は文字列をタップする。軈て胸を張って)子夜乃さん。腕時計の文字盤は、白か黒か薄ピンクがよかよ。
(3階フロア西部。スポーツとアウトドアブランドの並びを行き戻る。無駄に広え。手を繋ぐ大小の俺達はまるで人語も人文も解さぬように無言で彷徨うのだった)(どうやら合同セールといったものの真っ最中で、買い物客が続々と嵩んで行く。男や女やオッサンやギャルの頭越しに棚を覗き、ちびっ子を蹴り飛ばさんよう神経を使った)混んどんな〜〜大丈夫か?(俺はやっと声をかける。見下ろした黒髪は艶々としていた)そんネコさんは色んな事を知っとー御方やったとね。オイも会うてみたい。周りの人間を仰天させながら、会話を試みてやるよ。
日東寺・有頂 2020年7月4日
(展示されたスニーカーを尻目に俺は話題を巻きもどした)オイ、こん靴や無うたらもう出掛けられん。なんてな。(なんてな所じゃ無い。俺は実際万事なんどきもコイツを履いて出掛けた。子夜乃さんからの誕生日プレゼント。俺を。俺の色を思い起こしオーダーしてくれた安心安全グッドルッキングシューズ)店んバイトは、看板娘にな?そがん暇ならここ入れや言われてさ。人手がたらんかったと。そうねえ、可愛くなかより幾らか有利かもな。(メジャーな時計メーカーのディスプレイケースに目が触れる。俺はついと手を引いて、)ホレここなら沢山あると。華美でないカジュアルすぎんヤツ。こん中ならどいが気になる?
金原・子夜乃 2020年7月6日
すごい。スカウトだ、せんぱい。……あ!子夜乃もそう言えば、スカウトされたことあった! (あなたが仕事を得たことをそう表現すると、そう言えば自分も声を掛けてもらった経験があることを思い出しました。何を隠そうダイヒョウトリシマリヤクとの出会いです。思い出し、ひとりでムムムとすると、心なしか背筋をしゃんとし直して。そうしていれば、慣れない人混みもちょっとは抗うことが出来ました。あなたと手を繋いでいれば、更に) ……うん。うん、大丈夫。ひと、たくさんいるな。みんな、欲しいものがあって来てるんだ。 (それを凄いなと思って。あなたのように人混みの上から商品を見ることは出来なかったので、行き交うひとばかりを見ていました。やっぱりせんぱい、大きいんだなあとか。ひとりだったらとっくに誰かにぶつかってただろうなあとか。眼差しは雄弁に、そして結び目を解けないように)
金原・子夜乃 2020年7月6日
…む。だったらもっと、ちゃんと習っておまじない、掛ければよかったな…。 (たぶん、あなたはまだ帰れてないように思えたから。そんなに大事に履いてくれてるのにおまじないは効いてないことを知り、がくりと肩を落としました。こうして、その靴で、守るみたいに自分の手を引いてくれているのに。ほんの少し、申し訳なさそうにあなたを見上げ) ぉあ、……わ、本当だ。ええと、白か黒か、薄ピンクのやつ…。 (その先に、あなたに導かれて時計たちの売り場を見ました。ピカピカのケースを見下ろして) そのネコさんは古本屋のカンバンネコさんで、子夜乃よりもよっぽど人間に詳しいんだ。 …先輩も話せる?話せたら、3人でお話できて、面白いのにな。 ……んん。これ、カビじゃない? (小振りなデザインのそれを指差しました。黒い文字盤で、数字表記で、細い緑の革のベルト。金縁がアクセントになっている、シックな印象の腕時計です)
日東寺・有頂 2020年7月7日
(曇りなきガラスケースは照明を返す。覗き込む緑目少女と金目男という事象もそこに見える。ふたりして食入り、パクパクとやり取りをしている)(うむ。まあ…スカウトみてえなもんかな?俺は苦し紛れに答えたのだが実際のお誘いは『ねえ。入んな』俺の二つ返事は言うまでもない。それから少しして男の眉根が寄った)さっき言うてた、子夜乃さんがされたスカウトっての…ええと。変なんやなかとよね。大丈夫とね?(過保護な母親か。口惜しいことに俺は子夜乃さんの今と、この先幾つかの刻限でしか関わりを許されない。彼女が見舞われたやもしれん災難があるとして、遡って取っぱらうにゃどうすりゃいいんだ?)
(その思想が何であるのか勿論分かってる。俺は屁とも思っていない)
日東寺・有頂 2020年7月7日
あのさ。(気狂いを取っ替えながら俺は何食わぬ顔で微笑んだ)おまじない絶大よ?子夜乃さんにマジナイばかけてもろうたコイツ、履くようなってから調子が良かと。(口には出さなかったがこれの呪いは頗る効いた。彼女から授かった靴を履きどこへなりとも出掛けることで、篤とこの身に知らしめた。果たせ。叶えろ。「会うぜ、きっと」)靴屋で俺。嬉しゅうてなあ。こんなに嬉しい事があるもんかと思うたよ。(手紙を貰い靴屋に向かった俺の人生随一の日だった。これから先もどうか、どうか、欲しい)(時計から時計へ目を滑らせるこの子を見つめていれば、カンバンネコサン。という)ほ〜う。生き字引ネコさんと。チャレンジした事はなかとやが試してみる価値はある。今度会わせてよ。(俺は緑色に屈んでごく近く。ニンマリとし、)お。お〜〜〜しっく。カビじゃなか!子夜乃さんセンス良かよ…(待った待った。それと来たらまるでそう、君のようじゃねえか)
金原・子夜乃 2020年7月9日
きっと、せんぱいがカワイイだったからだな! …ん。子夜乃のスカウトはね。ダイヒョウトリシマリヤクが声を掛けてくれて、…わかる?R.A.T.のアプリにいる、ええと、パレートさんっていう…。膚を出しすぎちゃいけないって子夜乃に教えてくれて、子夜乃のパーカー、閉めてくれたんだ。 (そのとき、名刺も貰って。それから働かせてもらっている身分なのだと、今日も閉じられたパーカーの金具を指先でいじりつつ話しました。何だか誇らしげです。「可愛かったから声を掛けた」と本人から聞いていたし、だからあなたのスカウトも可愛かったからに違いないと自信げに) それに、子夜乃がいれば、カンバンネコさんだけでなくせんぱいの好きなイヌさんネコさんでもお話出来るぞ。通訳、するから。
金原・子夜乃 2020年7月9日
……、 (あのさ、の声。一呼吸。あなたは笑い直す) …調子が?安心安全健康靴になってた?うぅん…まあ…それなら…ちょっと成功…か?それにその、せんぱいは、…手紙でも言ったけど、ちょっとオオゲサだ。 (失敗してるよと言ってくれたっていいのに今だって、それこそプレゼントをしたそのときだって。自分のしたことでそんなに喜んでもらえたことがなかったので、子夜乃はどういう表情をすればいいのかわかりませんでした。そのときも。今も。顔が熱い。ぺたりと手のひらを頬に当て) …本当?子夜乃、金色が好きだから。でも、金色ってきっとカビなんでしょう?これくらいだったら大丈夫かなあって、おも、 (金色、あなたの眸を指差して、……示した、自分の指。ピカピカの指輪たち。繊細な意匠。金目の物。華美) ………か、カビ!? (指先の派手さに今気付いたのか、縋るような眼差しであなたを見上げました)
日東寺・有頂 2020年7月10日
オイが可愛いから?(ウン違うよ!と下がった俺の眉だが子夜乃さんはカレースルー。と言うか多分、彼女の意識はその男の元へ飛んでいる。この時点でパレードさんとはNO面識であったのだが語呂が良かけんと)おう。パレさんな。(話を耳にしながら俺は無感動に目を細めた。気づかれぬ内にそうかあと糸目を引いて、犬歯が覗く満面笑顔。こうなる時の俺は大概、腹に良からぬものを忍ばせていた)…そ。ハダを出し過ぎちゃいけないんだよ。今みてえにしてないと(俺はその目の間近へ琥珀瞳を下ろす。護られる娘の鎖骨、窪みの真上へ不吉な人差し指を近づけた)可愛い女の身体に触れようと、飢えた狼が嗅ぎつけるけんね。(あ〜でも俺は嘘をつきました。狼が手にしなければとのた打つそれは、より根源的なものだったのです)
日東寺・有頂 2020年7月10日
え。ほんと!(瞬く隙に毛色が変わる)オイん働く店ん下にさ。ネコさんが来るとよ。近くん川沿いで散歩するワンコとも話したかねえ。(俺は全くもう無邪気に笑い掛けていた。そうだ。願わくばこの糸で繋ごう。安心安全健全な、善きものの顔でいよう。出来るだけ。)成功だよ。大成功だっつーの。大袈裟と?そらあ、(そうだとも。これは俺一人の腐心であり娯しみであり命懸けであるから。きみは訝しんで、気づかずにいて)わりい。でも嬉しかったからさ。(呟くと俺は、頬へ添うその手に微笑んでいた。君のような腕時計を傍らに。) まあ、カビに使えばカビになる。カビにしなけりゃカビにならん(カビカビ言うにも程がある。俺はまたもやハチの字眉を晒し)は。いや。いやいやいや。(更には大きく上げ下げした)そい、仕事中は外す訳にいかんと??
金原・子夜乃 2020年7月11日
(そうかあ、の声。一呼吸。あなたは笑い直す)(あなたはそうやって笑い直すとき、いつも少し違った声をしていました。少なくとも子夜乃にはそう、聞こえて。思えば今日、この地に降り立ったときにも聞こえた声です。確かそう、…自分と逢うことが用事だって、そう言ってくれていたとき) せんぱい。…誰かに怒られたのか? (あの夜にも訊いたこと。あなたが何を悪いことだと思ってそうしているのかわからなくて、だから尋ねました。確かにあなたは毛むくじゃらじゃないので子夜乃のカワイイとはちょっと違いましたが、そのまだらな毛並みはやっぱり、可愛いと思います。心配そうに眉を寄せると、結んだ手を握り直して) ……飢えた?でも、お腹が空いてるのは、ちょっと、可哀想だな…。 (あなたの指先が示す自身の肉体の食いでのなさそうなこと。間近な金色を受け入れるように、真っ向から見つめ返しつつ)
金原・子夜乃 2020年7月11日
…うん!これだけは、子夜乃のアピールポイントと言える。 (生憎、中々発表出来るものではありませんでしたが。あなたが信じてくれて、喜んでくれるのが嬉しかったので、自然と胸が偉ぶって) あ、…ううん。嫌なわけじゃなくて。ただ、……すごいから。せんぱいがそんなに喜んでくれると、子夜乃もすごく嬉しくて。ずーっと嬉しくてすごいから、ええと… そう。子夜乃の方がたくさんもらってしまうんだ。こういうとき、どうすればいい?オチュウゲンとか、贈る? (このよろこびはどうしたらいいんだろうと、難しそうに首を捻って考えます。どうにかしないとこの先、あなたの靴を見るたびにこんな風に熱が出てしまいそうで) ……なるほど、ファッション。確かに金色は難しい。 (時計と比べるよう、片手をケースの上に) どうだろう。子夜乃、これがないと猟兵さんらしいこと、ひとつも出来ないんだ。だからずっと付けてなさいって言われてたけど…。
日東寺・有頂 2020年7月13日
(緑の瞳に見つけられ、俺はつくり笑いを溶いてしまう) え? (ホームでの風が通り抜けていった。端に捨てられた夜の匂いがする。ベンチから立ち上がった無能はむざむざと気を引いて、この子に縋る。あの夜の匂いだ)
… また、子夜乃さんは不思議な事ば言う。怒られてなんかいないよ。(いいや。そうさ。俺は叱られ通しなのだ。己であることを懲らしめられて、ならばとより浅ましく生きる者だ)(不穏な指を巻き戻すと俺は視線を流した。イヤホンで世界を閉じながら商品に食い入る男。ケース前でダラダラとじゃれつくカップル。硬質な笑みを浮かべる看板めいた店員。それら一場面のつながりが、この場所に溶け込んだかのようでそうとは言えない俺たちを支える背景だった。何故だ?また見つけてもらえたのに、如何してかそこへ逃げ込んだのだった)可哀想やなかよ。そいつは、飢えて当然なんだ。
日東寺・有頂 2020年7月13日
(店内を一つ二つ寄り道し、視線はようやっと帰る。俺は慎重に笑いかけた。善きものの顔は造作なく貼り付き、剥がれるからだ)(揚々と胸張る子夜乃さんに迎えられ俺はホッとする)うん?こいだけなん言うことなかっさ。(それから鼻を啜って、交際ホカホカの男子高生みてえにパンツのポケットへ手を突っ込んだ)は。なに。何ば言いよっと。オチュウゲンいりまっしぇん!…あ〜〜(彼女は。俺のよすがで親鳥でこの道程において絶対の導き手であった。堪らず求めに参じた俺は、やけんこんなのを不意に還元され供給過多でエラーしてしまう)〜……(ムズムズと靴を踏みならし)うむ。付けてなさい言うたんは家のひとか?ん〜業種によるかもしれんが接客なら大概イカンとなるぜ。あ、すんません(咳払いして伸び上がり、俺は店員しゃんに声を掛けた)
金原・子夜乃 2020年7月15日
(見たことのある表情、見つけて。笑わぬあなたの金色が、綺麗に思えて目を惹かれ) そうか。 (子夜乃は、安堵に眦を緩めました) じゃあ大丈夫だ、子夜乃も怒らないから。そんなかおしなくても。 (不思議なことを言って、自分のことのように安堵して。だからでしょうか。あなたが傍で、手を繋いでくれていたってこの明るさに馴染めていなかったのは。店の前に訪れたとき、誰も彼も、ほんのひとたび子夜乃を見ました。イヤホンの彼も、カップルも、店員も。それが何故かはひとりとしてわからなかったことでしょう。本人にもわからない異質が、あの夜の匂いに馴染みました) ……どうして?飢えて当然なんて。 (まるで錨のよう。あなたとの繋がりだけで、此処に保っていられるような。透かすように緑色が細められて)
金原・子夜乃 2020年7月15日
…でも、履歴書ってやつはむずかしいんだ。なかなか書くことがなくて…、…… (お中元は不適当らしい。それはわかりました。では、あなたのムズムズは?困ることを訊いてしまった?わからなくて、低い背を利用して覗き込むよう首を捻りました。視線の先、見えた表情。つい、手を伸ばして) ……あ。ごめんなさい。なんだか、やわらかそうだと思って。 (むい、と。無遠慮にあなたの頬を押してみようと伸びた腕。ひとに触れることに慣れていない力加減で、告げた通りの好奇心。触れていいって、言われたから。つい。つい) …うむ、む、そうか。セッキャクは指輪、駄目か。そうか…。……うん、家のひとが。召喚器なんだ、 (あなたの呼ぶ声。少し、緊張に結び目がこわばって。金額確認。ブランド物でもないそれは、子夜乃でも払える値段でした。ひとりで安堵して)
日東寺・有頂 2020年7月16日
(君を容れぬ者たちは俺たちに日常を見せつける。逃げ込んでなお憎しむ俺は、月に拾われた橋の上を想った。夜の子供たちを想った。朝日に引き剥がされていくその片割れを想った) そう。そうだね。わかったよ。(わからない。疑う余地もない害悪の顔をしてみせようか?それを俺は己へ、そして周りへ、君を弾こうとする世界どもへ向かわせたならきっと。君は俺に、違う一声を掛ける)(君が困惑するとして「家の人」はどうだろう。俺はいま初めて彼らに会ってみたいと考える)(言う迄もないと俺は君を見下ろした) 飢えろ。 そう定められた命だから。(選ばれず、忘れ果て、忘れ去られた者だからこそ子夜乃さん。君が見つける命だった。)
日東寺・有頂 2020年7月16日
召喚器… そいがないと、ふむ。戦えんか。(解熱されない。不穏当を引き摺りながら俺は喋っている)履歴書なんテケトーで良かよ。いやまあ、ウン。(臙脂の爪先よ助けてくれ。俺はうまくやらねばならないんだ。それなのに)担当ん人かてそこまで読み込まん…、(外宇宙から飛来するみてえに、君の指先はやってきた
)………(陥没した頬ごと向き直り、俺はその手首を握る。常時抱いている乾き。そして全くの異質な求めが俺の背を衝いた) 子夜乃。(俺は二の句を喪失する)(引っ張り上げて細腰を抱きよせ首筋に鼻先を埋めればキャ〜〜〜〜警備員さんこの人です!落着だ。だが)(子夜乃。俺は、) と。(手を離す。やってきた店員にあっけなく打破される劇場。俺は平然とケース内を指差した)これ。こん緑ベルトの時計、包んでください。
金原・子夜乃 2020年7月17日
どうしてかわかる? (笑うことが出来なくて、こんなときだって上手にこの顔は愛想よくしてくれませんでした。あなたに聞かせたいとっておきの答えがあるのに、自分の学びを見せびらかしたいのに、ほんの少ししかそれらが表れない顔はじっと見つめる眼差しだけ。あなたの返答を待つ期待が、眸には灯っていたでしょうか。夜にぽつんとあったあの日のように) …うん。上手になってくればなくても喚び出せたりするらしいんだけど、子夜乃はまだこれがなきゃやっちゃ駄目だって。後ね、足も結構速い! けど、これも履歴書には…。テキトーに入る? (書いてもいいものか、先輩たるあなたに尋ねようと思って。見下ろす表情に出逢うと、子夜乃は苦しげに眉根を寄せました。子夜乃は飢えを知っています。知っているから、そんな定めがあっていいのかと、またあなたに尋ねようとして)
金原・子夜乃 2020年7月17日
(触れた手、掴まって。痛かったのかもと思えば再び喉許を過ぎりかける「ごめんなさい」、しかしそれは結局言葉にならず自分の内へと消えていきました。毛先の金色が視界に近くて、あなたの匂い。鼓動を教えてもらったときともまた違う、踵の浮く感じ。子夜乃はそのさまを傍で見ていたわけでもないのに、テレビで見たあの映像を思い出します。弱ったけものと、それを食べようとするけものと。だから、ぐずの子夜乃でもわかりました。飢えて当然なそいつは、あなたのことだってこと) ………ずっとおなか、空いてるの? (店員と言葉を交わした後。やっと言葉が纏まって、あなたに訊けたのはそんなこと。訊いて、他の事柄が頭に入ってきて、また反芻。トケイ、ツツンデクダサイ?よくわからなくて、子夜乃はポケットからがま口のお財布を取り出しました)
日東寺・有頂 2020年7月20日
どうしてか?(俺は力無く発した。解ろうがわからなかろうが、何処ぞへ憤懣を向かわせる事になろうが道筋を変えぬばかりなのだ。そんな俺の空々しい声を君が透かし見ていると、思ったからだ)…いや (「怒られてまうよ」 俺は悪いことをしているんだ。悪いことをしてでも、手にしたいものがあるんだ)子夜乃さんが怒らなかったらいいなあて、思うたから。(この背景へ留まる気などとうに失せていた。会えたならいっそうあなたに渇く。そういう呪いであったから)そうなら良かっちゅう願いが。分かると、思わせたんかな。(君の中にある答えを聴かせてくれるなんて、何度めかの奇跡、俺は知らない) …離さず持ってな。必ずそうしといて。(テキトーに入るかな?と俺はまた笑ってみせた)
日東寺・有頂 2020年7月20日
(足も結構早い!俺の耳奥で鳴るのは、夜の肌色をして境界の向こうにいるこの子の健やかな声だ。なぜ君が日のもとで除かれゆく存在なのか、そう思えてならないのか、俺には分からなかった)(受け応えた店員はそいつを丁寧に、そしていとも淡白に扱った。この男は生まれてこの方永久に時計屋の店員であり、同じ挙動を繰り返して生きるのだ。愚にもつかない妄想を浮かべる俺は、またもや排斥を感じている) 空いてる。もうずっと。(とっとと会計を済ませ、俺は向き直った)ばってん腹が減ってること、教えてもろうて幸せよ。(君を視る。手首を捕えるよりずっと明瞭な意思を向ける)受け取ってくれますか?(そう気取って俺は、しがない安時計を贈るのだった)
金原・子夜乃 2020年7月22日
ム。やっぱり信じてなかったな。 (怒らないって言ったのに、怒らなかったらいいなあ、なんて。妙に空返事だと気付いていたから、萎んだあなたを見る緑色を眇め。だから、確固とした理由を見せびらかさないとと思ったのです) ……痛くしたくないって。せんぱい、あの日、言っただろう?だから子夜乃、怒らないんだ。 (「いやだよ。したくねえ」)(あの声が耳許のすぐでまた聞こえた気がして、窺うように子夜乃は浅く首を傾げました) それに子夜乃ね、まずどうして?って訊いちゃうから。たぶん、怒るの、あんまり上手じゃないんだ。 (怒り損ねるというか何と言うか。普通はコラッて言う間に考えて、尋ねてしまうから、きっと間が悪いのだ) だから。もし痛くされても、怒らないな。 (したくないことをした理由の方が気になって、きっと、怒ってなんていられない。ほうらね証拠があるでしょうと言わんばかり、あなたを見つめる眦が緩んだ)
金原・子夜乃 2020年7月22日
…………いやだ、 (ずっとお腹が空いているなんて、そんなの。そんなわけないとも駄目とも過ぎらずに、ぽつりと零したのは感情たったひとつでした。それなのに上手く言葉が出て来なくて、目を伏せれば数度かぶりを振りすら) お菓子でも駄目?お米でも?お肉でも?お魚でもお腹いっぱいにならない? ……えっ (飢えとは、空っぽになることのはずなのに、今はこの喉許まで込みあげて息苦しい。まるで溺れるような気持ちになって、子夜乃は胸を押さえました。嫌だと、あえぎ、感情に塗れて息の出来ない呼吸は驚きに跳ねて。差し出されたのは紙袋。たぶん、時計が入っている、) …し、子夜乃、誕生日じゃないよ?何もしてないし、お世話になってばっかりだし、ええと、 ………い、いの? (恐る恐る、大切なものを預かるように受け取って)
日東寺・有頂 2020年7月23日
ああ。いいの。(穏やかに笑いながら紙袋を押し付ける。くぐもったBGMと平たい笑みの店員を嫌い、俺はこの子を連れ出した。客の意欲を促す外部刺激と言う点であいつらは失敗作だ。買っちゃったけど)(知ってる。この子が浮いてる訳でも、人々が遠巻きにした訳でもない。我々ふたりにも公正なものを、俺が一つも見つけられなかったのだ) 違う。(賑わいの穴。虚無のような空間で俺は立ち止まった)俺が信じられねえのは、俺なんだよ。(繋いだ命綱を持ち上げて)俺はあのとき自分に言い聞かせたんだ。「いやだよ、したくねえ」って。(置いていかれなかったあの夜。見つけてもらえたあの夜。非力な良心のままでいられなかったあの夜)子夜乃さん、俺はね。
日東寺・有頂 2020年7月23日
目を覚ましたんだ。(ごめんなさいとそう瞳に込めた。鞭打つ様に明るい照明のもと、艶々の黒とあったかな褐色と戸惑う緑があった)目を覚まして分かった。俺は、厄介な奴やあて。(なりたくなかった。致命的な重荷になりたくなかった。部屋で狂い死ぬべきだった。二度と会うべきじゃなかった。)さっきも危うかったろ?怒らんとだめなんだよ。子夜乃さんが怒るような事、怒らんといけんような事、俺はする筈だから。(でもそのどれもがもう、心にもない)… へっへへ。大丈夫。何でも食うし腹も膨れるさ。でもこうしとーと(握りあった拳に鼓動を聴かせようと、俺はそれを持ち上げ、愚かしくあの時をなぞる)いっとう満ちる。(すれ違う奴らが不審な目つきを寄越す。俺はササッと解除し)さあて。お次は髪留めば探すとよ、子夜乃さん。
金原・子夜乃 2020年7月25日
(ほんの数瞬だったけど、またあの音があなたと結んだ膚に触れた。こうしていると何とも小さな響きなのに、どうしてこんなにも染み入るのでしょう。あなたの声と一緒にそれは入ってきて、まるで隙間が埋まったよう。ああ、) そうか。 (ようやくぽつりと話すのは、きっと歩き出してから。少し歩いて髪留めが売っているような店を見つけてからかもしれません。鈍間な頭だったので、ようやく全部、言葉になって) ……そうか。子夜乃が起こして、しまったんだな。あなたはまだ、忘れてしまっていたのに。 (あなたがそれを目覚めと言うなら、きっとまだ早かったのだ。起きるにはまだ足りなかったのに無理矢理起こしてしまった。それを詫びるよう、“危うかった”の続きをする。あなたの手の甲を、自身の首筋にくっつけて。あなたに感じ入る。あなたも、感じるように) それじゃあさみしいに違いない。 (目が覚めたとき、忘れてしまっていたら)
金原・子夜乃 2020年7月25日
ねえ、その飢えってきっと、……さみしい、って言うんだ。 (違うかな、ひとりごち。だって子夜乃はこんなにも、この音で、さみしいがなくなりました。満たされました。あなたを自分で感じたとき、ひとりじゃないって思って。ずっとひとりじゃないのにおかしいね。吐息には諦めが混じる。きっと、いまに自分も飢えるのだと。予感が、あって) 先輩は、何をされたら「大事にされてる」って思う?ご飯を貰ったとき?手を繋いだとき?プレゼントを、貰ったとき? (もう片手を操ると、そこに引っ掛けてある紙袋が鳴りました。それをちらと見て、あなたを見上げて) ……子夜乃は怒らないって言った。だから先輩は、子夜乃が怒ったら嘘吐きって言っていいんだよ。それだけの話なの。そしたら子夜乃、罰ゲームでなんでもする。だって、子夜乃がそうするって決めたんだ。子夜乃が負けたら、ほらばかやっぱりって。笑って。ほしいな。 (笑うみたいなかおをした)
日東寺・有頂 2020年7月27日
(日常を掴み取ろうと伸びた手が止まる。これ似合いそうだ。ささやかな俺の真っ当が選んだ、君への髪留めの手前で) なして? (振り返る。鏡面の如く色を欠き、俺の目は君を映している)いいんだよ。いいんだ。起こしてしまったんじゃねえ、起こして、くれたんだ。(聞き分けのない者が、聞き分けをねだる。不穏を察して何人かの女たちがその場から退いていった)(君の挙動にこめかみが痙攣し、無音で睨み嚇してみせる。「やめろ」 手の甲に熱。欲しい、欲しい、欲しいのに、茶番だ)……(震える息を吐いた)腹が減ってる事に気づけなければ、俺はそのまま今度こそ、死んどったさ。(子夜乃。君が。選ぶことなどせず、全くの無為で、声も聴かず、欲望も知り得ず、不図。俺を起こした君が、どうしようもなく欲しい。)
日東寺・有頂 2020年7月27日
そのとおりだよ子夜乃。(「置いていかない」 あの夜が、俺の表層に、届いていたんだよ)寂しい。こうしてて寂しい。こうしてるから寂しい。寂しいと思うけん、子夜乃に会えた。(止まらなかった。俺はこういった者だ。ただこれだけの下衆が、正体も定まらない欲求を胸に君を訪ね続ける。君の溜息に、案じに、何一つ応えない男が)(君に押し付けた軛が鳴る。そうなる様にと贈った、馬鹿げたまじないが)(俺は髪留めに向き直った)ああ飯食うても、手を繋いでも、プレゼント貰うても「大事にされてる」。でも。それじゃない。(君が怒らなければいいなと思った? ああ。俺は恐ろしい。君が怒る筈だから恐ろしい。君は怒らないから、恐ろしい。怒られない俺は
、)…………………………………………………
(片手は君の命のそばに。片手は君の黒髪に添える)(髪留めをあてがって笑った) 似合う。(笑ったよ)
金原・子夜乃 2020年7月31日
(子夜乃には見えない、あなたが選んでくれた髪留めを宛がわれた自分。あなたには見えているそれがいったいどんな姿をしているのか知りたくて、知りたくて、けれどそれはいくらあなたの眸を覗いたってわかりません。自分の鼓動だって、あなたに触れてようやくわかる) ……そんな顔しても駄目だぞ。子夜乃は、先輩が飢えてるのは、寂しいのは、嫌なんだから。 …でも、頭から齧られるのもちょっと嫌だ。やだと言うか、…オススメしない。 (食べられたくてこんなことをしているわけではない、から、あなたの脅かしに少し申し訳なそう、眼差しを伏せました。それに、これであなたの飢えが癒せるとも思いません。では何故か?考えながら喋ると、あなたの膚に声の響きも伝わったことでしょう。嫌の理由はわかっていて、それが溜息だったから) からだがひとつなのは、さみしいときがある。 (身体1つに5人。贅沢な寂しさだと、懺悔する声は呟くよう)
金原・子夜乃 2020年7月31日
だからね、子夜乃はこうやって、先輩の音を聞くとそういうさみしいが何処かに溶けていっちゃうんだ。触ってやっと、自分の音も聞こえる気がして……。ふしぎだね、べつに、子夜乃は普段、さみしいって思ってるわけじゃないのに。 (きっと、こんな寂しいを抱いていると知れたらみんなに呆れられます。それなのに、自覚して、考えてしまったから。脳を共有するみんなには最早、筒抜けなのです。それが恐ろしくて、結ぶ手指に縋る力が少し) ねえ。…有頂せんぱいの「大事にする」って、どんなこと? (大事にする方法はひとそれぞれだって知ったことは最近です。だから、違うと言ったあなたにも続けて尋ねました。自分を何より恐れているあなたの、大事とは?) ……留めるの、子夜乃でも出来るかな。先輩は働いてるとき髪、留めたりしない?子夜乃、自分でやったことないんだ。 (あなたが選んでくれた髪留めの近く、他のものも興味深げに見下ろしながら)
日東寺・有頂 2020年8月4日
(怒られない俺は。…呆れられてんな?)ええ?(端っこをペラペラさせて俺は笑顔を向けている。が、このまま貼っ付けてやり過ごすにはまあ。無理があった)ハイ。(うるさい熱源をいっとき塞げば、眉根と見えない尾が悄気る。代わりに左手人差し指は商品棚の向こうへ伸びた)鏡ばみてみ。似合ってる、と俺は思っと。(ブローチタイプのヘアピンで、なんや繊細な花のつくり。金と紫。君の肌と黒髪に映えるものだ)頭から齧ったりしないよ。寂しゅうて寂しゅうて、それなんに、食うて子夜乃ば殺してしもうたら俺。しぬ。(何処までも身勝手を口にしながら、君が脈打つごとにこの世の驚異を知った。あの夜明けと同じで、他には何も知れなかった。俺はもう一度理性に食い下がってみる。そうすればほんの少しは、君が絞り出す憂鬱の受け皿になれるかもしれない)寂しい。体ひとつは寂しい。(頷く)他に人がおっても、子夜乃の心はたった一つきりで、そこにおる。
日東寺・有頂 2020年8月4日
(俺はこわごわと瞼を上げ下ろし)それはその。あんたの寂しいを俺は拭えたが、あんたの寂しいを気づかせたんも、俺ってこと。かな。(自惚れが滲んだ奇妙な声色だった。そこ浮かれるとこじゃないから
…)……、(言わんこっちゃねえ。君の手指が暗示する声に俺はもういちど、言葉を失った)(「大事に出来たこと」なんて一度切りもなかったんだ。俺は一つ覚えに、手を放さず受け容れてもらい受け容れる事をする。そして相手に同じものを望む。ただ数多、大事にしたい誰しもに、大事にしたいと言葉を掛けた)(何か言いたげな臙脂色の靴先を見下ろし、俺はゆっくりと頭を振る)……分からん。俺はもしかしたら、それば分からんけん迷子になったんかもしれん。(吸った空気を一旦吐き出し)ん。店じゃゴムでくくったり留めてもろうたりしとっと。キャップ被ったりもすっとよ。あー…俺もたぶん、下手くそ…(君の視線を追い、逸れた話に安堵などしていた)
金原・子夜乃 2020年8月8日
……そう、かも?…、…そう、 だな。うん。そう。子夜乃、寂しいなんて思いもしなかった。だって、ずっとみんなと一緒にいるんだもん。子夜乃、みんなのこと好きだし、傍にいてくれるし、寂しい理由なんてひとつも、 (しかしどうにもしっくりこず、寂しくない理由を胸に並べ立て、そして寂しい理由も並び立ててみる。直接話せない、触れられない、…たったそれだけのことです。それを癒すためにあなたと逢っている?いいえ、それは違います。ひとりは嫌?たぶん、違う。ではどうしたい?) ……ううん。本当は寂しくなんてないんだ。 (いいえ、きっと確かに寂しかった。あなたで知った寂しいは、あなたを想っていま癒えた) 子夜乃は、あなたのことをもっと知りたいから触れたいだけなんだよ。 (あなたにも知ってほしい鼓動がもっと伝わるよう、首筋に押しつけた手は、眸はよりまっすぐに) じゃあ、見つけないといけないな。「大事にする」こと。
金原・子夜乃 2020年8月8日
さっきね、せんぱいに食べられそうって思ったから。やっぱり食べちゃうタイプのやつなのかしらと思って。 (今はあなたの手を押しあてているそこをガブリとされる想像をして。それがひどく自然なことのようにも思えたのです。自分がライオンになる想像が出来ない幼稚園児程度の気軽さで、鏡を探しながら言う) もし食べられちゃったら、生きてほしいと思うけど、……ステキだ。すごい、子夜乃、壊してしまわないかな…。 (あなたに宛がわれたままの自分の姿を、それよりもそのピンの意匠を見て。見つめる双眸にその金色の輝きが映れば、次に思うのは自分の不器用さ。触ってみたいと思い、ピンを受け取ろうと掌を見せ) ああ、やっぱりお仕事は髪型も大事なんだな。せんぱいも前髪、少し長いものね。 (ネコさんの言うことは正しかった。そう思えば、黒い指先がひとつ選ぶ四角いデザインの緑色のヘアクリップ) …せんぱい、緑色の他だと何色が好き?
金原・子夜乃 2020年8月8日
(金銀財宝みたいに子夜乃の目には見えていたアクセサリーらの煌めきが、少し、色を変えたように思えて。ふと窓に視線を向けると、お日さまの色が変わりかけていた。もうそんなに時が過ぎてしまっていたのか。眼差しを返すと、あなたの金色も少し色を変えていた。そんな風に、子夜乃には見えたのだ)
((50レス/日が暮れる))
日東寺・有頂 2020年8月14日
(夜の入り口にいた。黄金の翳りは広大なフロアの端々から総ての瞳色に射した。髪色に射した。平等たる膜一枚に薄っすらと守られ、俺は再び迷い子の顔を続けていた)みんな一緒にいる。大好きで、傍にいてくれる。つまり子夜乃ん「家の人」は…、家族とね。きょうだいとね。友達とね。(俺にはいまだ多重人格という仕組みが分からない。ひとつの心の変貌を指すのか、別々の心が隣り合うのか。君の瞳を窺うとき、君ではない目色もまた、俺を捉えているのだろうか)子夜乃にとって、生まれた時から家族と会えん話せんのが当たり前なら。気づきが無けりゃあそんままやった。(首元で身じろがぬ表皮。手の甲が溶け付いたようになる)きみと俺がこうしたけん。寂しいはやってきて「寂しいんだ」と俺たちに、教えたんだよ。俺もそうじゃったもの。子夜乃に会えたから、会えたのが子夜乃だったから、寂しい。
日東寺・有頂 2020年8月14日
子夜乃やけん知ろうとして、知れんくて、寂しい。(俺は君を知らない。俺は、俺の良く知る求めを知らない。君へ向かわせるこれらを今もって知らない)(名前をもらえたら成仏しちまうかもしれんけど)でもな。子夜乃は選ぶことなく見つけた俺を、知りたい言うてくれる。俺に教えろと求めるんや無うて、与えながら知ろうとしてくれる。俺は腹がへっとーし、…食わんけどな?きっとまだまだ寂しがるよ。(飢えろという無尽の定めにあるから)けど、こうして教えてくれるけん。(俺へとひた走るあなたの目を、鼓動を視る)そのうち「大事にする」ことを見つける。取り戻すんか、出逢うのかは分からんけど。見つけるよ。(鏡に君を視る)あー…ちいと造りがこまいけんな。(掌へのせた金の花と、君が辿り着いたクリップを交互にする)へへ、こん前髪なあ。こういうふうに伸ばして〜言われて、した。昔な。 ああよかやん。みじょかやんソイツ。
日東寺・有頂 2020年8月14日
紫と、(ヘアピンを見下ろし)臙脂と(靴に移り)金色も好きよ。緑も。(俺はゆらゆらと琥珀を湛えて、そいつを四角に落としながら願い上げた)…見つけられる。こいつを、子夜乃にも預けていいか?(こめかみを二本指でノックし)こいからさき俺は、ここで涎ばたらしとー奴を見定める。そいつに敗けて、子夜乃が罰ゲームするハメにならんよう、「大事にする」ことを俺は見つける。いま俺が口にしたこと、子夜乃にも覚えていて欲しい。(こんな不明瞭、聞き入れられんで当然。口にして充たされ終わりに唇を結めば、毎度の糸目ですんなりと笑った)さ〜〜〜髪留めば買うたらメモ帳見に行くぞ。そいで、クレープ食わんとね!
金原・子夜乃 2020年8月23日
……そうだといいな。子夜乃、オヤはいたけどカゾクはよく知らないから。 (カゾク。夫婦とその血縁関係者を中心に構成され、共同生活の単位となる集団。これも辞書で調べたことがありました。知らないから、自分たちがそうなのかわかりません。知らないからこそ、自分たちをそうすることも出来ます。彼らがどう思っているかはわからないけど、子夜乃というにんげんは) 子夜乃もね、「大事にする」、探してみるよ。…それにね、子夜乃は家なんだ。 (この身体にみんなで住んでいる、ひとかたまりのもの) きっと、オアズカリするのは得意に違いない。今だってそう、みんなのことをオアズカリしてるようなものなんだから。……だから、大丈夫。ちゃんと持ってる。たまに磨いたりして、きれいにしておく。なくさないよ。だからちゃんと、取りに来てね。 (あなたから預かったものをまるで大事にするように、あなたの手を自分で包むよう抱き)
金原・子夜乃 2020年8月23日
(喋り、震える喉があなたにも伝わる) 子夜乃はなあ、自分のことなんてわかんなくて、教えられないから。だから、せんぱいが知ってる子夜乃が、それで全部なんだけど。 (寂しがる必要なんてないんだけどな、と、小さく笑うように小首だけ傾げて。ようやく、首筋からあなたの手を解放しました。少し汗ばんでしまったかもしれない。それが恥ずかしかったので、袖であなたの手の甲を拭って) 子夜乃が教えてるんじゃなくて、せんぱいが知ってくれてるだけ。 (お花のと、四角いのと。掌に乗せたのを緩く包む) へえ。……うん。子夜乃もその気持ち、わかるな。こうやってお話してると、前髪の金色、いちばんよく見えるから。 (伸ばして~って言った気持ち。でも、でも、それだと) もう少し伸びちゃうと、目の金色が隠れてしまうな。 (斑毛の前髪を、ちょいと指先で寄せて見て) …じゃあ、紫のにしよう。子夜乃からもプレゼント、させてほしい。
金原・子夜乃 2020年8月23日
うん。お会計、してくるね。 (クレープ。その響きだけでそわっと肩が疼くみたいに揺れて、いちどあなたの手を離すと店員さんの許へと走りかけ、一度止まって、今度は慎重に向かいました。お店の中は走ってはいけません) ………。ん。 (戻ってくると、紫のヘアクリップだけ小袋に包んでもらっていたようで。手を繋ぎ直すついでに、それをあなたへ手渡しました)