【1:1】やきそば
宵雛花・十雉 2020年5月19日
某日、夕飯時。
金持ちの猫捜しに身辺調査、その他諸々。
その日の仕事を片付けたら、飯作って待ってた。
……今日のメニューは、やきそば。
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お相手:
日東寺・有頂(f22060)
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日東寺・有頂 2020年5月22日
(腰を浮かしかけて留まった。駆け寄ってはだめだ。見ていなければ)…… うん。そっか。(自分の口にする言葉は、恐らくさしたる役割を持たん。己はこの人の向かいに座り、思いのままに吐き出させて、事の行く末を見届ける。 今日。此処にいられて良かった) 全部自分のせいってのは、…会えんってのは、十雉さんの考えか。相手ん人に告げられたんか。分からんが。アンタは終わってしまったと、思うとーんね?
宵雛花・十雉 2020年5月22日
(テーブルを挟んだ距離が何だか心細かった。あまり困らせたくないから、空気と一緒に飲み込んだけれど)自分のせいなのは、オレの考え……会えないのは、告げられた。(最後の問いには頷きをもって答えた。ちらりと、上目で向かいの顔色を窺って)
日東寺・有頂 2020年5月22日
(堅く見守る)何かしら根拠があって、自分のせいやて思うとーんやろが。そらあまだ何とも言えん。会えんってのも。そんやり取りの末に告げられた事やとして、相手ん人にしか分からねえ思惑がある思う。やけん。全部終いになってしもうたと、十雉さん一人で早々決めて、絶望したらいかん。 生きようよ。(何ら明らかには出来ないのだ、自分は。対面から投げ掛けるから。全てぶちまけにこい)
宵雛花・十雉 2020年5月22日
っ……分かんない、分かんないよ……! 相手のことも、先のこともなんも分かんない。……でもオレ、今ひとりだ。(それだけが紛れもない事実。すっかり恐怖に頭が支配されているのだろう。泣きじゃくって呼吸をひきつらせながら、がむしゃらに言葉を叩きつけて)お前のことも分かんない……っ、なんで、来てくれないんだよ……! 来てくれるって、言ったじゃん、来てよ……(随分と子供じみて自分勝手なことを言っているのは分かっている。これですっかり幻滅されて、愛想を尽かされても仕方がないとも思う。だが暴走した感情が溢れて止まらない。心の底から絞り出すような、実に悲痛な叫びだった)
日東寺・有頂 2020年5月22日
(ぶちまけられて矢張り困り眉になって、律する。転んだ子供を助け起こそうとする衝動。それを押し止めた)一人じゃねえったい。おるぞ、此処に。相手ん事もさきんことも分からん当たり前や。やけん、いつまでも誰とだろうと手探りでやってくっきゃなか。考えてくっきゃなかやろ。会いてえひとに、(組んだ指を遣る瀬無く揉んで)二度と会えなくなっても。死ぬな。 (沈黙が這ったあと)…そっち行って背え撫ぜたら。可哀想に言うて慰めれば。十雉さん安心する?俺はアンタの前じゃアンタの望む俺でおりたいけん。そうして欲しいなら、そうするよ。けど。それじゃ損なわれたままだ。十雉さん、俺がそば寄っても。抱きしめても。独りのままだぜ。
宵雛花・十雉 2020年5月22日
やだ、二度となんてやだ……(「死にたい」――諦観や逃避にも似た欲求がこだまする。頭がびりびりと痺れるようだった。けれど死ぬなと、目の前の人が言う。その言葉が呪いのように、死にたがりの己を現世に縫い付けて繋ぎ止めるようだった)
…………会いたいよ。
(膝を抱えて顔を伏せる姿は、まるで幼い子供のようでもあるかもしれない)
(確かに抱きしめられれば安心するのだろう。人肌の温もりに、その鼓動に生を実感し、体の熱が戻る。けれどそれらは所詮ひと時のものに過ぎない。目の前から無くなってしまえば、いとも容易く忘れてしまう)オレ、どうしたらいいの……(飄々として拘りのない、みんなから頼られるような、強い男になりたかった。「助けて」と、縋るような言葉が唇の隙間から零れ落ちる)
日東寺・有頂 2020年5月23日
(深く肯いた) おう。やだか。(宵雛花十雉が泣いている。長く苦労を蓄えて別の顔を身につけたんだろうか。そこに隠れている間も、ずっとずっと辛かったんだろうか)やだなら、どうにかせんと。どうにかしようや。会える日が来るように。(結局のところふたりして何をどうしようってなモンなんだ。助けてくれと言うあなたに差し伸べる立場にいやしない。向かいに座って益体ない投げ掛けを、続けるほかない)一緒にしていこうよ。遊んだり、飯食うたり、喋ったり、そんなんして。そんな中でどうすりゃ良かか少しづつ。考えてやってこう。(繕わずさらけていい。隠したまま笑っていても。したいがままをしていてくれ。俺は俺の働きかけを、続けていくから)
宵雛花・十雉 2020年5月23日
(返った言葉にまた涙が溢れる。けれどこの涙は、白い頬に温かな線を残していった)ありがとう……(それは真っ先に浮かんだ言葉。紛れもなく、嘘偽りない本心)オレ、頑張って生きるから……だから、一緒にいて。一緒にしたい……遊びたいし、食べたい。たくさん、しゃべりたい。(続いた言葉は決意であり約束だった。自分の欲求を口にすることは、まるで我儘を言っているようであんなに苦手だったのに。もう自分がこの人の前で何かを演じることは無いのだろうなと、ぼんやりとした頭で思う)
宵雛花・十雉 2020年5月23日
……(少しだけ迷うように視線が彷徨った後、ぽつりぽつりと頼りない声が溢される)あの、オレ……宵雛花じゃない。これは家出して帝都に出た時に……その、自分でつけたヤツ。ほんとの名前は縁起悪い字だし……名前変えて、別の人間になりたくて。(膝の向こう側から、涙で腫れた橙色が覗く)
……オレのほんとの名前、聞いてくれる? ニットには、知っててほしいから。
日東寺・有頂 2020年5月25日
(白い頬に伝うものを見据え)当たり前だ。一緒にいてくれよ。(強かに言い終えると膝が震えた。全身に取り付いた戦慄きを今ごろ知る)(良かった。生きててくれるんだ。良かった。この人とその人の間で何がどの様に行き着いたのかは知るべくもなく、知らなくていい) …良かった。(膝に手をつき頭を垂れた)あ〜〜〜〜良かった。マジどがんしよう思うたばい。頼むから…(心許ない声。聞き逃してしまわぬよう顔上げて口を噤む。正面の橙色を視た)… そうなんだ。(出し抜けではあったけど、それはすんなりと受け入れられた。予期していたような感触さえあったのだ) おう、聞きたい。聞きたいよ。教えて。アンタの名を。
宵雛花・十雉 2020年5月25日
う……ご、ごめん。(震え出した膝を見る。色々言いたい放題やりたい放題してしまったことを思い出して、今頃恥ずかしさでいっぱいになった。耳まで真っ赤にして)悪いとは思うけど、それでもやっぱり嬉しい……かな。(一緒にいてくれという言葉に、何だか自分が必要とされているような気になったから。自惚れかもしれないけれど)
うん、じゃあ聞いて。(隠していることを打ち明けるのには勇気が要る。けれど、今の自分にはほんの少し勇気があった)……よすがら。終夜 十雉っていうの、オレの名前。
日東寺・有頂 2020年5月25日
いや。いやいや良かよ。(はたいた膝に頬杖し直し)アンタさんの泣き顔も、照れよー顔も見してもろうた。収穫ばい。(半円の目を向けてニヤニヤ笑う。気恥ずかしいのはお互い様だが、己はそれを濁してしまう)悪うなんてこつなか。こいからも見してくれよ、な?良けりゃあさ。(自分の言葉が、益にならんと知りつつの投げかけが、この男を不仕合せに留める事になったなら。恐ろしい)(けど止められねえ。全てが遅いと気づくまで、止められる気がしない)(目を伏せて大切に、口にした)よすがらときじ。アンタさんの名は、終夜 十雉。
宵雛花・十雉 2020年5月25日
(じぃと相手の顔を見る。何故だろう、朧げに違和感を覚えてしまうのは。不安で胸がざわついてしまうのは)……(黙ったまま立ち上がり、向かい側まで歩くとそのまま強引に隣に座った。少しだけ拗ねたように見えるかもしれない)
日東寺・有頂 2020年5月25日
(不意に立ち上がったデッカくて白くてきれいなのが隣に座る。座ってムスリとしてる)… どったの?(橙色の目を掬う)
宵雛花・十雉 2020年5月25日
いつまで待っても来てくれないから。……来ちゃった。(もちろん理由はそれだけではない。先ほど感じた違和感の正体を知りたかった。やはり拗ねたように言うと、そっと相手の耳元に唇を寄せて)
宵雛花・十雉 2020年5月25日
ねぇ……何考えてるの?(そう、囁いたのだった。自分だってあれだけ曝け出したのだ、相手にもちゃんと見せてほしい。もしも見せてくれないというのなら――)
日東寺・有頂 2020年5月26日
来ちゃったって。十雉さんカノジョか。(ワハハと笑った顔脇で針先の様な問い)(驚くほど柔らかく。けれどそう言った質の)何。考えてるか?(こちらに気掛かりが有るばかりに、鋭い響きを持ったのかもしれない)…… いや。あんさ。俺は俺の思いんままにアンタへ関わる決めたけん。それがアンタを少しでも幸せにしたら良いなって。思ってたよ。(肩の力を抜き、橙の瞳を見返して答えた)そうや無かっても、関わるんやめんけん。
宵雛花・十雉 2020年5月26日
こんなデカいカノジョ嫌でしょ、ニットは。(やはり笑い声にも、返った答えにもどこか違和感がある。単なる勘のようなものではあるが、この勘というものが案外頼りになると知っている)ほんとに、それだけ?オレは幸せになるかもしれないけど……じゃあ、ニットの幸せはどうなるの?(案じるような橙が、奥の方を覗き込んで)
さっき、オレの前ではオレの望む自分でいたいって言ってくれたけど……それ、ほんとにニットの思いのまま関わってるって言えるのかな。(相手を責める意図はこれっぽっちも無いのだ。ただ相手が心配で、そして何より相手を知りたい。だから、言葉は努めて優しく紡いでいった)
宵雛花・十雉 2020年5月26日
あのさ……ニットが幸せじゃないなら、オレも幸せになれないよ。何か気になってることがあるなら、ちゃんと全部話してほしい。……一緒にいてくれるって、関わるのやめないって言ってくれたニットのこと、オレも絶対離さないから。(嫌だと言っても逃さないと伝えるかのように、片方の手を自分の両手で包んで握ってやった)
日東寺・有頂 2020年5月26日
デカイん好きよ。しかしそうなあ。カレシになってまうけんな。(首を傾けて)十雉さん、ふあん? 俺は何でも話したい思うとーし、そうするて言うたばい。(弁明に聞こえたって構わねえ。この人はとても過敏な状態にあるんだ。一つとして疎かにできない)オイさ。前にちいと話したけど、人と関わった記憶ばごっそり無くしとう。やけん付き合うてた人んこと思い出すまで、誰もいない、誰とも繋がれない人間なんやと思うとった。(口にするたび不明瞭な話だが。引っ張り出して聞かせる)誰もいねえから、何者でもなかった。俺は俺自身にもなれなかった。
日東寺・有頂 2020年5月26日
でも、ここんとここうしてな。新しい繋がりを結べんやて感じとう。繋がりてえ思うた人と縁を結べるんやと。俺は、自分でいられるんだ。(つまりと)アンタが望む俺でありたい言うんはな。十雉さんをだいじに思う、俺のためだ。俺をアンタのそばに置いておくためだ。(白妙で細長い指の男。さみしがりだ。同じなんだ)俺は俺なりの関わり方しか出来ずに、それを止めない。その事がアンタを(握り返して微笑んだ)不幸にしなきゃいいなって思った。それだけだよ。
宵雛花・十雉 2020年5月26日
ん?……あぁうん、そうだよね。それは、オレにはどうしようもないや。(自分が可愛らしい或いは扇情的な『女性』なら、もう少し元気づけてあげられたのかなと、少し虚しくなって視線を落としつつ)
……(不安かと問われれば、素直に首を縦に振ったのだった。そして俯いたままで話を聞く。記憶のこと、繋がりのこと、それからだいじに思ってくれているということも、最後まで全部。そうして聞き終えてようやく、視線を上げた)
うん、分かった。……有難う、話してくれて。オレ、不幸だったらちゃんと言うよ。それに、関わって働きかけてくれたのはニットかもしれないけど……最終的に決めたのはオレなんだから。そこに責任感じる必要はない、と思う。(握り返された手はあたたかくて、やっぱり安心してしまう)
宵雛花・十雉 2020年5月26日
……あの、なんでここまでよくしてくれるの?似た者同士だから?……ううん、きっとニットはこんな風にみんなに優しいんだろうなぁとは思うけど。オレただの根暗だし、死にたがりだし、面倒臭いし重いし、会ってからまだそんなに時間経ってないし……男だし。正直、こんなによくして貰うような価値もないっていうか。……いや、もちろんオレは嬉しいんだよ、幸せなんだよ?(ただ自分には純粋に疑問で、不思議だった)
日東寺・有頂 2020年5月26日
責任感じんでどうすっと。友達としてアンタんこと請け負う決めたんやけん、不幸になって貰う訳にゃいかんっさ(細身の手骨を己に寄せる)終夜のアンタをようけ教えて貰うためにゃあ、覚悟はらんとな。
(良くもまあ羅列していじらしく思えた。この人がそうやって引け目に思うどれもを、ささいじゃねえかと笑ってやれたら。両眉を上げて目を向けた)決まっとー。こんまだ会うて間もねえ死にたがりの面倒な重い根暗しゃんをね、気に入ってもうたからよ。面倒とも、重いとも、思わんからよ。大切になってしもうたら。思えないものだよ。(目を逸らされたあのときに。己の勝手で腹を括る事になったのだ)
宵雛花・十雉 2020年5月26日
……あーあ、そうやっていっつもまっすぐなんだもんなぁ。眩しくて見てらんないよ。(何しろ本当の自分は『夜』そのものであるものだから、光から目を逸らしたくなるのも当然のこと。そう自分に言い聞かせて)
とんでもない物好きだって、自分で分かってる?(その物言いはつんとしていたが、握られ寄せられた手は、絶対に離すなと言うように、縋るようにしっかりと握り返している。もう片方の自分の手は、死んだ人間の青白い手に握られていた。どこの誰かも分からないが、もしかすると仲間が欲しいのかもしれない。きっと彼には見えないだろうけど)
宵雛花・十雉 2020年5月26日
なんていうのかな。オレ、人に貰いっぱなしってすごく不安になるんだよ。誰かに尽くして施して奉仕してないと落ち着かないっていうか、自分の存在ごと消えて無くなっちゃいそうでさ。……だから、オレにも何かさせて貰えると嬉しいんだけど。
(例えば人から依頼を受けるのも、酌を申し出るのも、飯代を奢るのも、夕飯を作るのだってその一環で――そこまで考えたところであることを思い出した。目の前にはすっかり冷め切ったやきそばがある)あ……ご、ごめん。忘れてた。あったかいうちに食べて欲しかったんだけど……(温め直そうかと、おどおどとした調子で問いかけて)
日東寺・有頂 2020年5月27日
そもそも何もやってやれてねえし、良くもしとらんぞ。オイは話聞いとーだけったい。(背もたれによっかかり握るそれを翳してみた。薄い皮膚を透いて、この人を追い込むものの正体をはかり知ろうと。無論何も分かりゃしない)眩しいんはアンタしゃんやけどネ。危なっかしくてほっとけんくて誰よりも懸命に生きよー人や。懸命に生きようとしとーけん躓いて、泣きよる。(鼻を啜って横目を向ける)へっ。舌先三寸やもしれん男にあずけてまう十雉さんこそ。言うたら物好きよ。
日東寺・有頂 2020年5月27日
(すんと鼻息吹いて)消えてなくならーん。アンタがそがんタチの男ってんは分かるよ。ばってんそう言われてもな。メシもご馳走なっちゃったし…(顎を擦り膝小僧で指タップして考えた。・・・ やきそば!)うんいいヨ!あっためなくても全然食えるでしょ。レンジなんなかやろ?(ささっと自分の焼きそば皿を目の前に寄せた)
宵雛花・十雉 2020年5月27日
何言ってんの。話聞いて貰えるだけで救われる人間だって、いるんだよ。(ぽつり、零した。白い手を翳されれば、もしかしてこの人も、と淡い期待を抱いてしまう)……何か、見える?(控えめに首を傾げて)
オレが眩しいって?冗談でしょ。……な、泣くってのは余計だし。(何も間違っていないだけに照れ臭かった。気が弱くて泣き虫な自分は嫌いだ)
ん、だって今のオレはニットのこと信じきってるから。まさか裏切らないだろうってさ。(迷いなくそう答えた。実際、舌先三寸と言われてもいまいちピンときていない自分がいる)だから……ニットがいなくなったら今度こそ終わりだと思うよ、オレ。……ごめんね、いきなり人間一人の命なんて預けて。
宵雛花・十雉 2020年5月27日
レンジってUDCにあるやつ?……デンキヤってとこに売ってた。便利そうだよね、アレ。(皿を引き寄せたのを見る。そのままじぃと見守って)味の感想……とりあえず、聞かせてくれる?一応、宵雛花のオレが自信作って言ってたの、嘘じゃないから。
日東寺・有頂 2020年5月28日
おうそんレンジ。ありゃあ使えるシロモンなんばい。言うてあっこで買うた品、こっちじゃ使えんか(片手は預けたままもう片手に箸。焼きそばにとりかかる)ん?うんにゃ。血管ときれいな肌っきゃ見えん(呆気なく首を振り、持ち上げた焼きそばをかっこんだ)(しばし後飲み込んで)うめえ。うん。へへっ宵雛花の十雉さ〜んバリうまか。 何か。アンタしゃんはなんか見えっと?まさかおばけ??(急斜なハチの字眉毛になって、それでも焼きそば頬張った)
日東寺・有頂 2020年5月28日
裏切る理屈がないけん… ばってん(ちょいと箸がとまる)おらんくなったら終わりなん。脅したい。そがん意図が無うても、そうとるぞ?(口を拭う。そのまま橙色を間近にし)俺は去らねえ。けどこん先俺がぽっくり死によったらアンタ、自分ば殺すん?俺が死ぬるうんめいなら十雉さん道連れにしていいんかい。失ったら終わりなんて失う前から言わんでよ。失うてもなお、言わんでくれよ。(懸命に生きつづけろ。そう枷をはめたのだ)
宵雛花・十雉 2020年5月28日
冷蔵庫なんかはあるし、こっちにもエレキテルは通ってるんだけど、なんかあの差し込む出っ張り?……あれの形が合わないかもしれない、UDCのとは。(機械にはそれほど詳しくなかった。見えないと聞けば、そう、と話を誤魔化すように返して。うまいと聞けば嬉しそうに頬を緩めた。演じているとはいえ、あれだって間違いなく自分なのだ)
そっか、よかった……(安心したところへ、一旦は諦めかけた話題が戻ってくる。どうだろう、信じて貰えるかな。でもこの人ならたぶん)……うん。見えるよ、おばけ。
宵雛花・十雉 2020年5月28日
! ごめん……ごめんなさい。(そのような意図は無かったとはいえ、死を振りかざして相手を縛り付けようとしていた己を恥じた。橙色に映った顔が滲む)
でもごめん、嫌なこと言ったオレが悪いんだけど……お願いだから、ぽっくり死ぬなんて、言わないで……(フラッシュバックのように一瞬だけ見えた光景が心臓を抉る。もう二度とは体験したくない、それ。未だ血を流したままの傷口を隠すように、謝罪の言葉と約束を口にして)ごめん……頑張って生きるから、だから……
宵雛花・十雉 2020年5月28日
(そこまで言ってはっとした。切り替えるように笑って)や、やだなぁまた、オレ。……ほら、やきそば食べて。美味しいよ?
日東寺・有頂 2020年5月29日
(焼きそばに向き直った。いよいよ平らげる気である)エレキテル。おう電気んことばそう言いよっとか。冷蔵庫もあるん…考えてみたらオイ、此方んこと何も知らんばい。他ん世界もやがや〜〜もうちいと勉強せないかんね。 んん。(モゴッ)(取り急ぎ飲み込む。頷きながら神妙に見返し)…。そうなん。十雉さんそんら辺見えるひとか。オイも職業柄オバケさんの力は借りるばってん普段はよう分からん…(きめ細かな甲をひょいと目の前にして)アンタの手に、見えんの?
日東寺・有頂 2020年5月29日
そいは十雉さん。憑かれとっと?大丈夫なのかよ。(瞳の加減を察するように見つめたけれど。すがる色のほかは定かじゃない)いや。…わりい。オイもちいとリキ入ってしもうた。へへ、うん。(握る繋がりを揺らした)ボコされるんは嫌いやなかやがハタチそこそこで死にとうなか。オイも必死で生きて、死なんけん。(人の内を知れる筈がないから、そのつど手前勝手に誓うだけ。この人が嘗て奪われたのなら、損なわれたのなら、もうそれ以上を許さない)俺。さっきみてえに言いたいこと言い返すから。十雉さんも胸に留めずぶつけてくれや。(箸置いてしっかりと手を合わせた)俺のめっちゃ好みん焼きそばやったばい。ご馳走さま。
宵雛花・十雉 2020年5月29日
はい、お粗末さま。(自分は泣き疲れたせいかあまり食欲が湧かなくて、後で食べようとぼんやり思う)
ふーん、ニットってあんまりサクラミラージュには来たことない?なんなら今度案内してあげよっか。ハイカラな男にしてあげるよ。(などと悪戯っぽく笑って)
……見えるのはこっち。(言うと反対側の手をひらひらと)正確には見えてたっていうか。ずっと手引っ張られてたけど、今はどっか行っちゃった。ニットのこと、カッコいいって言ってたよ。(果たして幽霊に褒められて嬉しいのかは分からないけれど)憑かれてる……うぅん、どっちかというと好かれてるのかも。憑かれてるなら祓えば済む話だし。
職業柄?……そういえば、ニットって何の仕事してるの?酒場の人なのかと思ってた。あ、あと猟兵もか。
宵雛花・十雉 2020年5月29日
うん……オレ、ほんとの自分見せるの怖いし、自分の思ってること正直に話すの慣れてなくて、下手糞だけど。でも下手糞なりに頑張ろうと思うよ。それにぶつけられるのもやっぱりすごく怖い。けど、やっぱりニットにも全部正直にぶつけて欲しい。……だって、友達だから。(弱虫な自分はこれからも時に死に呑まれそうになってしまうのだろう。でも、それでも。少なくとも独りでは無いと、この繋がりに縋ることで帰って来られると思うのだ。血の通った人間のいるべき世界へ)ちゃんと謝ったら、仲直りできるよね。きっと。(なるべくなら、付け合う傷は多くない方がいいだろうけれど)
……あのさ。ニットのこと、絶対死なせないから。嫌だって言っても絶対。オレのこと置いてぽっくり逝くなんて、許せないし。……そのためならニットのこと守るし、何だってする。だから、覚悟してて。(有無を言わさぬ笑みだった。繋がった手を同じよに揺らして)
日東寺・有頂 2020年5月31日
ハイカラなりたか!アンタみたいん服装もしてみてえな。へへ、ぜひに宜しゅう頼んます。(華奢な手が舞う。儚さを体現しているかのようで、目を細めた)ずっと引っ張られてたって…おっとろし。油断ならんオバケさんばい。かっこ良い?ふ〜ん。(女性のオバケ?…悪い気はしないな!)好かれとー言うてもな。十雉さんの力になってくれよんならアレやけど、… まあアンタが赦してんならいいんだ。ふむ。自分で祓えっと?(気儘に人を選び側に寄る類のもんだろうか。「それとももう死んでる?」と上げた顔を思い出す。死の影が難なくその身へ寄るのは、ソイツがいるからじゃねえだろうな)ん。オイん仕事は、まあそう猟兵。化身忍者ばい。あとは…カフェん店番?
日東寺・有頂 2020年5月31日
ああ。有難う。(怖がり同士顔突っつき合わせてんだ。面白いほど食い違うだろう。しんどくもなるだろう。けれどそんな中でやり繰りして、離れないよう繋ぎ続けるんだ)アンタの目ば覗いてわかる事なん幾らもなか。駆け寄って抱いてやって解ける答えでもなか。十雉さんがぶつけてくれよったけん、俺はそれに応えられたよ。 そん上でな(揺すって揺られて止まる。互いの目線に持ち上げた)俺の言う事にすべてを左右されんでな。こいは俺の自惚れで余計な心配かもしれんばってん。アンタに対して適当するつもりは毛頭なかやが、アンタの事はアンタがおさめてやって、な。(瞼を閉じて犬歯を見せる)覚悟してる。今言うたことそんままアンタに返したるけどネ。
日東寺・有頂 2020年5月31日
…さて。(一際強く握り返し、目を開けた)長う邪魔して飯ご馳走なって、わりい。そろそろオイ。帰っけん。
宵雛花・十雉 2020年5月31日
分かった、ならその時までに準備しておくよ。
……幽霊ってさ、無害なタイプと害のあるタイプがいて。後者は悪霊とか怨霊って呼ばれたりするんだけど。オレが赦してんのは無害なタイプ。だからまぁ、みんな話し相手になってくれたり、手伝ってくれたりするよ。(害のあるタイプとはそもそも関わらないようにするのだと。生者と死者の共存する世界がずっと自分のいる世界で、時々自分がどっち側にいるのか分からなくなった)ニットが悪いのに憑かれたらいつでも祓ってあげるから……言ってね。
へぇ、忍者なんだ。……オレの父さんも、忍者。今度、仕事の話も聞かせてよ。
宵雛花・十雉 2020年5月31日
……うん、分かってる。友達としてニットと遊んで、言い合って、ぶつけ合って、たまにしんどくなって……でも、ちゃんと自分の頭で考えたいと思ってるから。(きっと、それが『生きている』ということなのだと思う。貴方が身勝手に私に誓うように、私もまた身勝手に、友である貴方に誓いを立てる。言葉をそのまま返されれば、にやりと口の端を持ち上げた)
宵雛花・十雉 2020年5月31日
うん、ありがとう。長い時間ごめんね。……オレ、さっきみたいに簡単に死ぬなんて言わないから。もう、大丈夫。(自分自身に確認するように言った後、意を決して離した。自分から、相手の手を。彼と物理的な繋がりに頼りきる必要は、たぶんもうない)
……だからさ、また遊んでよね。
日東寺・有頂 2020年6月2日
ほ〜〜う。なんよオバケとの付き合い長そうネ。(ある程度馴染んだもんならば。勘繰り無用かと頬杖)へえ?話相手になってくれっと。そがんことなら、安心。悪霊怨霊はま〜厄介しゃんばってん世話んなっとりますけん。大丈夫よ。(この先のこの人ならば。手引かれあちらに惹かれる瞬間があったとしても、きっと。)ばってん、もしヤバなったら十雉さんに頼むね。
え。そうなんだ!親父さんも化身んひとと? へ〜〜やあでも、オイはなあまだまだ。忍者らしゅう戦えんが。
日東寺・有頂 2020年6月2日
(別離でない別れ。毀れ物の温もりに手放され)あったりまえ。落ち着いたら街案内してもらうからな。(ソファから腰を上げ、後にするそこへ視線を下ろした。見慣れぬ世界の見慣れぬ部屋のそれは、もはやすっかりと寄る辺であった)……一緒に生きるって言うてくれて有難うな。俺のおぼつかねえ決心を、信じてくれて有難う。頑張ろうね。ぼちぼちね。
日東寺・有頂 2020年6月2日
知ってるよ。(扉に手を掛けて振り返る)言わせねえ。俺もアンタも、言わせねえさ。(笑顔残して部屋を去った)
宵雛花・十雉 2020年6月2日
(出て行く背中を見送った。寂しさもあるけれど、後に残ったものはそれだけではないと、今なら言える)……ありがと。(頑張らなければ。今夜は夢を見ないで済みそうな、そんな気がした)