🌹海辺
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月18日
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潮騒が聞こえる。
かつては此の浜を、人々が連れ立って歩いたのだろうか。
今や寄せては引いていく波を追いかける人影もなく。
海はひとりその繁栄と衰亡を、見つめている。
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◇RPのみ。
◇1:1。
0
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月18日
(昼間とはいえ仄暗い浜辺。波の音を聴きながら、貝殻を探す)
ヴェル・ラルフ 2020年5月20日
(仕事のついでに、足を伸ばして遠くまで。見慣れぬ海を見つめながらゆっくりと歩く。途中、白い貝殻を見つけて拾ってみる) …この世界にも、海があったんだなぁ…(歩を進めると見えてきた人影。珍しくて、思わず) …あの。何か、探してる?
(足を踏み入れる)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月21日
(声をかけられて顔を上げる)あら、ええ、貝殻を。あなたは?(赤い髪に夕日の如き瞳。燃えるような色彩に、この世界では見ない夕焼けを感じる)
ヴェル・ラルフ 2020年5月25日
(上げた面はこの世界に似つかわしい紺碧の瞳。流れる銀髪に星の河を想起して) 僕は、海を見に。…この世界にも海があるなんて、知らなかったから。(あ、そうだと呟いて、その手中にある貝殻を差し出す) あっちにあったんだ、貝殻。よければ、どうぞ。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月27日
(あえかに微笑んで)他の世界には在っても此の世界には無いものは多い…哀しいことですが。あら…でも宜しいのですか?思い出にされるのでは、と推察いたしますが…(彼の手元の貝殻と、彼の顔を交互に見つめている)
ヴェル・ラルフ 2020年5月31日
(微かな微笑みに、同意するように口許に笑みを見せる) ああ、僕はただ拾っただけだから。持ち帰るつもりはないよ。(部屋はこれ以上散らかすわけにはいかないしね、と苦笑して) あ、でも無理にとは言わない。白じゃない貝殻の方がいいのかな?
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月3日
(首を横に振る)…いえ、色はよいのです。ただ……わたしが貝を探していたのは、土壌改善の為でして。貝殻は粉にするのです。…其れは、貴方が見つけたもの。この使用法を聞いて、貴方が貝殻を憐れむのであれば受け取れません。(物に対する譲渡は慎重。己がヤドリガミで在るが故に)
ヴェル・ラルフ 2020年6月6日
(ぱちくりと目を見張って) 貝殻って、土の栄養になるんだ?(手の内の白い貝殻をまじまじと見つめる) …いや。貝殻が土へ還って、他の植物へと還元されるなら…僕は、その命の巡り方は、とてもいいことだと思う。この地で生まれて、この地に還る。僕が貝だったら、そうしてほしいかな、なんて思ったりもするんだ。(だから、良ければ、と貝殻を再び差し出した)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月7日
(素直な反応に微笑みを溢して)ええ。肉体が朽ちることで他の命に還元する。此の貝殻は、貴方が見つけたもの。貴方が是とするならば、土に還元することにしましょう。(両手でそっと受けとる)ありがとうございます。わたしはレーヌ。丘の上の、あの教会で、墓守をしております。どうぞ、よしなに。(小さく辞儀する)
ヴェル・ラルフ 2020年6月12日
どう、いたしまして。(大したことしてないから、と控えめに言葉を返す) ああ、あの教会の人なんだ。僕はヴェル。よろしくね。(慣れないように頭をぺこりと下げて) レーヌは、ずっとここで暮らしているの?
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月13日
(控え目な様子に好感を持つ。若い人にしては珍しいように感ずる)ヴェル。良い名ですね。わたしの元の持ち主の使う言葉に、似た音がありました。「緑」という意味です。貴方には「緑」に相通ずる雰囲気があるのかもしれません。(目を細める)ええ。此の世に生を得てから百余年。人間の形を得てからは、20年ほどが経過したでしょうか。ずっと此処におりますよ。
ヴェル・ラルフ 2020年6月21日
(へえ、と素直に驚きを表して) 僕の名前、そういう意味の言葉でも使われるんだ…緑、か。(己にそぐわぬように思えるけれど、憧れる色。一度ぱちりと目を閉じて、それから彼女の話に再び驚きの色を露にする) ひゃく、ねん。ああ、ヤドリガミなんだね。それは…長いね。(100年の時を同じ場所で過ごすということに思いを馳せる。想像が難しい)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月23日
(微かな笑顔を浮かべる)永いような短いような。何時の間にか人間の形を得たときは驚きましたが。(微笑みを浮かべて)さて…実は肥料にするにはもっと貝殻が必要なのです。数多の白薔薇が咲いておりますので。もし宜しければお手伝い願えますか?
ヴェル・ラルフ 2020年6月30日
(勿論、と頷いて) たくさん咲いてるのなら、かなりの数が必要になりそうだね。是非、お手伝いさせて。(早速、辺りを見回しながら。砂から姿をのぞかせる貝をひとつ、手に取る) あった。…レーヌ、ひとつ聞いていいかな。さっき、長いような短いようなって言ってたけれど…人の姿を得る前の記憶はあるの?(ふと思った疑問を口にしてみる。相手が不快に思わないか、様子を伺いながら)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月3日
ありがとうございます。ええ、わたしに答えられることでしたらなんなりと。(感謝の言葉を述べてから、申し出を快諾する)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月3日
(質問され回顧するように少し考える。表情に憂鬱さのようなものはない)………そうですね。所々といったところでしょうか。わたしを花売りから買ってくれた少年のことなら、よく覚えていますよ。(其処で思い出したように微笑む)
ヴェル・ラルフ 2020年7月5日
(拾った貝を左手に持ち変え、再び探しながら) 花売り、か。レーヌは、花のヤドリガミなんだね。(微笑む彼女の様子に少しほっとして。思い立って聞いたことだけれど、不躾だったかと少し反省しつつ、笑顔を返す) 男の子が花を買う、か。微笑ましい光景だね。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月7日
ええ。白薔薇の花束が私の本体です。元は1本ずつの白薔薇を、ある少年が毎日買っていって出来たのがわたしなのですよ。(思い出しながら語る其の様子は何処か楽しそうである)
ヴェル・ラルフ 2020年7月10日
白薔薇。(彼女の清廉な姿に、白薔薇を重ねる。とても似合いだと思う) ──白薔薇の君、か。誰かのための、花束なんだね。(楽しそうな微笑みに、その先が気になった。けれど、再びさくりと砂を踏んで、貝殻を探す。過ぎた日々の話は、慎重になってしまう)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月11日
まあ。ふふふ。なんだか照れますね。(ほんのりと頬を染めて笑う)──そう。花は誰かのためのもの。(砂地へ視線を落とし貝殻を探し乍ら)……わたしも嘗てはママンのための…少年の母のための花だったのですよ。(波、其の奥へ無限に広がるような海へと視線を送る)
ヴェル・ラルフ 2020年7月23日
──…そうだったんだ。(彼女が見遣る、遠くの海へと視線を移す。穏やかな波の音に、暫し沈黙してから) …その男の子は、お母さんのために、レーヌを選んだんだね。センスのいい男の子だ。(貴女の横顔をそっと見る。その表情に、翳りはないか)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月24日
(静かに称賛してくれる青年の方へ顔を向けて、莞爾とする)まあ。誉め上手ですね。其れとも女性慣れしてるのでしょうか?(小さな笑い声を立てて)……彼の少年は素敵な役割をわたしにくれました。感謝しているのですよ。
ヴェル・ラルフ 2020年7月27日
(ぱちくりと瞬いてから、笑って返す) はは、まさか。まだ青二才ってやつだよ。今も、レーヌには敵わないなって思わされたところ。(彼女の笑みに少しほっとして、言葉を紡ぐ) お母さんのための花…愛情のしるし、みたいなものかな。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月31日
まあ。ふふふ…貴方は吃度、わたしよりずっとお若いと思いますが…落ち着いていらっしゃいますね。ちっとも青二才ではありませんよ。そう…寧ろ何処と無く達観していらっしゃるというか…一線を引いていらっしゃるかのような。(こくりと頷く)そう…病の床に在る母への祈りと思い遣り。そして…(少し悲しげに瞳を伏せる)……亡き母の為の鎮魂。少年の切なる思いがわたしを形作ってくれました。(顔を上げて優しく何処か悲しげな微笑を浮かべる)
ヴェル・ラルフ 2020年8月1日
(彼女の言に、一瞬表情が固まったような。それから、元の笑みを浮かべて) …達観ではないよ。そんなに、中身はできてないんだ。(はぐらかすように、眉だけを下げてみせた)
ヴェル・ラルフ 2020年8月1日
(上げた顔の、儚い微笑み。ふわりと包むような、優しい彼女の見せた一面に。そっと寄り添いたいと、思った) …真っ直ぐで…真摯な想いから、レーヌは生まれたんだね。だから、キミはそんなに優しいのかな。(先程の笑みとは違う、心からの慰めの気持ちを。その一端が現れたかのような、微笑みを見せる)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月6日
(柔く大きく笑む。心の運び手である彼女には、其の言の葉が真心からのものと知る故に)──お優しいですね。貴方は。貴方が大切になさる物たちも、きっと。いつかわたしのように心を持つようになるでしょう。(願いのような予知のような事を言う)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月6日
さて。貝殻はこの辺にして…お茶をご馳走します。手伝って頂いたお礼に。如何ですか?(教会の方を指差して誘う)
ヴェル・ラルフ 2020年8月9日
(託宣のような言葉。きらりと望みの光を放つような、そんな想いが心に灯る) ──もし、そうなら…大切に、しなきゃな。自分の、ものたち。
(指先の教会の方へ顔を向けてから、再び彼女の方へ視線を戻して) …いいの?あまり、手伝えなかったけれど。(いくつかは見つけたけれど、片手に収まるほど。見えるように差し出して)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月11日
ええ。充分ですよ。此の浜にも貝殻は必要です。白薔薇のためにほんの少し分けていただくだけでよいのです。(先導するように少し前を歩き始める)お客様を迎え入れるには簡素すぎる場所かも知れませんけれど。せめて御礼をさせてくださいな。
ヴェル・ラルフ 2020年8月16日
ありがとう。大したこと、してないけれど…お呼ばれしようかな。(先ゆく彼女の背を、ゆっくりと追いながら) そっか。取りすぎず、必要な分だけを…この世界にいると、そういう均衡の大切さが身に染みるよ。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月19日
(やがて教会の鉄の門扉へとたどり着くまでゆったりと歩く)此の世界で他の誰かの手伝いをしてくださる方は希です。皆、民は余裕がありませんから…必要な分だけ拝借する。此方も何かしらを返すというのは、とても大切なことですね。
ヴェル・ラルフ 2020年8月22日
(闇に響く声音に、静かに耳を傾けながら) …レーヌは、大人だね。そういう考えを、皆が出来るようになれば…この世界も、少しは生きやすくなるのかな。(振り向きざま、眼下に広がる海を見渡す。ここはこの世界のどの場所と比べても、静かで穏やかだ)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月26日
(海を見遣る彼の背を見守る)大人…というよりも。わたしは人間ではありませんので…少しだけ見方が違うのかもしれませんね。けれど。わたしはこの世界の人間のことが好きですよ。余裕が無くとも皆懸命に生きていますから。
ヴェル・ラルフ 2020年8月29日
(人間ではない、という言葉にはっとして振りかえる。そして、慎重に言葉を選ぶように、ゆっくり瞬きして) …大事な見方だよ。ヒトだろうと…ヒトという種族でなかろうと。(教会の門扉を見上げて、どこか懐かしさを覚えながら、ひとつ、息を吐く) …僕も、人間が好きだよ。懸命に生きている…本当に、その通りだと思う。その姿が、眩しいから。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年8月31日
(はっとしたような顔と、慎重に言の葉を繰る顔とを穏やかに見守る)──種族に貴賤なき。人間でなくとも大切なものは変わらない…ありがとうございます。教えを受けました。やはり、誰かと交流するのは良いものですね。(扉を開けて貴方を手招きする)貴方は人間に憧れているのですね?…失礼。そのお顔立ちから推測するに、ダンピールの方かと。
ヴェル・ラルフ 2020年9月7日
(焦ったように首を振って) 教えなんて、そんな大層なこと。そんな、偉そうなことするつもりで言ったんじゃないんだ。
ヴェル・ラルフ 2020年9月7日
(頭を掻いてから、素直に手招きに応じて歩を進める。問われれば、そ、と顔をそらして。後半の質問にのみ、答える) …うん。ダンピール、だよ。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年9月8日
貴方にそのつもりがなくとも、わたしは学ぶことが出来ましたから。それに、貴方が偉そうだなんて思ったりしませんよ。(伏せられた顔と其の表情に、触れられたくないことなのだと察する)……改めて失礼しました。詮索するつもりはありません。どうぞお忘れください。(鉄の門扉の中に広がる白薔薇のつたう壁をぐるりと回って、海の見える裏庭へと案内する。ガーデンテーブルとチェアがあり、席を勧めて)どうぞ。お茶をお持ちしましょう。
ヴェル・ラルフ 2020年9月16日
(口を噤んだまま彼女の後ろを付いていき、勧められた席へ座る) ありがとう。
…詮索と思ったわけではないんだ。ただ…僕は、自分の出自が、分からないから……想像するしかなくて。大抵、悪い方向に想像が働くんだよね。この世界は、そういう気分にさせる空の色だから(最後の方は、何でもないことのように肩を竦めてみせた)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年9月24日
(お茶の用意をして戻ったところで胸のうちを聞く)…家族と呼べるものがないと言うことでしょうか?此の世界ではままあることではありますが…だからと言って苦労の度合いが減るわけではありません。幼い頃はさぞご苦労なさったことでしょう…(そっと目を伏せ手を組んだ)
ヴェル・ラルフ 2020年10月4日
(ううん、と首を降って) …家族と呼べる存在は、有り難いことにいるんだ。血は繋がってないけれど、妹がいてね。この世界では、恵まれている方だと思うよ。(手を組む様子に微かに笑んで) …ありがとう。レーヌは、優しいね。今は、色んな巡り合わせのお陰で、結構しあわせなんだ。怖いくらいね。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年11月26日
(温かいお茶をカップへと注ぎ、貴方の前に差し出す)妹さんが。血のつながりも尊いものですが、血を超えて結ばれるつながりもあるというもの。貴方を大切に想う方がいることは、貴方にも、妹御にもきっと尊いことです。(誉め言葉には微笑んで感謝を示す)ありがとうございます。(けれど、と少し口を噤んでから躊躇しつつも聞いてみる)…幸せは、怖いことですか?
レーヌ・ジェルブロワ 2020年12月3日
(貴方の答えにはきっと相槌を打つだろう。話は続き――温かい紅茶が幾度か杯を満たし、確かに暮れてゆく一日。「貴方」という人をほんの少し知ることができた)