🌹墓地
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月18日
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白薔薇の蔦が教会の壁を這う。
アーチをくぐれば開けた地には短く刈り込まれた下草、煉瓦の小路の両脇に、規則正しく並ぶ墓石。
刻まれた名は風化して読むこともままならない。
ひっそりと、静かな眠りについた彼らを起こさぬように。
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◇RPのみ。
◇1:1。
0
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月18日
(日がない世界でも雑草は生えてくる。一人しゃがんでせっせと手を動かしている)
ナハト・ダァト 2020年5月19日
(懐に花々を携え、現れる人型。)おヤ……。こんにちハ。精ガ、出るネ。
(足を踏み入れる)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月21日
(手を止めて顔を上げて)はい、こんにちは。…誰かへの弔いですか?(初めて見る顔だった。フードの中は見えないけれど、瞳からは温かい印象を受けた)
ナハト・ダァト 2020年5月22日
うム。そんナ所ダ。(仕舞っておいた花々を取り出すと、丁寧に分けて花束を作り)……君ハ、ヤドリガミ、カ。どうやラ、花ニ纏わルようだネ。(輝く「瞳」は、鮮明に姿を映し出し。黒さをより際立たせながら)この墓所ノ管理ハ、君ガ行っテいるのかイ?
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月24日
(手際よく花束ができていく様子を見つめて)まあ…わたしが何者か、見透せるのですか?(ぱちくりと瞬いて。声は驚いている様子だが表面的には顕著でない)ええ。人の姿を得てから、百年余り…此処で墓守をしております。レーヌ、とお呼びください。(にこりと薄い笑みを返す)…弔いに来てくださる方は、久方ぶりです。初めてお目もじする貴方は…ブラックタールですか?
ナハト・ダァト 2020年5月24日
こノ様ナ場所だト、「瞳」ガ鮮明だからネ。礼ヲ失さなイ範囲デ、視させテ貰ったヨ。(小分けにした花束を、ローブから伸ばした触手で一つずつ持ち)
……あア。いわずとモ、分かル容姿だかラ。紹介ノ手間ガ省けテ助かるヨ。(問いに対して小さく頷いて)
ふム。レーヌ君、カ。覚えたヨ。私の名ハ、ナハト。といウ。(名乗りを行うと、大きく墓所を見渡し)
弔いト言ってモ、此処へ来るのハ、初めテでネ。「啓示」ヲ頼りニ、ようやク見つけテ……穏やかナ場所ダ。安心、したヨ。(双眸が揺れるように見えたのは、果たしてどんな意味なのか。安堵のような漏れ息を、フードからガス状の気体と共に吐き)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月27日
「瞳」…?(軽く首を傾けて)墓地の力を借りるお力なのでしょうか。(其れならば、霊達が教えたのだろうかと空を仰ぐ)種族は存じておりましたが、「貴方」は初めてです。どうぞ良しなに、ナハトさん。(立ち上がって足のみ折って辞儀を示す)
「啓示」…貴方は天の力を授かった方なのですね。(揺れる瞳と安堵の息に、探し人が此処に居るのだろうかと推測する)……貴方の探している方は、いましたか。
ナハト・ダァト 2020年5月28日
まア、ソレで、良いかナ。(推測に対し、肯定の返事を行う。が、瞳の先は既に弔う相手の方角を見ている様だ。)
……丁寧ニ、ありがとウ。(辞儀は返すべきと判断し、失さない程度の会釈を行って)
探しテいたのハ、複数でネ。……視た限リ、一ヶ所ニ集まっテいる様ダ。
同じ集落…だかラかネ(首を傾げて尋ねながら、目的の方へ向かって歩みだした)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年5月30日
(「複数」「集落」。向かう先へ目を向ける)──同じ場所で亡くなられた方々は…なるべく近くで弔うようにしています。彼岸へ共に行けるように。淋しくないように…(目を伏せる。此の世界では集落ごと襲われるのは間々あること。無名の墓石は増すばかり──と、此処で思考を止める)…貴方の花束は彼等を導いてくださるでしょう。(そ、と目を伏せる)
ナハト・ダァト 2020年5月31日
それハ、有難い事ダ。彼等ハきっト、結束ノ強イ。集団だっタだろうかラ……(墓碑の前へ、丁寧に束ねた花を並べていき)
導ク、カ――私ハ、嘗テそれニ失敗してネ。(瞳が見えないよう、ヴェールを目深に)
花ヲ添えル。といウ行為にハ、本当ニ……彼等ヲ、連れテ行っテ。くれルだろうカ。(微かに自嘲が籠ったような呟きをこぼして)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月3日
(鎮魂を祈りながら、花が並べられていく様子を見遣る)
(悔恨の言葉。目深に被られたフードをじっと見つめ、絞り出される声を静かに聞く)──貴方が其れを望むのならば。花は彼らへ届きます。(手を組み、祈るように静かに語る)…わたしのようなヤドリガミも、誰かの想いの強さを受け生を得たもの。想いとは、誰かの光明足り得るものなのです。
ナハト・ダァト 2020年6月5日
――あア。それハとてモ、説得力ニ、満ちテいるネ。(祈る姿へ「瞳」を移すと、得心したように頷いて)
……。(ローブから触手を伸ばすと、腕の形へ変化。そのまま組み合わせて、同じように祈る姿勢となり)
……だガ、やはリ。届かなくてモ、良いんダ。あの時私ハ、君達ニ必要トされ無かっタからネ。
…だかラせめテ、近くニ咲いていタ。こノ花ノ美しさガ、其方ヘ届けバ。
少しハ安らぎニ、なるだろうカ……。(誰ともなく、零れる言葉。外套は、変わらず淡い光を放つのみであった。)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月7日
(顔を上げ、思い遣るように僅かな笑みを見せる)
(置かれた可憐な花は、彼の放つ光を受けてほんのりと光る。灯火のようだと感ずる)……差し支えなければ……貴方が花へ託した思いを、其の経緯を…伺っても宜しいですか。わたしにも、何かをお手伝いできるかもしれません。
ナハト・ダァト 2020年6月9日
(祈る為に、屈んだままの姿勢を泥は崩さず)
経緯、カ…。
会ったバかりノ君だかラこソ、話せルのかモしれないネ。
(回想する。救えなかった、記憶を)
原因ハ、“病”。ダ。
……だガ、本当ニ。引き起こさせテしまったのハ、私。なんダ。
知識ばかりデ、理解ニ無知であっタ、当時のネ。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月11日
(組んだ手を解き、屈んだ姿から聞こえてくる声に静かに聞き入る。今の自分は聞き役だと語られる声に耳を傾ける)……病を……(其の先を促すように、小さく呟いて終わる。彼の独白が続くように、傾聴の姿勢は崩さない)
ナハト・ダァト 2020年6月12日
(淡々と、言葉を紡ぐ。何処から発するとも分からぬ声は、静寂とかわらぬ響きを持たせて)
治療を終エ、探られル前ニ。拠点ヲ去っタ直後だっタ。
道先ニ、倒れタ少年ヲ見つけてネ。
既ニ、手遅れであったガ。「治して欲しい」ト、請われタ。
彼自身ヲ、でハ無イ。まダ、幼い齢デ。病が蔓延すル村ヲ、救けテ欲シいト、そウ。献身したのダ……。
レーヌ・ジェルブロワ 2020年6月13日
(深とした世界で其の闇に溶け馴染む声だった。此の世界では、鳥の鳴き声のような生き物の声の方が珍しい)
(幼き子の切実なる声を、絶え絶えなる声を耳にしたような気がする。近くにいるのか。其の声の胸に迫ること…思わず、瞳をぎゅっと閉じた)幼き者の純然たる思い。其の思いに触れては、全てが其の色に染まりゆく…貴方が打ち遣る筈もない。(再び目を開けて続きを待つように彼を見遣る)
レーヌ・ジェルブロワ 2020年7月15日
(話を聞き、時は過ぎてゆく。彼の贈る花は確かに祈りを届けるだろう。)