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【海と空を劈くもの】第3章 仮プレ

シリン・カービン 2020年5月2日


仲間を弔う風習はその土地によって様々ですが…
「なるほど、死んだ仲間の血肉を体に取り入れて、
その魂を自身に迎えるということなのですか」

私の森では、死者は自然に還すのが習わしでした。
森で生まれたものは森へ還す。
生命は次の生命の糧となり、永遠に循環する…

静かに語りながら差しつ差されつ、
オニキンメ船長と酒杯を交わします。

蒸し焼きにされた魔旗魚の切り身を前に瞑目。
ならばとばかりに、遠慮なくガブリと行きます。
生命の循環に戻り、私の血肉となり、
次の生命に繋がるよう祈りをこめて。
…あ、美味しいですね。




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