『罪の影姫』コル・メランコリア
茲乃摘・七曜 2020年4月26日
蒼髪の生気の薄い少女がメランコリア。
その少女と契約した意志のある心臓型魔導具がコル。
死者との再会を目指した魔導実験の被験体の一人。
だが、意外なことに強制的に徴用されたわけではなく元々、心臓を患い余命幾ばくも無い――――の同意の上で施術。
魔導具の銘は『憂鬱の心臓』
この名前をメランコリアとコルで分け合い、呼びあっている。
製造技術は遺失技術であり詳細は不明。能力はあらゆるものの減衰。
メランコリアの意思である程度の指向性は生まれるが、最も影響を受けるのが被験体であるため製作者からは欠陥扱いであった。が、コル曰く道具に振り回されるのが悪い…とのこと。
在り方は『憂鬱は憂慮。……向き合…い深く考える……願い』
事実や概念すら減衰せしめる権能ともいうべき能力は、自身を削り消失させうる諸刃の刃ではある。しかし、その権能は死んだという事実すらも減衰させ不完全で暫定的ではあるが死者を蘇生させうる。
そのため、届かない存在との対話を願われた場合には可能な限り叶えようと行動をする。また、軽度の減衰で心を落ちつける等の手助けも惜しまない。…が、効果範囲が基本的に無差別なためほとんどの場合でそれは叶わなかった。
メランコリア個人としてはあらゆるものを減衰し他者の繋がりを生み出すその能力により自身が誰かと繋がることが希薄であり達観したような無関心を抱えている。
と思いきや、生前は似たような境遇の義姉たちがいたため特に気にしてはいなかった。災魔となった後は、封印中に力を使い果たし消失すると思っていたが自身の減衰の影響下でも昏睡しない猟兵達にのんびりと興味を持ちつつ、最後は討たれるという事態になり驚きと温かさのなかで散った。
メランコリアとコルとの関係性は、手間のかかる娘とその父親に近い…と思われるがコル曰く、魔導具も道具であり望まれる機能以外は必要なく、契約者が能力を振るえるように補助しているとのこと。だが、明らかに過保護と言って構わない言動が見られる。
余談ではあるがメランコリアが常に生気がなくテンションが低いのは、減衰の影響を受けているためと本人は語っていたとのことだが、元凶にされた魔導具…コルは我の責任ではないと否定している。
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