【入団RP】雨空に差す茜色
雲烟・叶 2020年3月4日
しとしと、さらさらと雨が降る。
どんなに天気が良い日でも、この館の周辺だけは大抵、常に雨だった。
霧雨にしっとりと濡れて緑を増した草木は、青く、碧く、深く。春の若芽の香りに包まれて、無銘の籠は静かに其処に佇んでいた。
雨音しかない、静かな館の中。
控え目なノックの音に、リビングで本を読んでいた男が顔を上げる。
***
カノ・アリスメリアと雲烟・叶の1:1RP。
1ヵ月お返事が無かった際は〆に入ります。
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雲烟・叶 2020年3月4日
(顔を上げて、奥の部屋へと視線を向ける。そういえば、彼女は買い物に出ていたっけ。立ち上がり玄関に向かい、鍵を開けた。雨の匂いと緑の香りが吹き込んで来て、僅かに細めた視界の下部に。緑の中に浮かび上がる、燃えるような茜の空。ぱちりと何度か瞳を瞬いて、視線を下へと降ろした)……おや。こんにちは、小さなお嬢さん。雨宿りですか?(周辺だけを雨にする原因が此処にはある、雨宿りに駆け込んで来る者も珍しくはなかった。片手で扉を大きめに開き、入るならどうぞ、と促すように)そのままだと、風邪を引きますよ。
カノ・アリスメリア 2020年3月4日
(控えめに叩いた扉が開いて、人がいたと安堵する。顔を出した人は、背が大きくて。うんと見上げて、綺麗な銀の瞳と目が合えば。自分から訪ねておきながら、人見知りを発揮して。貌には、緊張の色が滲む)あ、えと。こんにちは
。……?(お兄さんが続けた言葉に、なんで分かったんだろう、と不思議な顔をして)そう、です。あまやどりを、させてもらえたら、とおもって…。かぜ、は、よくないので、えと、じゃあ、おじゃまします…!(こんなにスムーズに話が進むと思っていなくて。本当に良いのかなと戸惑いながら、開けて貰った扉をくぐる)
雲烟・叶 2020年3月5日
(見下ろす先はそれなりの距離がある。尤も、もうひとりの住人が出ていればもっと距離があっただろうけれど。相手を玄関内に入れれば、煙で出来た小さな管狐がタオルを咥えてやって来た。大概、自分も使役の管狐たちも、こういう状況に慣れていた)使ってくださいな、寒いでしょう?……ふふ、そんなに不思議そうな顔しねぇでください。慣れてんですよ、此処は雨ばかりですし、雨足が強い時なんかは雨宿りの駆け込み寺になることも多いですから。(疑問と、戸惑いと。表情からそれを読み取れば、袖で口許を隠した男は可笑しそうに喉を鳴らした。タオルを受け取ってやれば、人懐っこい管狐は喜んで尾を振るだろう)
カノ・アリスメリア 2020年3月5日
(玄関に迎え入れて貰えば、煙で形作られた狐が自分にタオルを渡そうとしてくれている。その可愛らしさに頬が緩み)わわ、タオルまで…ありがとうございます。この子は、お兄さんのきつねさん、ですか?(ありがとう、と伝え、タオルを受け取れば。尾を振る可愛らしさに更にきゅんとする)(お兄さんが笑みを零しながら、自分の考えている事を読み取ったかの様に教えてくれて。そんなに顔に出ていたのかと恥ずかしくなって、少し俯きがちに)あ、えと、ごめんなさい。あめ、ばかり……そう、なんですね。きっとみんな、とびらの、きれいなあじさいを見つけて。ここにきてしまうんでしょうね。(わたしみたいに、と付け足して)
雲烟・叶 2020年3月7日
ええ、使役の管狐と言います。其処らに沢山居ますから、お気に召したら遊んであげてくださいな。(己の力に呼応して顕現させられる数が増えて行く管狐は、今だとその数、六十一匹。出入りを自由にさせているから、気が付くとその辺を漂っている。タオルを渡す役目を終えた管狐は、煙に溶ける尾を揺らしながら主人の肩に懐いて留まった)謝らなくて大丈夫ですよ、皆さん大抵そういう顔をなさるので。嗚呼、あれですか。綺麗でしょう、この家を用意する時に見付けて気に入ったのでそのまま買い付けたんですよ。(恥ずかしそうな少女を見て、微笑ましそうに、可笑しそうに笑う。この家に住む少女の慰めになればと用意したステンドグラスが人を集めるというなら、それはそれで面白い)此処じゃ何ですから、リビングへどうぞ。緑茶か焙じ茶くらいしか出せませんが。(玄関に立ちっ放しもあれだろう、子供を濡れ鼠のままにしておく趣味もない)
カノ・アリスメリア 2020年3月8日
くだ、ぎつね。この子たちは、お兄さんのつかいま、なんですね。…!あそんでも、いいんですかっ?(恥ずかしそうに伏せていた顔をぱっと上げて。金色の瞳が喜びできらきら輝いた)もし、だいじょうぶなら、その。ふれたりしても…?(触れて嫌な思いはさせたくなく。お兄さんに尋ねた)そう、なんですね。…わたしだけではなくて、あんしん、しました。(恥ずかしかった気持ちが少し落ち着いたようで、ふわり咲う)(お兄さんの意見に同意するように、こくりと頷き)はい。とてもきれいです。…あのあじさいをすきな人なら。このおうちの人は、わるい人じゃないとおもって。あたっていて、よかったです。…わ。あがっていいんですか?…すみません。ありがとう、ございます。じゃあ、あがるまえに…(素敵なお家を濡らしてはいけないと、タオルで濡れた髪と洋服を簡単に拭いた)
雲烟・叶 2020年3月8日
ええ、そんなもんです。どうぞ、たまーに人見知りが居ますが基本はあんたが遊んでくれると分かりゃあ集まって来ますよ。(触れたり、と相手が口にした途端、何処からともなく増えた管狐が自分から突撃しに行った。撫でれ。戯れつこうとするその姿に、ほらね、と煙管が喉を鳴らす。相手が拒否しなければ、やたらと毛並みの良いふわっふわの毛玉が頬擦りして来るだろう)(先に立ってリビングへ向かえば、暖炉でぱちぱちと柔らかく火が燃える。余分な熱は管狐たちが喰らっているから、火が燃えているにも関わらず、雨の肌寒さを払拭する程度の柔らかい温もりだけがあった)自分は厳密にはこの館の住人とは言い難いんですけどね、まあ住人の方はもっと優しいんで安心してくださいな。(ソファーでも、クッションが転がる絨毯にでも、好きに座ってくれれば良い。とりあえず緑茶で良いか、と勝手に決めれば、リビングから見える対面のキッチンへ歩き出した)
カノ・アリスメリア 2020年3月10日
そうなんですね。ひとみしり、さんも、いるなら、きょりかんを気をつけないと……わわっ。(寄ってきた数匹の管狐に驚いたのは一瞬で。自身に戯れつこうとするその姿に癒されて。拒否などする訳もなく、ふわふわ柔らかな頬擦りを受け)えへへ。すごく、かわいい。(手をそっとのばして、撫でようと)(リビングへ向かうお兄さんの後を追う。暖炉の火が点いているのに暑すぎない。このお家はなんだか凄い。と感心する)お兄さんは、ここの人じゃないんですか。(言い難いとは、どういう意味だろう。不思議そうに目をぱちくりさせる)お兄さんいがいにも、人がいるんですね。(お兄さんより優しいならば、その人は物凄く良い人なんだろうと想像し、ほっとして)…えと、しつれいします。(どこに座れば、と暫し迷い。迷った結果、絨毯に座った)
雲烟・叶 2020年3月12日
あまり気にしなくて大丈夫ですよ、どうせ人見知り組は大抵出て来ていないか、居てもこっちなので。(こっち。良く見れば、男の袖の奥に円な瞳があることに気付くかもしれない。要するに、顕現しないか、しても主人の服の中に引き篭って出て来ない)(撫でられた管狐たちは煙に溶ける尾をはたはたと振って、尾を振る仔犬が跳ね回るにも似た仕草でふわふわくるくると相手の周りを飛び回る。構われて嬉しい。この管狐たち、寧ろ自分から手の下に入りに行くまである。撫でれ)自分は此処の家主で管理人ではありますが、普段はUDCアースの方で暮らしてるもんで。住人と言う意味では、少女がひとり。(性別上は少年であるはずの住人をごく当たり前に少女とカウントしつつ、慣れた手つきで緑茶を淹れる。なお、お盆に湯呑みふたつとお茶菓子を乗せて戻る頃には、座った相手の膝は管狐に占領されている可能性がある)
カノ・アリスメリア 2020年3月14日
こっち。(お兄さんの袖の奥を見る。小さく丸い瞳に気付く)……わあ、ほんとう。そこが、あんしんするばしょ、なんですね。(こっそり隠れているその姿も可愛いなんて思いながら見つめて)(撫でた後くるくると飛びまわる様子に、なんて可愛いんだろうとときめいて。手の下に入り込んできた管狐の要望に応えるように優しく撫でた)(お兄さんの説明にこくり肯いて)なるほど。ちがうばしょで、せいかつされてるんですね。すんでる人は、おんなの人。…あうきかいが、あるでしょうか。(緊張するだろうが、ここに住う人がどんな人か、興味がある)(お兄さんが来るのを待つ間、管狐が自身に寄ってきたようで。膝に乗った管狐をにこにこと眺めている)
雲烟・叶 2020年3月23日
まあ、契約主ですからね。(袖の中の管狐はもそもそと後退りしてより奥に入ろうとする、それを片手でお尻側を押さえることで制止した。これ以上後ろに下がると袖から落ちる)(相手に撫でられた管狐は説明通りに人懐こいらしく、相手の膝を占拠してご機嫌に尾を揺らす。お盆を持った主人が戻って来ると、更に尾がご機嫌になった)どうぞ、お口に合うかは分かりませんが。あんたが此処に遊びに来るなり下宿なりするんなら、逢う機会はあるんじゃねぇですかね。(絨毯にお盆を直置き、自分たちも良くこの形でお茶をする。お客さん用湯飲みに緑茶と、菓子入れに和菓子やお煎餅の類が幾らか。この建物には猟兵しか近付けないから、相手も猟兵のはずだ。猟兵相手には住みたければどうぞ、のスタイルのため、返した言葉は気楽なものだ。遊びに来るだけでもあの少女は控えめに喜ぶだろうし、彼女が人との関わりを増やすのは良いことだ)
カノ・アリスメリア 2020年3月29日
(そっか、と頷き)あるじ、の、そばが、いちばん、あんしん、ですよね。(思っていたよりも臆病のよう。後退りする瞳をみて、これ以上見つめる事はやめた)(人懐こい、かわいい。管狐の愛らしい仕草を見ては顔が緩む)(戻ってきたお兄さんの姿を見て)……あ。おちゃ、に、おかし、に。ありがとう、ございます。あそびに、げしゅく、に…。えと、こちらに、たくさん、きて、いいんですか?(ご迷惑じゃないだろうか、という心配が頭を過ぎるが、)……もし、いいなら。その、いつか、あって、みたい、です。(承諾を得られるなら。遊びに来て、お話ししてみたいと)
雲烟・叶 2020年4月6日
たまーに居るんですよね、臆病な子。他の子はまあ、ご覧の通り。(相手の膝の上にもさもさ鎮座していたり、其処らをふわふわ漂っていたり、栗鼠が気になるのか覗き込んでみたり、お菓子の器に前脚を掛けて狙っていたり。自由である)自分がどうにも洋菓子に疎いんで、此処にあるの、大抵和菓子系ばかりになるんですよねぇ。食べられます?構いませんよ、此処は猟兵なら出入り自由ですから。(大抵、子供には洋菓子の方がウケが良い気がする。とはいえ、無い物は仕方がない。何時か、と聞くと瞳を細めるように柔く微笑んで)ええ、そうしてやってください。引っ込み思案な子なんで、知り合いが増えればと思ってるんですよ。
カノ・アリスメリア 2020年4月20日
ひと、と、おなじ、ように。いろんな、こ、が、いるん、ですね。(どの子も可愛いなぁと、自由に動くその様子を眺めながら。管狐に興味を持たれた小さな友人は、こっそり、その瞳を見つめ返している)…そう、なんですね。わたし、は、わがし、とかを、あまり、みたことが、ない、ので。しんせん、です。(見たことがないお菓子に目が輝く)たべて、みたい、です。……これ、は、なんでしょう?(クッキーのような形。クッキーよりも硬そうだと見た目だけで何となく思う)(遊びにきて構わないというお返事に、笑み零して)ほんとう、ですか?えへへ。うれしい、です。ひっこみ、じあん。(大人しい感じの人なんだろうと想像し、)…わたし、も。しりあい、は、すくない、ので。そんな、きかいが、もらえたら。わたし、も、うれしい、です。
雲烟・叶 2020年4月28日
ええ、色々と考えてるみたいですよ。これでも。(くすくすと笑って、手元に降りて来た管狐の喉を擽った。鳴かない狐は、鳴く代わりに長い身体を擦り寄せる。片や、栗鼠に鼻先を寄せて興味深そうにつっつこうとしているのもいるし、袖の中身もいる訳で、目に見えて性格の差が出ている)それは干菓子と言って、甘いお砂糖で出来たお菓子です。その横は薄焼きのお煎餅ですね。(これ、これ、とそれぞれ指を差す。養い子はお煎餅を好むようになったから、良く買って来るのだ。柔く目元を細めるように笑って、自分はゆっくりとお茶をひと口)ええ、引っ込み思案。人慣れはしてませんが、優しい子ですから大丈夫ですよ。(今日は少し出ているが、今度は彼女と話してみると良い。しとしと、しとしと、雨音が静かに。ぱちん、と火の爆ぜる音がした。濡れたばかりでまだ寒いだろうから、しっかりタオルで拭いて、火にあたって、温かいお茶で暖を取って欲しい)