【1:1】真冬の車窓より
ディー・ロア 2020年1月28日
達磨ストーブの上でしゅんしゅんと薬缶が蒸気を吹いている。
雪がちらつく車窓から、ふと、通路に視線を移した。
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四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(小窓。曇ってすこしぼやけた、黒い頭がせりあがってくる)(ぬう)(ぬぬぬ)
ディー・ロア 2020年1月28日
……。(曇っているので判然としない。うすぼんやりの向こうに朧気にひどく珍しくも辛気臭い顔が見えた気が
)…………。(否、気のせいだろうが何だろうが如何なる客人をも歓迎する謂われは無い。此処は我が書斎であるが故に)(※書斎ではない)
ディー・ロア 2020年1月28日
……(興味を失ったようにふい、と膝の上の本に視線を落として)……いつもの勢いはどうした?(珍しく、少しばかり声を張った。)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
???(なんだって、この窓はいつもよか見通しが悪いんだ?それも今日に限って)(不思議に思いつつも目をこらして、じぃっと見つめ――)(気づかれた!)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(…気付かれたのに、また本に目を落とすのを見て)……(むう)
(ドアからギターを差し込んで足をつつきにゆく)
アタシがいっつも騒がしいみてえじゃないですか、それっ
ディー・ロア 2020年1月28日
まあいい、今日もこの客室は我輩が占有しておる故、どこへなりと開いている客室を使うがいい。扉から冷気が入るから敵わんからなあ……(また誰へともなく声を放ちながら、ストーブの上の薬缶に手を伸ばして、)
ディー・ロア 2020年1月28日
事実騒がしいであろうが、それこそ楽器だ(じとりと扉に挟まったギターを睨み、足をひょいと避けた)入るか閉めるかどちらかにしたまえ。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(流石にエモノだけ突っ込んだ状態は狙いが定めにくい)(すかっ、すかっ)
そりゃそーですけど、楽器ですけど。どーせ。
アンタさんは今日もお外出ないでご本ですかァ、きでん。
(諦めて引っ込められたギターの代わりに、のそのそ人間が入ってくる。扉を開けてるのが嫌そうだったのであえて開けっぱなしで)
ディー・ロア 2020年1月28日
閉めろ、おい……おい、貴殿!おい!(のそのそ歩きを目で追いかけながらの呼びかけはだんだんと必死になっていく)(開けっ放しの扉を睨む)(溜息。薬缶を諦めてのっそり立ち上がり、閉めに行った
)…………寒さは活動効率が落とすものだ。我輩はこの耐えがたい寒さを凌ぐ上で有益な活動をしているに過ぎん。(ぶるぶるしながら扉を閉める)
ディー・ロア 2020年1月28日
……(彼女を振り返る。それは怒っているのだろう、不満があるのだろう、ということは推理するまでもなく、その姿は依然、秋ごろに見た姿に重なった)久しぶりであるが……(ただ、その理由、動機に至るだけの推理材料は未だ足りない)貴殿はまた散歩かね。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(震えながら扉を閉める姿には、ちょっとにこにこした)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(が、目が合うとまたもとにもどって)そーですけど。雪ィ降ったから、ニィさんと雪だるま作ろうと思って来たんですけど…
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
……でも、なんか、ニィさんの顔見たら、なんか…なんかなんですけど!(どーしてくれるんだ、とばかりに頬をふくらます)
ディー・ロア 2020年1月28日
作るかそんなもん我輩を何だと思っておるか(腕を摩りながら席に戻り、薬缶の湯気に手を翳す
)……。(目が合った一瞬だけ、少しばかり楽しそうな色が見えた気がした。首を捻る)
ディー・ロア 2020年1月28日
なんかなんか何なのだ貴殿……つまり貴殿の(膨らんだ頬に目を細めた)不機嫌は、我輩の(薬缶を傾けて、駅弁付属の簡易カップにほうじ茶を注ぐ)所為だと言いたいのかね?(それを客人に差し出した)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
何って、友達じゃないですか(対面の席へ…本の上に座ってやろうかと思ったが、ぺしぺし除けてから座ることにした。)
なんかはなんかですよゥ、もう。 そーですよ!ニィさんの顔見たら、前の、あの、話したの!思い出して…考えたんですからっ。やっぱり…(要領の得ない言葉を吐いているうちに差し出されたものを、反射的に受け取って)
ディー・ロア 2020年1月28日
トモダチであるか(苦手な猫に懐かれたような、苦い顔をした。しかし除けられた本に軽く安堵の息を吐いて、こちらもほうじ茶カップを手にする。)貴殿。寒さは緊張感を誘い、暖かさは心にゆとりを齎す。何か喋ることがあるのなら、暖かい方が良かろう。(どっかりと腰掛けて、視線で言葉を促した)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(嫌そうな顔をされた…気がする)(けれど、拒否するときははっきり言うはずだ。心の中でそう言い訳をして、確かめなおさないことにした。)
(くるくるとカップをまわし、冷ましもせずに口をつける)
……痛ェ。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
……アタシ、考えたんですけどね?
やっぱり、人間の自分探しってやつと、アタシの…人間じゃないやつがするのとは違うと思うんですよ。違くなきゃ、だめなんですよ。
ディー・ロア 2020年1月28日
(痛いのは好むところではなかったかね……とは、流石に気落ちして見える彼女に直接ぶつけはしなかった)車掌に命じて水でも持って来させるか?(こちらもカップをふうふう丹念に吹き、慎重に慎重を重ねて口を付け)……熱いな(目の前の彼女より10倍痛みに弱いので早々に舌を出した)
ディー・ロア 2020年1月28日
……ああ。(自分探し、あの何気ない軽口から彼女は臍を曲げていた。……あれから、ずっとか?)別物でなければならない、かね。(飲むのを諦めたカップを膝上に降ろして、更に彼女の言葉を待つ)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
大丈夫です、放っときゃ直りますもん(そして、今度はまねをして、ふうふうしてから口をつけ、)熱いです(頷く。)
そーですよ。だって、人間ってのはすごいんですよ?たくさんすごいんです。屋根とか、料理とか作ったりできるし、生き物だって作れる。アタシらみたいなのだって作れちゃうんですから。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
ですから、人間ってのはアタシらとは根っこから違ってて…おんなじふうに悩んだりするはずないです。
ディー・ロア 2020年1月28日
……痛いやら気持ち悪いやら、大概の不快とされる感覚を楽し気に呑んで見せる貴殿が、思い悩むというのも奇妙な話であるな。さぞや途方もない悩みなのか……(またもふうふうしつこくカップを吹いて、漸く一口飲む)……同じでは有り得ない、か。貴殿、人間の「トモダチ」は多いのだろう、それだけ博愛に満ちておるのだから。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
友達とは思って下さるでしょうけど…人間様ァ、おんなじ立場だなんて思やしませんよ。 痛いのはともかく、気分悪いのはありゃあやっぱ、よろしくないですね。あんときは名前がわかって嬉しかったですけど、悩むのとおんなじでじくじく残るんだ。
……。ニィさんは、記憶無ぇっつってましたよね。起きたとき、そばに誰か居ました?
ディー・ロア 2020年1月28日
人間「様」等とは、貴殿随分自信を失くしたではないか(本を一冊膝の上に載せて、猫の背のように撫でた。表紙には「財宝殺人事件」などとおどろおどろしい題字が躍る)……さあどうだろうな、モノに振り回され面白おかしく醜態を晒すヒトとて、随分居るものだが?
我輩が目覚めたのは、此処だ。(たん、と踵で床を打つ)物心が生まれ、客席に呆と座っていた時は賑やかなものであったよ。しかしその誰も、我輩に関心を寄せては居なかったが。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
アタシはずうっと、そう思ってますよ…(可愛がるような手つきで撫でられる本を見て、むうと眉をよせる)そんな人居るんです?人は物を使うもんです。
…ここ。(音にひかれて下を見て、ぐるりとみわたす)そですか。じゃあ…
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
じゃあ、やっぱり。アンタさんだって、ひとりぼっちだったんだ。
…知ってます?ひとってのは、生まれてくるとき、そりゃあもうあっちこっちから皆さん集まって、騒いで。 そんで、生まれたら、嬉しそうに、おめでとうって…そう言うんですよ。アタシ、見たことありますもん。
ディー・ロア 2020年1月28日
いるとも。人の、とりわけ欲の感情はいとも簡単に物に屈する。なんなら読むかね?(本を翳す。表紙からして溢れる金銀財宝とそれを取り囲む悪辣な男たちの顔ぶれ、更に血飛沫が彩り「いかにも今から財宝に目が眩んで全員殺し合います」風である。実際内容もそんなものだ。)
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(眉をひそめ)お話ですもん、それ。…でも(一応、と手をのばす)
ディー・ロア 2020年1月28日
……貴殿は、そうか。(静かに、平坦に頷いて茶を啜る。彼女の抱いている感傷と同じものは、恐らく己には無かった)貴殿は知っているかね、人間は生まれる前に長期に渡り母体に負担を強いる。故にいつごろ生まれるのかも、予め推測できる。我々は極めて偶発的に生まれるのだ、それを待ち構えて祝えというのも無茶であろうよ。……などと、言っても貴殿の心は晴れんのだろうがな。(口にしてから、少しだけ苦い顔をした。茶が渋かったかのように見せかける)
ディー・ロア 2020年1月28日
(本を手渡して、)我々がその生誕を祝われた瞬間があったとして、それは我々に心が宿る前であろうな。作られた時。我々に、百年を超えて命を注いだ者が初めて手にした瞬間。……貴殿はそれが見たかったかね。
ディー・ロア 2020年1月28日
……ああ。(その物語は、凄惨な事件に我欲なく立ち向かい、悲願を達して望みのものを手に入れた少年の物語だ。拍手喝采の大団円。……それを口にするのは、無粋であろうが)まあ、読み通してみるといい。多少の汚損は目を瞑ろう。車掌の本であるしな。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
見たかったです。けど、それも無茶なのはわかりますよゥ。
……大事に大事にしてたはずのもんを、なんでひとりぼっちにしたのかは。わかりませんけど。
たぶん、そういうむつかしいことは、人間だったらわかるんです。
四葩・イカヅチ 2020年1月28日
(手にした本を、両手でくるくるまわす。落としたらものすごく怒るだろうから落とさないように
)……………もしかして、アンタ、慰めてます?
ディー・ロア 2020年1月28日
(口の中に苦みが広がる。……言うつもりも無かった上に、慣れないことを言うものではない、本当に)……別に。(ぷい、と拗ねたようにそっぽを向く様は雄弁である。お陰で本に働かれている無体は丁度目に入らなかった)……、
ディー・ロア 2020年1月28日
我輩もそれを、解決すべき生涯の謎だと考えている。(片手で青いレンズに触れた。)但し、「人間でなければ解らない」ものだとは、思わんがね。
ディー・ロア 2020年1月29日
(席を立つ物音にそちらに首をめぐらした)
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
(一歩、詰めて)(…ディーの足の間に座り込むべく、両膝を開く(がばり))
ディー・ロア 2020年1月29日
なッ!?(座ってばかりの貧弱な足はいとも簡単にガバった)な!?(声がひっくり返る)
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
……探偵さんなら、人間ならなくってもわかるんですかね… (すっとんきょな声も気にせずぼやいて)(地面に座ってソファに寄りかかるような体制で、足の間にむいむい収まる。借りた本を差し出し)はい。
ディー・ロア 2020年1月29日
は、いや貴殿床に座るのは尻が汚れるだろう隈なく車掌に掃除させているが(更に足を避けようとしたがもやしっ子の硬い股関節は既に限界近くまで開いている)はいじゃないが……は?(しかし差し出された本を受け取った)要らないのか?
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
キレイならいいじゃないですか。それに膝に座られるよりいーでしょう?
(上を向いて、左右に視線が動いたあと…逃がさんとばかり両足を掴みゆく手)
要りますよゥ。読んでくださいな。
アタシ、こんな分厚いの読むのはじめてですもん。
ディー・ロア 2020年1月29日
太腿が折れるわ(本と鎌より重いものを膝に乗せたことがない。成人女性の平均体重を知ってはいても、それがどのくらいの重みなのかも知らないが故に大げさめにビビった)ひッ(足を掴まれて震えあがる)
…………読む? これを、我輩が? 貴殿に???
ディー・ロア 2020年1月29日
(上向いた赤い瞳は信じがたいことにその光の底まで本気であるように見えた。逃げ場は無い……となれば、腹を括るしかない)
…………。
……………………よかろう貴殿がこの分厚い本の読み聞かせに何時間耐えるものか見せて貰おうではないか!
(そして、経文のような読み上げが双方根を上げるまで続くのだ。)
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
(折れるほど脆いんですかアンタの足は)(そんなことないとは言い切れなかった)……(時折視線をうろうろさせながら、返答を待ち――)
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
…!(安心したふうに、大きく息を吸って吐いた)……えっへへぇ、そんなの何時間だって聞けちゃいますよ。だって、アンタさんの勧めなんですから―――― ・ ・ ・ ……
四葩・イカヅチ 2020年1月29日
(四葩イカヅチ、本日の学び:分厚い本を読み聞かせさせるのはたいへん酷なこと。)