【1:1】遥けき彼方のミルキィ・ウェイ
逢坂・宵 2019年11月20日
UDCアース、某日、午前0時。
たまたま相方が夜通しの依頼にて不在の夜。
落ち着かず眠れない寝台を抜け出して、足を伸ばして平野を見下ろす高台の丘へとやって来た。
スカイラインの展望台のようなそこは、彼方に星の海もかくやというほどの綺羅綺羅した光の海が微かに見える。
常の術師服を身に纏い、腰から夜空を封じた試験管を提げる男の姿は、猟兵でなければ日本というこの国には似つかわしくないように見えた。
……それが街中であったなら。
けれど此処は山の展望台。人工的な光は遠く山裾の向こう、此処にはただ木々と夜空と星がある。
ひやりと肌を刺す夜気をどこか心地よく感じながら、男は展望台の手摺りに手をかけて遥か彼方の街の光を―――そしてその上に輝く満天の星空と眺めている。
―――遥けき彼方のミルキィ・ウェイ。
暫しの時間を、夜空のもとで。
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(先着1名様との1:1RPスレッドです。お知り合いでも初見様でも、どなたでもどうぞ)
(キリのいいところ、または1週間返信なしで〆)
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逢坂・宵 2019年11月20日
(今宵は珍しく風がない。その分思いの外冷え込むが、厚手のローブとマントを羽織り帽子を被ればさほど寒さは厳しくは感じない。留守番を頼んできた子猫と子犬は喧嘩せず仲良く寝ているだろうかと考えながら、遠く平野に眺める人工的な星の海と―――その上に見上げる天の川に視線を向ける。今夜のような冷えて澄んだ夜空の日は、いっとう天の星々が美しく見えるのだ。丸太に似せた樹脂製の手摺りに手をかけながら星空を見上げるこのひとときは、星に馴染みのあるこの身にとっては心地よい。明日も晴れるだろうか、厳しい寒さにならぬだろうか―――そのように心の中で問いかけながら、星を見上げる時間はとても楽しいのだ)
四辻・鏡 2019年11月22日
あーつかれた……寒い日に汗なんかかくもんじゃねぇなぁ(引きこもりだって外出くらいする。ゲームの買い出しとか、ちょっとゲームに詰まった時にとか、ーー実戦の勘と技を磨く時にとか。一応鏡だって武人の端くれではあるのだし。そんなこんなで、夜の散歩がてらに身体を動かし、ついでに星空肴に酒なんてのもいいよなぁとか下心満載で長羽織を着込んで帰路についていると……丁度、見知った顔に出くわした)……よう、お一人様かい? 色男。(しかも一人とは珍しい。楽しげな相手の様子への興味と、ほんの気まぐれで女は声をかけた)
逢坂・宵 2019年11月22日
(微かに砂を踏む音に、聞き覚えのある気だるげな声に振り返る。そこには一ツ角を持つ、長羽織姿の和装の女性。見上げてくる剃刀色の瞳にゆっくりと瞬いてから)おや、鏡さん。奇遇ですねぇ……そうです、今夜はお一人様です(なにぶん相方がつちねこ探しに向かっていってしまったものですからと。今晩は話し相手がいなくて星を相手に暇をつぶしていたのだと応えてから)……そう仰る鏡さんも、何処かのお帰りですか?(夜に相手を外で見るのは珍しい気もして、興味を込めて問いかけた)
四辻・鏡 2019年11月22日
つち、ねこ……?(つちねこってなんか聞こえた気がする。色々突っ込みたかったが、とりあえず突っ込んではいけない気がしたから黙ることにした)私か?なんつーかまぁ……運動的な……いわゆる喧嘩の勘を取り戻すイベント的な……練習的な?(訓練や稽古、といえば早いのだけれど。自堕落を自負している自分としてはちょっと言い出しにくくて少し視線を逸らし)……ほら、まぁ、近頃強い奴によく逢えるし、戦なんてのもよくあるからよ。
逢坂・宵 2019年11月25日
ええ、つちねこです。ほんとう猫が絡むとまさに猫まっしぐら、と言いましょうか(つちねこの場合は時折意識混濁を起こしていますが、というのは口の中だけで呟きつつ)ああ、なるほど運動イベント。体の勘を取り戻すには必要ですからね(僕にもわかります、と頷きながら。今は他の世界で戦争がありますしねと同意したなら、冷たい夜風がひとつ吹いた)……風はないと思っていましたが、いざ吹いてくると寒いですね。あちらにベンチがありますから、座りましょうか。
四辻・鏡 2019年11月25日
あー……猫派なんだ……(なんか聞いたような、聞いていないような。知り合いにつちねこを食べた、というやつがいるが、絶対に彼の前では言わないことにしようとこっそり心に決めた)分かってもらえたなら何より。肝心な時に腕がなまってたら、勿体無いしな。昔みたいに四六時中戦場、って訳じゃねえし……と、そうだな。折角の縁だし、座ってちょいと話すかね。立ち話はうん、首が疲れる。(改めて己と相手の身長差を見返して、少しむうと不満気にしつつ)
逢坂・宵 2019年11月26日
(どこか不満げな相手にははは、と苦く笑って見せてから。そう遠くないところにあったベンチに自分のマントを折り畳んで敷いたなら、どうぞと促して)鏡さんの運動イベント、少し興味があります。僕は術師ですが、鏡さんは近接戦が主なんでしょうか(同じヤドリガミとはいえ戦い方には個人差があり、そもそも相手とこのような話をする機会は少ない。相手はどんな戦い方をするのだろうか。好奇心の満ちる眼差しを向けつつ問うてみた)
四辻・鏡 2019年11月26日
(ごく自然に、自らの上着を敷いた様子に少し驚く。しかしそんな紳士的な振る舞いも様になっているのに感心して笑う。さすがにこれでは断りにくいというものだ)ご丁寧にどーも。(敢えて軽く礼を言い、ありがたくベンチに座って、相手の問いに小さく首を傾げた)興味持たれても大したことやってねーぜ?見た通り根っからの刀使いだよ、私は。生まれる前も後も、斬り殺すしか能がねぇもんで。(剣に興味があるのだろうか、それとも、気になるのは別のところか。からりと笑いながらもその玉鋼の瞳は真っ向から相手を映し)
逢坂・宵 2019年11月28日
ふふ、そうは仰いますが、ヤドリガミと化したからには長く使われ尊ばれてきたのでしょう。そう――扱いや、その切れ味のよさ、とか(相手の隣に静かに座る。真に刃のいろをした瞳に己が映っている。ヤドリガミとなる前はもちろん、身を得たのちも鍛錬を絶やさないのだろう彼女の動作。術師として戦う己の術とは対極にあるだろうそれに、興味がないとは嘘でも言えぬ)……まぁ、強くは聞きませんが。同じヤドリガミとして、由来は気になるのです(僕は長く使われぬモノでありましたから、と肩をすくめて)
四辻・鏡 2019年11月29日
長く、ねぇ……それに関しちゃ否定はしないが(薄く笑みを浮かべつつ目を細める。おそらく己は使われなかったモノである彼とは真逆なのだろう。)……大していいことでもねぇさ、私にとっちゃ。(少なくとも自分は、畏れられはすれ、尊ばれたことなどない。故に、きっと同じヤドリガミであれど、見ているものは違うのだろうと思う)由来って、私として? それとも、『鏡刀』としてか?
逢坂・宵 2019年11月30日
はは、純粋な興味からくる問いですから……些細な疑問です(ご気分を害されなければ、と言い添えて)……貴女にとって、です。使われぬモノであった僕からすればきっと、使われるからこそ見て、経てきたものはどのようなものか想像がつかないのでしょう。貴女自身がどう感じて時を経てきたか、聞いてみたいのです(いかがでしょうか、と首を傾げて)
四辻・鏡 2019年11月30日
ふぅん……。まぁ別に、嫌じゃないけど。退屈してもしらねーぜ(自分には分からない感覚。でも、興味があるというのなら、まぁたまにはいいだろう。別に隠しているつもりは毛頭ないし)由来、なぁ……。鏡刀ってのは、ぶっちゃけこれも後からつけられた呼び方でさ。……『影姫』、それが私の、刀としての銘なんだ。(さて何から話すか……そう考えて。とりあえず、己が己として始まった由来から話すことにした)お前は、鏡に何が写ると思う?
逢坂・宵 2019年12月2日
退屈かどうかは、僕が判断することですから(正直を言えば、退屈なんてとんでもない。別の道を歩んだ宿り神の逸話など、なかなか聞く機会はないだろう)……貴女の銘は、そのような名なのですね(銘のあるもの。それは少しだけうらやましい気もしたが、彼女の言葉を待つことにした)……鏡に、ですか? やはり、覗き込む己の姿、ではないでしょうか……
四辻・鏡 2019年12月2日
姫、なんて柄じゃねぇから、まぁ普段は今の名前で通ってるんだけどな。(相手の心情を知ってか知らずか、こともないように言い、そして返ってきた答えに一つ頷いて)ま、普通はそうだわな。……じゃあその鏡に映った自分は、誰を見てる? その瞳に映るのは誰だ?
逢坂・宵 2019年12月4日
確かに鏡さんは姫と呼ばれるよりも、もっとこう近しいものを感じますねぇ(うんうんと頷きつつも、しかして銘は己に刻まれたひとつの存在だろう。雰囲気はありますがという言葉は、口には出さなかった)……鏡に映った自分が見ているもの……と?(鏡は古来より、覗く者の奥底を暴くものとされている。もしかして)……己ではなく、「己自身」ですか?
四辻・鏡 2019年12月4日
まっ、こんな性格でこんな口調だからなぁ。姫より殿の方がしっくりくる、ってな(けらけらとひとしきり笑い、不意に口を噤む。じぃと真っ直ぐに宵の顔を見つめ、その刀身に似た色の瞳に相手の瞳を捉え、映し)……そういうこと。影は狂気を呼ばう月の影。底に秘めた己を映す鏡の影。どうしたってそういうサガをもつ妖刀……それが私というモノだよ。
ーーだからそういう化生の類として使われて、沢山、殺めてきたんだぜ。(ほら、尊いなんてどこにもないだろ?、というように再び笑い)
逢坂・宵 2019年12月8日
(じっと見つめてくる彼女の瞳を、見る。やや下の位置にあるそれは刃のいろを宿して、鋭い)
……奥底に秘めたものを映し暴くものとされ、実際にそれを宿し、そして化生の類として使われた、と
(鏡とは写し覗くもの。それが殺めの道具に使われたとは。そして、彼女はその宿り神として成ったのだ。やがて男は、緩く首を振った)
……一般論で言えば尊さはないでしょう。しかし、「尊さ」とは「価値の高さ」や「貴重さ」という意味もあります。使い手のひとにとっては、きっとその類の尊さを貴方に見ていたのでしょう
(己はひとは完全なる善き生き物とは思わない。好意的でも悪意的でもない。だからこそ、これは彼女が求めている答えでもないだろうとは、思った)
四辻・鏡 2019年12月11日
(それでも彼は、自分のことを尊いものだという。彼の言葉の、全てに同意することは出来ない。あたり前だ、同じ物から生まれた思考とは言え、その目的が己と彼とでは前提からが異なる。しかし、だから、故に)……面白いな、お前。そこまでして、どうして「尊さ」に拘る?ヒトから勝手に向けられるそれを、それこそ「尊い」と思うのか?(そこに皮肉の意はなく、嫌味もなく、ただ純粋な興味として。そんな感情、自分は生まれてこの方鬱陶しさ意外感じたことがない故に、興味を覚えた)
逢坂・宵 2019年12月15日
だって、僕たちはヤドリガミですから(彼女の疑問に、なんでもないことのようにさらりと答える。そう、おのれらは宿り神であるから)ヒトとともに何らかの形で歩んでこなければヤドリガミにはなれません。それが善きことであれ悪しきことであれ、僕たちがこうして存在するのは何らかの由来があるからでしょう。僕は僕の周りの人々は好きですが、ヒトという生き物は好きではありません。が、この身に魂が宿るまで―――どんな形であれヒトの傍に置かれていたその由来を、感謝しているのですよ。
それがなければ、今ある愉しみも心の幸福も……感じることもなかったでしょうから(価値を見出されなければ今ここには自分たちはいない。価値を見出され傍らに置かれ、そして使われることは、きっと尊いと同義語だと思うのです、と)
四辻・鏡 2019年12月18日
……ははっ、ヤドリガミだから、か。(なんだそれ、と言いながらも、目を細めて笑った)
愉しみも、幸福も、ね。ああ、お前さんは今生の、肉の器を得て満足しているんだな(そして思う。己を満たされていると、素直に口にできる。だからこそ、己と『彼』は違うのだと)ヒトが好きじゃねぇってことにゃあ同意は出来るが、その感覚はなかなか、私には難しいな。(己の手を口元に翳し、吐いた呼気で暖める。異形の鱗が残るその甲をじっと見て、目を細めて)……ヒトは愚かだ。そして私は刀で、そんなヒトの戦いの為の道具で、そんな無辜の人々の畏れを写すものだ。……そんな拘りがどうやら私には強いらしくて、さ?(今更だよな、と続ける口元は小さな笑みを浮かべていて。諦めの様な、それでいて縋るような、複雑な感情が銀の瞳に映り)
逢坂・宵 2019年12月19日
ええ―――僕には大切なひとが、ひとたちがいます。彼らを愛するためには、まず僕自身が満たされておらねば。己自身を好きでないものに愛されたとて、彼らは嬉しくないでしょう?(臆面など欠片もない。緩く笑みを向けたのは、他意もない。彼女の瞳に映る感情を視界に捉えたなら、じっと見つめてみる)
……このようなことを申し上げてよいか迷いますが(そう前置きしてから、言葉を続ける)それは貴女の一種の拠りどころなのだと、そのように僕には見えます。貴女を構成する柱となるものだと。―――けれど
(嗚呼、いつかこのような問答をした。いまと同じように遥か遠くに街の光を見る、異世界で)
拘りは、譲れないものです。ですが、それでも変えられるものもあります。貴女の在りようはそのままでいい。少し、現在を―――いまを楽しむ自分を、見てあげてはいかがでしょう。
四辻・鏡 2019年12月24日
楽しんでる……ねぇ。割とそう、見えてんだな(力無く笑う。今の生活が楽しくないと言えばそれはたしかに嘘になるだろう。割と今の生活も気に入っている)でも、駄目なんだよ。心地よいだけじゃ私は満たされない、飢えて乾いて仕方ない。
私は私の望むようにありたいけれど、(薄い笑みを浮かべたまま、帯の後ろに挿している匕首に触り。穏やかな口調とは裏腹に、その瞳には獣のような苛烈な光が宿っていた)ーー結局は、殺し合いを求めるもんなんだ。
(変わるって、何にさ。続けた言葉は、隣に問うものではなく、かと言って自分にでもなく)
逢坂・宵 2019年12月28日
ええ。ゲームの話をする貴女は、いつもより幾分か瞳が輝いて見えたので(しかしそれは彼女のすべてではない、それは自分も承知している。ふと、彼女の目が暗くなる。そうして沸々と滲み出るように激しい光が宿るのを、己のその目でじっと見つめた)
……それは、そう使われてきたものとしての性質でしょう(遊戯に耽ることは、その性質からの彼女なりの逃避なのかもしれない。両腕を軽く広げて、魔術師の手袋に包まれたその手を彼女に晒す。彼女がいま戦いを望むなら、応える準備はあった)……さぁ、なんでしょう。それは僕にもわかりません。けれど、変えられるものはあります。
自分の芯は無理に変わろうとせずともよいのです。けれど、そういう自分があると……見て差し上げるだけでも良いと思いませんか。
四辻・鏡 2019年12月30日
——いいや。(相手の纏う気配に、ちらりと戦意の様なものを察する。きっと彼なり付き合いなのだろう。そんな僅かなものすら気付けるくらい、この気性は戦いを欲している。きっと今斬りかかれば、彼は応えてくれるだろう)今はそんな気分じゃねぇ(——けれど、今は刃を結ぶ時ではない。自分に迷いがあるから)何に変わるかも分からないのに見るって、認めるって、なんだよ。満たされるってなんだよ。今度は私に——何を『映せ』というんだ。(その感覚を知らない、自覚できない。故に、認められない。それが自身が望む己であると、わからないから)
逢坂・宵 2020年1月2日
いいえ。僕は貴女に何かを映せと、申しているわけではありません。ただ、ご自分をそのように「こうであるから」と縛らずに、「こうしたものだ」と認めながら……ご自分のなさりたいことは何であろうかと、ご自分のことを見つめてみてはいかがでしょうかと、思うのです
(嘗ては己も鳥籠にいた。星を見、星を映し、星を示せど己を指し示すものはないこと、ひとの神が己を救わぬことに辟易したこともあった。けれど)
……だって、僕たちには独立した心があり、掴みたいものを掴む手があり、行きたいところに行ける脚がある。もの言えず動けぬただ使われるままの、品ではないでしょう?
四辻・鏡 2020年1月5日
何もーー(映さない、と繰り返した言葉は声にならない。無辜の畏れを受けず、誰の心も投影せず。ならそこに何が残るのか。何も映らない刀身を、そのままに是とするのか)……なにそれ。そんなんでいい訳? ヒトも、お前も、そんな空っぽのままで生きていけるのかよ……?(言葉とは裏腹に、口調は力無い。そしてその表情は目を細め、何かに耐えるようにしながら)
そっか……それで、いいんだ(それでも微笑みを浮かべていた。ーーだってもう、何かを映してこの身を歪めることにうんざりしていたのだから)
逢坂・宵 2020年1月5日
いいんですよ。僕たちはもはや、ヒトに使われるだけのモノではありません。この足で歩き、この目で見て、この手を伸ばしてその『鏡』に映すものを選べるのです。それに……空っぽのままだからこそ、ほしいものを取り入れることができるんですよ(案外なんとかなるもんですよ、と笑ってみせる。少し前までの自分がそうであったように)僕たちはモノですが、モノではありません。自らの意思を持ち、考え、手の中におさめるものを選ぶことができるのですから(そこまで言ってから、ふと。手を差し出してくださいますか、となにやらごそごそ懐を探り始めた)
四辻・鏡 2020年1月11日
……ははっ、そっか。目の前に前例があるんじゃ、否定しきれねぇわな(ああ、そうだったと、思い出す。何にでもなれるからこの身は、この姿を取ったのだと。それは惰性のような——物を考えることを覚えた自分が宿した願いだったということに)所詮は仮初の身体って思ってたが……そういう意味もあんだな、これ。(己の、鱗の浮いた手を見下ろすと、見慣れた筈のそれは、不思議といつもと違って見えた。と、相手が何か探っているのを見て不思議そうに首を傾げ)ん、なんだ……?
逢坂・宵 2020年1月18日
ええ、そういう意味もある、のですよ。僕たちがひとの形を得た意味のひとつは、おそらくそういうものなのだと……僕は思っています(そう言葉にして告げながら、懐から引き出したものをひとつ、ころんと相手の手のひらの上へ転がした。赤白の水玉模様の包みの中身は、甘くて丸い珈琲味の飴)このような小さなものも、この手におさまらない大きなものも。僕たちは何を掴むか選べるのですから。……いつか、空っぽからはじまった貴女の手が、喜びや倖せの花でいっぱいになりますように。
四辻・鏡 2020年1月19日
(掌に転がされたそれをしげしげと見つめる。ゆっくりと検めるように包紙を解き、口の中へ。珈琲の苦味と共に優しい甘みが口の中に広がり、思わず顔が綻んだ)この手いっぱいなんざ、想像つかねぇよ。けど……そうだな。そういう願いや想いは、存外悪くない。(そういうものを望んで掴むこともまた、同じだと。穏やかな口調で続けた)
逢坂・宵 2020年1月30日
ふふふ、いい顔をされますねぇ……(ふわりと綻んだ相手の表情に、にこにこと嬉し気に眺めて)
ええ、僕たちは自分の望みや願いを意識したならば、また新しい一歩を踏み出せるのでしょう。自分につけていた枷を解き放ち、それまで見えていなかったものを見て……新しい自分を、知るのでしょう
(そう言ってから、再びごそごそと懐をあさる。そうしてひとつかみの包まれた飴玉を出したならば、もっと召し上がられますか、と笑って言った)
四辻・鏡 2020年2月1日
……んだよ。悪いか(にこにこする相手になんだか恥ずかしくなったのか、むぅと不機嫌顔を作って見せる、が)ふ、ははっ……(さらに出てきた飴玉に声を上げて笑う)いやいや、そんな食いきれないって。いいんだよ、こういう甘いのは、たまにで。ありすぎてもきっと、感覚が麻痺しちまう。……あの、さ……(そこまで言って、一度頭をかく。手持無沙汰げに髪を弄り、おずおずとした様子で言い出す)一個さ、私にも、なりたいってか……望みみたいなやつ、そういやあったんだ(先程思い出した、空っぽのこの身に一つ見つけた願いを伝えるために)
逢坂・宵 2020年2月8日
いいえ、悪くはありません。むしろ良きことです(彼女の不機嫌顔にもにこりと笑みを向けてみせた)おや、大丈夫でしたか? それではまた今度にするとしましょうかね(「また」。次の機会があれば再び飴玉を押し付けそうな息を出で、懐に飴玉をしまった。それから、少しためらうような―――否や、言葉を探すような動作で彼女が喋り始めたなら、首をちいさく傾げて)……望みが、ありますか? それはどのようなことでしょうか。……お聞きしても?
四辻・鏡 2020年2月11日
ああ、むしろ、ちゃんと聞いて欲しい。(ふうと一つ息を吐く。話のついでに口にすることはあったかもしれないが、こうして望みとして言ったことは――おそらく無いだろう)私はさ……「美し刀」に、なりたいんだ。この姿を『映した』主が、私を見て思ったような、そんなものに、さ。(その時を思い返すように銀の瞳を細めて、小さく微笑みすら浮かべて。匕首のヤドリガミはそう、告げた)
逢坂・宵 2020年2月21日
「美し刀」……
(彼女にとってはそれが何を意味するか、ほんの少しだけでも、理解できた気がした。先ほど彼女が言っていた名の由来、そして使われてきた経緯からすると、それはきっと、間違いなく心からの彼女の純粋な望みなのだろう)
……必ずなれますよ、と無責任なことは申せませんが……
僕は、貴女であれば。その心を、想いを忘れずに持ち続けられるなら。そうして望む貴女に、貴女が会えるような―――そんな気が、しますね。(
四辻・鏡 2020年2月24日
ああ……そう、言ってくれたら嬉しいな……(無責任の肯定ではない、それでも相手の想いが十分にわかる言葉に安堵する自分を自覚して)
なんか、胸でつかえてたモンが少しとれた気分だ……感謝する。
逢坂・宵 2020年2月25日
なに、僕でも役に立てることがあったなら、うれしいですね(思ったことをお伝えしたまでですから、と笑いかけて。どこかすっきりした様子の彼女に、己もつられてさわやかな気持ちになったのだ)
さて……もう夜も更けてまいりましたし、行先まで送りましょうか。遅くまでのお話のお礼……というのもありますが、お風邪を召されてはたいへんですから。
四辻・鏡 2020年3月2日
ん? 大した距離じゃねぇから別に平気だよ。礼をしたいのはこちらの方だし、上着だって着てるから動けば寒くない。(さすがに送られるのは申し訳ない、と首を横に振り)寒いんだからこそ、部屋あっためて……相方でも待っててやれよ。帰ってきて一人は寂しい、だろ?(なんて茶化しながら、いつもの調子でけらりと笑い、立ちあがり)
逢坂・宵 2020年3月13日
おや、そうですか。了解いたしました、それでは僕もそろそろお宿に帰ります。……と(彼が戻ってきているかもしれない。そうして街の方向を見ようとした瞬間、投げられた言葉に目を瞬かせる。それから、いっぱいに表情を緩めて)……はい、そうします。寒がりの人ですから、暖かい部屋で迎えてやりませんと(彼女が立ちあがったなら、己も立ちあがり。上衣を手に取って持ち上げれば)それでは、おやすみなさいませ。鏡さんもお風邪を惹かれませんように、お気を付けくださいね。