常春
絆・ゆい 2019年11月6日
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もろともに あはれとおもへ やまざくら
はなよりほかに しるひともなし
金葉集 / 前大僧正行尊
❁ 景
とこしえの春
麗らかな陽光さす、縁側にて
❁ 傾
ゆるりと、言葉あそびの処
お相手はどなたでも、何ぴとでも
お気軽においでませ
目安となる境目は設けず
時の移ろいはゆうるりと
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絆・ゆい 2020年2月27日
偽りは好かぬもの。まことのことよ ( 蒼い瞠目を見映して片眸を弾いてみせた。動揺を乗せた言動をしかと認める。遣いの鳥は黒猫に添うように菓子を啄いてみせた。その様子を見守りながらひとつ、新たな菓子を口許へと運ぶ。菫彩を細めて微笑を転がした )
華折・黒羽 2020年3月3日
(拾ってくれようとしているのか、食べようとしているのか、啄んだその口元の欠片を拾って自身の手の中へ。落ちなかった欠片を代わりにその口元へと運んだ)…なら、また良い話があれば誘いに来ます。………─あまり遠くへは、行かないで下さいね(屈めたままで視線を上げて。約束、と口にしなかったのは、してはいけない、と思ったから。何故だかは知れぬけれど、勘というものなのかもしれない)
絆・ゆい 2020年3月5日
( 欠片を啄む鶯は満悦したように鳴いてみせた。僅かなひと欠片を咥えたなら、はじまりの花枝へと帰す。ちちち、と此方を伺っていた ) ふむ。おかえりなさい、愛いこたち。……ふは、おかしなことを。ぼくは、ぼくだもの。それは変わらぬ。何処へでも往かぬよ。ぼくはこの地にて、うつろう天を眺めている ( 甘やかな猫を食んだ )
華折・黒羽 2020年3月20日
…なら、いいです(此処に居てくれると、その言葉を聞いたなら安堵して僅か綻んだ目元。欠片を拾い終えそのまま立ち上がれば表情はすぐに元に戻っていたけれど)そろそろ、行きますね(話が出来た、土産も渡せた。ならばそろそろ帰らなければと屈んで膝についた砂を払いながら)…腹を空かせた家族がふたり、家で待っているので。
絆・ゆい 2020年3月22日
はら、待ちびとがいるの。日が暮れぬうちに戻るとよいよ。わびしい思いをさせてはならぬから、ね ( ひらひらと袖口を振るい。変わらぬ笑みを向けて ) 何時でもお出でまし。またね、くろば
絆・ゆい 2020年3月22日
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絆・ゆい 2020年3月22日
( 明くる日。空腹なる様子をみせる暗緑鳥が、来訪者であるあなたを見遣る )
絆・ゆい 2020年4月5日
( けきょ、けきょ。苺煙を漂わせながらその姿を見映して ) ……はら、ま。此度は如何なる甘味を所望するのでしょ。ね、愛いこたち
アオイ・フジミヤ 2020年4月5日
(両手に抱える美しき桜の枝。とあるガーデンパーティを艶やかに飾った其れは、散り逝く間際、ぎりぎりの時を移ろい、はらはらと花弁散らす。その花達を見捨てるわけにはいかず、引き取ってきた帰り道。ふと耳に届く小さな愛らしい声に足を止めた)
アオイ・フジミヤ 2020年4月5日
……あら。(小さく微笑む。抱える滴るばかりの満開を湛えた枝が、甘い甘い花蜜を湛えていることを知っているぞ、と言わんばかりの小さな黒羽の目。その場に膝をついて一枝差し出す)……食べますか?
絆・ゆい 2020年4月5日
( 高らかに鳴いてみせた暗緑の鳥。彼らが注視する先には満開を終えんとする桜枝と、抱えて歩む海色の娘 ) ……はら。はなやぐ甘味を得たよう。お味は、いかが
絆・ゆい 2020年4月5日
( 喜色を宿す鳴き声。薄紅を啄んで満悦した様子をみせる ) 嗚呼。これはこれは、驚いたものよ。甘味を好むとはいえ、まこと偏屈であったのだけど。花の蜜は、よき味わいであったよう、ね
アオイ・フジミヤ 2020年4月6日
(パラパラと、花の形を残したまま散る、散る桜。命の終わりと啄む暗緑の鳥。愉悦を零すその愛らしい声が不思議と愛おしかった。ふっと、そこに重なる声に顔をあげ、まるで桜そのものが人の姿を選んだかのような美しい人を見つけて思わず微笑んだ)この子、あなたのお友達ですか?ふふ、勝手に花蜜をあげてしまってごめんなさい。おやつにはちょうどいいかしら?
絆・ゆい 2020年4月8日
( やがて花片を食み終える。ちちち、と愉悦の音を鳴らしていた。暗緑の双翼をひらくと桜枝の先へと飛び立ってゆく ) ふは、構わぬよ。愛いこたちも満悦した様子。ありがとさん ( 菫彩の双眸を、抱えた桜枝へと移ろわせて ) こぼれ桜。おわりの桜、ね。嗚呼、花の盛りもよいけれど。散り際は、いっとううつくしいこと
アオイ・フジミヤ 2020年4月11日
(ちらりと空飛ぶ翼を見上げる。青空に映える双翼。手の中に咲く花時を過ぎた枝は、緩い風に美しい花弁を散らす)あの子と逢えてよかった。散る桜を、今散ってしまうか、明日散ってしまうかと心騒ぎ仰ぎ見るよりも、花蜜を楽しんでくれたあの子を見て心が安らいだんです。(散り際はいっとううつくしい、届いたその言葉が淡く柔らかく心に落ちる。嬉しくて菫彩を追う)ありがとう。綺麗ですよね、桜はあるが儘が一番。……あなたも綺麗ね、桜色が空の青空に映えるわ。(髪を指さして微笑み、はっと表情を変えて)ごめんなさい……初対面だわ、私ったらご挨拶もしてない。アオイと言います、アオイ・フジミヤ。
絆・ゆい 2020年4月12日
それは、それは。あなたが安らぐよに、熟れた蜜を得て満ちたりたよう。よろこびの滲む鳴き声を耳にしたのは、久方ぶりよ。……ふは、ぼくだもの。春の盛りとならば、いっとう咲いてみせよう ( 淑女の微笑を眸に映す。表情が移ろう様子に首を傾げ、片耳の金赤硝子が揺らぐ ) ――あおい、とね。澄みわたるよな、よき名だこと。ぼくは、ゆいと云うよ。よしなに
アオイ・フジミヤ 2020年4月13日
咲く花も散る花も、蜜を与える花も愛しい、ね。喜んでくれたなら本当に嬉しい。言の葉が通じぬ種族だとしても、互いに想い合う優しい夢を見てしまう。(もう姿の見えぬ翼へ目を細めて、目の前のひとへ目を移す)あなたは春の精みたいね。花時を軽やかに泳ぐはる。(大輪のような艶やかなる美しさ、その紡ぐ言葉のやわらかさに心がほっと和らいだ)
アオイ・フジミヤ 2020年4月13日
(名を褒められれば素直に笑顔を零して)嬉しい。育ててくれた人がくれた名前、宝物なの。ゆいさん…。(唯、結。心に浮かぶ柔らかな字。柔らかな響き)縁を結ぶ、ゆい……?柔らかなお名前。これも何かの縁かな。ゆいさん、一輪いかがですか?(腕の中に咲く花から小さな枝を差し出す。どの枝よりも零れる満開の桜がゆらゆらり風に揺られていた)八重桜、重なる美しい桜。
絆・ゆい 2020年4月15日
あたたかく染むよな、やさしい夢ね。あなたの心はひろく、清らに澄んでいるよう ( 深海の双眸が此方を向いたならば菫彩をかさねた。やわい微笑をおもてに乗せて、こと紡ぐ ) ふは、如何にも。ぼくは春より生まれしもの。水気は得意ではないけども、花の海とならば。ゆうらり揺らいで、游いでみせるよ
絆・ゆい 2020年4月15日
そ、ね。何れかひとつを、と文字を嵌めるならば。えにしを結わうの結、かしら。……嗚呼、けども。いっとうの唯も、よいね。思いのままに綴っておくれ ( 繊指が絡む花枝。薄紅が咲う様を見映して、若草の彩を乗せた指さきを伸ばし ) はら。ありがとさん。此度の春も、よき彩が咲いたよう
アオイ・フジミヤ 2020年4月18日
暖かい……(戯れに重ねる言葉を、こんな風に柔らかく肯定されることは珍しくて。嬉しさから仄かに頬を赤くする)ありがとう。猟兵の仕事をしてるとね、そう思うの。いろんな世界のいろんな人々。言葉が通じても心は通じ合わないことは珍しくないけれど…だから、こころの隅っこでも、触れ合ったと感じることが嬉しい。(柔らかな菫彩の目線。口調よりもその目線の暖かさに微笑んで)春から生まれたもの……まあ、ならばあなたは生まれたばかりね。その目に映る今年の春はどんなものかしら。(美しいこのひとに映る春はどんなものだろう)花の海を”およぐ”……あなたは、美しい言葉を使うのね。
アオイ・フジミヤ 2020年4月18日
ありがとう、ゆいさん。言葉って不思議ね、綴る文字ひとつ、交わす音ひとつ、それで印象がまるで違う。あなたの紡ぐ言葉ははるね。やわらかい。やわらかくて聞いているとホッとするわ。(そっと枝を差し出して。ちる、ちる花弁が風に乗って空の波を泳ぐ)やっぱり春が一番好きかしら?(ホッと肩から力を抜くと、くぅ、と小さくお腹が鳴った。仕事を終えたばかりで空腹なことを忘れていた)わ、わぁ……聞こえた?
絆・ゆい 2020年4月20日
あなたは幾つもの世をめぐるよう、ね。ぼくはこの世と、桜舞う世しか知らぬけど。外なる世の景色は、いかがかしら ( 若草彩る指さき。口許へと留めると、ひとつの笑みを刷く ) 嗚呼、めざめの春はとうの昔に。いくとせがめぐりて、数多の春を迎えたよ。此度は……そ、ね。いっとう、あたたかだこと ( 賞賛を得たならばありがとさん、と告げ )
絆・ゆい 2020年4月20日
まこと、摩訶不思議なものよ。言の葉を紡いでゆくものの生命が宿るよう ( 垂れがちな眦を緩め、菫彩を縁取る影が落ちる ) はら、そ。喜ばしことね。あなたの声色は、夏時の明け方のよう ( 薄紅を降らせる花枝を寄せ、纏わう甘やかな香を手繰る。問い掛けに首肯し、綻ぶように微笑ってみせた ) はて、何のことでしょ。……嗚呼。そろそろ甘味がこいしい頃合よ。糖花は、お好きかしら ( 花枝を持たぬ片の手。掌上にはとりどりの糖菓子が煌めいて )
アオイ・フジミヤ 2020年4月25日
(桜舞う世。その世界を彩る永遠に散らない櫻を思い出す。手の中のあっけなく失われる花を眺める。どちらが美しいかなんてことはありえなく、そこにあり得るのはどちらが好きか、それだけだろう。自分は永久の桜も刹那の桜も美しいとだけ思う。ふと、目の前の美しいひとにもそれを問いたくなった)外なる世は…私もあまり知らないの。ずっと、UDCアースで暮らしていたから。いろんなものを見たいと願っているだけ。例えば……花。私は花屋なの。ふふ、ではゆいさんは美しい春を重ねてきたのね。ゆいさんは……散る花と散らない花、どちらが好き?両方愛しい?
アオイ・フジミヤ 2020年4月25日
想いを込めた文字や声は温度を灯す、と聞いた事があるわ。まあ、夏が一番好きだから……とても嬉しい。(夏の明け方のようなおと。目の前のはるのひとにどう届いているのだろう。気になったけれど、なんだか幸福はそのままにしておきたくて尋ねるのをやめた)まあ……(細い美しい掌に咲く甘やかでどこか優しい花星)金平糖、糖花というのね。食べたこと、ないの。綺麗。
絆・ゆい 2020年4月29日
はら、ま。あなたも ( 耳に触れたのは外なる世の名称。発音するまでに至らぬその名を頭のうちで唱えようとして――諦めた貌を晒す。程なくして元の通りに ) そう。とりどりの花を扱うておるの。いっとうのものは、みつかったかしら。――散るも散らぬも、生命の彩はひとしくうつくしい。ぼくには、どちらとも尊く愛おしいものよ ( あなたはどう、と問いかけ。薄らと紅に染めた口許から溢れていた )
絆・ゆい 2020年4月29日
ひとは想いを込めるからこそ、“ぼくら”のよなものたちが生誕するのやも、ね。秘めたるちからは、計り知れぬよ ( 声色を聞き届け、仄かな笑みをのせる。千代紙に包まれた糖菓子を掌上で転がし、そうと差し向けて ) ね。花と星のよな甘味よ。おひとつ、いかが。……嗚呼。ひとつと云わず、幾つでも持って往きなされ
アオイ・フジミヤ 2020年5月2日
(それはきっと、ほんの欠片だったのかもしれない。深淵ともつかない繰り返される春時を過ごしたであろう春のひとが見せた諦観の色。思わず、本当に零すように囁いた。そう、その身に纏う柔らかなかさね彩のように自分を慈しんでほしくて)……ゆっくり、で、いいよ。優しくしてあげてね。ゆいさん自身に。(何も諦めなくとも。ときはゆっくりと流れるのだから。唐突に聞こえる自分の言葉に少し苦笑する。思った言葉をそのまま後も先も考えずに伝えて仕舞うのは悪い癖だ)……ふふ、花だけは、一等のものを決めるのは難しい。すべてを愛してしまうの。一等愛している人は迷わないのに。(どちらも尊く美しい。やっぱり聞いてよかったな、となんだか救われた気で微笑む)私は……散らぬ桜が纏う生に圧倒されてしまう。けれど、ゆいさんの言う通り。どちらも等しく美しいよね。
アオイ・フジミヤ 2020年5月2日
ヤドリガミさんの在り方は不思議だわ……。ほかの種族だってとても不思議だけれど、ヤドリガミさんは何かを愛している人が多い。その在り様がとても美しい。人の想いは……とても、強くて深いものね。(思わず爛々と海の目を輝かせて)花と星のような甘味……すてき、わぁ、いいの?嬉しい!(触れたら崩れそうな糖花をそっと手に取り。それは春の桜の花びらのような柔らかい色。いただきます、と囁いて口に運ぶ。ほろりと崩れるそれ)甘い……おいしい。うわぁ、ゆいさん、これ好きなの?これはUDCアースのものなのかな?
絆・ゆい 2020年5月10日
( 僅かに菫彩を見開いた。囲わう睫毛を持ち上げたなら影を落としぱち、ぱちと鳴るほどに瞬いてみせる ) はら、ま。ぼくを気遣うてくださるの ( 心底驚いた、と言わんばかりの声音が溢れた。眦を緩め、仄かに染まる口許へと微笑を刷いて ) ひととせに添う花たち。それぞれのときを咲かす彩からいっとうを――は、むつかしいのやもね。花たちを愛するならば、尚のことかしら。……それはそれは、よき出逢いをされたよう。澄み渡るよなあなたが決めたひとならば、幸福なときを紡いでゆけるのでしょう。どうか大事に、ね
絆・ゆい 2020年5月10日
散らぬ桜は……嗚呼、引き寄せられてしまいそ。ずうと眺めていたいよで、そうでないよな……そんな心地がするよ ( 人の想い、と耳に触れる。金赤の硝子がからりと鳴った ) それゆえに、ぼくらが生命を宿している。ひとの想いとは、まことに尊いものね ( あわく染まる繊指が星の花を摘む。口許へと招く様を見届けると、そのひとつを指さきで転がした ) ふは、でしょう。あわくやわい味が好ましい。……これは、幾つもの世を駆け回るものからもらい受けたの。この世の商店でも、手には入ると思うよ
アオイ・フジミヤ 2020年5月12日
(はっと、零した言葉に頬を染める。やはり失礼だったろうか)……なんだか、少し、すこしね、さみしそう……?んん、ちがう、手放そうとした感じが、したの(理由はわからないけど。そう囁いて思わず口元を覆って)ごめんね、うまく言えないの。言葉だけじゃない、空気や、小さな表情の動きが、柔らかく伝えてくれるこころがあるのに、それをとらえきれないことが多いの…恥ずかしいな。
一等を決めなくてもいいなら、どれも大好きでいたい。どんな時期に咲く、どんな野辺の花でも美しいから。でも……不思議ね、人を愛すると、その人が何よりも一等、なの。言葉に出さなくともこころが教えてくれる。よき出逢い……そうね、奇跡なのだと思う。ありがとう、あなたがそう言ってくれると、ゆっくり紡ぐこの関係も、良いものに思える。ゆいさん、ゆいさんは……生きるものが、好き?
アオイ・フジミヤ 2020年5月12日
そうよね、わかるわ……散らぬ桜の力は強すぎて…でも惹かれてしまうの。(美しい耳飾りが音を立てる。目の前の桜色の春が何かを囁いたような気がしてじっと見つめる。口の中でほどける淡い花)まあ、いくつもの世を駆け回る人……ゆいさんのお友達かな。その人、センスいいね!こんなおいしいお土産、貰ったらすごく嬉しい。(ふふ、と笑って)……ねえ、ヤドリガミさんに逢えたら聞いてみたいなぁ、って思うことがあるのだけれど、ゆいさんに聞いてもいいかしら。
絆・ゆい 2020年5月15日
はらま、それは参った。そのように映ってしまうとは ( 特段気にした素振りはなく、ひいらりと笑い飛ばしてみせ ) ひとの操る言葉は、とてもむつかしい。ぼくらのようなものへと生命が宿るよに、紡いだ言葉へも魂が篭る。やわこく繊細であって、時には鋭くつめたく突き刺さる。……ぼくには痛みが備わっておらぬけど、言葉の刃とはとても恐ろしいものよ。あおいの言葉はやわくあたたかで、うつくしいね ( 色づく唇を覆い隠す様子を見遣り、淡い笑みを転がした )
名を知らぬ一輪を、地を彩る花たちを愛でるもまた一興、かしら。この時期ならば蒲公英……嗚呼、踊子草などもよい。――そ、ね。愛おしいと感じておるよ。ぼくは移ろわずに留まるもの。それゆえに、よわいを重ねてゆく者たちを見映すいっときが喜ばしい。今後も、それは変わらぬでしょうね
絆・ゆい 2020年5月15日
そ。猟兵とやらのしるべとなり導き、世を渡りゆくもの。……ふは。それを耳にしたのなら、喜色に満ち溢れた貌が浮かぶよう。その通りに告げておきましょ ( 問い掛けに瞬いた後、微かに首を傾げてみせ )
――はいな。それを訊ねるものが、ぼくでよいのならば
アオイ・フジミヤ 2020年5月21日
……(嬉しくて、暖かくて。目を細めてしかと微笑んで)私もゆいさんの言葉、とても好きよ。紡がれた言葉はなかったことにはできない、でも、永遠にその先の相手の心に残ることもある。紙に描かれた言葉は、千年先も人の心に葉をつけて咲き誇る……やまと歌は人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける……好きなことばなの。ふと、思い出したわ。ゆいさんは、きっと……言葉を愛しているのかしら。(それほどまでに、彼の紡ぐ言葉は美しいから、聞き惚れる)蒲公英も、踊子草も大好き。はるけき果ての骸の海に浮かぶ花は……案外きっと、春を彩る優しいそういった野の花なのかもしれないわね。
アオイ・フジミヤ 2020年5月21日
あら、グリモア猟兵さんなのね。まあ、ぜひお伝えしておいてね。幸福になる言葉は、口伝でどんどん伝えて欲しいわ(からっと笑って)
ゆいさんは、ヤドリガミさん……。人の傍で暮らしてきたの?今まで共に過ごした人と、話してみたいって思ったこと、ある?……私ね、(自分の耳朶に青の指先を揃え)このピアス、tutuから…祖母のことを、祖国の言葉でtutuというのだけれど、彼女に貰ったの。祖母も幼い頃に母親から貰ったそう。私……この子がいつかヤドリガミになってくれたら、お話しできるのにって。してみたいなって、そんな夢があるんだぁ。
絆・ゆい 2020年5月24日
( 時を経ても褪せることなきもの。そして、やまと歌。あわく染まる唇から紡がれ出でし言葉に瞬いた。両の眸を縁取る帳をおろし、口許には笑みを刻む ) ――嗚呼、その通りだとも。よろこび、かなしみ……こひに、あい。ぼくの依代――歌留多には、百ものひとびとの言葉たちが宿り、今もなおいきている。ぼくは、そうね。彼らが操る言の葉たちを、あいしているよ ( ひときわ柔い笑みを携えて、あなたの澄んだ眸を見遣る ) ふは。それも、よいね。人目を引くほどの華美とならずとも、あわい彩をみせ続ける野花たち。ぼくは、ね。素朴なあいらしさが、いっとう好ましい
絆・ゆい 2020年5月24日
ぐりもあ……嗚呼、そうね。そのよな響きを聞き入れた。次に貌をみたならば、その様に。――そう。ぼくは幾つもの手をわたり続け、ひとつのてのひらにて納まった。そのてのひらが、いっとうのものを注いだ。ゆえに、ぼくは此処にいるよ ( 嘗てをなぞるように、緩やかな速度で言葉を紡いで ) 話せるならば……そ、ね。語らえるならば、なんとさいわいだろか ( 落とした視線を持ち上げて、澄み渡る青の揺らぎを捉えた ) ……はら、まあ。継がれてゆくもの、ね。あたたかなものと、清らなこころを感じるよう。その耳飾りには、幾つもの想いが宿っているのだろう。うつくしき夢の先……来たる日に、その青のうつくしさを見映せたなら、よいね。ぼくも、願っておるよ
アオイ・フジミヤ 2020年6月3日
かるた……(かるた。聞きおぼえがある。祖母はアメリカに生きるジャパニーズだったから)百のひと達の言葉…!ゆいさんは、あなたは言葉で紡がれたひとなのね。(春の色を具現化したような髪色も、捉えきれないほどに色鮮やかな美貌も、美しい選ばれた言の葉が依代を得たのだと知ればそれはストン、と心に落ちる。えへへっと子供みたいな笑顔になって)華美な花も美しい。豪奢な花々に囲まれて骸の海を漂うのもいいけれど、自然な花々に囲まれれば…柔らかく笑える。なんだかあったかい気持ちになれるよね。
…ゆいさんは、いとしく思う人を、見守ってきたのかしら。
アオイ・フジミヤ 2020年6月3日
是非!(ふふ、と笑う。ゆいさんのお友達が笑ってくれたら嬉しいな、なんて。紡ぐ言葉に、大切なものがのっている気がして。静かに静かに聞く)そのてのひら……優しかった?ゆいさんが、ゆいさんで在れる理由の、きっと、きっと優しい掌だったのかな。
そうなの。私は……いつか、このピアスが見てきた世界の話を聞いてみたい。ふふ、小さな子供がぬいぐるみに話しかけるような、幼い頃の愛しい友達、そんな相手になって欲しいなぁ、なんて。(ピアスの先に揺れる海色の石を指先で揺らして。彼の優しい言葉に、きらりと石が光った気がした)……ゆいさん、ありがとう。この子が喋れるようになったらゆいさんのところに連れてくるね!(ほろほろと、花弁が初夏の風に散る。海の匂いがする)そろそろお暇するね。また、遊びに来てもいい?
絆・ゆい 2020年6月13日
そ。百ものひとびとが己のこひを、あいを、ひととせの巡りを唄ったもの。――ひとのことばには魂が宿る。その、言い伝えどおりでしょう ( 嬉々とした微笑をこぼし、いとけなく綻んだ笑みを見映した。ぬくもりを帯びた風が頬を撫ぜ、薄桜の髪を攫ってゆく ) あなたがいっとうの花を選ばぬ理由、わかるよな気がしたよ。華美な花、素朴な花。どちらもたがわぬ、いのちの彩に満ちておるもの、ね ( 眼前の髪を掻き分け、然と首肯した ) ――うん。ひとはみな、愛おしいものよ。いっとうを注いだ主には、出逢うことは叶わぬけども。ひとの子らの行く末を見守ることが、ぼくの役目かしら
絆・ゆい 2020年6月13日
きめ細かか否か、と問われたならば、きめ細かとは言えぬけども。……そ、ね。歌留多であるぼくを、本来の扱いをした唯一無二。ただ鑑賞するのではなく、ひとつ、またひとつに真心を寄せてくれていたよ ( 何処か懐かしむ様に眦を緩め、口許にやわく弧を描いた ) あなたの知らぬ、あなたが継いだ情景たち。それはそれは、心が踊るよなことね。その聲をきいたのなら、ぼくにも教えておくれ ( 海色を秘めた宝玉の揺らぎを見映した。澄み渡るような色彩に、もう一度笑みを浮かべる ) 嗚呼、その時は是非ともに。……ふは、聞かずとも、というものよ。また何時の日でも、お出でまし
アオイ・フジミヤ 2020年6月30日
(じっと彼を見つめる。まるで、言葉の海に生きるひと。こいの、あいの、燃えるような言葉に秘める感情を優しく包むひと。自然とつられるように笑って)言葉の魂。私、あなたに逢えてよかったわ。あなたを見て、やっぱり言葉は美しいものなのだと本当によくわかった。…美しい言葉に、軽やかな言葉に、人が惹かれる理由も。あなたを見ると納得できる。
ああ、夏が来る。そうして新しい世界がたくさんおとずれるね。時が、四季が巡るよりも早くたくさんの世界が。なんて目まぐるしくも美しい世界。ゆいさん、今度また、あなたと世界を語りたい。新しい世界を見たら、話しに来させてね。
ありがとう、おじゃましました。(笑って残りの桜を抱き、駆け足にその場を去って行った)
(ごめんなさいっ、返したつもりでいたわ…おそくなりました、ありがとう)
絆・ゆい 2020年7月2日
( 此方を眺む双眸へと菫の彩を向ける。緩められた微笑をみとめて口許を和らげた ) はら、それはそれは。喜ばしいことね。言葉を操るもの、其れを感ずるもの。双方あってこその言葉。ぼくも、ね。あなたのように心の澄み渡る者に出逢えて、よいものを得たと思うておるよ。――ありがとさん、あおい ( 眦を緩めて微笑を刷く。ほとびた風が頬を撫ぜた ) 嗚呼、勿論だとも。あなたと、あなたが大切にするものが見映した世界を、刻んだ時の流れを、ぼくに語らっておくれ。道中、気をつけて。またの巡りを、心待ちにしていよう ( 深海の彩を宿す長い髪が揺れてゆく。薄紅を舞わせて去りゆくその姿へと、ゆうるりと袖口を振るった )
絆・ゆい 2020年7月2日
( お気になさらず。良い縁を、ありがとさん )
絆・ゆい 2020年7月2日
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絆・ゆい 2020年7月4日
( 明くる日もまた、暗緑鳥が鳴いている )
絆・ゆい 2021年3月31日
( そ、と縁側に座り込む。組み込んだ足の上で片頬をついた ) ……此度も機嫌がよいのね、愛いこたち。如何なるものを、お望みかしら