45 minutes ago 延長戦
ユア・アラマート 2019年10月31日
「機会を作るから覚悟しておけ」
そう宣言したからには、いつかはこういう機会が来るものだと自分では思っていた。
言われた方がどう思っていたかはさておくが、半ば強引に連絡手段を聞き出した時点で察せられていたかもしれない。
仕事や用事があるなら、それが終わってからでいいと伝えてどれくらいか。
すっかり日も沈み、人気のない寂れたシャッター街に唯一灯る店の明かり。
いつもの椅子に腰掛けて、時計の針と対話をする静かな夜。
ふと、外から野良猫の鳴き声が聞こえた。
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ユア・アラマート 2019年12月3日
……一度は、多分少ない方だぞ。 (見た所、顔立ちはかなり若いが成人はしているのだろうと踏んでいる。それでいて特に嫌いじゃないのなら、たった一度くらいの接触は個人的に少ないと感じる) 暖かいと、私は安心するよ。こう、自分以外の何かがいるって思えて。 (我ながらうまく説明できているのか甚だ疑問ではあるけれど、素直に思う所を表現した結果だ。猫は相変わらず餌に夢中だが、耳が動いてその場にいる二人の会話を拾おうとしているかのようだった) あっけらかんと言ってくれるな。まあ確かにこの間も、戦場慣れしているように見えたな。結構長いのか?
鳴宮・匡 2019年12月5日
必要のないことはしないって、そういう生き方をしてたから。(生きる為に必要なことは、殺すことだけだった。――勿論、食事や睡眠といった“人間”の身体を維持するような行為は必要としたけれど、それだけだ)だから、生き物が温かいなんてことを知ったのだってつい最近のことで、それに安心するってのもわからない。(世界には自分以外のものなんて必要ないと、思っていたから。自分以外を知ってしまえば弱くなるのだと、思っていたから――今は、少し違うような気がするけれど
)…………長いのかな。普通がわからないから、何とも言えないけど。そもそも、いつからをカウントしたらいいもんか……。
ユア・アラマート 2019年12月8日
ふうん? ……今は、そこまででもないのか? (少なくとも、こうして呼びつけて雑談に興じるくらいは対応してくれている。生きるために必要か不必要かで言えば、確実にこの時間は後者だ) 私は寂しがり屋なんでな。自分一人じゃどうにも寒くて、落ち着かない。最初から暖かいものを知らなければ、そんな事もないんだろうが。そうもいかなかった。 (何か、もしくは誰かの温もりを知らないままでいれば寂しいという感情も芽生えてなかっただろう。案外、完全なる孤というのは難しい) 結構どころじゃなく長いんだな。ほら、あの時「視やすい」ってお前言っただろう? そのことも気になっていたんだ。多分、普通の視覚の話ではないんじゃないかってな。
鳴宮・匡 2019年12月9日
昔に比べたらな。普通の人間よりは多分少ないだろうけど。……寒くて落ち着かない、か。でも、一生傍にいてくれる生き物なんていないだろ。離れたあとが余計に寒いから、最初から近づかない、なんてやつもいるんじゃない? ……わからないけど。(付け足した言葉は、言い訳のようなものかもしれないと少しだけ、頭の端で思った。“なくすのが怖いから大切なものは持ちたくない”――という自分も、人のことは言えまいと思ったのだ)
鳴宮・匡 2019年12月9日
…………ああ。期待に沿えなくて悪いけど、基本的には普通の視覚の――いや、知覚の話だよ。機能を調節しない場合に、一番戦いやすい戦闘距離だってだけ。狙撃距離は視力を強化しなきゃならないし、あれより近付けば動体視力を上げなきゃならないから。(こともなげに言うが――“普通の人間”が“機能を調節”できることはあるまい。これができるから、男は埒外の存在で――逆に言えばこれがなければ、ただの“人間”だ)
ユア・アラマート 2019年12月11日
うーん、それも一理あるんだが。一生傍にいられないのはきっとお互い様だからな。ただ、お別れの後も暖かかった、という思い出や記憶があるのとないのでは結構違うと思ったんだ。 (知っているからこそ、なくした時の辛さは筆舌に尽くしがたい時もある。けれど、最初からなにもないと比べても。その辛さを受け入れたいと思うようになっていた) まあ、その痛みだって生きてる者の特権で、責任なんだろうな。
ユア・アラマート 2019年12月11日
……いや、簡単そうに言うが、十分普通じゃないと思うぞ。 (目を瞬かせて、期待に添えないなんてことはないと首を振る。少なくとも自分はそれを、彼ほどスムーズに行えるとは思えない。それは能力的なものでもあるだろうけれど、それをどれだけ利用してきたかの年数にも基づいている気がした) 本当に戦場住みが長かったようだ。大変だった……と言いたいが、その様子だと当たり前過ぎて大変だとかいう発想に至ってない感じに見える。
鳴宮・匡 2019年12月13日
…………あんたは、強いんだな。(――少なくとも自分にとって、記憶だけをよすがに歩く道は、ただひたすらに痛く、苦しいだけだった。もう二度と、同じ思いをしたくはないと思うくらいには。だから何も持ちたくないなんて、思ってしまうくらいには。自分はそういう、“弱い”いきものだ)……“ひと”だったら、同じように思えるものなんだろうか。(呟いたそれは、独言のような響きであったろう)
鳴宮・匡 2019年12月13日
そうは言うけど、もともとそういう機能が備わってるってだけだからな。あんたが魔法めいたものを使うのと、さして変わらない話だよ。たまたま、目や耳が普通の人間よりちょっと上等だった、ってだけだ。(肩を竦めて言うさまは、謙遜といったようなそれではないだろう。……事実、自分にできることは別段、特別ではないと思っているし、)……そうだな。物心ついた時から戦場にいるから、長いと言えば長いけど。でも、そこで生まれたんなら“そういうもの”だろ。
ユア・アラマート 2019年12月19日
どうだろうなあ。私としては、どう取り繕ったって思い出すことで少なからず辛くなるのに何度も近づくのは強いのか弱いのか、判断がつかない。 (受け入れたって辛いものは辛い。それでもやめられない自分は、懲りないとも言えるし学習してない気もした) ……思えるんじゃないか? ひとじゃない私がそうなんだから。 (彼の方から視線を外して、漏らす。いつの間にか餌を食べ終わった黒猫が机の上までよじ登って、二人分の視線の元で丸くなる)
ユア・アラマート 2019年12月19日
……逆に、「それ」が無かったら、きっと今こうしてはいないんだろうな。 (ちょっと上等。と何の気無しに表現したような特徴と、後に続いた環境は皮肉なほどに合致していた。むしろ) そういう場所に産まれたからこそ開花したようなものでもあるか。芸は身を助く、みたいなもので。私もダークセイヴァーで育ったから、狩りと獣肉の処理に……あとは墓掘りがうまくなったな。
鳴宮・匡 2019年12月19日
辛くなるけど、それを抱えて歩けるんだろ。それは、強いと思うけど。(それができないから、封じてしまったのだ。自分は、そういう生き方しかできなかった。今だって、なくしたくないものと近しくありながら、手放してしまえたときの“言い訳”ばかりが浮かぶ
)…………いや、種族の話じゃないよ。心根の話。(ひとじゃない、なんて言葉を聞いて、そんな風に零す。)俺の基準じゃ、あんたは立派に“ひと”だけど。(そして、自分はそうではない)
鳴宮・匡 2019年12月19日
そうだな。多分こうなる前に死んでるさ。(事も無げに言って、肩を竦めた。机の上の黒猫には一瞥を向けながら、意識は彼女から切らない――他者に対する警戒心を拭いきれないのも、悪癖のひとつで。それこそ彼女の言う“そういう場所に産まれたからこそ”備わったものだ)墓なんて掘ってやるもんなんだな。……てことは、あんたには仲間、みたいのがいたんだ。
ユア・アラマート 2019年12月28日
だといいんだがな。胸を張ってこれでいい、と思えているわけでもない。……というよりも、自分で強くなったというか。こんな私の手を取って引きずり回してくれる人がいたからこそなんだろうが。 (どう考えても自発的にこんな考えに至れる自分ではない。変わったのではなく、変えられたのだとしみじみ自覚できる日々だ) ……それじゃあ、自分は違うみたいじゃないか。 (事実、そう言いたいんだろう。気持ちがまったくわからないというわけでもないから、頭ごなしの否定もできない) お前は、ひとに憧れるクチか?
ユア・アラマート 2019年12月28日
(手を伸ばし、黒猫の頭を撫でてやる。ゴロゴロと喉を鳴らす音が大きくなって、柔らかく目を細める) その余裕がある場合と、――体が残っている場合に限り。だけどな。 仲間というか……保護者というか。その人達に出会うまで、私は外の世界を知らなかった。野生に放っておいたら、すぐに食われて死ぬような。そんな私に、牙の研ぎ方と使い方を教えてくれた人達。それこそ、命の恩人みたいなものだ。
鳴宮・匡 2019年12月29日
別にきっかけが何であれ、今そうできてるのはあんたの強さだと思うけど。……それとも、なんかもっとどうありたい、みたいなのがあるとか?(ありたいものにはなれないから。自分はそういうものを、とっくに遠いものと諦めてしまったけれど。……普通の“ひと”であるなら、当然そういうものだってあるのだろう)みたい、じゃなくてそう言ったつもりだけど。あれこれ削って生きてきたからな
。…………憧れ……なりたいか、って言われたら、今は否かな。
鳴宮・匡 2019年12月29日
…………。(彼女の口から話されたそれを聞いて、ほんのわずかに視線を落とす。……どこかで聞いたような話だ、と思った。それこそ、自分もそうだったのだ、と知っているから。あのひとがいなければ、この“眼”の使い方なんてわからないまま、なんの力もないまま、戦場で命を落としていただろう。きっとこうしてここで、彼女と言葉を交わしていることはなかった)……そっか。誰にでも、そういうのはあるものなのかな。
ユア・アラマート 2020年1月5日
うーん……いや、多分どこまでいっても納得はしないと思う。ああなりたいこうなりたいというよりは、あの人やこの人のようになりたい。だから。きっと一生無理だ。 (少し、話す声に苦味が混じった。よくないな、と軽く苦笑して) そうか。でもひとっていうのは案外曖昧というか。……何を持ってしてひととするのか、結構聞く人ごとで違ったりするんだよ。たとえば、匡。お前が思うひとって、どういうものだ?
ユア・アラマート 2020年1月5日
(弱くて、無知で、そんな自分を拾ってくれた人達の顔が脳裏に浮かぶ。様々な偶然が重なっての出来事ではあったけれど) もし、あの時の出会いがなければ。――案外、オブリビオンにでもなっていたかもな。 (そんな未来だって、あり得たのではないだろうかと思う) 大小はあるだろうけど、ターニングポイントっていうのは多くの人が経験しているんじゃないか? だから、今っていう瞬間が奇跡的なんだなとは、事あるごとに思うようにしている。
鳴宮・匡 2020年1月5日
……一生無理って思ってんのに、諦めきれないんだ。(それは自分も似たようなものだ――なんて思ったからか。少しばかり声音にそんな色が交じったかもしれない)(苦笑した彼女の呟きに、“そんなことないと思うよ”、なんて言ってしまったのもそのせいだろうか)……それはそうだと思うよ。俺にとっては、そうだな、当たり前に何かに心を動かせるもの…………かな。
鳴宮・匡 2020年1月5日
俺は多分そういうものにもなってなかったと思うよ。ただ死んで、それで終わりだ。(何にも残らない。誰もそれを知らない。ただ雨の粒が海に落ちて、波紋さえ残さず消えるのと同じように。“自分”というものはなくなっていただろう、と思う
)…………そう、だな。それは、そうだと思う。当たり前みたいに続いている今っていうのが、得難いものなんだなって。それは、理解してる……つもり。
ユア・アラマート 2020年1月14日
……どこかで踏ん切りが付けばいいんだけどな。やっぱりお手本には憧れる。 (諦めのつく予定は当分思いつかなくて、だからこそ複雑で仕方ない。ただ、思いもがけない言葉が帰ってくると、目を瞬かせてはつい顔をまじまじと見てしまって) 心を動かせる。……うん、確かにヒトっぽいな。何かを見て、嬉しいとか悲しいとか思えるのはヒトらしいし、そういうのを意識せずとも出来るっていうのが。普通なんだろうな。 (たまに忘れる。と視線がまた猫に向かう)
ユア・アラマート 2020年1月14日
それは。なんだか寂しいな。いや、だからといってオブリビオンのほうがいいとは思わないが。 (世界になんの痕跡も残せずに消えていく。きっとそれが大多数で普通なのだろうけれど、今こうして目の前にいる彼がと思うと。自然とそんな感想が出てきた) 本当に。不思議なものだな。私だって、まさかこんな所に辿り着くなんて思わなかった。だからこそ、なんとかしてそれを守りたい。んだが、周りは無理をするなというからままならない。
鳴宮・匡 2020年1月16日
……別に無理に諦めようとしなくてもいいと思うけどな。届かないとしても、目指すことは無駄じゃないんだってさ。(これは受け売りだけど、なんて言って肩を竦めたのは。まじまじとこちらを見やる視線を受けてのことでもあった)……まあ俺は少なくともそう思ってるってだけで、それが全人的な“ひと”の定義とは限らないけどな
。…………忘れるってのは、そういうのが“普通”だってことを?(それとも、“そういう感情を”、だろうか)
鳴宮・匡 2020年1月16日
…………そう。そういうのは、“さびしい”って言うんだな。(誰にも覚えられず、世界にも刻まれないままに消えていくことを、そうと呼ぶのなら。自分は幾つの“さびしい”を生み出してきたのだろう、とぼんやりと考えた。考えたところで、それを悪いことだなどとは思えなくて、だから、自分はやはり“ひと”ではないと思ってしまう)……俺も、あんまり思ってはいなかった。こうなる前にとっくに消えてなくなってると思ってたからさ。(……だけれど。得難いと思うこの時間を、“守りたい”なんて言葉に出すのはまだ、自分にはふさわしくない気がしている)そりゃまあ、……周りにとっては「なんとかして守りたい」ものの中に、あんたが入ってるんだろ、きっと。
ユア・アラマート 2020年2月3日
目指すことそのものは、たしかに良いことなんだろうな。きっと、誰かを真似しようとしながら、そのうち正真正銘の「自分」を証明できるのが一番なんだと思う。 (模倣を、オリジナルを得るための手段とする必要があるのだろう。軽く目を閉じると、「ありがとう」と漏らし) んー……真似をしてるのは、何も憧れの対象だけじゃないって話だ。ヒトという生き物の基本的な行動パターンというか。もうだいぶ慣れてきたんだが、疲れた時とかたまに抜け落ちる。 (多分それは、ヒトというにはあまりに未熟な状態に逆戻りしているのだろう)
ユア・アラマート 2020年2月3日
私は寂しいと思うな。実際、今もそんなふうに消えている誰かはいるんだろう。それを全てすくい上げることはできないから、せめて。 (せめて、手の届く範囲はなんとかしたい。そう思うのはきっと我儘なんだろう) ……まあ、立場が変われば同じことを私も思うし言うだろうからな。なあ、匡。 (軽く、身を乗り出し) 私の中にもお前はいるよ。まだ、なんとかして、とまではいかないが。「できれば守りたい」くらいには思っている。なんだろうな、あまり会って日も経ってないんだが。気になってしまう。 (一目惚れかな? と軽口で笑い)
鳴宮・匡 2020年2月4日
――――そう。そう、思う?(“真似事”は、本物にならないと思っていた。上辺だけをなぞるだけのそれが、自分の中に根付くことはないと。だからいつまでも自分は、“ひと”にはなれないと――思っていた)……それに関しては、人のこと言えないな、俺も。(いつも、作っている。“一般的な”“年相応の”“成年の男性”というそれらしさをいつも被っていて――だから、意識していなければ心を動している“ようにみえる”振る舞いができない)
鳴宮・匡 2020年2月4日
……そんな価値があるようなものじゃないよ、俺は。(彼女の零した言葉に対して、浮かんだ言葉は幾つもあったけれど。冗談めかした軽口で結ばれたそれを最後まで聞けば、口を開いたときに最初に出たのはそんな言葉で)(だけれど、すぐにゆるくかぶりを振った。――“それを決めるのは自分ではない”からだ)いや、ごめん。……まあ、そんなに気にかけて得になるような相手じゃないってのはその通りだけど。
ユア・アラマート 2020年2月25日
だって、なんの取っ掛かりもないまま。ゼロから全てを構築するのは難しい。だから、真似をするんだ。 (戦い方にだって、お手本があったほうが覚えが早い。それがもっと、存在としての根本であるというだけの違いなのだろうと、そう考えている) これでもだいぶ減ってきたんだけどな。かと思えば、まだ自分で完全に把握しきれていない感情が勝手に出てきて意味がわからなくなるとこもある。 (どちらにしたってコントロールが上手く行かない。厄介なもので、思い出すと少し眉をひそめた)
ユア・アラマート 2020年2月25日
おや、おかしなことを言うな。……いやまあ、私も逆の立場だとそう言いかねない所あるんだが。 (言うと言われるのではだいぶ受け取り方が違うことを認めて、クスクスと笑った) けど、分かっているだろう? 自分の価値なんて、正直言われたって自分じゃピンとこないが。……それでもそう言ってくれる人が何故かいるんだ。その時点で、わりと私達は幸運なんじゃないか、とな。
鳴宮・匡 2020年3月4日
…………そういうもの、か。確かに、そうなのかもしれないけど。(そうと他人が言うのを聴けば、そうなのだろうな、と思えるのに。どうしてだろうか、自分のする“真似事”は、不格好で、歪で、間違ったものだ、と思ってしまうのは)……ああ、それは……俺も少し覚えがある、かも。(今まで、見ない振りをして、なかったことにしてきたからだろうか。浮いたはずのものの、色も名前もわからないまま、零れ落ちてからやっと、それがあったことに気付いたのは、一度や二度ではない)
鳴宮・匡 2020年3月4日
……言いたいことは、わかるよ。ただどうにもさ、俺はそういうのを他人が言えば許せても、自分が言うのは許せない、と思っちまうところがあってさ。(悪い癖なんだろうけど、と肩を竦めた。自分の認識が歪んでしまっていることは、もう知っているのだ。気付いている。ずっと、自分が嫌いだったから。自分を許すことができないから。自分を肯定できないだけなのだと
)…………でもまあ、それを決めるのは俺じゃないってのくらいは、わかってるつもり。
ユア・アラマート 2020年3月11日
納得できてなさそうな顔してるぞ。そりゃあ、最初はうまくいかないけどな。こればかりはもう、回数を重ねるしか無い。 (元々ヒトじゃないものがヒトに近づこうとするなら、どうしても時間はかかる。地道な話だと小さく息をつき) ……最近も、ちょっと自分の中では予想外だったものが出てきて。実は結構困っている。嫌なものではないんだが。 (嫌ではないけれど戸惑う。小首を傾げて彼をみやり) お前、恋人っているか? (唐突にそんな事を言い出した)
ユア・アラマート 2020年3月11日
分かるよ。自分が言うのはなんというか、違うというか。ここでもっと素直に口にできるようになれば……本当に世話ないんだがな。 (思わずため息が出て。縁起が良くないと飲み込んだ) はは、まったくだ。勝手に決めたらきっと怒られる。…だからせめて、誰かが価値を見出してくれた自分。という見方をしておけばこれもマシになるんじゃないかと思っているよ。
鳴宮・匡 2020年3月14日
いや、納得できないって言うか、実感がわかないっていうか。言葉の上……そうだな、理論上は理解してる、みたいな感じというか。(これが単なる、自己否定の産物であることはわかっている。もしかしたらもう気づけば身についているのかもしれないそれも、自分が“自分”だから、紛い物だと否定してしまえる。ただそれだけの話で。それはゼロから生み出そうが、真似事から始めようが、“自分”である限り違いはない)言っただろ、自分が言うのは許せないん、――――
鳴宮・匡 2020年3月14日
………………。
一応訊くんだけど、そういうの、いるようなタイプに見える?
ユア・アラマート 2020年4月15日
理解はしているけど、消化はしきれていないって感じだな。……まあ、一番難しい問題があるんだよな。自分を受け入れるとか、そういう辺りが。 (そこが素直であれば苦労しない。なんて事態は度々で、思い当たるフシが自分にもあって苦笑する。難儀、という単語が頭をよぎったが……もっと、話は複雑なのだろうと感じて) ……。 (一旦、まじまじと目の前の顔を見つめた)
ユア・アラマート 2020年4月15日
……か、いや、別にいてもおかしくない、顔はしているかな、と。 (かわいい、と出かけた口を一旦噤む)
鳴宮・匡 2020年4月19日
ちゃんとした、まともな“ひと”ならそれでいいんだろうけどな――なんて思っちまうんだよ。……まあ別に、だからって悲観的になってるわけでもないんだけどな。だからって、そうすることをやめるとか、目指したものを諦めるとか、そういう話じゃないんだ。(――ただ、“自分である”というだけで、その真偽を疑い続けてしまうというだけで――そういう自分と戦いながら生きていかねばならないことだって、わかっている
)…………
鳴宮・匡 2020年4月19日
……よく聞く話だと、そういうのって見た目だけの問題じゃないらしいけど。あんたの言う通り俺の顔がそういう風に見えるとしても、中身が他人に好かれるようなものじゃないからな。(生まれてこの方いたことないよと言葉を続けて)……まあ、それでも。そういう意味によらずってことなら、自分を少しでも好ましく思ってくれてる人がいるってのは、自覚してるつもりだけどな。
ユア・アラマート 2020年5月1日
私なんかは、そこからだんだん思考がズレて“まとも”ってなんだろう、って考え始めて泥沼に陥ることがあるぞ。今でも。 (“ひと”も“まとも”も、結局の所よく分からない。ここまで来ると哲学になると、息を吐く勢いで軽く肩を落として) いいんじゃないか? 止まりさえしなければ、どこかには辿り着く。これは、良くも悪くもだが……永遠なんてないんだからな。 (どういう形にしろ、変化は確実に現れるから) だから、せめていい方に変わることを祈っているよ。
ユア・アラマート 2020年5月1日
んん、まあそうなんだけどな。……いや、私もそういう一般論はわかるんだが実感が無かった。そもそもそういう相手が自分にできるとも思わなかったし。 (私も似たようなものだ、と軽く天井を仰ぎ) そうか。そうやって、内容はともあれ想ってくれる人がいるのは、嬉しいものだな。……なんだが、そこでまた「どうして自分を」って思って振り出しに戻ったりもするし。なんだか、心が落ち着かないと言うか。特に難しい感情に触れてると思うことが多々ある。
鳴宮・匡 2020年5月2日
…………まあ、そうだよな。結局のところ、こういう考えって最終的にそういう、哲学的……? な感じの話になっちまうよな……。(――結局のところ、“まとも”な“ひと”なんていうものも。自分が勝手に思っているだけのものであるのだろうし)(そもそもが。自分を“そう”だと認められないから、ありもしないそんなものを勝手に定義して“自分は違う”と言いたいだけなのかもしれない)……そうだな。いつまでも一つところに留まってはいられないものなんだって、最近は痛感してるよ。(傷はいつか癒えて、思い出になる。何も持つまいとしていた両手にだって、今はもう捨てられもしないものがいくつも積み上がってしまった)だからせめていい方に、ってのも……同感だけど。自分じゃ、やっぱりよくわからないよな、そういうの。変われてるかどうかも含めてさ。
鳴宮・匡 2020年5月2日
…………。(実感が“無かった”。できるとも“思わなかった”
。…………)つまり、あんたはいるんだな、そういう相手。(解釈はそういう方向に帰結した。別段揶揄うようでもなければ羨望のようなものもない、平坦な語調だ。単なる事実の指摘、というような)……どうして、なんて言ったところで、他人の認識と自分の認識は違うからさ。自分がそう思えなくても、相手がそう思ってくれてるってことはせめて、否定しないでおこうと思ってるよ
。…………なんて、まあ、一回手酷く失敗したから気付いたようなもんだけどさ、これも。
ユア・アラマート 2020年5月23日
考えれば考えるほど答えが出ない方向に流れていくからな……。となれば自分が見習いたいと思う要素をまともと仮定したいが、そもそもまもとたり得ない自分がお手本とする要素は人として正しいのかとか。……根源に関わる学問だ。足を踏み入れないほうがいいのだけは分かる。 (考えの方向性を他所に反らしたのに巡り巡って元に戻る。目指すにしろ、否定の材料にするにしろ。とても難しいと、思い出しては眉間に皺が寄った) ああ、それはわかる。不変がないのは分かるが、自分がどう変化しているかなんて曖昧すぎる。鏡を見たって分からないから、言われないと気づかないことが多い。 (毒物的かもしれないけれど、目に見える、というのは案外重要な要素なのだと痛感している)
ユア・アラマート 2020年5月23日
……おそらく。いや、いる、んだ。それは確かなんだが。 (どう言葉にしたものか、少し迷って) ……実のところ、まだ少し実感がしきれていなくて。戸惑っている所もある。計算の答えは分かったのに、解き方が分からない、みたいな感じで。 (さすがに相手にそんなことは言えないので、これを人に話すのは初めてだ) 結局そこなんだよな。否定はしないが、こういう時相手から見た自分を的確に知れる方法が無いかと思うよ。それがないから、想いに対して自己否定して、絵結果相手の心まで否定する。 (きっと、彼の言う失敗もそういうことなのだろう) ……怒られるのもきついが、泣かれると本当に心苦しいしな。
鳴宮・匡 2020年5月28日
そこは別に“まとも”でなくていいんじゃない。いや、あんたが“まとも”になりたいなら別だけど。でも、別に何かに憧れてそれを目指す――って言うなら、自分にとってそれが“いいもの”であればいいんじゃないかな、って思うけど。(――単純に。これまでの自分はその“あこがれたもの”が、“まともで”“何一つ欠けたもののない”“普通のひと”であったというだけなのだ。――そして。今では、そんなものなど存在しないのだということも、わかっている)……全く同意見だよ。俺の場合、鏡を見てもわからないうえ、変わった、って人に言われても自分で信じきれないみたいなところもあるしな。
鳴宮・匡 2020年5月28日
…………そっか。(それは少し、羨ましいな、と思った。――自分はまだ、“そうあってほしい”と思うのが精々で。自分の中にあるものを“そうだ”と言えはしない)実感がしきれてないってのは、自分の気持ちが、ってこと? ……それでも、その答えが“そうだ”って言えるのはどうしてなんだ?(問いかけはどちらかというと利己的なそれだったかもしれない。彼女の考えを聞けば、自分のこともわかるかもしれない――なんて思いだ。……でも、)(彼女がそれを見つけられれば、いいなとも思った。どうしてそう思ったかはわからないけれど)……“思われる資格がないから”なんて言って自己否定するのは、思ってくれる相手を否定するのと変わらないんだよな。そんなことすら昔はわからなくて、……傷つけたと思う。でも、それがあったから、俺はその人を傷つけるのが苦しいんだ、ってことに気付いて、――ああ、大事なんだな、って理解した、っていうか…………
鳴宮・匡 2020年5月28日
……………………ごめん、最後のだけ聞かなかったことにしてもらえる?