【個別】例えば宵闇の街中で
新堂・十真 2019年10月20日
――ある秋の日の、夜が迫る街の中。
人通りの少ない閑散とした道で、偶然に出会った小さな影。
道に吹き抜ける木枯らしは、少しずつ冷たさを増し
闇に落ちる街の景色を一層寂しい物にしていく。
どことなく後ろを向きたくなる、そんな時刻のこと――。
――街灯に照らされた影は、長く伸びる。
※書き込み可能
新堂・十真
綾峰・鈴
1
綾峰・鈴 2019年10月20日
……こほん。(小さく咳払い。気を取り直して)
おねえちゃんが、無理してた、のは。わかってたから。……わかってるつもりには、……なってた、けど。そういうときに、わたしは、何もできない……から。
わたしは寄り掛かるばかりだから、……おねえちゃんが頼れる相手を見つけたら。わたしのことなんて。……わたし、なんて。
(それこそ、置いていかれる。そんな恐怖心が、声を震えさせて)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
(小さく、息を吐く。僅かばかりの迷い。共に、吐き出して)
……『わたしには何もない』って、言ったよね。……少し、変な話して、いい?
新堂・十真 2019年10月20日
…………(そこまでわかっててなぜ、と口をつきそうにもなったけれど、その後に続く語りを聞いて、こいつは思ったより重傷なのかもしれないと思い直す)
あのなぁ……
(けれど、やはり妹を持つ兄としては、言いたいことも出てきてしまう訳で――)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
……(けれど、それはあくまで自分の言いたいことでしかない。それが鈴の気持ちを楽にするわけでもないだろうと思えば、口を噤み、話を聞くことにする)
……いいよ。
どうせこの場には俺しかいねえんだ。
綾峰・鈴 2019年10月20日
……ありがと。
(小さく礼を言ってから、)
え、っと。わたしも、おねえちゃんも、ダンピールなのは。……知ってる、よね。
新堂・十真 2019年10月20日
聞くだけだ。何もしてやれねえよ
(肩を竦めて)
ああ、知ってる。
だからステラやスバルと仲良いんだよな。
綾峰・鈴 2019年10月20日
ん。そ、そ。なんだか親同士が旅行か何かで知り合ったんだって。
確か十真くんち……新堂さんちは、おかあさんと仲がいい親御さんだったんだっけ。(おとうさんとも、面識くらいはあるかもだけど、と付け足しつつ……)
うちはね。
お父さんが神薙使いで、お母さんがエクソシスト。なんだ。
新堂・十真 2019年10月20日
聞いたことある。それですげー意気投合したとか……
そうそう、あの親父が手放しでほめるんだよ綾峰さんちのお母さんは
その旦那なんだから、ってことでお父さんのことも良くいってたような……
(耳にタコできた、のジェスチャー)
………うん。
綾峰・鈴 2019年10月20日
わたしから見ると、もうちょっと歳とか考えて欲しいんだけどねえ……いちゃつきっぷりとか。
(脱線脱線、と苦笑して、)
……別に、お父さんお母さんと血がつながってない、とかじゃないんだ。
おかあさんの身内がダンピールで、そういう関係……みたいなんだけど。
(小さくひらひら、と、手を振って、)
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綾峰・鈴 2019年10月20日
……おねえちゃんと一緒に依頼に行くなら、わかると思うけど。
おとうさんの剣と、おかあさんの光。おねえちゃん、どっちも使いこなすでしょ?
わたしはね、どっちの才能も、なかったの。
(それ自体は、既に何年も。何年も抱え続けたことで。少なくとも言葉尻は、何の事もないように告げた)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
……おねえちゃんに追いつくために、ちょっと訓練頑張ってた、って言ったじゃない? ……おねえちゃんの剣の振り方、真似してみたり。して。
頑張って、体力もちょっとはついて。……こうみえて、ちょっと強くはなれたんだよ? ほんとに。だけど。
(へらり、へらり。笑みがこぼれる。へらり、へらり、感情がこぼれる)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
……剣も、光も、才がないわたしが。強くなれたのは。
おとうさんと、おかあさんから継いだものが何もないわたしが、その代わりに得たものは。
……『ダンピールとしての力』だけなの。
新堂・十真 2019年10月20日
どこの家庭の両親もそんないちゃついてるの……?(とりあえず、まずそこから反応して)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
……で、ダンピールの力は美羽も持っているわけで。
そうなると持ってる手札が単純に少ない鈴はいつ案で立っても追いつけない、と……そう言う話になるわけだ。
………生まれた時点での差。
姉だけが受け継いだものが自分にない……ってなぁ……。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
……それでも「ダンピ―ルの力」だけで強くなれてるっつーのは
その方面に限定すれば、美羽よりも優れた物を持っているってことなんじゃねーかな………
……と、言ってやりたいところなんだけど……。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
ごめん俺けっこう気持ちわかるわそれ
……………。
綾峰・鈴 2019年10月20日
……うん、うん。
それもあるけど、ちょっとだけ違う。
……これ、おねえちゃんにも言えてないことなんだ、けど。
強くなったぶんね。わたし。……最近、すごく、おなかがすくんだ。
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綾峰・鈴 2019年10月20日
こうやって、ね。十真くんとお話してても、ね。
――『美味しそうだな』なんて。ちらっと、思ってしまうくらい。
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
……なんてね。
(へらり、へらり。……笑顔の意味は、誤魔化しだ)
おねえちゃんに追いつこうと、力をつけようと。すると。……自分がね、どんどん化け物になっていくような感じ、するんだぁ。
おとうさんとも、おかあさんとも違う。……ダークネスみたいな。力。
(ほわん、ほわんと。努めて明るく、いつも通りの口調で話して)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
……わたしが、ヒトでいられるのは。きっとおねえちゃんが傍に居てくれるから、だから。
おねえちゃんが居なくなったら、わたしには何もなくなっちゃう。……きっと、ただの化け物になっちゃう。
そんな風に、思うの。
新堂・十真 2019年10月20日
…………?
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
………………えっ……。
(鈴の言葉を聞くうちに、だんだんと)
(それが客観的な、他人事の相談話から、自分の芯に近づいて来る)
(その感覚は……――――種類は違えども、覚えがある)
(彼女が人を見て『美味しそうだ』なんて思うなら、それは自分で言う所の――)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
――――。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
(何か。何か、この子に否定の言葉をかけてあげなければならない)
(そんな不安は考え過ぎだと。取り越し苦労に過ぎないのだと)
(姉が傍に居なくたって、君は君のままに違いないと)
・・ ・・・
(――君は、人間だと)
(優しく、甘ったるい、気休めを口にしなければならない、と思うのに)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
…………………………。
(――――この子にかける言葉を、僕は何も持たない)
綾峰・鈴 2019年10月20日
…………………………。
(沈黙。重い、空気。ああ、やっぱり、)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月20日
……変な話。しちゃったね? ごめんね、ごめんね。
おねえちゃんには、ナイショだ、よ。今よりもっと、心配かけちゃう。
(唇に人差し指をあてて。へらっ、と。笑顔を、浮かべた。重い空気を払うように。それが、場に合わせるための彼女なりの処世術であるように)
新堂・十真 2019年10月20日
…………いや………。
(――無理だ。分かってる。今どれだけ希望的な言葉を述べたところで、自分自身がその言葉を信じられない)
(だって分かってしまう。自分だって化物なのだ。化物であることを悩む子に、化物から何を言ったってどうしようもない)
(下手なこと言ったって――)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
…………俺も………。
(化物は幸せになんかなれやしない。化物は人間になんかなれやしない。自分の中の闇がいつ周りを傷つけるか、怖くて怖くてしょうがない筈だ)
(何より自分がその闇を怖がっているのだ。人の事を気にしている場合じゃない)
俺も、分かる。………俺も、暴れたり、殴ったり、殺し合ったり
どうしようもなく襲ってくるそんな衝動に抗えなくなりそうな時がある。
(――同じだから)
……ダークネスだから。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
(駄目だ。駄目だ。駄目だ。泣きそうだ。俺の方がよっぽど助けてほしい)
(こんなどうしようもない悩みを、いつか、誰かに打ち明けて、寄りかかって、楽になりたかったのに)
(自分より年下の女の子が悩んでいたなんて。ふざけるな。ふざけるな。聞いてほしいのはこっちの方だ。落ち込みたいのはこっちのほうだ)
……………だけど。
(だけど)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月20日
(ここで、泣きそうな小さな女の子に、強がりすら言えなかったら)
化物で何が悪いんだよ。それでも鈴は鈴だろ。
他の全てがそぎ落とされて残ったものがそれでも、それが「鈴」だろ。
ヒトと違うものを嫌う必要なんて、ないじゃん。
(僕は「お兄ちゃん」ですらなくなってしまう)
綾峰・鈴 2019年10月20日
…………。
(へらり、へらり。笑みが固まった。引きつった。……軽いノリで誤魔化してしまおうと。重い空気を吹き飛ばして、また抱え込んでしまおうと。……そうした目論見が、見事に崩される)
……あ、……え?
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月21日
と、十真くん……も? ……え?
(告げられた、情報量に、ついていけなかった。ただ、わかるのは、)
……ぁ……。
(その言葉は、嘘ではない。けれど、きっと、そのまま全部が本音でもない。似た境遇だからこそわかる……彼の言葉は、何処か自分自身に言い聞かせているようにも、聞こえて。返す言葉に、迷ってしまう)
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月21日
(それでも、)
……っ……。
あ、……あ゛り、が……
(気遣ってくれたのは、わかるから。笑顔の壁が、涙で完璧に崩れてしまった)
新堂・十真 2019年10月21日
……同じだ。俺とお前は、同じ。化物同士。
でも、それでもおれは姉さんの弟だし、澪美の兄貴であることをやめられないし……
こうして、情けなくもずるずる生きてしまってるけど……それでも、生きたいって思っちまうし……だから、その……。
……分かるんだよ、お前の気持ちは。ほんと、よく分かる。だから……。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月21日
…………。
(姉の涙さえ拭けなかったのだ。その涙を拭うほどの、度量はなくて。でも)
……だから、無理にお礼なんて言わなくていい。笑わなくてもいい。
ただ……化物なりに生き方に迷ったら、吐き出していい。
……泣きたくなったら、泣いて良いんだって。
(くしゃりと、少し乱暴に。その頭に、手を置いた)
綾峰・鈴 2019年10月21日
うん。……うん……。ごめ、ごめんね、ごめん……ごめん、ね……
(頭の上に置かれた手。乱暴だけれど、少し心地良くて。自分の癖っ毛が不快じゃないだろうか、なんて。場にそぐわないことを考えた)
……おねえちゃんには。まだ、言う勇気持てないけど……。
でも、ちょっと。元気出た。
(無効票)
綾峰・鈴 2019年10月21日
(ぐい、っと、目元を拭う。……今度こそ、ふわり、と、本来の笑みを、浮かべて)
……ありがと、ね、十真くん。
新堂・十真 2019年10月21日
………。
(これで良かっただろうか。滅茶苦茶なことを言っていたのじゃないだろうか)
(まったくわからないけれど、それでも、「兄」として何もしないということだけは、在りえなくて、だから)
……そっか。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月21日
…………ああ。
(乱した髪を撫でつけるようにして直しながら、手を離し。その掌でぽん、と背中を叩いて)
自分の力が忌まわしくなったら、思い出しな。
同じ立場でも、なんだかんだでデカい顔して生きてる男がいるってな。
綾峰・鈴 2019年10月21日
うん。……でもでも。十真くん、も。
ダメだよー、駄目なときは、ダメって言わないと。
(それは、先日姉から言われて、姉にも返した言葉。自分の事で精一杯で、同じ立場の彼の境遇を分かつことは、今はできなかったけれど)
……わたし。今日は帰るね。
新堂・十真 2019年10月21日
馬鹿。そういうことはお前のお姉ちゃんにだけ言ってりゃいいんだよ。
「姉貴」はたまには労わってやれ。
「兄貴」はな、無敵なんだ。
(なんて、精一杯の空元気。どうせ見抜かれているのだろうなとは思っても、言葉の上でくらいは)
ああ、帰るなら大通りを選んでな。
器量の良さは間違いなく姉貴に負けてねえんだから、お前は。
綾峰・鈴 2019年10月21日
うん。そう、する。
……おねえちゃんのこと、大好きだもん。わたし。
(言葉にするまでもないけれど。言葉にすることで、決意を新たに、したようで)
……?
心配性だなあ、おにいちゃんはー。……なんて。これはちょっとレミちゃんに怒られちゃうからやめとこっかな。
(あはは、と、小さく笑って、)
(演出継続)
綾峰・鈴 2019年10月21日
それじゃ、また、ね。……ありがと。
(ぱたぱた手を振ると、大通りの方へ歩いて行った)
新堂・十真 2019年10月21日
ははっ、大丈夫だ。
そのくらいでどうこうなるほど、俺と澪美はふわふわした兄妹じゃあねえよ。
お前らもそうだろ、きっと。
じゃあな、気を付けて。
(その背が見えなくなるまで、手を振って見送り)
(無効票)
新堂・十真 2019年10月21日
…………。
(無効票)
新堂・十真 2019年10月21日
……………………。
(演出継続)
新堂・十真 2019年10月21日
………………………………………。
新堂・十真 2019年10月21日
……………………ああぁ
………………。