【1:1】夢跡
御鏡・十兵衛 2019年10月15日
【場所】サムライエンパイア・戦場跡
◆誰でも歓迎
【終了目安】
◆30レス
◆二週間返事なし
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御鏡・十兵衛 2019年10月16日
(エンパイア・ウォー。猟兵の華々しい活躍により、幕府軍の被害を最小限に抑えながら織田信長を討ち取るという大勝利を収めるに至った先の戦争は記憶に新しい。しかし、避けられぬ犠牲と言うものはあるものだ。エンパイアを縦断するように広がった戦禍は各地に多くの生々しい爪跡を残していた。)(――この場所も、多くの戦場の内の一つだった。小さくもないが、大きな合戦でもない。人里からは離れた場所にある平原。戦時においては、軍を動かせる場所という価値はあっても、平時においては辺鄙なだけでありとりたてて価値もない、そんな場所。)
御鏡・十兵衛 2019年10月16日
――後回しにされるのも、無理もない話でござるな。(地面に突き立った赤錆た武具を蹴飛ばしながら、拾い上げた首を後ろへぽいと放り投げる。)(落ちた先の深さ数尺程の縦穴には、既にいくつかの先客がおり、光の無い瞳同士をじっと突き合わせていた。)おぶりびおんの骸は煙のように消え、残るは人の骸のみ。無様に朽ちるはこちらばかりなり……と。さぞ無念でござろう。(なあ、と誰に向けるでもなく呟いて、もうひとつぽい)……まあ、変に残られて疫病残されるよりはマシでござるが。(手にこびり付いたものが取れるわけでもないのに、なんとなしにぱんぱんと手をはたいて)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月16日
(ふらりと慣れぬ世界に足を伸ばせば、あるのは骸、骸、骸。骸の山ばかり)(ーー…ああ、そう言えば少し前、大きな戦いが有ったのだったか。)(そう思い至るのは、そこら中に刻まれている人の力を超えた爪痕のお陰だろう)とはいえ、動かないものを眺めて歩くのも……おや?(来た道を引き返そうかと顔を上げれば、この世界の物のように思える衣服を纏った女。その手から今まさに生首が放られた)……豪快な弔いだねぇ。
御鏡・十兵衛 2019年10月16日
(動くモノといえば、己と死肉を狙うからすしかいない静かな場。新たな気配が現れたとなれば、当然それに気づいていて。じっとりとした風に乗って届いた声を捉えながらも、その方へ視線を向けることなく)――生憎と、某一人では手が足りぬのでな?丁寧にやっていては日が暮れてしまうでござるよ。(なまくらと化した武者の武具を拝借。一つ、二つと首を作っては、ぽいぽいと放り込みつつ。不意に振り返って、ようやっと声の主へ視線を向ける)……それで、貴殿はこんなところに用でも?某が言うのもなんでござるが、なーんも無いでござるよ、ここ。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月17日
(足の踏み場を探しては歩を進めながら、彼女が言葉を発し切るのを待って口を開く)あぁ、本当に弔いだったのか……それはよかった、戦場荒らしの類でなくて。(嘘とも本気とも取れぬ口振りで笑みを浮かべるも、必要以上に彼女との距離は詰めず)俺は仕事終わりの散策だよ。この世界にはあまり精通してなくて、今なーんにもないのを実感してきたところ。 だが一人で淡々と墓を作るお嬢さんを見つけられたから、今日は当たりだね……人手はいるかい?
御鏡・十兵衛 2019年10月17日
(戦場荒らしであったならば、どうしていたのか?含みを持たせた口ぶりに、ふと浮かんだ考えは、しかしすぐさま斬って捨てた。問うまでもない。答えは保たれた互いの距離が言外に示している。)なるほど、それはそれは。……ふむ、疲れて…はなさそうでござるが。(恐らく仕事終わりで、通りがかりという言は真実だろう。そもそもの話、嘘をつく理由が見当たらないということもあるが)はは、世辞はよせ。このような死臭まみれの女をつかまえて当たりなどと……む?(手伝いの申し出に、一瞬呆けたように考え込んで)それは、まあ人手が増えれば早く終わるゆえ、助かるでござるが……やめた方がいいでござるよ?タダ働きな上、綺麗なもんじゃないでござるし。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月19日
(言葉の間に何やら思案をしているのだろう。)(だが口振りからして、いきなり斬り捨て御免とはならなそうだーーそう判断して足元から千切れた腕を拾い上げ、彼女の傍らの墓穴へと近付いた)そうかい?……オーデコロンを常に香らせている女より、死臭を纏っている女の方が面白さなら上だと思う、よ。(気遣いには行動で返答をする。土気色の腕が穴に消えれば、両手をはたいて次の死体に手を掛けて)どうせ汚すなら、思い切り汚した方がいい……唯、黙々とやるのはつまらないねぇ。 暇潰しに何故一人でこんなことをしていたのか、聞いてもいいかい?
御鏡・十兵衛 2019年10月19日
おーでころん。(聞きなれぬ言葉に、こてりと首を傾げる。香りの種類の一種だろうか?)……ううむ、面白い…でござるか?ふふ、某みたいなのは珍しい方だと自覚はでござるが……そう評されたのは初めてにござるな。(外の世界の文化に関して疎い己からしてみれば、それこそ未知の感覚で、おかしくて、小さく笑いが漏れる)……?なぜ、でござるか?(んー、と少し考えながらも手は止めず、転がる骸から手際よく首だけを取り、放って、積み重ねていく)――何となく?……ちょうど某は暇していて、目の前には手つかずの跡地。そして、某は適当とはいえ弔いが出来る、と……ならばやるか、とこういう次第で。……ああ、そうそう。身も蓋も無い言い方にござるが、まあ暇つぶしみたいなもんでござるな。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月22日
この世界で身嗜みに使う香りは何と呼ぶのかな……知っていたら教えてくれる?(同じ方へ、やはり同じようにこてんと首を傾げる。しかし相手の笑みを見とめれば、ゆっくりと目を細め) 素手で戦場跡を片付けるお嬢さんが沢山いたら、面白いけれどねぇ……大抵は花を手向けるくらいで終いだろう、それはそれできっと懸命だ。(少し掴んだ程度で手を濡らす体液。手袋は諦め、両手から引き抜いてその辺に放った)…成る程(慣れた処理に呟きを漏らすーー今度は引き上げようとした躯から、首だけを捻り穴に投げ入れ) やれるからやる、道理だね。いいじゃないか暇潰し……君がもし悲壮な表情でコレをやっていたら間違いなく素通りしたよ、面倒臭そうだし。
御鏡・十兵衛 2019年10月23日
身だしなみ……ああ、匂い袋みたいなもんでござるか!(ようやく得心がいったとばかりに顔を綻ばせて)一昔前であれば、片付けというか、骸から食い扶持を得るため女子供が戦場跡を歩くのは普通だったそうでござるが……ま、今の世ならば確かにそうはいまいな。(頷きながらも聞き進めて)――はは、確かにな。湿っぽいのは仏壇の前で十分にござる。戦場の弔いであれば、むしろ淡泊なくらいで丁度良い。このような陰の気の濃い場所に長居するものでもない。さっさと逝くがお互いのためというものにござるよ。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月24日
匂い袋…(袋、という言葉に如何にも可愛らしい小物を思い浮かべ)うん、きっと同じようなものだろう。ありがとうお嬢さん、一つ知識が増えた(動きは止めず、つい今し方手を掛けた躯の装身具を眺めた。当然ながら泥と血に染まり切ってはいるが)ーーこれだけ汚れていても金になるものか。いや、持ち帰って売り物になる程に清めるのかな。 潤う者がいるならば、戦も一概に悪と言い切れないねぇ…(満足すればその頭も穴へと放って)“お互い”の為か、違いない。死んでしまっても清々しくありたいね……ところで、お嬢さんは何者?額の角、人間ではないように見えるが。
御鏡・十兵衛 2019年10月24日
どうでござるかな……“そう”する者の大概は、戦で何かしら失った者にござる。そも戦が起こらなければ、渇きを覚えることもなかったとも言える。(だが、そうはならなかった。戦国の世は、今でいう異常が普通だった程に戦に溺れていたのだ)しかし結局の所、戦そのものは手段であり、結果にすぎぬ。善悪が問われるとすれば、そこへ至るまでの過程にござろう。何も無い所から戦は生えぬ故な。
御鏡・十兵衛 2019年10月24日
(会話の弾みと共に、首も弾む。小気味よいりずむで、気味の悪い首が刎ね飛ぶ)某が何者か?そりゃあまた難しい…(視線の向く先と続く言葉で問いの意味を知って)…ああ。(聞かれるのは随分と久しぶりのことで、思い至らなかった)某は『羅刹』という種族にござる。察しの通り、羅刹は皆『黒曜の角』を持つ。形はばらつきがあるでござるがな。(コンコン、と軽く角を小突いて)ほれ、有名どころで言えば、このエンパイアの将軍様もそうでござるよ。見たことある?あの赤髪で女顔の。将軍様はアレよ、某なんかよりめちゃくちゃツンツンしてるでござるよ。角が。(あとは……と少し考え込んで)体格は華奢な者が多く、その割に力持ち……らしいでござるが。(最近ちらほら見かけるようになった、体格良くて筋骨隆々な羅刹たちを思い浮かべて)……うむ。華奢云々の方は忘れて良いでござるよ。某もわからぬ。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月26日
ふむ……中々、哲学的な事を考えながら片しているのだね、君(薄汚れた戦旗を広げる、男の知識に類似する物はないが、恐らくは所属を示す紋章だろう)(其れは真四角に畳み、隅に避けて)命の取り合いと善悪とを絡めると、大抵ややこしいのだよねぇ。 開幕の合図を出すお偉方だけではない……生きる為に死者の身包みを剥ぐ女子供だって、知らぬ間に将来の敵を作り出している。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月26日
羅刹?へぇ、君らが羅刹か……(良い音を響かせる角を興味深そうに見つめ)立派なものだねぇ。華奢だが怪力な種族がいるというのは聞いていたが、話したのは多分君が初めてだな。 通りで脱力しきった死体を捌き続けても、息の一つも切れない訳だ(屈めていた腰を反らし、ため息と共に辺りを見回して)赤毛の将軍様とやらならグリモアベース、だったかな?資料で見た事があるよ……彼、男だったんだ。
御鏡・十兵衛 2019年10月26日
いやいや、哲学的などそんな。さんざっぱら言われてることでござるし、某のは受け売りでござるよ、受け売り。(ややこしい、という言に心底同意して)まあそも、善悪の定義も不確かでござるしなあ……某は出来るだけこう、無縁で居たいもんでござるな。(一つ、首を断ち、のんびりとした足取りで穴の方へ)男、という話でござるな。女子だらけの大奥もあるでござるし、嘘ではあるまい。(穴をのぞき込んで、それからぐるりと周囲を見渡して)……さあて、粗方刎ねきったでござるかな。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年10月27日
否応なしにこういう場に関わらなくてはいけない者なら、心構えとして授けられて損はない受け売りだ(一つ頷き)ふふ、ややこしい話には俺もお近付きにはなりたくないねぇ。(彼女の手が止まれば畳んだ戦旗も穴へと投げ入れて)……こんなものかな。してこの穴、埋めるのかい? それとも先に焼くものなのかな。
御鏡・十兵衛 2019年10月28日
いや?焼かぬ。焼くための薪も用意してないでござるしな。(首だけとはいえ、綺麗に焼くためには相当量の薪が必要になる)まあまあ無難が一番ということで。埋めるでござるよ。(指折りながら)埋めたらばー……後はどれだけ凝るかって領域ゆえ、武具や木板でも刺すか、岩で重しにしつつ何かしら彫るか……ってとこでござるか。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月1日
薪と来たか、本格的。焼くのはタブーではないみたいだがUCで一気に、と言うのは彼らも嫌がるかな……火を扱う技、俺は持っていないのだけど(提案に一つ肯くと、辺りに転がる板切れを手に、ばさりと遠慮なく土を被せ)先程の話を聞く限り、弔いの意味で態々掘り起こしに来る者はいなさそうだ。岩でいいんじゃないかい? 羅刹君の豪腕も見てみたいしね。
御鏡・十兵衛 2019年11月2日
いやあ、変にだらだら焼かれるよりはスパっと一気に焼かれた方が某は良いと思うが。死者は物言わぬでござるし。そこは都合の良い方で……とまあ、某も火は扱えぬのでござるが!(適当な状態の良い鎧を引っぺがし、ぐにっと捻ってスコップのような形に成形。土をかぶせて)比べてみたことはないでござるが、察するに恐らく、某は同族の中では比較的力の弱い方ゆえ、あまり期待はしてくれるな。(言いながらも、手頃な岩はないかなと、ぐるりと辺りを見回しみて)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月4日
互いに持ち合わせていないものは仕方ない。手を出したからにはあるもので礼を尽くそうか(手製のスコップが力づくで錬成される様に、目元を少し擦って。瞬く)へぇ…………力、弱い方なのか。(では一体、一番強い羅刹の力は如何程だと言うのか。)無理をさせる気はないがアレなんてどうかな…いけるかい?(指し示す先には男の背丈より、一回り程大きな岩)
御鏡・十兵衛 2019年11月7日
剛剣やら金剛棒やらを扱う羅刹であれば、もっと強いと思うでござるよ?某は刀を十全に振るえれば良し、過度な筋力は必要としておらぬゆえな。(言いつつ指先に釣られて目線が動く、その先に鎮座する岩を見て)なるほど、良いのではないか?形の荒い部分は置いてから整えれば良いでござるし。(さわさわと掴めそうなところを探ってから、ふっと息を吐き出すと同時に持ち上げる)……っとと、そこでござるなあ……っとお!(背丈が自身より大幅に大きいのは運びにくいのか、少し姿勢をぐらつかせながらも歩く。首塚の元まで運んで、ゆっくり下ろす……のは失敗し、落とした。ずしん、と響く鈍く重い音)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月9日
……!(ずしりと伝わる其の振動に、力を込めた足元が微かにぐらついた)…ブラボーお嬢さん。すごい、もう墓の形が出来てしまった(パチパチ。暢気な感嘆の呟きと合わせた拍手を贈り)百聞は一見に如かずとはよく言ったものだね?面白い物を見られた。 その腕力ならば確かに、腕力を直に伝えられる武器を振るえば強いんだろうが……君の得物は剣なのか(どう整えようか、そんな視線を墓標に向けたままに顎を撫で、問う)この世界のヒトがカタナを下げていても不思議には思わないけど、何故剣術を選んだんだい?
御鏡・十兵衛 2019年11月10日
ふむ……(そもそも、己に選択肢などなかった。故に)選んだ、とは言えぬでござるな。理由らしい理由もない……環境、でござるかなあ。(腰の刀を鞘ごと抜いて見せながら、墓標の脇にどっかりと腰を下ろす)某の――御鏡のお家は水神を祀り、剣舞により鎮める巫術の家に端を発した、らしい。(他人事のように話すのは、十兵衛も事実を聞いたのみであるから)そういう基があるからでござるかな、今も残る剣の技や基礎も刀剣を前提にしたものばかり。(そこまで言って、しっくり来る言葉が浮かんできて)…端的に言えば、他の武器では“合わぬ”のよ。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月10日
成る程。(彼女へ、刀へ、と視線を下げる)それはさぞかし、必要とされた御家だろう……例え治水の備えが出来ても、自然が本気で暴れればヒトにはどうしようもない。 しかし生きる為に切り離せるものでもない(水神が水害の比喩ではないのだとしたら、尚更。そう言って肩を竦め)其れが環境によるものだとしても、手に馴染むモノがある。良い事じゃないか……君でなくては合わないのは、案外その刀の方だったりしてね?
御鏡・十兵衛 2019年11月11日
さて、どうでござるかな……(僅かに鯉口を切り、覗いた刀身をじっと見つめる)そういう貴殿の方はどうなので?腰の得物から察するに、双剣の二刀流のようでござるが(一刀と比べ、二刀を同時に振るうのは思った以上に難しいモノだ。生半な技量で手を出せば、逆に枷になりかねないが)……随分と“やる”ようで。得物が先か、技が先か……少し興味があるでござるよ。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月13日
……さて、どうだろう?(声色は冗談めかしたまま。ジリ、と踵を引き)一刀も二刀も同じ……とは言い切れないね。 だが得物が先ではあるんだろうと思う、ヒトの形を成した時には、もう鎧と共に二本、腰に下がっていたから。
御鏡・十兵衛 2019年11月14日
その口ぶり……なるほど、合点が行った。(ヒトの見た目をしていても、純粋なヒトではない。恐らくはヤドリガミか)生まれながらか、それとも継いだか…(興味はあるが、深く詮索する程野暮でもない。それに、興味があるのはむしろ)……ふふ、そう警戒せずとも何もせぬと言っておろうに。(某、そんな危険そうに見える?と小首を傾げながら呟いて)
御鏡・十兵衛 2019年11月14日
――それとも、“それ”がお望みか?(感情も、殺気すらもない無色透明な問い。それは“確認”だ。一度始めれば、決してじゃれ合いでは済まない。済まさない。)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月17日
うん、……きっと君の想像は正解(簡潔な返事ではあるが、言わんとするところは伝わっただろう)生まれながら、という事にしておこうか。俺の作者も持ち主も、今はもう存在しないものだ。 ーー……確かめようのない事を考えるのも、暇潰しには悪くはないけどね?
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月17日
警戒もするさ(顎を撫でる手は剣のグリップではなく、首から下げたチェーンに触れーーチャリ、と小さく音を立てた)……水はどれほど澄んでいても怖いものだ。そうだろう?
御鏡・十兵衛 2019年11月18日
……(問いには答えず、濁された言葉が返ってくるのみ。だが、少なくともここで仕掛けるつもりが無いことは察せられた)
御鏡・十兵衛 2019年11月18日
――はは、確かに。水にはそういう面もある。理由としてはわからなくもないでござるが。(こちらの性を見透かしているのかはわからないが、えらく警戒心が強い、読めぬ男だ)(破顔と共にからからと笑いながらも、細めた眼は手の動きを捉える。恐らくあの先が“本体”か。それとも、あえてそう見せているのか)――まあ、構わぬか。すまぬな、余計警戒させるようなことを言って。(傍らの墓標をぽんぽんと叩いて)文字を刻むにしろ、形を整えるにせよ、後は町のものらに任せるが良かろう。いやあ助かったでござるよ。(珍しく虚飾のない、本心からの言葉。誰だって面倒はない方がいいのだ)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月20日
……(何方へ転んでも愉快だ。いや、“だった”ーー相好を崩した彼女によって、此方の警戒も徐々に解かれていた。残るのは、僅かばかりの口惜しさ)(相手の出方次第では武器になっていただろうチェーンから、掛けた指をするりと外す)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月20日
すまない、少し適当を言った。知ったかぶりは良くないな(実際、ヒトほど水害などは経験していない。彼女に水を感じたのは、きっと先程の御家話の所為……そう濁し、また微笑んで)お嬢さんだ、と舐めて掛かる男よりは、小心者の方が多少マシと言うことで、一つ……うん。美味しいところはヒトにも残してあげよう(もう一度、無骨なフォルムで堂々と立つ岩を見上げ。見えないその下に目を伏せて。小さく十字を描いた)……此方こそありがとう。楽しかったよ、御鏡君?(でいいのかな?そう付け加えて)
御鏡・十兵衛 2019年11月21日
構わぬよ。某も結構適当言ってるゆえ、おあいこでござる。(十字を描く姿に続くように、墓前に水筒を備える。)……某は嗜まぬのでな、くれてやる。(祈りはしなかった。空っぽの祈りなど、向こうも求めてはいないだろうから)ほう、よく覚えてるでござるな。如何にも。某は十兵衛…御鏡・十兵衛と申す。貴殿の名を伺っても?(自然を口を突いて出た問いかけの直後、ふと気づいたように慌てて)……ああ、別に後で探して襲おうとかそういうことは思ってないでござるよ?他意はない、他意はないでござる。
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月22日
(あれは水、だろうか?確かに此処に花などなさそうだけれど…ーー祈りもなく添えられた彼女の供物を不思議そうに眺め)弔い方も色々か……世界を渡るのは、やはり本を読むより面白い(独り言のように呟いた)あぁ、それで合っていたようだね。御鏡……ジュウ…ベエ君? 不思議な響きの名だな、勇ましい…感じ?(そう判断を下すには、少々この世界の女性名の情報が不足しているのだが。あくまで何となく、そう感じて)
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月22日
(何やら慌てている彼女。不思議な状況に、軽く気が抜けたようにこてりと小首を傾げ)俺はアンテロだよ、アンテロ・ヴィルスカ。 忘れてしまってもいいし、突然斬り掛かって来てくれても構わな………あぁ(そこまで言って過剰な警戒に対する配慮か、と気付き)ありがとう、大丈夫だよ。
御鏡・十兵衛 2019年11月24日
(供え物を不思議そうに眺める視線に気づき)ああ、コレにいれてはいるが、中身は酒にござるよ。定番でござろう?こういうの。(他の世界ではどうかは知らないが、きっとそう変わったものでもないだろう)十兵衛は男子の名ゆえな。そう感じるのも無理はない。他の女子はもっと違う感じでござるよ。……某からしたら、そっちの方が不思議でござるがなあ。(こんきすたどーるやら、異界の者らの名前はまったく馴染みが無い)(あんてろ・ヴぃるすか。たどたどしい発音が、しっくり来るものになるまで何度か口の中で転がしてみて)……うむ。まあ貴殿の実力に興味はあるがな、それだけでは斬らぬよ。いずれ、その必要が出てくれば…にござるな。(その時が訪れるか否かは、まだわからない)(ぱっぱと着物の裾をはたいて)…さて!では某は先に失礼するでござる。また会うかはわからぬが、その時は茶でも馳走させて貰うでござるよ。ではな、アンテロ殿!
アンテロ・ヴィルスカ 2019年11月25日
墓前に供える酒に男の名か……知った気になっていても、まだまだ知らない事は沢山あるようだ(小さくなる背を見送る姿は、やはり楽しげで)うん、また何処かで…ーー達者でね、ジュウベエ君。(彼女の姿が消えきらないうちに、元来た道の方へ男も踵を返した)
御鏡・十兵衛 2019年11月25日
兵どもの夢の跡。
羅刹と宿神、ただ話して、ただ墓を作った。
剣も交えず、名も最後に交わすような、世間話のような語らいであったが、それで良かった。
此度はただの暇潰し。
肩を並べるか、剣を交えるか。
この先の関係がどうなるかは、また次の機会に――