【縁香】穹への階
雨糸・咲 2019年9月9日
晴れた日。
湖面を吹く風に僅かに秋の香が混じり始めた頃。
扉の傍に、少女の姿を見つけた。
真白い翼と、髪に小さく揺れる花
店内を窺う様子に口元を綻ばせ、
店の主は小さな客人の元へ歩み寄る。
「ようこそいらっしゃいませ。
色々ありますから、良かったら中へどうぞ。」
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ウェイティングリストでご指名下さったお客様との1:1RPです。
他の方の書き込みはご遠慮下さい。
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雨糸・咲 2019年9月17日
私自身が結構鼻が敏感なので、強い香りが混在すると酔ってしまうんですよね…なので、お客様にはなるべく快適に過ごしていただきたいなと。あと、客商売の基本は気配りだと本で読みまして。(真面目な顔でぐっと拳を握る。)
私、お年頃なのですか。(よく解っていない故の曖昧な頷き。人の姿を得た時から凡そこの姿のまま変わらず、自身の年齢に関する意識が希薄だった。)
私には小さい頃というのがありませんので、憶測でしかないのですけれど。ティルさんくらいの年齢ですと、一般的にはもっと自分のことで手一杯な感じかしら、という気がしたのです。
ティル・レーヴェ 2019年9月18日
おお!そうであられたか。じゃが少し気持ちは分かる気が致すのぅ。妾も強すぎる香りはいささか苦手じゃなぁ(かつてとても強い香りの御仁と擦れ違うてトラウマ気味じゃ、と渋い顔で告げた)じゃが、この店に満ちる香りは程ようて心地いい。咲殿の勤勉な気配りの成果じゃな(真面目に拳握る様に頷いて)
ほほ、俗に言う年頃、という年齢の範囲じゃなぁと思うた限りよ。花と咲く物語もその辺りの御仁が主人公のものをよく見かける。……まぁ、自分で言うておいてなんじゃが、日々を楽しみ心咲いて居れば、幾つだろうがお年頃、じゃと思うがの(ころころと笑って)
まだまだ物知らずな所は多いが、我ながら子どもらしゅう無い自覚は多少ある。気づけばこうであった故、無き記憶の向こうで、こうなる生い立ちでもあったのじゃろうが(ふむ、と軽く首傾げて)
雨糸・咲 2019年9月18日
(まだあどけなさの漂う少女の顔に浮かんだ渋い表情を見て、頷きと共に少しばかりの苦笑い。)香りや音は、避けるのが意外と難しいですものね。自分も気を付けなくちゃ、と思うことが時折。(心地良いとの言葉には安堵の笑みを浮かべた。)
なるほど。確かに、ちょうど半人前から一人前に向かっていこうとするくらいの年齢でしょうか。幾つであってもお年頃……ふふ、それは素敵な発想ですね。にこにこ可愛らしいおばあちゃまとか、憧れます。
(何ということのない口調で語られた話に、鏡写しのようにおやと首を傾げて、)…ティルさんは、小さい頃のことを覚えていらっしゃらないのですか?
ティル・レーヴェ 2019年9月20日
香りに慣れて、知らずのうちに徐々に纏う香りが強うなる……とも聞くでなぁ、かの御仁も悪気はなかろうが。ほほ、そうして意識されておれば咲殿はきっと大丈夫じゃ(そ、と笑んで)
うむ、うむ!無邪気に駆ける幼な子も、穏やかに笑む嫗殿も、その時をきらきらと輝き生きる様はまこと鮮やかな姿よのぅ。妾が思うに、その憧れの姿は咲殿の未来に描けそ……(と言葉を切って)む?そう言えばヤドリガミ殿の見た目は、歳を重ねられるのであろうか?そのまま?(はて、と首傾げ)
(こて、と鏡写しな姿と続いた言葉にこくり、と頷いて)実は猟兵となる前の記憶が随分と朧げでのぅ。しっかと解る記憶の初めは、ダークセイヴァーのある廃都市に佇む姿じゃ。まぁ、幸いに白紙ではなく、ある程の知識や所作が身に残っておる故、生きるに不自由はないがのぅ。
雨糸・咲 2019年9月22日
そうなのですよね。私は普段何もつけていないのですが、こうして仕事で香りに囲まれていると、慣れてしまうところはあります。…慣れというのは、何事でも気を付けたいところですね。
(みらい…と呟く。示された疑問は自分も時折考えることで。)どうなんでしょう?私は人の姿を得てから何年か経ちますが、最初の時から変わっていなくて……。今のところは便利だなぁ、ぐらいに思っているんですけど。誰か一緒に歩む方が周りにいれば、同じように年を重ねられたら、と思うかも知れません。
(時折頷いて話に耳を傾け、)廃都市、ですか…。(つまり、気が付けば独り、ということだろうか?少女は、不自由は無いと言うけれど。)その……どなたか、ティルさんをご存知の方がいらっしゃったりはしなかったんでしょうか?…寂しくは、ないですか?
ティル・レーヴェ 2019年9月23日
確かに。何事も慣れに浸ってしまうと、あらゆる事を見逃しがちになってしまう故になぁ(妾も気をつけねば、と頷き、問いに先ず返った疑問符には軽く瞬いて)おぅや、と言うことは厳密にはよく分からない、と言う感じなのであろうか?……ふむ、なるほど。少なくとも今は、御身に経年の変化はないのじゃな。ならばいつか、妾が其方と並び追い越す日が来るのやもしれぬのぅ(そぅ、と少し高い彼女の目を見上げ)
ティル・レーヴェ 2019年9月23日
(既知の者は居ないか。寂しくはないか。そう問われれば少し思案して)うむ、今の妾が始まりし時、周りには誰もおらなんだ。ただ、切れたこの金鎖を纏った妾だけが在った。寂しい、と思う間はなかったのぅ。幸いに、猟兵としての力があり、直ぐに世界を跨ぐこととなった故に。寂しさに浸るよりも出会いが多かった……いや、今も、じゃな(其方もその1人、と告げながら)じゃが、そうじゃなぁ……遥か朧な記憶の向こう。妾には何が在ったのか、誰がおったのか……気にならぬと言えば、嘘よの(そ、と目を伏せつつささやかに笑って)
雨糸・咲 2019年9月28日
そうですね。この身体はそもそも本体ではありませんし…もしかしたら結構自由自在だったりするのかも知れませんが。(そうなるとますます便利、と、真面目な顔で小さく呟く。)確かに、こちらが変わらなければいつかは逆になってしまいますね。…ですが、出会った時の印象というのは大きいですから。ティルさんが素敵なレディになられても、私はやっぱり「可愛らしいお嬢さん」と思ってしまいそうです。
雨糸・咲 2019年9月28日
そうですか…(切れた鎖。小柄な少女の首に、腕に、揺れるそれにちらと目をやる。単なる装飾品であれば良いけれど……そうではない、ような。しかし、あまり踏み込んだ質問は不躾な気がするし、彼女自身も恐らく覚えが無いのだろうと考え、それ以上訊ねはしなかった。)出会いは力になりますものね。私もティルさんが寂しくならないようにお手伝いできているなら嬉しいです。(にこり微笑んで、続く声にゆっくり頷き、)ご自分のことですものね、気になるでしょう。(それは、必ずしも良い思い出ではないのかも知れないけれど。)過去も今も、確かに存在するものですから。今を大事に生きていれば、どこからか思いがけず過去がちょこっと顔を出したりするのかも知れません。(こんな風に、と、ポットの蓋を持ち上げれば、蓋の裏側に花の絵が描かれていた。見えないところへ施された意匠。)
ティル・レーヴェ 2019年9月29日
そう言えば咲殿の御身はお籠であったか。ほほ、具現するヒトとしてのお姿が自由であれば、確かに便利そうじゃなぁ。幼子な咲殿や妙齢の咲殿のお姿も興味深く思う(真面目な顔で呟かれた言葉を拾えば、微笑みながらに頷いて)おやおや、そのように接してくれる方が居れば、歳を重ねたとて気持ちは若うおられそうじゃなぁ。そも、妾が素敵なレディになれれば良いが(ころころと笑って)
ティル・レーヴェ 2019年9月29日
(己の金色に向けられた視線、そこに飲み込まれた何かがあると感じれば微笑んで)鎖や枷の用途が如何なものかは存じておる。嘗ての妾はどうであったかは分からぬが、此れのお陰で妾は名を失わなんだ(パカリと枷を一つ外せば内側には"ティル"の文字)いざとなれば斯様に外れる。お守りとでも思うて貰えれば……なんて、ほほ、聞かれもせずに自分語りが過ぎたかの?(告げながらに笑うも彼女の言葉とポットから見えた花の絵には瞳を輝かせ)おお、おお!本当じゃ!ほほ、そうじゃなぁ、見えずともそこに確かに在るもの、か。その花のやうに、真昼の月のように、優しゅう寄り添っておるのやもしれぬの。
雨糸・咲 2019年10月17日
年齢が自由自在なら、お仕事の時に重宝しそうですよね。変装の達人になれそう……あ、これだと変装と言うより変身になってしまうでしょうか。でも、私のこの姿は実在した方を模したものなので。私の中では、このくらいの年齢以外の選択肢は無かったのですよ。(幼い頃ならまだ記憶にあるが、例えば中年と呼ばれる年齢以降の姿は想像もつかないのだと、少し困った顔。)ティルさんなら、今のまま時を重ねればきっと素敵なレディになられるのでは。(ティーコージーの意匠に素直に喜色を浮かべた様と、今品良く笑う様と。可愛らしい淑女と呼ぶに充分なように思えて。)大人の知識や品性と、若者の素直さや溌剌としたところが共存できたら素敵ですよね。
雨糸・咲 2019年10月17日
(お守り。こちらの想いに気付いてくれた上での返答か。名の刻まれた金の枷を見、謝意を込めてゆったり頷いた。)そこに、ご自身を知るきっかけがひとつ、あったのですね。いいえ、おかげで安心しました。私は元々、人の身近にあったものですから。他の方の物語を伺うのが好きなのです。教科書のようなもの、とでも言いましょうか。
(紫水晶のように輝く瞳に微笑んで、そっと蓋を戻し、)顔を出したそれが、優しいものであればと思います。そうでない場合も勿論あるでしょうが……それもまた、乗り越えるべき時を教えてくれるものなのかも、という気がして。今ならできる、みたいな…勝手な想像ですけれど。
ティル・レーヴェ 2019年10月21日
ほほ、確かに返信の達人となれば依頼の地で大活躍出来そうじゃな!『ある時は愛らしき少女、またある時は妖艶な美女、しかしてその実態は!』なんて煽り文句でもつきそうじゃ(と、楽しげに笑っていたが、困った顔とともに続いた言葉を聞けば瞬いて)おや……それは……(歳を重ねた姿を知らぬ、其れはそれ以降かの人との縁が途切れたということ。模して自分の身とする程には浅からぬ縁であろうに……と思考巡らせれば、少し躊躇いがちに、しかし目の前のその人を知りたいと思う気持ちも後押しして口を開く)そのお方は、咲殿にとって、どういう?……ああ、話せる範囲でいいのじゃが(と、小さく付け加え)
ティル・レーヴェ 2019年10月21日
ほほ、そうであれば嬉しいものよの(ほのりと面映さを顔に浮かべながらも、向けられた言葉は素直に喜びへと変えて。柔らかな花のような彼女の紡ぐ言葉なればこそ、その言葉が現実となればいい、と。そう思った)そうなれた暁には、咲殿にその姿、見て頂きとう思う(己を語る言葉の末に、やんわりと頷く姿を見れば、此方もどこか安心したように)そう言うてもらえたらば、妾も良かった。教科書、か。妾の話も其方にとっての何かになれたならば、其れもまた喜ばしく思う(そっと柔らかく目を伏せて)咲殿は優しいのぅ。ふぅわりと包むような言の葉と思いが温かく思うのじゃ。勝手な想像と其方は申すが、まことのことと妾は思うよ。その時が来たときに、どちらであっても、咲殿のその言葉が妾の支えの一つとなろう(ありがとう、と言葉を添えて微笑んで)
雨糸・咲 2019年10月24日
あ、そういうの本で見たことがありますよ!怪盗、って言うのですよね。(決め台詞のような言葉に楽しそうに笑う。)
(気遣う声音にあぁ、と頷いて、大丈夫ですよと微笑んだ。)3番目の持ち主さんですね。私は人に使われる「もの」ですから、主さまは皆さん特別なのですが。その方は、――最後の持ち主さんの、とてもとても大事なひと、なのです。
雨糸・咲 2019年10月24日
うふふ、承知しました。楽しみにしていますね。(成長を見守る。何だかばあやさんにでもなった気分です、とくすくす笑う。)
私は割と頭が固い方なので、自分の考えに縛られがちなところがありまして…。先ほどティルさんがお守り、とおっしゃったのが、自分の中に無い発想だったので驚きだったのです。物事を前向きにとらえるのは良いことだと解ってはいても、つい忘れてしまいがちで…改めてそれに気付かせていただきました。これも立派な学びですよね。
雨糸・咲 2019年10月24日
優しいかどうかは、対する相手の方にもよる…でしょうか。きちんとしている方にはこちらも丁寧に接しようと思いますが、甘くはない方ですよ。(それはそれとして、支えになるだろうと言われるのは勿論嬉しい。少女の伏せた睫毛は、今はまだ彼女自身を細く柔く見せていて、)せっかくですから、支えのお手伝いになれるような、簡単なものを見繕いましょうか。ティルさんは、お好きな香りは何かありますか?好きな花や果物とか、ふんわりした方向性だけでも構いませんよ。
ティル・レーヴェ 2019年10月28日
そうじゃ!咲殿も書物で見たことがあられたかえ?義賊を描いたものばかりではないが、何故かこう……怪盗という存在にはわくわくと浪漫めいたものを感じる故に不思議じゃなぁ(楽しげな笑いに重ねて頷いて)
そうか、長く長く人と共に在られると、主人殿も代々と。その身は3度目の出逢いに得たお方なのじゃな。……そうか、咲殿にとって、そのお姿の方と、最後の主殿は、きっと一入にお心に刻まれた方なのであろうな。差し支えなければ、お二方のお名前を聞いてもよかろうか?……ああ、じゃが、其方にとって大切な名であろう、もし秘めたければ無理にとは申さぬよ(と、再びに小首を傾げ)
ティル・レーヴェ 2019年10月28日
ほほ、咲殿が見守ってくれたらば、己らしくも素敵な淑女となれそうじゃ(ばぁやというよりは……とも思ったが、見目よりも長く生きてきた彼女の感覚ではそうなのだろう、と思い直し、そのまま受け入れ顔を合わせて笑った)
おやおや。こうして話していて咲殿に頭の硬いイメージは無かったが……自分以外のお方から思わぬ発想に出会えるというのは確かにあるのぅ。ほほ、そこから、驚きをもってして、学び、と素直に受け止められる咲殿はやはり柔和な頭をお持ちとは思うがの(そっと微笑んで)成る程、なればこうして優しい対応をして貰えている妾は、少なくとも今はきちんとできておるという事じゃろうか?それはそれで自信になるのぅ(と、ころりと笑い、提案には瞳輝かせて)なんと、それは嬉しい!ふむ、そうじゃなぁ。好きな花と言えばやはり身に宿す鈴蘭か。藤や芍薬も好みじゃなぁ。香りで言えば沈丁花にはつい足を引かれる。果物は桃や桜桃が好きじゃ!
雨糸・咲 2019年11月1日
世を忍ぶ仮の姿、とか…2つの顔を持っている、みたいなのって何だか面白そうですよね。(わかります、と頷く。)
一際心に刻まれた、というのは確かにそうかも知れません。何と言いますか、――心残りがたくさんあって。(名前を、との言葉に目を伏せて緩く首を振った。)すみません。大切、ではあるんですが。それ以上に、軽々しく口にしてはいけない気がするのです。……上手に説明できないんですが。その内、気持ちの整理ができた時にお話しできればと。
雨糸・咲 2019年11月1日
こだわりの無い部分も多いのですけれどね。ここは!というポイントでは頑として譲らないタイプなのです…恥ずかしながら(こほんと咳払い。)はい、ティルさんは優しいお嬢さんなのです。胸を張ってくださいね。うふふ。
(好む花や果実の名が挙がると、棚からメモを出してそれらをさらさらと書きつける。走り書きした字はあまり綺麗ではなく、聞き終えてから幾つか軽く書き直した。)鈴蘭、可愛いですよね。藤に芍薬に沈丁花、桃とさくらんぼ……なるほど。女性らしい、上品で華やかな香りがお好きなのですね。(ふむふむと頷きながら、)では、えぇと…品物は何が良いでしょうね?本を読むのがお好きなら栞とか、お手紙をよく書かれるなら手紙用のコロンとか…オーソドックスに入浴剤という手もあります。どういう場面で香りがあると良いな、とか、ご希望はありますか?
ティル・レーヴェ 2019年11月3日
――心残り。そうであったか(すみません、と告げられた言の葉には、そっと首を横に振って)いや、妾こそ立ち入ったことを、失礼いたした。お名前も、思い出も、どうぞ咲殿の中に。この先続く縁の中、いつか口にして良いと思われた時に、妾も聞くことができたなら、と。そう願わせて頂こう(告げてはゆったりと微笑んで頷いた)
ほほ、それは咲殿の中にすっとさんが通っておるが故。恥ずかしがることはないと思う。柔和で在りながら、芯のあるお人というのは実に魅力的じゃと妾は思うぞ(咳払う姿に微笑ましげに笑って)
ティル・レーヴェ 2019年11月3日
ほんに、愛らしき花よなぁ。妾もこの身に抱けて嬉しく思う(こくり、こくりと機嫌よく頷いて)おお、香り付けできるお品物も色々とあるのじゃなぁ。手紙用のコロンと言うものもあるのかえ?それはとても興味深い(興味をひいたのか瞳を輝かせて)己の傍に置く栞も魅力的じゃが、送る封の中に己の好む香りを添える……と言うのもロマンチック、と言うやつじゃな。ではその手紙用のコロンを頼めるじゃろうか?
そういえば、咲殿にも特段お好きな香り、というものはあるのじゃろうか?(数多な香りに囲まれて過ごすであろう彼女の好きな其れはなんだろう、と。純粋に興味が湧いた)
雨糸・咲 2019年11月7日
いいえ、どうぞお気になさらずに。関心を持っていただけるのはありがたいことですから。(柔らかく笑み返せたのはきっと、彼女の笑顔が温かかったから。)
魅力的……だと嬉しいです。(真っ直ぐな賛辞に少し照れて視線を泳がせつつ。)自分では足りないところばかり目についてしまって。ティルさんはそういうこと無いですか?
雨糸・咲 2019年11月7日
オラトリオの方は、生まれた時から髪に花が咲いているのですよね?あまりたくさんお会いしたわけではないのですけど、皆さんご自分に似合う花をお持ちのようで。自然とお人柄を表すようなものが咲くのかしら、なんて思っていました。自分の花、と思うと愛着も湧きそうで。ちょっと羨ましいです、ふふ。
(輝く瞳に嬉しそうに頷く。)はい。お手紙に香りがついていたら、受け取った方が封を開くのもちょっと楽しみになるかしら、って。(グリーンノート、瑞々しい甘さ、清潔感……ぶつぶつ言いながらメモに走り書きし始めた手が、問いかける声に少し速度を緩める。)私は、そうですね……白檀とか檜みたいな樹の香りが結構好きで。ムスクとかリンデンとか藤みたいな、上品なのも良いですし。お花なら一番は菊です。ちょっと青っぽい感じが良いなって。あぁでも、干したお布団や焼きたてのパンの香りも捨てがたいのですよね……。(方向性が徐々にずれ始める。)
ティル・レーヴェ 2019年11月8日
そう言うて貰えたらば有難い。(告げて、続けた言葉に照れる様にはまた笑み深め、問われれば瞬きひとつ)ふむ……無い!――と、言えれば格好いいのやもしれぬが、妾も同じよ。あれも、これも、己では未熟なことばかりに思える(そっと眉下げて笑って)じゃが、故に。己に見えぬ部分を、誰かが見つけてくれたなら――素直に受け止めたいとも思うておる。きっとその目に映った妾もまた、確かな妾じゃと思うから。そう見てくれたその方々に恥じぬ己でありたい、と。自分を見つけて形としたい、と。そして、お相手に見たものもまた、伝えてゆきたいとも思うのじゃ。ほほ、これもまた、しっかと出来ているかはわからぬがの。
ティル・レーヴェ 2019年11月8日
ああ、それは。妾も最初はそう思うておったのじゃが。文献によればどうやらオラトリオという種は、覚醒してこの姿になるらしい。元は人間なのだそうじゃ、我がことながら不思議よの。じゃがそれ故に、咲く花も各々の潜在を表すのやもしれぬなぁ(そっと髪の花に触れ)そう言えば咲殿もいつも髪に花をつけておられるのぅ。それは、白菊かえ?
(真剣な顔で書き留める姿に、この店の主人としての表情を見て、その様子を見つめつつ)ほぅ、白檀や檜。あれも良き香り――(頷きかけて矢継ぎ早。止まらず挙がる香りは、あれこれと広がりを見せるもその良さも確かに分かって頷きもひとつ、ふたつ。本当に、『香り』が好きなのだな、と伝わる其れが何やら温かくて)ほほ、ほんに、ほんに。どれもまこと魅力的。咲殿は好きに囲まれておるのじゃなぁ。
雨糸・咲 2019年11月12日
素直に受け止める、ですか。(感心した様子で頷く。)それができるのも格好良いことだと思います。評価されたり褒められたりっていうのは、それで思い上がっても良くないでしょうし、簡単に否定してしまうのも失礼な気がして。加減が難しいのですよね。相手の方が持っていて下さる良いイメージを裏切らないようにいたい、というのはわかります。ちゃんとできているかわからない、ということは、ちゃんとしたいという気持ちの表れかなって。たとえうまくできていなかったとしても、その心掛けが大事なんだと思います。そうして色々と考えてらっしゃる、ティルさんはお若いのに分別のある方ですね。
雨糸・咲 2019年11月12日
あ、そうなのですか!(言われてみれば、オラトリオに覚醒…という文言が報告書にあったなと今更思い出した。)それは確かに不思議ですね。
(髪飾りに向いた少女の視線に、はいと頷いた。)菊の花です。この辺りでは菊は生花が手に入らないので、造花で……主夫妻の想い出の品を複製したものです。(彼らの存在を感じていたい。でもオリジナルを自分が身に着けるのは気が咎める。その複雑な気持ちを簡単に説明するのは難しくて、ただ穏やかに微笑んだ。)
……。本当、ですね。好きな物がいっぱい。(品良く笑う声に意表を突かれて目をぱちぱち瞬かせた。)つい、無いものを数えてしまいがちだったのですけれど。とても贅沢に生きている気がしてきました。すごいです、ティルさんとお話ししていると発見がいっぱいです。
ティル・レーヴェ 2019年11月13日
持論や心掛けは内にあれども、形と為せておる自信は……また別故な。咲殿のその言葉が、心掛けそのものが大事と告げてくれるその事が、とても嬉しゅう温かく思う。ほ、と。肩の力が抜けるようじゃ(ありがとう。と、そぅっとはにかんで)
ほほ、世界一つでも不思議なことは多いのに、斯様にも数多な世界が入り組む現状。不思議な上に、全ては把握できぬものよの。妾もそんな種が居られたか、と驚く日々は未だに続く(ほんに猟兵とは飽きぬ生き方よの、と笑って)
ティル・レーヴェ 2019年11月13日
成る程、造花であられたか。造花は、枯れゆく姿を見せず、手入れ次第でそばに寄り添い続けてくれる優しき種よのぅ。主人殿達の想い出の品を模されたもの、か。きっと、その元となったお品への咲殿の想いと共に、そのお子は咲殿自身の想い出を、共に見て寄り添い咲いてくれるのじゃろう。咲殿の手の中にあるのならば、そう、きっと……長く、長く――(優しき彼女の側ならば、きっとそう、長く永く傍で咲くのだろうから。そう思えば彼女の微笑みに重ねた笑みも深まり)
おぅや、おや。ほほ。好きなものに沢山囲まれておるのは、そもそもの咲殿のお心が豊か故……と思うがの。じゃが、うむ。存外『気付く』と言うのは大きな事。妾がその一助と慣れたならば嬉しゅう思うよ(ぱちり、と瞬き告げられた言葉にころころと楽しげに笑って見せて)
雨糸・咲 2019年11月23日
(照れる様子に年相応なところを見た気がして口元を綻ばせる。)
本当に。知らないことがいっぱいで、お仕事であちらこちらへ赴くたびに驚くことがたくさんです。本は色々と読んでいたのですが、普段なかなか遠出することが無いので……着るものとかも、別の世界に行けば全然違ったりして興味深いですよね。サムライエンパイアの女性の服とか、華やかなものがあって素敵でした。
雨糸・咲 2019年11月23日
そうですね……「これ」は私のもの、ですから。(少しの間目を伏せて、捧げるべきただ一人へと手向けられたオリジナルへ想いを馳せたが、一呼吸ほどの後、髪に挿した白菊に指先で触れ、悪戯が見つかった子供のような顔をした。)実は前に、お仕事先で人に贈ってしまって。二代目なのです。
普段見えていないから、「気付く」なのですよね。気付かせてもらえる、というのはありがたいことです。(言いながら、書き直したメモを手に棚から茶色い遮光瓶を何本か取り出してテーブルに並べた。)せっかく可愛らしいお花をお持ちなので、鈴蘭を入れた清潔感のある香りにしようと思います。ジャスミンとムスク、オークモスという苔の香りを少しずつ入れて、あまり強過ぎないように調整しましょうか。(硝子の器でくるくる混ぜれば、石鹸を思わせる優しい香りが立ち上る。)
ティル・レーヴェ 2019年11月26日
確かに!その世界事に印象的な衣装があって興味深く、ウィンドウショッピング、と言う奴もほんに楽しいものよのぅ。咲殿は和な衣装も似合われそうじゃな(艶やかにさらりと揺れる髪はかの雰囲気に実に合いそうだ、と添えて、あどけない表情と共に告げられた言葉には2、3瞬くもからころと鈴鳴りに笑って)そうであられたか。じゃが其方が贈ろうと思われた場ならば、きっと初代のお子もその地で豊かに過ごしておられよう(と、頷き混じりに告げれば、目の前で繰り広げられる調香に興味深げに見入りつつ)おお、おお!そのようにして香りは生まれゆくのか。鈴蘭に茉莉花、麝香に……ほぅ、オークモスは初めて聞いた(鼻を擽る香りに瞳を綻ばせながら、くるくる、くるくる、回る様を楽しげに)
雨糸・咲 2019年11月30日
うふふ、ありがとうございます。ティルさんも髪のお色が淡いですから、大きなお花の絵が入ったものとか、思い切った色柄の衣装でも映えそうですよ。
えぇ。光射さぬ世界で、思い出の花畑に本物の花を咲かせようと願う花嫁さんへ。……きっと今も、旦那様と大切に畑を守ってらっしゃるのでしょう。(前の白菊を贈った時のことを思い出し、微笑んで。)
雨糸・咲 2019年11月30日
こんな感じでいかがでしょう?あ、それと……(調香した器を客人の手元へそっと差し出し、確認してもらう間に奥の戸棚を開いてごそごそやりだす。これは違う、これもちょっとピンとこないような…などとぶつぶつ言いながら背伸びをして棚の奥へ腕を差し入れ、瓶を一つ取り出した。)コロンを入れる容器をね。これ、どうかしらって思いまして。(彼女の瞳に少し似た菫色の硝子瓶はスプレー式になっていて、ドレスを纏ったトルソーの形。少女の歩む先にあるであろう淑女の姿をイメージして。)
ティル・レーヴェ 2019年12月1日
ほほ、嬉しき言葉をありがとうなのじゃ!機があれば、其々に和の衣装を纏ってカラコロと共に和の国を歩くのも楽しそうじゃなぁ、などと思うた。和と洋の入り混じる桜の国も良さそうじゃが(衣装選びに町歩き、もし共に出来たならきっと楽しかろう、と笑って)
成る程、其れは良き出会いだったのじゃろうなぁ(微笑む彼女の表情を見れば胸も温かく)妾はその方々を知らぬが、その花畑に花が満ちることを共に願いたく思うよ。いつか、そのご夫妻が願いの通りに畑を彩ることが出来たなら、妾もその花を見てみたいと思う(そ、と、願うように瞼を伏せて)
ティル・レーヴェ 2019年12月1日
(ふわ、と香る器にはうっとりと目を細め、ほぅ、と感嘆の息を吐き)――なんと。……なんと良き香りか。優しくも爽やかな……妾、この香り、とても好きじゃ!(ぱっと目を輝かせて、嬉々とした声で香りを生んだ彼女へと伝えつつ、ことり、と取り出された容器には、いっそうの輝きを瞳に宿し)おお、おお!これはまたなんとも綺麗な!ほほ、この香りがこの容器に入って傍にあれば、少ぅし大人になった気持ちになれるのぅ。とても、とても気に入った!(ぴょんと跳ねそうな勢いで華やいだ笑顔を向けながら、彼女へ向けてひとつ、ふたつと頷いて)
雨糸・咲 2019年12月8日
桜の、――…(呟いた声が幽かに揺れ、一瞬手が止まった。ほんの一瞬だけ。)そうですね、あの世界も衣装や小物がいろいろあって楽しそうです。
えぇ……願えば叶う、なんて。そう都合良くはいきませんけれど。懸命に生きる人たちには幸せになって欲しいと思いますね。(優しい願いに伏せられた瞳を見、柔らかく頷いた。)
雨糸・咲 2019年12月8日
うふふ、お気に召したなら嬉しいです。(この瞬間がとても緊張するのだけれど。喜んで貰えた嬉しさで弾む声に安堵が混じる。)香りは清潔感を重視して軽やかに若々しく、という雰囲気にしてみました。ボトルは大人になっていかれるお嬢さんのお手元に在れればと。中身はまた入れ替えもできますからね。(少し大人になった彼女に合わせていずれ違う香りを調える機会が得られれば、それもまた素敵だろう。小瓶にコロンを注ぎながら思いを馳せた。)割れないよう、箱に入れておきますね。……さ、できました!(ごく淡い空色の箱に入れ、金の細いリボンを掛けて。紙の手提げに入れ、客人へ差し出す。)
ティル・レーヴェ 2019年12月12日
(刹那に止まったかに見えた手は見間違いであったろうか、そうでなかったとしても、言葉を挟む前に彼女の言が続いたが故に其れは流れて過ぎて)うむ、うむ。願う事全てが叶うとは限らぬが、『叶う』の始まりは願う事じゃと思うが故に、願いは、絶やさずにいたいと思う。願わくば、誰かの幸ともなる其れを抱き続けていたい、と(柔らかに頷く彼女に合わせるように頷いて)
ティル・レーヴェ 2019年12月12日
ほんに、こんなにも素晴らしきものを産む其方の手は魔法の手じゃなぁ!(きらりきらり、輝き衰える事なく詰められた香りの説明に耳を傾けて)そうか、ボトルにはこれからの香りも詰めて変えて行けるのじゃなぁ。此処にあるのは今の妾、使い切る頃には違う香りを求めるようになるのじゃろうか――(そっと思いも馳せつつ、包まれゆく其れを見守って)ラッピングもとても愛らしく、帰って解くのが勿体なくも思うてしまうのぅ!(受け取って手元で眺めてみつつ)有難う、咲殿!この香りのお礼は、何がいいじゃろう?(問いかけつつ、素敵な品の対価を硬貨で言われれば其れを払う心算で)
雨糸・咲 2019年12月16日
(幼さに似合わぬ気遣いをする彼女のことだから、気付いたかも知れない。それでも強いて説明はしなかった。――気分の良い話でもない。)
うふふ、ありがとうございます。でも、道具は使われてこそ、ですから。(率直な称賛に幾分はにかんで答えたのは、自身もまた長い間人の手にあったため。)素敵な言葉の旅のお供になれれば嬉しいです。
雨糸・咲 2019年12月16日
お礼……考えていませんでした。(いつもながら、商売をしていることを忘れてしまう。お茶やお菓子を出す延長みたいな感覚で作っていたのを今更自覚した。)そうですね、どうしましょうか……(指先を顎に当て、しばし考えて。)あの、ティルさんは音楽はお好きですか?差し支えなければ、あなたの歌を聴かせていただけたらなって。お気に入りの曲でも、今の気分を即興で……でも何で、も……(語尾がだんだん小さくなる。そう言えば、なぜだか思い込みでオラトリオさんは歌が上手と思っていたけれど、もしかしてとんでもない無茶振りをしてしまったのでは、とか何とか頭の中でぐるぐる。)
ティル・レーヴェ 2019年12月19日
うむ、確かにそうじゃなぁ。なれば、帰路に着く間、この姿を楽しんで、部屋へと戻れば開封し、その香りで妾を、文を、包んで頂こう(彼女の言うことは最もだ、と深く頷いてはそう告げて)おぅや、おや。妾の歌で良いのかえ?(きょとんと問い返すも、徐々に語尾が小さくなる彼女を見れば微笑んで)――そのように不安がらずとも構わぬよ。妾は、歌が好きじゃ。ただ、戦さ場以外で、人に聴かせるのは久方ぶり故に、少々面映くはあるがのぅ。この優しき香りの礼に、咲殿へと一曲囀らせて頂こう。
ティル・レーヴェ 2019年12月19日
(言い終えれば、すぅ、と空気と共に満ちる香りを胸に吸い、唇震わせ奏でるは、幼さ残すも澄み響く唄。優しく、静かに、包み込むかの旋律は、どこか異国の子守唄であろうか。時に花咲くように、時に木漏れ日のように、流れる川の如くに音が唄が紡がれ……そして――決して長くは無いそれは、静かな余韻を残して終わった)――と、この様な具合で如何じゃろうか?この香りに相応しい礼とならば良いのじゃが……(面映い、と紡いだとおりに、少しばかりにはにかんで、こてりと首を傾げた)
雨糸・咲 2019年12月26日
(柔らかな笑みに、歌は好きとの返答に、安堵の息を零し、)良かったです。ぜひ聴かせてください。(居住まいを正す。贈り物を受け取る時はきちんと向き合っていたいから。)
(彼女の小さな身体が奏でる音が、外から幽かに聞こえる葉擦れの音に重なり、絡まる。細く艶やかな絹糸のように柔らかで、木陰に吹く風のように優しくて。――それは鼓膜を震わせる「音」でありながら、目を閉じれば瞼に光を、指先に澄んだ水の感触を覚えるような、そんな心地がした。)――……ありがとうございます、(余韻を噛み締めるように一呼吸置いてから、惜しみない拍手を送りつつ。)とっても素敵でした!えぇもちろん、充分です!私しか聴いていなかったのがもったいないくらい。贅沢なお代をいただいてしまいましたね。
雨糸・咲 2020年1月2日
(手提げを大事に抱えた客人を表まで見送る。彼女の表情が本当に喜んでくれているのだと嬉しくて、見えなくなるまで手を振った。)
(家に入る直前、湖畔の森へふと目を遣る。――あの少女ほど上手ではなかったけれど。「彼女」も歌が好きだった。洗濯物を干しながら、スープをかき混ぜながら、よく歌っていた。幸福の象徴のような歌声。)……あなたにも、届いていたら良いのですけれど。(呟いた唇に静かな笑みを乗せて。翻した裾は扉の中へ消えた。)