【●1:1RP】いにしえより来たるものたち
エスパルダ・メア 2019年9月3日
陽は中天を過ぎ、薄雲隠れ。
相変わらず人気のない古物商は、物静かにものに溢れて止まぬ。
――ギィと扉を軋ませてやって来た客人に、特に何をするでもない店番が顔を上げる。
薫る紫煙と薬草の香りが緩く漂えば、誰ぞと問うまでもない。
いらっしゃいと声が掛かれば、相変わらずの店内に、少しモノが増えたのに気づくだろうか。
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雲烟・叶とエスパルダ・メアの1:1RP
キリの良いところで〆
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エスパルダ・メア 2019年10月25日
溶けるっていうか、するっと消える。……戻すの、疲れるから嫌い。(輪郭が霞んで、皮膚が透ける。多分、霊体に戻るようなそういうものに近いのだろう。気抜けの不意打ちに堪え性はないもので、困る)お前もちょっとちゃんと撫でてやろうぜ……。(可愛いのに。つい無造作な仕草に呟く。嬉しいのか、ちび。そうか。とは思うが)仲間の手ェ引くのに躊躇するかよ。後悔はしない主義なんだ。何せお馬鹿さんなもんで。(ぱ、とあっさり手を離して茶化すように軽く笑う。好まぬと知っていて、無理に触れるほうでもないから、ただの宣言みたいなものだった)そうかい、それじゃあまあ構うのは当面この狐のちびどもだな。なあ。(もふり、耳やら顎やら、その毛並みは愛らしい。ちょっと気に入ってしまった)そりゃ残念。……まあ、オレものんびりするのも割に気に入ったな、最近。
雲烟・叶 2019年10月26日
それくらいで十分ですよ、明かりがなければ歩けない子供でもなし。(くすくすと笑う声。たまに目映いものを見るくらいで丁度良い。元から大して気にしたこともないし、幼子におんぶにだっこ、なんて格好悪い真似も御免だ)おや、良く言われるとは。エストがお馬鹿さんは万人共通の認識でしたか。(揶揄するように笑ったって、視線の柔らかさは変わらない。元々この煙管は、人の子も、器物の子も、好いている。まして、己の手を取ろうとするようなお馬鹿さんなのだから、愛でて良いのならそうするだけだ。すっかり不名誉な呼び名は定着させた癖に、年寄りは、幼子には甘いのだ)……ええ、今となっては遠い話ですからね。(大丈夫ですよ。どうにもならなくて、どうしようもなかった。知らなかった。だから、後悔は散々したし、己と世界を境界で隔てもしたけれど、それ以上考えすぎることを止めたのだ)
雲烟・叶 2019年10月26日
力の制御が不慣れなんですかねぇ。自分も睡眠は必要ありませんが、微睡む感覚も嫌いじゃねぇんでたまに寝ます。(睡眠を単なる趣味か何かのような言い草。人の子ではない己には、睡眠なんてそれくらいのものだ)そりゃまた随分と豪気な……。(暗記以外の金勘定もままならない人化一年生に店番を任せて居なくなるとは、なかなかどうして豪気だと思う。呆れ半分、感心半分)……ふふ、すみません。少しはしゃぎすぎました。(楽しそうに笑う男は、少しばかりテンションが上がっていたようだ。氷華の花弁をそっと撫でる白い指先は、何処までも優しい。何時か。そんな日が来るのなら、楽しいと思う。器物の子は何人か保護してから顕現にまで立ち合ったけれど、もしも、が来れば、こうして目の前で生み出された物が顕現にまで行くのは初めての経験になる)
雲烟・叶 2019年10月26日
(氷華を膝に置いて、相変わらず雑に管狐を遊びながら、邪魔そうに長い髪を後ろに払う様はぞんざいだ。真っ直ぐな、変わらない存在を変えようと思えない時点で、結局自分の負けなのだ。散々折れて曲がって歪んで此処に居る己にとって、呆れるほど変わらないものは、目映いほどの幼子は、愛しいに決まっている。だから、もう、本当にどうしようもない)退屈はしねぇが、な。……俺は元々花街育ちだ。まともな礼儀だ言葉遣いだ何だ、欠片も習ってねぇよ。(はん、と鼻を鳴らす男は、店を任された時点で常に身に纏うようになった猫を一時的に投げ捨てていた。捨てた猫はきっとその辺で鳴いている)(花街の女共だって、仕事を離れればそれはもう蓮っ葉だ。柔和に見せた全てが嘘とは言わないし、結局相手に向けた視線の中にあるのは幼子を見る老爺の柔らかさに変わりはないけれど。生憎と、口は悪い)
雲烟・叶 2019年10月26日
あー……なるほど、慣れりゃあ気絶しても消えなくなりますよ。(もにもにもに。手慰みに丸められる管狐。寄って来たもう一匹が手の隙間に無理矢理頭を突っ込み、流石に手から尻尾やら短い手足やらが零れる)良いんですよ、どうせ喜ぶんですから。(適度に雑に構っても、彼らは主人が遊んでくれると集まって来る。時々集まり過ぎる)……全く、……今日一日で何れだけ人のペースを狂わせるんでしょうねお前……。(溜息も増えた。けれど、嫌な感覚はしない。やんちゃな子供も嫌いではない。それに、他者への実害を恐れて触らないだけで、嫌いとは違う。だから、溜息の中に混ざったのは、仕方ないなぁ、と言うような僅かな苦笑。まあ、……何か、もう、良いか)気に入ったんです?管狐。(自分が構われるのは置いておいて、大抵の管狐たちは構われるのが大好きだ。構う素振りを見せると増えて行く)おや、それは何より。穏やかな時間も悪くねぇでしょう?
エスパルダ・メア 2019年10月30日
了解、それもそうだ。必要なときは呼べば良いし。(あっさり呼ばれて行くだろう。それ以上何ができるわけでなくとも、必要とされるのは好きで)ちぇ、万人に馬鹿にされてたまるかよ。まあ、馬鹿やってられるのはお前らのおかげなんだけど。(僅かにぼやくも、気を許した相手が向けてくる『馬鹿』は、どれも決まって柔らかい。馬鹿をやれる楽しみだって覚えてしまったのだから、楽しんで貰えるなら遊んで貰うまでだ。年寄りめいた視線にくつくつ笑って)遠い話、なあ。(さて、それをしているのは目の前の男だ。どうにもそれが引っかかりはするけれど)(そのうち、その遠い話も更に聞いてみようか。そう思いながら)
エスパルダ・メア 2019年10月30日
どうも生まれつきな。……微睡む感覚?(眠ることは稀にあるけれど、その感覚を楽しんだことはなかった。不思議そうに繰り返して)よっぽど放浪癖があるらしいぞ、あのジジイ。こっちも拾った犬猫の預かり場に困ってたし。(とりあえず店の管理を預けられるていの良い奴がいた、くらいの感覚だったのだと思う。こちらは完全に呆れている顔だ。元々繁盛する店でもなし、困ってはいないのでまあ、良いことにしている)ふは、はしゃいでどうぞ、お前のモンだ。そういう華とか氷細工、作るのは好きだしな。(喜ばれて悪い気はしないものだ。この煙管の手で育てられる何かが宿るのは、見てみたい好奇心だって存分にある。こちらだってそんなの、初めてに決まっているのだし)
エスパルダ・メア 2019年10月30日
(ぞんざいな仕草と声。それは多分この男の素の部分、なのだろう。まともであるかないかなんて、気にするような性格もしていないが、しげしげと興味深く見てしまうのは、)……お前も退屈しねえ奴な。(思わずまた笑う。面白い。その変わり身とも言えるそれは、立派すぎる猫の毛一本見えそうもないから、いっそ見事だった。取り繕うとか、演じるとか。そういうのが向いていない性分だからこそ、その一面はむしろ好ましい)エンパイアの花街をよく知ってる訳じゃあねえが、客商売は愛想が命ってか。オレとしちゃ、口が悪いほうが話しやすいんだよな。(柔和な口調が嫌いな訳でもないが、単に今のぞんざいな声のほうが気安く聞けるのだ。畏まった雰囲気は肩が凝る、とは子供のようだが)
エスパルダ・メア 2019年10月30日
慣れたの、お前?場数かね、やっぱ。……さすが爺。(じ、と見た。素直な感心が滲む。何だかそれはそれで根性が入りそうな気がする。さらりと何気なく言われるから、やはり場数も年数も段違いなのだろう)もう握られに来てるじゃねえか、愛されてるこって。(もふもふ集う管狐たちからは、やはり主が一番とばかりの満足げな様子も見える気がした)駄目だ嫌だって言わねえんだもんよ。だったらペースなんか気にしてやんねえぞ。(からから笑ってしまうのは、苦笑がやはり柔いから。嫌でないなら良い。それが大雑把すぎる基準だった)おう、気に入った。(動物は好きだ。動物そのもの、ではないとしても、可愛いと思う。機嫌よく撫でられるのを撫でて構って)ん、悪くねえな。こうしてお前と喋るのも。
雲烟・叶 2019年11月1日
ええ、その時は精々宜しくしてやってくださいな。(誰かを呼んだことなんてもう長らくないけれど。もしも、本当に目映いものを求めることがあったら、その時は)ま、お馬鹿さん、なんて言いながら付き合うような物好きはお前みたいな子は好きですよ。きっとね。(自分も、なんて言いはしないが、それくらい伝わるだろう。あまり人好きのする方でも、人に懐く方でも、懐かれる方でもないのだけれど。気に入った)(遠い話。繰り返す声に、笑みだけ返した。そう、昔々、何十年も前の話だから。聞きたければ、問われるままに答えるだろう)
雲烟・叶 2019年11月1日
これも慣れですねぇ。ええ、微睡みはなかなか心地好くて良いものかと。(うとうと、ふわふわ、眠りに落ちて行く感覚は嫌いじゃない。眠る必要がないのに寝るなんて、何とも贅沢な時間の使い方だが。それでも意外と、睡眠というものは精神を整理して落ち着かせるのには使える)放浪癖、ねぇ……というかお前、置き場もないのに犬猫を拾って歩いてたんですか……。(呆れ混じり。ちょっと、飼えないのに犬猫を拾って来る子供を連想した。というか、そんなに飼っているんだろうか、この店。なお、この男は普通の犬猫には大抵嫌われる。そりゃあもう、これでもかと蛇蝎の如く嫌われる。仕方ない、“善くないもの”を彼らは本能的に理解する)煙であれこれ形作るのは得意なんですけど、物質化はしませんねぇ。それに、下心のない貰い物もなかなか新鮮ですし。(百年。その頃まで己が現存しているかなんて分からないけれど、それでも少しだけ、先に楽しみが出来た)
雲烟・叶 2019年11月1日
(笑う相手を見返す瞳が、少しばかり不機嫌そうに細められた。別に不機嫌な訳でなく、猫のために大分矯正したけれど、単なる癖のようなものだ。ただ、顕現した時から晴れぬ視界で煙を超えて良く見ようとする時の。必要があれば何でも身に付けた、笑うことも得意になったし、柔和な言い回しももうひとつの己として普通になった。ゆったりした仕草は元からだが、雑さは大分減った。……が、残念ながら、この煙管の根っこは此方。長いこと人里を離れ引き篭っていた所を組織に無理矢理捕まったこの男は、猟兵として生きる自由のために猫を被ることを覚えた。元々多くの花の裏表を見て来たから、容易くもあった訳だが)別にこんなもん面白かねぇだろう。店をやるにゃ、猫のひとつやふたつ被っておいた方がやり易いのさ。……ふぅん、お前はこっちの方が良いのかい。(変わり者。喉を鳴らすように笑う。花の婀娜にも似た、けれど他意のない揶揄だ)
雲烟・叶 2019年11月1日
そりゃ慣れますよ、百年近く人型やってりゃ。(封印された本体に戻ると、外に出て来るだけでやっとで消耗が酷い。だから、なるべく戻らないようにした結果だ)懐かれている自覚はありますよ。この子たちもUDCですから、今が気楽なようで。(敵として出て来るUDCは、多くの場合は生前ろくな滅び方をしていない。つまり、管狐たちも)……まぁ、もう諦めつつあります。触れるのも、触れられるのも、別に嫌いじゃねぇんですよ。(苦手なだけなので、と苦く笑う。己に触れることが害になるかもしれない。なってしまった。嗚呼やっぱりこうなった。もっと離れないと。……そう繰り返し距離を取る内、触れ合い方なんて忘れて今がある)今だと四十六匹います。(気に入った、の言葉につられるようにまた管狐が増えた。相手の背中に重みのない管狐がわらわら群がったが、果たして気付くだろうか)……それなら何より。自分も楽しいんで悪くねぇですよ、結構。
エスパルダ・メア 2019年11月7日
おう、それじゃ約束ってことで。(呼ばれても、呼ばれなくても。それは覚えているだろう)へえ、それってお前も含めて?(なんてわざとらしく笑って言った。言い回しの意味はわかるつもりだ、だからすぐに笑い飛ばして)だったら良いんだけど。オレは好きな奴としか遊ばねえもん。だからお前も好きな奴だよ。(屈託なく笑って言う。それなりに自分も捻くれ者だと思っていたけれど、目の前の相手がその上手を行くのはよくよくわかった。そうそう懐くほうでもないのだけれど、多分懐いた。それなら悪餓鬼らしくいるのも悪くはない)……気になるのは気になるが、その話はまた聞くよ。どうせまた遊びに来るだろ。
エスパルダ・メア 2019年11月7日
ふうん?そう言われると気になる気もするけど。死んでるのとは違うのか。(微睡み、と呟いて首を傾げた。何せ戦場で見る眠りは、殆どの場合が死と同義だったから)何でか寄って来るもんでな。拾ってんのは面倒見きれる奴だけだし、里親はちゃんと探してるよ。なんで、今はいねえぞ。オレは飼ってやれねえから、今いるのは勝手に遊びに来てる野良ばっか。(この氷剣、妙に動物には好かれるほうだ。目の前の男も好かれそうな気がしたが、纏う特性はそういうものでもなかろうか)下心って……貢がれ慣れてんなあ。(悪気もなくそう言って軽く笑った。百年の先、双方現存しているかはわからないけれど。先に楽しみがあること自体、稀有なことだろう。自分にとっても)
エスパルダ・メア 2019年11月7日
猫被りも嫌いじゃねえよ。嘘も虚勢も誤魔化しも、必要ならいくらでもすりゃあいいと思うけど。(不機嫌そうな視線でも、人当たりの良い微笑みでも、その本質は変わるまい。それを気にする性質でもないが)……けどそうな、口の悪いお前のほうがちっとばかし楽そうだ。(花街と道楽、駆け引き、揶揄。そういうものに育まれた口先に敵う気はしないけれども。楽しげな音が結構好きだし面白い)
エスパルダ・メア 2019年11月7日
へえ……流石だな。(感心してまじまじと見る。本体を預けた身としては、それが理想だ)そ。今良いならそれでいいよな、もふも――ふ、おわ、増えた。四十六…(過去は過去だ。そこに重きを置かない男は、増えた管狐たちにさすがに気づいたらしい。ちょっと面白くなってきて)じゃあ諦めて関わり方覚えちまえば。呪われるから、ってのは……ま、気になるだろうけど。(狂うか否か、そんなことは自分にだってわからない。だから予防線を張る相手が多分やり方としては正しいのだろう。けれどもそれに好き好んで踏み入った馬鹿相手に気遣うのもばからしいだろう)百年って言ってたよな。色々策は講じて来たんだろ。離れてだめなら、近づくのも一手じゃねえの。実験台くらいならなってもいいぜ。(なんて、積み重ねた年月相手にあっけらかんと言う。少なくとも今は平気だ。それが嫌いでないのなら、できるようになったほうが面白いだろうと)
雲烟・叶 2019年11月9日
指切りでもします?(冗談めかした声。勿論、単なる戯言である。そんなもの、最初の人里にいた頃くらいしかやったことがない)野暮な子ですねぇ、きちんと言って欲しいんですか?……なんて、お前の方がド直球に言うんですからどうしようもねぇですね。(苦笑をひとつ。揶揄する声より、屈託ない笑顔の方が強い。好かれ慣れていないから、捻くれ者にド直球は効くのだ。困ったことに)ええ、勿論。お前の話も色々と聞いてみたいですしねぇ、秘密は一度で話し切るのもつまらねぇでしょう。(秘め事は小分けにして取っておくものだ。くすくすと悪戯に笑って肯定して、ねぇ、なんて手の中の管狐に同意を求めてみせる)……死と眠りはちと違いますよ、永眠なんて言い方もしますが普通に眠れば目覚めがありますから。(とろとろと落ちて蕩けて行くような感覚を、煙管はそれなりに好いていた。それに、朝日と共に目覚める感覚も。浄化される心地とでも言うのだろうか)
雲烟・叶 2019年11月9日
なるほど、思ったよりしっかりしてましたねその辺り。生憎と普通の獣には兎角怯えられる質でして。(野良が寄り付いているだけなら、遭遇率もそう多くないだろう。怯えられる質、だなんて言う煙管の周囲はもこもこと、管狐たちが賑やかだ。説得力はないかもしれないが、紛うことなき事実である)貢いでくれなんて頼んだ覚えはありませんよ、下心があれば好き好んでは受け取りませんしねぇ。(花たちであれば、何だか良く分からない情念が篭っていそうな贈り物であったとしても、強かに受け取って愛想を振り撒いたことだろう。しかし、生憎とこの男にそんな種類の愛想の良さはあまりなかった。ただ、受け取らなければ品物が可哀想な目に遭うと思えば受け取ることもあるけれど)
雲烟・叶 2019年11月9日
(銀の瞳が氷剣を流し見る。ゆらゆらり、瞳の中で色彩が気紛れに移り変わった。嘘。虚勢。誤魔化し。果たして、己は何れに当たるのやら。恐らく、その何れも。変わった子供だと、煙管は薄く笑う。一度必要ないと猫の下にしまい込んだものを、楽しそうだと言われるとは思わなかった。嗚呼、でも)……は、なら次逢う時は覚悟しとけ。(それまでに、己も、覚悟しておくから。喉を震わせるような、吐息めいた短い笑い声。次はきっと、猫なんてその辺に放って話し掛けるだろう。ただ、自分にも距離を詰める勇気と覚悟が要るから)(今回は、)ま、次回をお楽しみに、ということにしてくださいな。(軽い調子でごく自然に猫を被り直し、にこりと鮮やかに笑ってみせた)
雲烟・叶 2019年11月9日
歳月と慣れがどうにかしてくれますよ。(感心する声に、年の功は器物にも存在すると笑って。集まる管狐たちに、流石に多いと溜息が零れた。暑苦しいから離れなさい、と手で軽く払えば、半実体化程度の煙の身体の管狐たちは軽く煽られ、少しばかり宙に散って行く。相手が構ってくれると知って味をしめたらしい。おまけに、主人が何時もより遥かに近しい行動を取ったものだから、毛先が煙に溶けた尻尾はぶんぶんとテンションが高い)ええ、四十六匹。猟兵として力を伸ばせばもっと増えますよ。(相手の言葉に、ぱちりと瞳を瞬いた。積み重ねた年月は、人の子であるのならそれこそ一生分。それをあっさりと覆す誘いに、呆気に取られるなと言う方が無理だ
)…………実験台、ってお前、ねぇ。どうにかなったら、それこそ取り返しがつかねぇんですが。(狂い始めてしまったら止められない。自分が遥か遠くに離れれば治るのか、壊れれば治るのかも分からないのに)
エスパルダ・メア 2019年11月9日
叶が怖がんなくなったらな。(なんて笑い飛ばす。戯言には戯言で。震えて逃げた手がそうでもなくなったなら、躊躇いもなくするだろう。約束は先にゆくのに大事なものだと認識している)お前が言わねえのはわかってるし、なら言ったほうが早いだろ。(別に急くことでもないのだけれど、どうにも困りきった苦笑を見るのが楽しくなって来たのかもしれない。悪戯な笑みは子供めく)オレの話?ああ、いいぜ。オレのは秘密ってほど大したもんじゃあねえが、話すのは好きなほうだし。……お前の秘密はどんなだろうな。(つんつんと戯れている管狐の鼻先をつついて)目覚めのあるのが眠りか……。夜から朝になるのを見るのはオレも好きだけど。(何ともなし、眠るのに苦手意識のようなものがある。話を聞けば悪くはないものだと思えたけれど)
エスパルダ・メア 2019年11月9日
そりゃ小さくても生きてんだ、適当に拾ったりできねえよ。ああ、なるほど……って言うにはすげえちびが懐いて見えるからな、お前の場合。(疑っている訳ではないが、ふわもこした管狐に囲まれているのは和む光景だ。頭に二匹ぴょこんと乗っているのが耳でも生えたみたいでなお気が抜ける)怖い花なこって。なら受け取って貰えて何よりだ。シタゴコロなしで綺麗だろ?(ふふん、と少し得意げだ。氷細工を作るのは専らの趣味みたいになりつつもあるし、物として同じモノが気に入られるのは嬉しいもので)
エスパルダ・メア 2019年11月9日
……。(空気が震える笑い声が煙に溶けた、気がした)(その次の瞬間には見事に空気が戻るその声についぽかんとしてしまう)(見事なまでの変わり身に素直に感心した。声音と仕草ひとつ、それだけでまるで僅かな夢を見ていたような気さえするから、見事としか言いようがない)……すげえなお前。(つい呟いて)それじゃ、いつでもどうぞ。
エスパルダ・メア 2019年11月9日
なら時間ってのに任せてみるか。(周りに迷惑を掛けぬ程度であれば。年上の助言に頷いた。払われる管狐たちも少し不思議で面白いが、ちゃんと主人の言う事を聞く辺り主従の関係は確立されているらしい。機嫌の良すぎる尻尾をじい、と)……ひょっと叶の機嫌とちびどもの機嫌って関係してんの?(何気なく聞いてみた思いつき)そりゃあ勿論、どうにかなりてえわけもないし、呪いを軽んじてるわけでもねえけど。オレは人の子じゃねえし、本体は預けてあるし、これでも一応魔剣だし。狂うより戦場で壊れるほうがオレの場合は早そうだしさ。(実際実験道具にしろという話でもない軽口だ。ただそれくらいの扱いのほうが手は伸ばし易いだろうかなんて、考えもある。相手のこれまでを聞いているから、これ以上勝手を口にすることもないが)一人は結構、飽きるだろ。(少なくとも、自分はそうだった)
雲烟・叶 2019年11月13日
……別に怖がっていた訳では、(切り返しに、ほんの少しばつが悪い表情をした。反射的に逃げようとした自覚はあるらしい、見透かされたようでやや気恥ずかしかったのか、視線が僅かだけそっぽを向いた)……ほんっとにもう……お前って子は……。(肩を落とした疲れたような溜息とこの言葉を、今日は何度繰り返すのか。振り回され気味の自覚はあれど、それで嫌気がさす訳でもないとは一体。天真爛漫な子供のように悪戯な顔をされて好意を示されてしまえば、これ以上言えないようだった。それに。悪い気は、しないので)人の話を聞くのは好きな方なんですよ、例えば美術館からどうやって出て来て今があるか、とか。(鼻先をつつかれた管狐は、ぱくりとその指を咥え込んだ。もきゅもきゅ。甘噛みである)空の移り変わりを眺めるのも好きですけどね。眠るのは、……そうですねぇ。心のリセット、でしょうか?(思考回路を、心をすっきりとさせるものという認識だ)
雲烟・叶 2019年11月13日
流石、命を理解してらっしゃる。目覚めたばかりの器物の子にはその辺りがまだ理解出来ない子も多いんですよねぇ。……コレはまぁ、単なる契約主特権ですよ。(流石、命に触れる機会の多かった武器。その辺りが理解出来ていない幼いヤドリガミたちと会話する機会が多いと、なかなか新鮮だ。コレ、と言いながら、また手の中でもにもにと管狐を丸める。少数派だが、中には袖の中から出て来ようとしない引っ込み思案もいるようだ)ええ、とても。……ふふ、随分と得してしまいました。(素直に綺麗だと同意して、穏やかに笑う顔は満足そうだ。物にも人にもなるべく執着しないように生きてはいるが、これはちゃんと大切にしよう)(すごい、と言われても、煙管は悪戯っぽく、楽しそうに笑うだけ。次の機会をお楽しみに。きっと、最初から口の悪い男が見られるだろう)
雲烟・叶 2019年11月13日
時間経過の慣れは有情ですよ。(時の流れは万人共通だ。ふわふわと漂った管狐たちは、そのまま店の中をゆぅらり飛んでは空中でころころと絡み合って遊んでいる。と、不意に)(ばんっ)(手近な所でご機嫌に振られていた管狐の尻尾が、契約主の手で強制的に上から止められた。理不尽だ)……気の所為です。(無理がある。が、流石に少しばかり気恥しさが勝ったのか突っ撥ねる響き。なお、手の下でも尻尾の先端はひょこひょこと振られている。何でもない顔をして誤魔化すより先に、反射的にやらかしてしまったのでどうにもならない。こんな所にも調子が崩れた弊害が出るとは思わなかった
)…………、……狂われるのも、壊れられるのも、……もう御免ですからね。(沈黙は少しばかり長かった。それは、踏み出すまでに必要な勇気と覚悟が少しばかり多かったからで。そっと瞳を閉じて、吐息と共に小さく吐き出した声は、許容)(独りが好きな訳では、ないから)
エスパルダ・メア 2019年11月16日
別にいいだろ、怖いもんがあったって。オレも苦手なものくらいあるし。(そっぽを向いた動作に軽く肩を竦めた。続く本日何度目かの声にも笑って首を傾げて)お前って子は、なんだ? ……なんて、さすがにはしゃぎ過ぎかね、悪い。(息をひとつ吐いて軽く伸びをした。純粋な好奇心は変わらないが、無遠慮に踏み込みすぎるのは悪い癖かもしれない)ん、話を聞くのはオレも好きだな。美術館から出たときは……共犯がいてな。それほど大した話があるわけじゃねえが、せっかくならオレも今度に取っとくか。……おう、ちび、指食ってんぞ。うまいか?(聞かれるならいくらでも答えるだろう。もきゅもきゅ。甘噛みに逆らわず表情を緩めて甘やかしている動物好きである)心のリセット、か。なるほど、人間は色々面倒そうだけど、眠って整理してるのな。
エスパルダ・メア 2019年11月16日
さあ、理解にはほど遠い気もするけどな。ただ、人間も動物も物も好きだし。(生きて、死ぬ。その不可思議な二つを理解できているとは思わない。ただそれは好きだ、生も死も、生きる様が)特権って言うと、お前にこうして絡める動物がいねえってんなら、こいつらにとっても特権だな。(そういえば店の奥にいるはずの懐こい野良猫達も姿を見せない。そう思えば近づけるのも特権だろうと)(満足そうな笑みに、こちらも満足そうだ。壊れないと良い、と思う)お前が言うと、説得力がある気がするな
。……。(時間の流れ。それにぼんやりと首を傾げていたところで、視線の先、管狐の尻尾が硬直した。叶あれ、と言い掛けて気づく。主人の仕業だった)
エスパルダ・メア 2019年11月16日
……ぶっ。気のせい……気のせいな。(堪えたのだけれども吹き出してしまうのは致し方ない。くつくつと喉が笑ってしまう、失礼千万な糞餓鬼である
)……。……任せとけ。お前がそう思ってる限り、お前のせいで狂いも、壊れもしねえよ。(ヤドリガミ。意思持つ器物。ただ使われるのではなく、自分の意思を持てるからこそ、口約束が言霊になれば良い。どれもこれも、必ずなんてないけれど)(その許容に、根拠のない自信で笑んだ)
雲烟・叶 2019年11月25日
……手袋してれば普通に触るんで良いんです。(視線を逸らしたままの負け惜しみのようなそれは、事実である。直接触れないために、露出は減らしている。言葉を聞き流すことや老爺の顔で笑うことは得意だが、きちんと向き合って話そうとすると踏み込まれた分そこそこボロが出る男は、仕方ないと溜息を吐いた)……別に、好きに調子に乗りゃ良いんじゃねぇですか
。…………嫌ならそう言います。(楽しそうな声を聞くのは、嫌いじゃない。困るのも、きっと今だけだ。その内、回数を重ねれば慣れて行くだろう。その頃には、相手くらいには躊躇せず触れられるようになっていると良いけれど)共犯者とはまた気になる響きが。これは次を楽しみにしねぇといけませんねぇ。(剣と盾。もしや、と思う答えもきっと次には分かるだろう。あぐあぐと甘噛みを続ける管狐はご機嫌だ、遂には相手の指を短い前脚で抱え込み始めた)意外とヤドリガミでも効きますよ、心のリセット。
雲烟・叶 2019年11月25日
それで良いんじゃねぇですかね、理解なんて完全には及びませんよ。ただ、顕現したばかりの子たちは、止まったから修理して、なんて言う子もいたので。(苦笑めいた表情は、困った子供を見るような柔らかいそれ。まだ“死”を理解しなかった彼らは、身体の表面に壊れた所が見当たらないなら中身だろうと、自分たちの本体と同じように、歯車ひとつ替えれば、動力源さえ入れてやれば、魂の抜けたそれが元に戻ると思っていた)特権になるんですかねぇ、こんなの。(その発想はなかった。怪訝そうに小首を傾げながら、手の中の管狐を見下ろした。手の中からするりと抜け出たそれは、手首を尾でくるりと巻いて行きながら、棲家か何かのように袖の中へしゅるしゅると収まった)(壊れず、百年。何時か)そりゃあ、百年近くは顕現してから経ってますし。(五年は誤差。大雑把な認識である)
雲烟・叶 2019年11月25日
(笑われると、む、とじとりとした視線を向けた。何だかもう、猫を何時もの半分くらいにしているせいで、表情は普段より遥かに駄々漏れだ。隠す気を放棄している。が、何だかちょっと悔しいので、相手の頭上に向けて人差し指を軽く振った。管狐がわちゃっとどさっと降って来た。避けなければ積もる。悔しいっていうか恥ずかしいだけだろうとは言ってはいけない
)…………、(そんな根拠のない自信なんて、何処から来るのか。自分は大丈夫、なんて戦場でだって有り得やしないだろうに)(けれど)(でも)(結局、否定の言葉は出て来なかった。そうあれば良いのに、と何時だって思っている。思って、来た)(全く、顕現したばかりの子供を許容するなんて、どうかしている。悪餓鬼のペースに乗せられるだなんて。自嘲と戸惑いと不思議な居心地の良さ、それに、それに)
エスパルダ・メア 2019年12月5日
へえ、手袋してりゃいいなら、オレはだいたいいつもしてるけど。(などと言ってひらひら手を振って見せるのは、明らかな悪戯と揶揄いだった。そういう問題じゃあなかろう。けれども不本意そうな声も溜息も、親しみを覚えるから好きだ。楽しそうに笑うのは、言われた通り調子に乗っている)ああ、そうしてくれると助かるな。お前、嫌ンなったらするっと消えそうだから。(そうしたら、謝ることも知ることもできない。何ともなし、それは嫌だった)(かわいい。大変かわいい。管狐に絆された顔でこちらも機嫌良く。寝転がって遊び始めた)こいつらは、やっぱり名前はねえの?
エスパルダ・メア 2019年12月5日
ココロのリセット……正直眠りにさほど興味もなかったんだけどな。(少し以上に気になった。眠り、微睡み。それをいつか、味わえるだろうか。ぱき、と鳴る氷を身に纏いながら、ぼんやりと人間らしいことをよく知る同類を見て)止まったから……そりゃ、また。(つい苦笑した。けれども多分、そんなものだ。壊れたら修理する。できなければ捨てる。それが物だろうから)……なあ、叶は?叶は本体は封じられてて、もしも今の肉体が壊れたら、またこうして会えるのか?(ふと気になって問うてみた。本体さえ無事なら、死という概念がない自分たちだけれど、彼の本体は厳重に封じられているのだろうから。出てくるのに、幾ばくかの制限なんてあるだろうかと)さすがだよ、叶爺。糞餓鬼に絡まれるなんてのは、よくある話か?(くつくつ、その大雑把さに笑いながら)
エスパルダ・メア 2019年12月5日
おぶっ。なん、なっ、(寝転んでいた顔面にまんまとわちゃっと降ってきた。なんだこれ。もふもふだ。どっさりのそれにさすがに驚いてじたばたする。重くもないが、なんだこの状況)……ちょっ、おまえ、止めさせろって
……!!(もふまみれに呻いている)……叶?(きょとんと首を傾げた。子供の傲慢。思い上がり。そうかもしれない。けれど、愚直にそう信じてゆくだろう)(それが、お前の可能性のひとつであると)……お前が信じられなくても、こちとら餓鬼なもんで。信じるくらい、お前のぶんも信じててやるよ。(そう、心中も知りもしないで、えらそうに)
雲烟・叶 2019年12月6日
織り糸から清めて出直してください。(つんと顎を上げてそっぽを向いて見せるのは戯れ、そういう話ではないのもお互い分かっているから。まあ。何だかんだ。楽しい。色々不本意なのも本当だし、未だに何時でも即座に立ち去ることが出来るくらいの距離感を探ってしまうけれど。気に入ってしまえば、そのままで居て欲しいと願いたくなるから。侵す前に自分の安寧を捨てて去るのが何時だって一番楽だ)……まあ、そうですね。消えるの、簡単ですから。(言い当てられたそれに、煙管は何時も通りの顔で笑って肯定する。それでも、言います、と言ったからには、消えるのは最終手段だろう)(寝転がった相手の腹の上に、管狐たちがころころ転がる。一見するととても平和な生き物だ)区別付かねぇんで付けてません。どんどこ増えますし。身体も毎日煙で作られる別もんですし、性格の違いは多少あれど一匹に伝えりゃみんなに伝わる同位体みてぇなもんなんで。
雲烟・叶 2019年12月6日
何時か、お前にも必要になりますよ。(人の身で歩く世は、情報に、心に溢れているから)器物としちゃ真っ当な感覚なんですが、ね。(けれど、人の世で生きるにはその感覚は矯正が必要だった。問われると、ぱちりと瞳を瞬いた。少しばかり、視線が考えるように逸れて、また相手に戻る)一応、一度目はその場で次の肉体を作り直す用意があります。ただ、溜め込みにちと日数は必要なんで、直ぐさま二度目となれば……まあ、本体に戻らないとですかねぇ。しんどいんで嫌なんですが。(UCという形にして、次の肉体とする呪詛を溜め置く機構を作ってある。とはいえ、即座に二度目となればそれは間に合わない。本体に戻れば、基本的に弱音を吐かない男が素直にしんどいと言うくらいにはガチガチの封印と清めの場の中だ。出て来るにも一苦労で、出たら出たでぐったりする上、検査やら点検やら観測やらと周囲があれやこれや五月蝿い。ので、数日は大人しくなるだろう)
雲烟・叶 2019年12月6日
この糞餓鬼は珍獣ですよ。(相手を扱き下ろしながら、その癖、細めた瞳は穏やかだ。困った子。相手が管狐に埋もれたのでちょっと気も晴れた。四十匹超えだ、ざまあみろ。煙の身体の管狐たちは、相手がじたじたすれば時折ふんわり宙に飛ばされ、また相手の上に舞い落ちる。もっふり)(小憎たらしいような、愛らしいような、どうにも、どうしたら良いか分からないような。平気な顔で何の確約もないことを言うのだ、この子供は。大丈夫、なんて何処にも存在しないのに。どんなに人真似をしても、呪物は呪物だ。呪詛を撒き散らす物だ。何十年経っても、いや、年を経れば経るほど、より呪詛は深く重く、暗く濁って澱んで行くのだから
)…………馬鹿な子。(手を伸ばす。僅かな震えは、気付かない振り。血色の悪い白い指が、避けなければ相手の額を指弾するだろう。親愛。愚かな子供へ。信じるなんて己にはもう出来ないから、信じると言うなら信じてみれば良い)
エスパルダ・メア 2019年12月24日
はは、やなこった。取り繕うのは嫌いなんだよ。今のうち薄汚れてんのに慣れといてくれ。(からりと笑い飛ばしておいた。軽口だ。だって自分は戦場が好きで、清めとは程遠いものでもある)……だと思った。ま、いつ誰がどこでふといなくなるかなんてわからねえけど。何気なく消えたなら、また何気なくどっかで会えるだろうってオレは思っておくほうだし。(いつも通りの笑みについ呆れて笑った。とは言え、それは自分もそうだろうけれど)へえ、これ別もんとして出来てくんのか、ちびども。そうか、毎日新品でなんかいいな。(ころころじゃれつく管狐たちについ顔を緩めて構う。手入れいらずでなるほど便利だ、いいな、なんて思う辺りは無自覚な器物の意識だろう)
エスパルダ・メア 2019年12月24日
必要……そうか。そしたらまあ、南極とか寒いとこ行って寝っ転がっておくかね。(瞬いて、素直に頷いておいた。そうしたら周りを氷漬けにしても問題ないだろう。たぶん)郷に入れば何とかかんとかってやつだろ。オレらはモノだけど、ヒトだって言う奴から見ればヒトだ。(その感覚はたぶん一つきりの限りある生命を持つ者の観点なのだろう。わからないからこそ、ヒトと呼び表されたなら、ヒトと呼び返すことにしている。答えを聞けば、なるほど、と呟いて)……お前の場合肉体は大事にしたほうが良さそうだな。よっぽどって感じだ。(しんどい、と言ったその響きにぼんやりと察して興味深そうに頷いた)オレはこの肉体、まだいっぺんもなくしたことないんだよな。どうなんのかなって、興味はあるんだけど。
エスパルダ・メア 2019年12月24日
珍獣ってお前な……って、こら、跳ねて遊ぶなちび……!もう前見えねえじゃねえか、ちくしょ、どうなってんだこれ……。(じたばた。ふわふわ。じたばた。ふわふわ。遊んでいるのではない、一応足掻いているのだ、すごく無意味なようだけれど。そのうちちょっと疲れてもふもふの山と化すだろう)(確約も、根拠だってない。結果、相手が抱えたものに何の意味も為さないのかもしれない。けれど、それでも)――いでっ。(べちん、と額を弾く指が、氷を宿す己よりも冷たかった気が、した。間の抜けた顔で見る。ぱちくり、しばらく呆けて瞬いて)……ふは、ははっ。(叱られたようだ。けれど何か、許されたような気もした。痛みにもならない額の感触に吹き出して笑って)(信じるとも。手を引くとも。躊躇いもなく、愚かさゆえに)
雲烟・叶 2020年1月8日
全く、口の減らないお子様ですねぇ。(呪詛の塊になんて言い草。軽口と軽口の応酬は、お互いが戦場で生きる武器と負の感情に塗れた呪物であることを承知の上だからこそ面白い)壊れさえしなきゃまだまだ気の遠くなるほど長ぇ生が待ってますし、その内に消えたくなることもそりゃあるでしょう。その内に戻りたくなることだってあるかもしれません。その時次第ですね。(時と場合と気分によるのだ、きっと。ねぇ、なんて膝の上の青い氷華に声を掛けて、指先で花弁を撫でた)楽で良いですよね、毎日新品。って言っても、使われるのは自分の呪力なんですが。コストが軽いんですよ、この子たち。(だから、用があってもなくても外に出しっ放しでいられる訳で。構われたら構われた分、管狐たちはしっぽを振って寄り付く)
雲烟・叶 2020年1月8日
それまで精々コントロール出来るように努力なさいな。(素直に受け入れる様が少しだけ幼く見えるのは言わないでおく。氷漬け前提で考えていることが可笑しくて、小さく笑った)相変わらず、人と認識されることには慣れませんが、受け入れることには慣れましたね。(人の振りをしてみることにも、慣れた。物は決して人にはならないけれど、人のように振舞って見ることは出来るし、人と扱いたい人々の気持ちを受け入れることも出来る)まあ、流石に一気に二度も身体を損なうことなんてありませんけどね、滅多に。ないならない方が良いですよ。とはいえ、一度くらいはそこそこ安全を保った上で試してみるのは手かと。ぶっつけ本番で戦場でやらかして仲間を置いて戻れなくなったら困るでしょう。(試しに死んでみることを推奨するんじゃない、この煙管)
雲烟・叶 2020年1月8日
ふ、ふふっ、大人気じゃあねぇですか。(思わず吹き出した。自分が引き起こした訳だが、何かもう予想以上に面白くて、つい。袖で口元を隠してくすくすと溢れる笑い声。ふわん、ふわぁん、ぽすん。相手がじたばたして浮かんだ管狐たちは、狙い違わずちゃんと相手の上に戻って来る。何だこれ可愛い。身構えたのも、溶けて行くようだから。相手には悪いけれど、これで良い。先ずは自分から触れることを課題に、緊張で冷えて強張った指は外すことなく。間が抜けた顔を見下ろす、少しだけ不機嫌そうな顔。口調は猫で取り繕ったのに、僅かだけの片鱗。笑い出されてしまえば、唇が引き結ばれた。ついでに、視線がそっぽを向いた。慣れないから。恐ろしいことだから。きっと何度でも相手との距離感を図るのだろうけれど。今は、これで)(あとは。帰るまで、他愛もない話をしようか)
エスパルダ・メア 2020年1月8日
そういうお子様、嫌いじゃねえだろ。(にやりと笑って減らず口を重ねる。お子様ぶるのはそれなりに相手も選ぶのだけれど、齢百幾つの煙管にはそれもまた面白いだろう、なんて自分勝手な考えで笑って)……なるほど、それじゃあ今は、期待だけしとくかね。そのほうが面白そうだ。(語りかけられる氷華は応えられまいが、いつか、いつか。――いつか、があれば、それは自分も見たいと思う)軽いのか、コスト。へえ……それじゃ、じゃれ放題だな、ちび。
エスパルダ・メア 2020年1月8日
……ん。(コントロール。さても難しい課題のような気がしたが、まあ、やってみようと思った。これでも助言は素直に聞くほうだ。ヒトとしての幼さと言えばそうかもしれない)試してみていい……なら、そうだな、今度やってみる。多分お前ほど手間も負担もねえ気がするし。(興味は存分にあったらしい。試しに死んでみる、なんて怒られそうな心当たりはあるが、いざ戦場で初めてやらかすよりは良いだろう。納得したように頷いた。そのうちやる気だ)
エスパルダ・メア 2020年1月8日
……っこのやろ、ふは、くそ、ちょっと面白くなってきたじゃねえか。(吹き出す声音に釣られたか、埋められながらつい笑いだして、そのまま、そのまま)(笑う、笑う。その指先が逃げるのも拒むのも、無理強いなんてしやしないが)(いつかそのうち、その顰め面が見慣れるようなことがあれば、また懲りずに面白がるのだ、自分はきっと)(そのまま。他愛ない話をして、して。代わり映えしない古物商は、何処、其処に。またいつなりとその訪れに在るだろうから)