【1:1】Earl Grey
逢坂・宵 2019年7月15日
UDCアース、日本国。
午後2時、東京都都心のとある地区。
若者たちの街といわれるその表通りから路地を一本、二本。
そしてさらにその向こう―――突き当たりの袋小路を右に進んだところ。
ひなびて年季の入った看板のかけられたウォルナット材の扉を開ければ、
「いらっしゃいませ」というマスターらしき男性の渋い声とともに、
紅茶の芳しい香りがあなたの鼻腔に満ちるだろう。
そこは紅茶を専門に扱うカフェ。
カウンターに置かれた数々の茶缶はさまざまな文化の意匠が並び、
見る者の目を楽しませる。
そのカウンターの隅の椅子に腰かけて、カップを傾ける男が一人。
店内を流れる静かなクラシックの音色に耳を傾けて、目の前のカップの水面をじっと見つめていた。
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(先着1名様との1:1RPスレッドです。お知り合いでも初見様でも、どなたでもどうぞ)
(キリのいいところ、または7日間返信なしで〆)
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逢坂・宵 2019年7月15日
(梅雨の晴れ間にせかされるように買い物に来たまでは良かったものの、目当ての店は臨時休業。そのまますごすごと帰るのも癪で、ふらり立ち寄ったいつもの店。壮年のマスターは物静かなひとで、いまは背を向けてキッチンの奥でフードの仕込みをしているらしい。目の前の趣味のいいカップに入った赤茶色の水面を眺めながら、ただじっと物思いにふける)
知念・ダニエル 2019年7月16日
(からり。ベルの音を鳴らし扉を開けた金髪の女。否、身長と顔付きで男だと分かる人物。店の雰囲気につられて来たのだろうか。マスターに一人だと告げ席に着こうとするが、視界に入った紅茶の数々に、ふぅん、と声を漏らし立ったまま眺めている)
逢坂・宵 2019年7月16日
(重たげな扉に取り付けられたベルが鳴り、新しい客が入ってきたと知る。ちらりとそちらに視線だけを向ければ、背の高い金髪の女性――否や、男性か。キッチンから手を拭いて顔を出したマスターは、カウンターの中でお冷やを注ぎながら注文を待っているらしい。並べられた紅茶の茶缶を眺めているその横顔に見覚えがある気がして、思考を辿る)……ああ、知念君、でしたか?(そうだ。グリモアベースで、依頼の説明をしているかれをいつか見たのだ)
知念・ダニエル 2019年7月17日
(カウンターに座る客に声を掛けられ振り向き。表情は変わらずとも静かに驚いたかの様な声で)おや、猟兵でしたか。奇遇っすねぇ。今日は猟兵仕事、休みなんすか?(たまにとは言えグリモアベースで説明する側の一人だ。名前を知られている事に驚きはない。席に座りお冷を貰うと、それを飲みながら何を頼もうか悩み)んー、そっすねー……。あるのか分かんないっすけど、最近噂で聞くアレ、あるっすかね?『青い紅茶』なんすけど……(雑誌かテレビで見たヤツ、とだけ覚えている。名前は忘れたようだ)。なければおススメの甘いヤツで宜しくっすよ。
逢坂・宵 2019年7月17日
ええ、今日は休日と決めた日で。プライベートの買い物などもありましたしね(目当てのお店はお休みでしたが、と笑って見せればかれが席について注文をするさまを眺める。青い紅茶というのはおそらくバタフライピーという紅茶だろう。壮年のマスターは少しだけ驚いたように目を見張ったあと、かしこまりましたとキッチンの奥に消えていく)……こういう紅茶専門店に来てそういったリクエストをされる方は珍しいですね。甘い紅茶と珍しいものがお好きで?(ふと、興味が頭をもたげてそんなふうに聞いてみた)
知念・ダニエル 2019年7月17日
ま、全部がキツい訳じゃないっすが、休日作るのも大事っすからねぇ(そんな日もあるっす、と付け足し)。(マスターの反応を見るなり、その後の様子を目で追った。せめて自分の飲んだ茶葉の銘柄くらい覚えておくか、なんて薄ら思いながら)……ん、甘いのは好きっす。好きっすけど……この通り、主に仕えてる身なんでね。うちのお嬢、甘いもの好きだし、珍しいものにも目がないっすから……もし噂の紅茶があったら先に体験しておこうと思った次第っすよ(頬杖をつきながら夜色の髪の男――宵に話し掛け。噂の紅茶に興味がない訳ではない、寧ろ流行には敏感な方だ)。
逢坂・宵 2019年7月18日
(キッチンで作業をするすらりと伸びた背を眺める。マスターのその手元はいつ見ても鮮やかで、茶を淹れる動作が洗練されていて美しい)嗜好と実益を兼ねた体験、というところでしょうか。良きことだと思います。青い紅茶は僕も最近てれびで知ったのですが、ひとの作る食文化というのはなかなかに奥が深いですよね(うんうんと深く頷いていれば、お待たせしましたという声とともに彼の目の前に耐熱ガラスのティーカップに入った青い紅茶が出されるだろう)
知念・ダニエル 2019年7月19日
(茶を淹れる技術を奪えれば、とも思ったが流石に一度きりでは無理だった。まぁいいかと断念し)……食文化は面白いっすね、変わったものがどんどんと増えていくっすよ。不思議だけど飽きないっすね。……人の作る食文化、か。その喋り方だとアンタ、神かヤドリガミ……っすかね?(人間という人間ではなさそうだな、と感じつつ)(青い紅茶が目の前に置かれる。マスターに礼を言い、青く揺れるカップの中を眺める)へぇ、これが噂の……思っていたより透き通った綺麗な青なんすね。金箔でも降らせば夜空みたいになるかもっす(やはり表情は変わらないが、声を聞けば珍しがっている事が分かるだろう)。
逢坂・宵 2019年7月20日
一つ所にとどまっているのも落ち着いていて好ましいですが、一歩知らない世界に飛び出すとなかなかに刺激的な世界が広がっていて飽きないものです……その青い紅茶も、アジアのとある国で飲まれているとも聞きましたし(そうして種族をあてに来るかれには顎を引いて頷いて見せて)ええ、僕はヤドリガミです。目下のところ食文化勉強中の、がつきますが。……金箔を、なるほど。レモン汁をたらせば青紫色にも変色することがあるそうで、ただの青い紅茶で終わらないのがすばらしいところですよね(興味深そうな声音に同意してみせる。己の呟くそれはテレビの受け売りだが、見たときはとても驚いたものだ)
知念・ダニエル 2019年7月23日
ん、俺もっす。留まるよりもうろうろ歩き回ってしまう方っすね。知らない事を知るというのは面白いものっす。……まぁものによりますけどね。(ヤドリガミだと聞けば、やはりそうだったかと相槌を打ち)へぇ、食文化の勉強っすか。五感を感じられるようになったから出来る事の一つっすね。……やっぱり人の姿になった時は、戸惑ったり苦労があったものなんすか?(レモンの事を聞き、そんな事もあったなと思い出し)あぁ、色が変わるんでしたっけ。マスターさん、レモンだけ貰えたりするっすか?(そう問い掛けた後、まずはそのまま飲んでみようと手に取り)……なるほど、爽やかかと思いきや案外飲みやすい味っすね。へぇ……(不思議そうにまた一口飲み)
逢坂・宵 2019年7月23日
新たな知識を得るという経験はいつでも新鮮かつ興味深いものですから……探求心がうずくと申しますか(ものによるとの言葉には、そうですねぇと同意してから)……それと、僕の連れが最近料理に凝っているので、無関心ではいられないなというのもあります。ええ、目覚めるまではずっと摂取の必要のないモノの意識だったので……食わねば死ぬ、とまではいきませんが、慣れるまで結構苦労しました(この慣れの程度にもヤドリガミによって個体差がありそうですけれど、と答えてみせながらも。カウンターの中のマスターはかしこまりましたと言葉少なに返事を向けたならば、しばらくの後にレモンが一切れ載った小皿を差し出すだろう)僕の場合、こうした茶に色がついたものなど、一時は染料かと思っていたくらいですから……
知念・ダニエル 2019年7月26日
連れの人が……へぇ、優しいんすね。ま、急に自分で動けるようになったものっすからね、特に食に関しては難しかっただろうなと思うっすよ。人や世界によって文化も感覚も違うっすから……。(料理に凝っていると聞き、何かを思い当り)ふむ、所でアンタや連れの人ってのは、甘いものは好きっすか?(ことりと置かれたレモンの小皿。マスターにどうもと短く礼を言い)まぁ間違いじゃあないっすね。染料として使う時もありますから(一般的には飲み物っすが、と付け足し)。(レモンを手に取り、青い紅茶に少しずつ雫を落とす。静かに波紋が広がり波打つ紅茶。やがて夜空は朝焼け色へと変わっていく)……へぇ、間近で見るとなんだか魔法みたいっすねぇ。
逢坂・宵 2019年7月28日
優しいというか……連れが料理を作ってくれるのですから、少しでも知識を蓄えてより深く一緒に楽しみたいという気持ちなんですよね。でも、食事に慣れてから……特に料理を作ってもらうようになってから、だんだんと食事が楽しみになりました。いいことですよね(投げかけられた問いには、ぱち、と目を瞬いてから)ええ、大好き……と申しますか、時々あの血肉が甘味のみで形成されているのではないのかと思うほど甘味好きですね。……茶も実は染料になることを知ったときはそれはそれで驚いたものですが(そうして相手の目の前、耐熱ガラスのティーカップに満ちる夜空に次第に朝焼けの色合いが広がっていくさまを横で眺めたまま)魔法、確かにそのとおりですね。レモンはほぼ無色なのに、少量垂らすだけで夜空が朝焼けになるんですから。これが飲み物というのもなお不思議です。
知念・ダニエル 2019年7月31日
きっとそう思えるのも、誰かと一緒に居るからっすよ。一人だったら……そうやって何かに感化される経験も少ないだろうっす。(甘味が大好きと聞いて)ほう、そうっしたか。でしたらお近付きの印にどうぞっす(ごそ、とバッグから取り出したのは青い布に包まれた何か)。丁度これで二切れなんで、アンタと連れの人にどうぞっす。……バタースコッチシナモンパイってヤツっす。もしかしたら甘すぎる……かもしれないっすが(宵の方へそっと置き)。確かに色の変わる飲み物なんて不思議っすよね。なかなか見ないっす。……レモンは魔法の果実なのかもしれないっすねぇ。禁断の果実とまではいかないっすが(なんて言いながら、カップを口に運び)……ほう、味が変わったっす。目でも舌でも楽しめる紅茶っす。
逢坂・宵 2019年8月3日
……そうですね、やはり誰かとともにいて、誰かのためを思うと……ひとりでいるときには湧き起らないものも確かにあるのでしょう、(ひとりでいた時のことを思うと、今とは考えられないくらいに生活面で満ち満ちている。相手の言葉になるほど、と頷いてから、目の前の手元から取り出された青い布に包まれたそれを見て)……バタースコッチシナモンパイ、ですか。ありがとうございます、彼もきっと気に入ってくれるでしょう。甘すぎるなどと、お茶とともにあるならば問題ないというものです(くすくすと嬉しそうに笑い声を洩らしてから、そうですねぇ、と応えた)魔法の果実、言いえて妙ですね。レモンは様々な料理や菓子にも使われますし、さっぱりとしているので夏にもちょうどいい。欠かせない果物です(そう言ってから、自分の手元の紅茶をひとくち飲み下した)
知念・ダニエル 2019年8月7日
一人より二人、なんて言葉もあるくらいっす。そんな相手と出逢えたアンタはとてもラッキー、という事かもしれないっすよ?まぁ俺みたいな多重人格者は……嫌でも常に大勢と一緒っすけどね(うっすら、自嘲気味に微笑んだような仕草を見せ)。レモンは万能果実っす。同じ柑橘類のオレンジやグレープフルーツを調味料として使うってのは、あんまり聞かないっすもんね。ない訳じゃないっすが。んー、レモンって不思議っす(冷めないうちにと、ずず、と色の変わった紅茶を飲み)。
逢坂・宵 2019年8月9日
はは、とてもラッキー、ですか。……確かにそうかもしれません(とても掛け替えのない相手と出会えたというのはいつも思うところですから、と頷いて。続いた独白めいた言葉には、少しだけ目を瞬かせた)……多重人格者さんでしたか。ひとつの身体に複数の人格、という感覚は僕には想像すらつかないものですが……ひとりではない、というのはある種の利点かもしれません(ひとはひとりでは生きていけませんからと言葉を添えてから)日本料理ではすだちやかぼすを料理と一緒に出したりはしますが……レモンほど多彩に使われてはいない気もしますね。名わき役にして主役、といったところでしょうか。
知念・ダニエル 2019年8月16日
寝ても覚めても誰かと一緒ってのは、利点で言えば確かに一人じゃないっすし、欠点と言えば……独り言が言えないって事っすかね。特に他人格の悪口なんて言えたモンじゃないっすよ(ある意味冗談ではないが、冗談交じりにそう言い)。まぁ人付き合いってのも、結局は距離が大事って事っすな。 レモンは名わき役……上手いっすな。逆に主役の料理って……はちみつレモンくらいしかない気がするっす。
逢坂・宵 2019年8月17日
あぁ、なるほど。独り言は他人格にも聞かれるのですね……それは確かにしんどいところもありそうです(それは自分にとっては想像つかなかったことで、なるほどと納得したように頷いて。それでしたら思考まで駄々洩れていそうで気が休まりそうにありません、と言葉を添えた)ええ、つかず離れず……そんな距離が理想なものです。そうですねぇ、レモンはほとんどがそのままで食べるものではありませんし。ただ、ほとんどが脇役で使うものでもかすむことなく光る素材というのもなかなかないと思いますねぇ。