自室
神代・黄泉 2019年6月27日
数年前、最後に部屋を出た時と何も変わっていない。
そう、この部屋の中だけは。
それ以外が、全て変わってしまった。
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神代・黄泉 2019年6月27日
(椅子に、腰掛ける。軋みと共に、ふわりと埃が舞う)…そう言えば、考査の前だったんだ…捕まえられたの(埃を手で払う事も無く、勉強机に置かれた単語帳を手に取る)。
神代・黄泉 2019年6月27日
学校、もう戻れないよね。私が…、私のせいで……(力無く立ち上がると、フラフラとベッドに歩み寄り。そのままぼふんと倒れ込んだ)。
神代・黄泉 2019年6月27日
(蒸し暑さに、起き上がる。当然だろう、エアコンが動く筈が無いのだから)…窓、開けようっと。どうせ、この近所は殆ど皆引っ越しちゃったし。(中々開かない窓を苦心して開けると、再び椅子に腰掛け。月明りで目に留まったのは、昔使っていたルーズリーフの束で)…日記でも、書こうかな。独り言をぶつぶつ言うのも、おかしいし…。
神代・黄泉 2019年6月27日
「6/27 家に、戻って来た。もう、警察もいない。保護してくれた組織の人に目立った動きはしないようにって言われたけど、そんなの知らない。だって自分の家だし、戻ってもいいじゃん。誰も、いないけど。」
神代・黄泉 2019年6月27日
「お風呂場に、お父さんの靴下が落ちてた。拾ってみたら、まだ臭かった。臭いの源はいないのに、まだ臭いが残ってるなんてすごい。手に水虫移ったかもしれない。とりあえず、お父さんの部屋に戻しておく。」
神代・黄泉 2019年6月27日
「私の起こした事件のせいで、近所の人は引っ越したみたい。周りに、全然電気が点いてない。保護してくれた組織が色々揉み消してくれたらしいけど、そんな事して欲しくなかった。あのまま、化物として殺されてたら良かったのに。生きて罪を償え、ってこと?」
神代・黄泉 2019年6月27日
…これから、どうすればいいんだろ(ペンを放り出し、小さく呟くと。再びベッドへ身を投げ出す)。
神代・黄泉 2019年6月28日
「6/28 興味無かったけど、聞けってうるさいから、UDC組織の人から猟兵について話を聞いてきた。情報が多すぎて、正直未だに混乱してる。」
神代・黄泉 2019年6月28日
「自分が起こした事件の時に大体は察したけど、本当にそんなアニメとか漫画みたいな存在がいるとか、やっぱり信じにくい。猟兵として活動する意思があるならバックアップするとか言ってたけど、また事件起こしそうな気がするから見張っときたいだけなんじゃないかなあ。」
神代・黄泉 2019年6月28日
「支給される武器の一覧とかも見たけど、拳銃とかしれっと書いててびっくりした。アメリカじゃないのに。そもそも、私みたいな年齢が銃とか撃って良いの?猟兵は超法規的存在だからお咎めなし、って事?意味わかんない。」
神代・黄泉 2019年6月29日
「6/29 めんどくさい。何もしたくない。する意味も、理由も見つけられない。強いて言えば、生活のバックアップをしてもらってるから、それに応える…くらい。」
神代・黄泉 2019年6月30日
「6/30 猟兵活動云々の前に、身体の精密検査をするって言われた。正直、他人に身体の事を聞かれたり知られたりしたくない。未だに腹痛とか頭痛が酷いけど、その理由とか話したくも無いし思い出したくも無い。たとえ、一応恩義があるUDC組織でも。」
神代・黄泉 2019年7月1日
「7/1 する事が無いから、一日街をぶらつく。親子連れとか恋人を見ると、羨ましい様な目障りな様な、何とも言えない気持ちになる。嫌な人間になっちゃったなぁ、私。」
神代・黄泉 2019年7月2日
「7/2 とりあえず、武器の準備だけして来た。銃とか、他の訳わかんない武器じゃない、単なる刃物。と言うより、鈍器。こんな物使いたくないけど。」
神代・黄泉 2019年7月2日
「でも、私をこんな目に合わせたカルトの連中にまた出会ったら、何の迷いも無く振り下ろせる気がする。凄く、気持ち良いと思う。人間として完全におかしいけど、そんなの今更だし。そもそも私は多分もう、人間じゃない。」
神代・黄泉 2019年7月3日
「7/3 お腹が痛い。」
神代・黄泉 2019年7月4日
「7/4 薬が無くなったからくれってUDC組織の人に言ったら、この前渡したばっかりだからダメって言われた。あんなの、規定量飲んだって全然効かないのに。薬くれないなら、もう会わないから別にいいや。」
神代・黄泉 2019年7月4日
「独りで引き籠り続ける訳にもいかないし、とりあえず旅団ってのを探してみる。でも、猟兵頑張ってる人ってみんなキラキラしてそうだし、私みたいなのが混じって良いのか不安にもなる。」
神代・黄泉 2019年7月5日
「7/5 行きたくないから逃げてたけど、しつこさに根負けして身体の精密検査に行って来た。こんなの調べたって、何か変わる訳じゃないのに。何も変えられないのに。あほらしい。」
神代・黄泉 2019年7月5日
「というか、採血で針を刺される時のあの感覚がほんと嫌い。痛いっていうより、なんか変な異物が入って来る感じっていうか。血が抜けていくのを見てると、吸い取られてるみたいで頭の芯が冷えてくる感覚になる。」
神代・黄泉 2019年7月6日
「7/6 気晴らしにソシャゲを何個かやってみたけど、どれも似た様な内容ばっかりでつまんない。ガチャとかスタミナとかガチャとか。そもそも最低レアリティがレアってどうなの?レアって本来は珍しいとかそういう意味合いじゃない?」
神代・黄泉 2019年7月7日
「7/7 七夕。でも、だから何?って感じ。幼稚園の頃くらいまでかなぁ、真面目に短冊書いてたの。あの頃に戻れたらいいのに。」
神代・黄泉 2019年7月8日
(窓を、カラカラと開ける。生暖かい風が吹き込んで来て)…梅雨って、もう終わったっけ……?
神代・黄泉 2019年7月9日
「7/9 今まで普通の世界だと思ってたのに、邪神だのUDCだのを知っちゃうと世の中全部が嘘だらけに見えてくる。一般人に知られずに化物を葬る能力者!とか中二病の考える妄想みたいって思ってたけど、中二妄想の方が真実とかもうこれ訳わかんない。」
神代・黄泉 2019年7月11日
「7/11 単純に気温が高いだけならまだ我慢出来るけど、湿度高いから日本の夏って苦手。蒸し暑くて汗で気持ち悪くて最悪。」
神代・黄泉 2019年7月12日
「7/12 UDC組織から、「初めて依頼に参加した事だし、データを傭兵として再登録します」って連絡が来た。ついでに顔写真も撮るとか何とか。これで漸く、要注意な観察対象扱いじゃなくなるって事かしらね。」
神代・黄泉 2019年7月13日
「7/13 コンビニで新発売のカップ麺を見つけた、と思ったら数年前の商品のリメイク?っていうか、再販売だったっぽい。お姉ちゃんと一緒に買ったのを思い出した。脂っこくて嫌いとか言ってたけど、私は好きだったなぁアレ。」
神代・黄泉 2019年7月14日
「7/14 オブリビオンって、過去の残りかすみたいな存在なんだっけ。倒せば消えるのはわかるけど、時間って常に流れてるものだし、過去も絶え間なく生まれ続けるんだから、オブリビオンが完全に消え去る事って無いんじゃない?よくわかんないけど。」
神代・黄泉 2019年7月15日
(椅子に腰掛け、軽く床を蹴り。くるりと回った先には、身の丈2mを超すであろう大男。だが、その頭部は異形の黒山羊で)…ねぇ、あんたさぁ。私の事、どう思ってんの?(感情の籠らぬ平坦な声で、問い掛ける。返って来るのは、鼻を鳴らす音と荒い吐息のみ)…。まぁ、聞くだけ無駄か。私の言葉はわかってるみたいだけど、喋んないし。……もう良いわ、また用があれば“起こす”から(その声に応える様に、異形は靄の様に霧散した)。
神代・黄泉 2019年7月17日
「7/17 偏頭痛とか口内炎とか色々重なってしんどい。イライラする。」
神代・黄泉 2019年7月20日
「7/20 やけに賑やかだと思ったら、水着コンかー。最後に海で泳いだの、いつだっけ…。胸とお腹に変な刺青みたいなのが残っちゃったから、もう人前じゃ肌見せられないなあ。」
神代・黄泉 2019年10月11日
「10/11 もう10月になってた。気温とか滅茶苦茶だから風邪ひいちゃった。最近、春と秋が極端に短くなってる気がする。」