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🧪「君の夢の続きが私」

シェリ・シュロス 2024年2月1日


↳シェリ・シュロスの故郷の地。少なくとも育った土地ではあるが生まれた土地かは定かではない
↳日が照らしているあいだ
↳記録者:シェリ・シュロスの肉体に入っている「私」。■■・■■。




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シェリ・シュロス 2024年2月3日
イヴ。ここはアリスラビリンス、だったな。やけにファンタジーな名前の世界だが。
(シェリ・シュロスの視覚は実のところ■■・■■のものと大差ない。この娘は童顔だがそう小柄なわけでもないのだ。足許、私の右側を半身ほど先行する猫が、歩みを止めずにちらと見上げてくる)
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シェリ・シュロス 2024年2月3日
“ファンタジーなのはここだけじゃない。すぐに慣れるよ、慣れざるを得ないのだしね。元々はニホンに居たんだろう? ……ゲームとかはやったの? RPGとか。そういう世界観に近い気がするんだけど”
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シェリ・シュロス 3月30日14時
そんなものかね。
(片眉を上げる。記憶に刻まれた癖だが、この顔つきには不似合いな仕草かもしれない)
ゲームか。私はやらなかったよ。……知人、がやるのを横目に見たことはある。それでよかったのだよ。自分でやろうなどとは、とても。
そもそもああいうゲームには敵がつきものではないのかね。
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シェリ・シュロス 3月30日15時
“だからそう言ったんだけど?”
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シェリ・シュロス 3月30日15時
何?
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シェリ・シュロス 3月30日15時
“敵だよ。敵。いくらでもいる。シェリは猟兵だ。ここで言う猟兵は、そのいくらでもいる敵を討伐することができる能力者だと思ってくれればいいよ。力は既にあるんだ。ある、はずなんだけどね”
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シェリ・シュロス 3月31日15時
(この華奢な腕で、シェリ・シュロスは戦士だったのか。しかしイヴノエルの用いた表現は奇妙にずれている。「そんなものかね」ともう一度繰り返した。ここは日本ではない。私の武器は既に化学ではなく、青春に失敗した者特有の諧謔的思考でもなければ、大人のなり損ないに相応しい破滅願望でもないということだ)

だが私は力とやらの使い方を知らない。シェリの記憶から抜けているのだと言い換えてもいい。
憶えているとすれば、この身体だ。
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