雨:XXXX/ Rainy days.
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
──やっぱり 高望み だったんだ。
所詮、普通の人とは相容れない、
小さな容器の中で培養された生き物なのだから。
…………ああ。それでも。愚かにも。
◆ロケーション
ひび割れた大地、荒野
草木 少なし
ぽつぽつと廃れ、酸に穿たれたようなコンクリート建造物あり
見晴らし良し 人気なし──
天気、晴────時々、局所的に、極彩色の篠突く雨。
清き空気に生きるものを拒むように。
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三崎・瑠花 2023年8月25日
オレは、怒ってるんだ。
怒ってるから、そんな言い訳なんか聞かないよ。
三崎・瑠花 2023年8月25日
(俯いて、縋るように、手は離せない)
(いつの間にか喋ることが難しくなくなっているのは、キミのおかげなんだろう)
(……。)
オレは、……キミが好きだよ。
大好きなんだ。
三崎・瑠花 2023年8月25日
……キミは、
……。ずっと、苦しいのを我慢してきたのかい。
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
(言い訳なんかじゃ──ない、と思う。きみを傷つけたくないのは、本当だ。)
(怒られたって、そんなの、ぼくにもどうしようもない──)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
(そんな反論も、まともに紡げないほどに。)
(きみに大好きと言われて、心臓が跳ねる。)
(立ち去らなきゃと思うのに足が強張る。)
(決意が揺らぐ。)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
(水のヴェールを、魚の鰭みたいにつけた足の膝を、力なくぺたりと付けて、へたりこみ)
…………いたいよ
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
…………るかとずっと 一緒に いたい。
(君にしがみつくようにしながら、我慢してた言葉を、ダムのヒビ割れから漏れ出た水のように溢す。)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月25日
(こくり、こくりと、きみの言葉に。色んな申し訳なさも溢すように、頷きながら)
(無効票)
三崎・瑠花 2023年8月25日
(いたい、の言葉に、慌てて手の力を緩めて)
(……そうではない、と知って。)
(くい、と軽く手を引いた)
じゃあ、オレはやっぱり怒るよ。
三崎・瑠花 2023年8月25日
……オレの知らないうちに我慢して、急にいなくなるなんて……
どれだけ心配したかわからない。
怒る権利は、あると思う。
三崎・瑠花 2023年8月26日
(包むように、そっと、抱きしめようとして)
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
………………………………
……ごめんね。
(ぐす、とぐずるように鼻を啜りつつ、ぽつりと謝る。)
(抱きしめられれば、そのまま、ぼくもぎゅっと抱きついて)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(──どんなに、相容れない世界が隔たりとしてあっても)
(やっぱり、きみのそばが一番いい。)
………… ……どのくらい。おこってる?
(無効票)
三崎・瑠花 2023年8月26日
ど。どれくらいって……そ、それはもう。
三日……、いや、一……半日、口をきかないくらいだ。
(ああだめだ。想像しただけでいやだ。そわそわと不安げに尻尾が振れる)
三崎・瑠花 2023年8月26日
……でも。
一緒にいなきゃ、それもできない。
(泣かないで。泣かないでほしい。願いをこめて、頭を撫でて)
オレも、ウルルと一緒に居たい……
だから、ひとりで抱え込まないで。ちゃんとオレにも分けてほしい。
……ウルルが苦しい理由を、どうにかできるかは、わからないけど……
すくなくとも、
二人で考えることはできるよ。
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
…………それは、……やだ。
(口聞いてくれないのは、やだな、なんて思いながら。)
──────……いいの?
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
……ぼくは──きみと上手く、いっしょに生きられないかもしれない。
きみの命をおびやかすかもしれない。
(──しれない、ではない。これはきっと、確定事項だ。どのような形であれ、きっと「きみはぼくといる限り、命を削ることとなる」。)
(そんな気がするし──きっと、その予感はただしいと思う。)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(好きなひとの命を削るとしって一緒にいるのは、ぼくのエゴで、ぼくの我儘だ。)
三崎・瑠花 2023年8月26日
……オレもいやだ。だから別のやり方を考えることにする……。
(想像しただけでしょんぼりしてしまうし)
……。
オレは……これでも結構丈夫なんだよ。
小さいころに木から落ちて足を折ったときだってすぐ治ったんだ。母さんが感心してた。
三崎・瑠花 2023年8月26日
(わざと、なんでもないことのように言ってみせて)
(その傍らで思う)
(もしかしたら、今こうして撫でる手が、そばにいることが、彼女を苦しめているんだろうか?)
(……。)
一緒に居ないと、叶えられないよ。
三崎・瑠花 2023年8月26日
……健やかなるときも、病めるときも
命ある限り、愛し助け……って、誓うじゃないか。
オレたちはまだ夫婦じゃないけど、
愛させて、助けさせて。
三崎・瑠花 2023年8月26日
どうしたらウルルが苦しくないのか……オレたちが一緒にいられるのか。
一緒に悩もう。ふたりで。
(小指を立てた手を、そっと差し出した)
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
……いたそう……
(聞いててちょっとしゅんとしまう。ちっちゃいるかだいじょぶだった……?)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(──やめるときも、すこやかなるときも。)
(結婚式のときの、宣誓──だっけ。ふれーずだけしってる。)
(……結婚、憧れてたけど。憧れるだけで──ぼくは、恋に焦がれるだけで、その先をちゃんと考えてなかった。)
(だから、きみをきずつけたかもしれない)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(──けど、傷つけてしまっても、その先をきみと行きたい。生きたい。)
────うん。
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(ぼくたちは、恋人以上かもしれないけど、まだ夫婦未満で)
(きっと、困難はまだいろいろあるけど)(陸に住まう王子と海に住まう人魚がともに暮らそうとする難題かもしれないけど、)
(それでも、)
…………いいわすれてた、けど。 るか、
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
あいしてる。
(組み合わせる小指は、結婚指輪の代わりにはまだなり得ないかもしれないけど────)
(そうなれるように。)
三崎・瑠花 2023年8月26日
(ヒーローみたいに助けられはしない自分への情けなさは)
(足掻くことをゆるしてくれる君への愛おしさで、今は。)
(目を細めて、微笑んで)
……オレの方こそ。
愛してる……愛させてくれて、ありがとう。ウルル。
三崎・瑠花 2023年8月26日
……会えなかった間、ちゃんと食べてたかい。
一旦小屋に戻る……のはつらいのかな。それともさっきみたいに水に入ってれば大丈夫……?
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
……えと、水に入ったりしてれば……だいじょぶ……とおもう。
(前は我慢しすぎたせい、もあると思うから……そこは相談、とかもしながら、かな。)
あ、あの、おうち……ほんとに、ごめんね。
(だいじなところだったのに。)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
ごはんは、えと、……ほどほど……
(くぅぅぅきゅるるるる……)
…………
三崎・瑠花 2023年8月26日
そうか。それならよかった……また二人で帰れるんだ。
(ほっとした様子で、でも、思い出したようにぎくりと冷や汗)
いや、それは大丈夫……な、んだ……けど……。
……ちゃんと片づける余裕とか、なくて……あのときより荒れてるかも……。
(探すので頭がいっぱいだったし、だいぶ雑な生活をしていたし)
三崎・瑠花 2023年8月26日
じゃあ、帰ろうか。
一緒に。
(無効票)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(おろろ)
あ、あう
(おろろろ)
い、一緒にかたづけます……!
(控えめ挙手をしつつ。だ、だいたいぼくのせいだし……!)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
…………ん、かえる。
(──漸く、普段のように笑って)
────あ
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(きみのほうを、一度見て。)
(無茶したせいで、まだ少し「雨」に濡れてるきみの顔を。すこしじっと見て)
(……うん、これなら、)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(……咳も出ないと思う。濡れた、きみの頬に、そっと口付けを。)
(ちゅ。)
ウルル・レイニーデイズ 2023年8月26日
(────やっぱり、まだ、普通の口付けはできないし、それはやっぱり惜しいけど。)
(愛してる、をかたちにはしたいから。)
三崎・瑠花 2023年8月26日
(目の前にいるのが夢でもなんでもないのを改めて噛みしめながら)
(その顔に見とれていたので、)
……ん?
三崎・瑠花 2023年8月26日
わ。
(一瞬、嬉しさと心配が同じくらいで)
(でも無理しているような様子はないから、素直に嬉しくて)
……、
三崎・瑠花 2023年8月26日
え、へへ……。
お返ししても、大丈夫かい?
(改めてすこしずつ、すこしずつ、確かめながら)
三崎・瑠花 2023年8月26日
(ふたり一緒に──帰ろう。)
(。)