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【1:1】UDCアース食べあるきツアー

逢坂・宵 2019年3月9日


世界はUDCアース。
日本国が首都、東京。

長い冬が明け、暖かな春になり始めたのを感じるような日の朝。
駅から少し離れた街路沿いの店の前、集まる若人が少しずつ列をつくりだす頃。
街路の向こうから歩いてきた、ひとりの男が店の前で足を止めた。


(お呼びした方との1:1スレッドです。それ以外の方はご遠慮ください)
(キリのいいところ、または1週間返信なしで〆)




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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月26日
ん?どうした…?要らんのか?(相手の逡巡に気付けば甘い物は嫌いではなかっただろう?とそう呟きながらフォークの先に刺さったベーグルへと視線を向ける。純白の生クリームと色とりどりの果実がみっしりと詰まった、見るからに甘い事が見て取れるそれ。先に口内で広がった蕩ける様な甘みと果実の酸味を思い出せば思わず唾を飲みながらも、相手の口内に消えてそれを確認すれば思わず嬉しそうに目元を緩め)美味いだろう?溶けるようなクリームと果実の酸味が絶妙で驚いたのでな。それに、惣菜もいいがやはりこの様な菓子惣菜の様な物は甘味も堪能すべきだろう?
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月26日
(そしてきっと周囲の状況と言う物を余り気にしないの性質なのか最初から気にする気がないのか解らぬが、何時もの様子で満足げに頷きながらもう一口要るか?要るならば又切り分けるがとそう続けながら再び果実のベーグルへフォークを刺すと切り分け己の口に運んでいた…が。甘味を咀嚼する相手の手元…からりと揚がったきつね色の衣に肉の断面から透明な肉汁が滴るチキンカツが視線の端に映れば思わず唾をのみ込んだ。そういえば先にさく、と耳にやけに美味そうな音が飛び込んできていたが…これかと、そう思考を巡らせれば僅かに視線を漂わせた後、口を開いて)…宵、そのチキンカツのそれは美味いのか?(そして暗に一口くれても良いのだぞ、とそう訴えるかの様な視線を相手の瞳に向けながら美味そうだな、と。そう再度念を押す様に相手へt声を投げているかもしれない)
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逢坂・宵 2019年3月26日
……(確かに、咀嚼するスイーツベーグルサンドはたいへんに美味だ。新鮮かつ最もいいタイミングで摘果されたことがわかるその弾けるようなみずみずしさ、甘すぎずなめらかに舌で味わう甘み、脳に直接訴えかけるようなさわやかな酸味。そして最たるものはそれらを包むクリームだった。甘すぎず淡泊すぎず、果実を引き立てるような絶妙なクリーム感。しかし強く主張せず、あくまで脇役の位置を守るようなほどよい味の濃さ、そして確かなミルク感も感じられる。極めつけはやはり甘味に合わせられた薄めながらもちもちのベーグル。まさに看板に偽りなしのひと口だった。なるほど確かに、甘味を食べ歩く彼のお眼鏡にかなう品だろう。甘味に疎い自分でも感動するほどの逸品だ)……これは、実に美味しいですね。確かにこのような品を食して楽しみ、経験することも重要な体験でしょう(このようなベーグルが実際にあったのですね……と、ひとり深く頷いた)
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逢坂・宵 2019年3月26日
(おそらく、周りの目であるとか世間一般のふるまいであるとか―――そういうところの『こういうこと』については、彼にとってはなんでもなく、また意識するところですらないのだろう。気にするだけ負けというやつだろうか。もう一口食べるかとの問いの声には大丈夫です、と返してから、己は己の皿に集中することにした。フォークを当てれば硬質ながらも豊かな弾力ではね返すようなベーグルバンズ、ざっくりとナイフを差し入れると遭遇する薄くさっくりと揚げられた衣と肉感たっぷりのチキンカツ。雫が滴るように新鮮なレタスまでナイフを通してから再びベーグルパティに出逢う。そうして一番下までナイフを下ろし、再び口に放り込まんとフォークを持ち直してから――向けられた言葉に首を傾げる。そうして、意地の悪い笑みをにやりと口元に浮かべてから)……ええ、とても。美味しいですよ(欲しいのでしたら、分かりますよね? と。微笑みはそう言っていた)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月27日
ああ、気に入ったのならば何よりだ。旅団への差し入れ用にこの果実のベーグルサンドを何個か求めたからな。宿に帰宅後なんだ、一つくらいならば宵に裾分けしよう…と。…、…そうか。美味いか…(くれと、そう遠回しに伝えた声音が通じなかったのかと。瑞々しい緑と肉汁を湛えたその肉が切り分けられそして相手の口へと向かうその様を追うかのように視線を動かせば、一口くれと、言外にそう再度念を押すかのように声音を投げ行く…が。業とらしく構えられたフォークと共に口元に浮かんだ笑みを見れば、絶対に理解してやっているだろう相手の意図に気付きぐと思わず口をひき結ぶ。そしてじどっと何やら言いたげな瞳を向けつつ片眉を上げると口を開いて)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月27日
…先程一口、渡しただろう…?(そして、再び察せ、というかの様な小さな声を漏らしつつ、再び相手のフォークの先へと視線を向けた。己の惣菜ベーグルはサーモンとアボカド…つややかに光る橙と緑の共演はきっと燻された仄かな香ばしい香がとろりとしたその舌ざわりの果実と相俟ってとても美味い事は想像できる…が。だが、滴る様な肉汁は当然望める訳もなく。相手のフォークの先に刺さる軽い歯ごたえの衣に滲む仄かな肉汁と…そして続くかのように口内で広がる肉の旨味を想像すれば僅かに逡巡するかのように視線を漂わせた後息を吐いて)…、…一口くれ。これでいいか?(そして相手の口元に浮かぶ笑みを見やり行けば、相手の思考の通り…きっとごくごく普通に効率だけを考え一般常識やら目やらなにやらまるっと気にしていない指輪は言ったのだから早くよこせと。そう言うかの様に口を開け行くかもしれず)
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逢坂・宵 2019年3月29日
……いえ、僕はこの一口だけで。これほどまでに美味しいものでしたら、一人でも多くの方に食べていただきましょう(お気持ちだけいただきます、と。そう言ってから持ち直したフォークの先に刺さったチキンカツベーグルひと口分に視線を落とす。滴りてらてらと輝く肉汁、ぱりっと食感の良さそうなレタス、そしてもちっとしていながら具材の邪魔をしないベーグルバンズ。見るからにその一口だけでさまざまな食感に味わい、そして香りを感じられるのが分かる。視線を相手に戻すと、じいっとこちらを凝視している金剛石の双眸が何かを訴えかけるような色をしていた。相手の言わんとするところは痛いほどに伝わっているが、だが人の世には『雰囲気を察する』だけでは伝わらないこともあるのだと。身に沁みて実感させたかったところであるから、あえて察していながらも気づかないふりをして)
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逢坂・宵 2019年3月29日
はい、確かにひと口いただきましたね(それが何か?と言わんばかりのすがすがしい笑顔。察せ、などと言外に匂わせる手段はよく自分もとるが、このように相手に何かをはっきり求めたい場面では口で言う方が早いこともある。宵色に黄昏の朱が混じる双眸をご機嫌に細めて、相手の言葉を待つ。普段は冷静そのものといったその顔立ちが逡巡と懊悩に染まるさまを眺めるのはいつ見ても楽しいものである。ぐう、と喉の奥で鳴るうめき声すら聞こえそうな表情を浮かべた相手は、それからようやく己の臨んだ言葉を発した。よくできました、とばかりの満面の笑みを顔立ちに刷くが、続いてぱかりと口を開けたまま動かなくなった相手のさまを見れば今度こそ硬直して)……(またか。己よりある意味先達の輩である相手は、どうしてこうも周囲に頓着しないのか。しばらく迷ったものの、ちらと周囲を伺い見てから、フォークを持ち上げてその先を素早く相手の口に入れた)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月29日
(目の前で細められている名の通りの色を乗せたその瞳。深い藍色に夕日の色を滲ませたその色がどこか楽しそうな感情を乗せている様に気付けば自然を眉間に寄せていた皺を深めながら口を開けていたが、その笑みが固まり動きを止めた様を見れば訝し気に首を傾がせた。そういえば先に己がフォークを差し出した際も何やら考え込む様に動きを止めていたと、そうどこか不自然な相手の様子を思い出せば、眉間に寄せていた皺を解きつつ喉に力を込めて)…どうかした…(のか。そう、問う様に相手へと続けるつもりだった言の葉。だが―丁度開いた口に差し入れられたフォークを見れば、一旦疑問は飲み込み言葉を止めフォークの先のベーグルへと歯を立てた。弾力性の有る柔らかなベーグルを挟み噛みつくように口内に迎え入れれば、ふわりと香ばしい衣の香りが鼻を擽り自然と満足げに瞳を細まって行くのが己でも解り続く味覚への期待がさらに高まる)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月29日
(顎に力を込めるごとにさくと、軽い音を立てる衣と柔らかなレタスの食感、そして想像していた通りじゅわりと甘い脂と肉汁…そしてどこか甘さが感じられるソースの塩気が口内に広がれば満足気に鼻を鳴らしつつ、ゆっくりと味わう様にカツの旨味を味わった後飲み込んだ)…確かに美味いな。俺も頼めば良かったが…。否、…流石にこれ以上は一度には食えんか(思わずレジの方へ向かう視線を理性で引き戻しながら声を漏らせば、己の残り少ない果実のベーグルは一先ず後回しにしピスタチオのそれへとフォークを突き立てんと試みていた…が。ふと、先の疑問が脳裏に浮かべば目前の相手へと視線を向けて)そういえば先からなんだ、時折様子がおかしいが…、…腹でも又壊したか?(そして心配そうに眉を下げながら手元を見ぬままピスタチオのソースがたっぷりと詰まったベーグルを切り分け己の口に運んでいる様だ)
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逢坂・宵 2019年3月31日
(相手の口の中へベーグルのひと切れが吸い込まれていくのを見れば、すぐに手を引いてテーブルの上に戻す。誰かに見られていないか気が気でない。確かに自分と相手は親しい中ではあるが、こうしているさまを眺めている世間の方々が推測するような好い仲には至っていないはずで――至っていないという言い方ではまるで自分がそうでないことを残念がっているようではないか。ああとにかく違うのだ、客観的に見てそういう状態ではないのだと、頭の中でぐるぐる思考する。そのように逡巡している間にも、目の前の相手は口の中の食物を噛みしめるようにゆっくり咀嚼して味わっている様子だった)……時間を掛ければもっと食べられるとも聞こえますね。美味に対するきみの食欲と胃の容量には頭が下がります(もし自分の皿にあるものが食べきれなかったら頼ろうと……そのようなことを考えてから。続いた言の葉に、次のひと口を切り分けようとしていた手が止まった)
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逢坂・宵 2019年3月31日
(腹でもまた壊したのか、と問われれば目を瞬かせ。そして曖昧な、ほんのり苦い笑みを浮かべて首を振った。何もないのだとそう伝えるために。それから)……きみのそういう、周囲を気にしないところは美点ではありますが、僕には少々刺激が強すぎると思いまして(以前食べさせ合いについての常の識を教えたものの、やはり相手はそうしたいときにそれを行う性質で、あまり縛られるものではなかったらしい。嫌ではないが、やはりどうしても周りの目が気になってしまうのだと告げて)……好い年の男二人が食べさせ合いっこなど……まるでヒトの言う、恋人同士のようではありませんか(ヒトたちは親しく好い中になるとこのような行為を行うつがいがいると、己の中の常識では確として在った。まるでそのようだと、軽い気持ちで相手にそう伝えたのだ――その、はずであった)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月31日
体を動かせば自然と腹は減るだろう?旅をするにも戦闘も体力が資本故…と。そうか…?ならば良いが…アースは梅雨という季節に入るそうだからな。湿気が増えると食物はすぐ傷みやすくなる故。…この間もそうだったのだろう?(俺も経験があるからなと。しみじみと声を漏らしながら切り分けたピスタチオのベーグルを口に運びつつ満足げに鼻を鳴らしていた―が。続いた声音を聞けば、自然と動きがとまった。以前もなにやらその様な事を言っていたと、そう思い出すと同時―そういえば甘味を食べている姿を見ても、自然と口を開け一口強請るのは目の前の青年相手のみだという事に気付けば己の心境を整理するかのように僅かに首を傾がせながら視線を僅かに左上へと彷徨わせる。口という脳に近い器官を晒すのは…本体さえ無事ならば回復はするのだろうが、流石にフォークで突かれ脳を損傷させられれば厄介ではある故信頼している証ではあると、そうは思う)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年3月31日
(だがそれを言うのならば猟兵になってから出会った皆、信頼していると言ってもいいだろうにと、そう己でも良く分からぬ違いに眉を寄せると動きをとめた侭思考の海に沈んでいた―が。恋人という単語が耳朶へと届けば思わず瞳を見開いた後、つると。持っていたナイフが手から零れた)っと…!何故そうなるのだ…?切った侭食わせれば効率が良かろう…?(思わずと言った風情に左手から滑り落ちたナイフが皿にぶつかり大きな音を周囲に響かせ行けば、慌ててピスタチオクリーム塗れになったナイフを拾い上げながら言い訳じみた声を口から続けて行く。親と子、家族間以外…まあそういう相手が食わせ合う事は先に聞いたが…改めて言われれば色素の濃さゆえか気付かれないだろうが自然と熱が集まる目元を誤魔化す様に手で目元をぬぐいゆくーも。ナイフを拾った手のせいかべたりと目元に緑色の汚れが伸びれば止まった思考の侭一人取り乱し被害を広げている様だ)
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逢坂・宵 2019年3月31日
そう、ですねぇ。きみと約束している故郷めぐりのこともありますし……僕もそろそろ体力をつけておかねばなりませんか。この間、って……(いったいいつの話だ―――そうしたときにふと思い浮かぶ。そう言えば数日前もそうだった。このような相手の居振る舞いに戸惑っていた様子を、相手は自分が腹を下したというふうに認識したのだ。おそらくそれのことを指しているのだろうと考えて)……どうお答えしていいかは分かりませんが、とりあえずきみの思っているようなことではないとだけ言っておきます(確かに自分は少食だが、かと言って腹痛キャラ扱いされてはたまらない。そのうち腹下しに効く薬でも差し入れされかねないだろう。手元のベーグルサンドをじいと眺めながらそう考えていれば、不意に前から聞こえた大きな音に反射的にそちらへと視線を向けた)
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逢坂・宵 2019年3月31日
(―――がちゃん。相手の大きな手から滑り落ちたナイフと、ベーグルの載った皿が衝突した硬質な音よりも何よりも、声を荒らげはしないものの剥き身のような……動揺を隠さぬ相手の声音に驚いた。常は平静そのものではあるが、猫と戦う苦悩や甘味を愛おしむことの多いその、低く落ち着きのある声音が自分の前でこれほどまでに感情の発露を顕したことは初めてだった。揺れる金剛石の色をした双眸は心の戸惑いを映し、普段では全く見せないような―――目元に緑色のクリームをつけて慌てる相手の姿など、見ることがあるなどと……思えたことだろうか)……ザッフィーロ、君?(本当に何気ない一言のはずだったのだ。どうしてそのように落ち着かなげに挙動するのか。己には考えもつかなかったが、とりあえず目元の汚れだけでもなんとかせねばと。そう思って懐を探り、相手に夜色のハンカチを差し出した。これで拭いて下さい、と伝えてから)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月1日
…そうなのか?ならばまあ、よいのだが…(混乱したまま声を続けるも、先の単語から連想した想像が脳裏に留まっているのかどうも思考に取られ上滑りするかの様な声が口から洩れる。肉を得ながらも人の営みから外れた己の本質を自覚しているが故に常に距離を置き見ていた己だが―相手の言葉によって当事者として脳裏に浮かび行けば、物だぞ。在り得なかろうと。未だ忘れ得ない前所有者へ―そして己自身に言い聞かせるかのように紡ぎ続けた声が口から自然と漏れかける…も。そういえば目の前の相手も物だったかと、そう混乱する頭で考えればその言葉も口の中へと消えて行った。悩む己に示す言葉を掛け己が全面的な信頼を寄せる相手。そして己を揶揄い反応を喜んだ前所有者と同じく、揶揄い知らぬ反応を見たくなる目の前の相手を見れば、もしや同じ感情を抱く故なのではないかと。疑問と共に良く分からぬ感情が浮かぶと更なる混乱の中自然と視線が落ちて行く)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月1日
(とりとめのない思考に混乱しながらも一先ず落ち着こうと。そう一人一度頷けば白手袋にべたりとついた緑色のソースが再び被害を広げぬ様に指をかけ手から引き抜き吐息を漏らすも、軽く相手の戸惑いの滲む声が耳朶へと届けば平静を装いながら顔を向ける。普段あまり表情筋が仕事をしていないせいか常に戻った様に見えるだろう表情と共にゆっくりと息を吐きだすと差し出されたハンカチへと手を伸ばし)…ん、ああ。すまんな。…悪いが後で洗って返させて貰おう。それと後ほど良い物があれば購入させて貰う故(指先に触れる柔らかな夜色のその布を見れば、一瞬躊躇するかの様に視線を落とすも目元を拭うように布を滑らせる。そして動揺の余り晒した醜態を誤魔化す様に二三度拭えば、普段手袋で隠されている己の本体ごとハンカチで包み指から引き抜きつつ共に衣嚢へと仕舞って)新しいカラトリーを貰ってくるが…宵は何かいる物等あるか?
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逢坂・宵 2019年4月1日
はあ……(先ほどから相手はどうしたのだろうか。常の彼らしくない動揺した様子はやはり多少は気になって、応える言葉もつい生返事になる。それほどまでにヒトが触れ合う営みにたとえたのが違和感を残したのだろうか。そういえば彼は常日頃から自らをモノと言ってはばからず、それは固定した思考というよりもおのれの在り方という自分自身の芯からきているようでもあった。そんな彼を眺めていて、自分自身はヒトでありモノであり、またヒトではなくモノでもないという考え方ではあったが―――彼のその考え方もまた間違っておらず、自分たちはどこまで行ってもしょせんはモノなのだと。自分にはそんな諦念に近い思考もあった。やはりそのあたり、ヒトの行いにたとえたのが彼にとって動揺を誘うきっかけになったのだろうか。そう考えていたものの、言葉にしない心の裡はやはり互いにとって何も伝えも伝わりもせぬもので)
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逢坂・宵 2019年4月1日
(相手の面差しがこちらを向けば、その表情は―――少なくとも表情だけは、それは常の相手が見せるかたちそのもので。意識して己を落ち着けようとするかのような長い溜息は、強張った身体を解すためのものだろうか。差し出したハンカチが受け取られ自分の手を離れれば、ほっと安堵するように目を細めて)……ハンカチのひとつくらい気にせずとも良いのですが。僕はきみとの間に貸し借りなど作りたくはないので(そう言って椅子に深く腰を掛けなおす。先ほどの大きな音に驚いて乱雑に置いたままのナイフとフォークの位置を整えていれば、先ほど見えた相手の手袋の下の肌に視線を戻す。確かその手に本体を嵌めていると言っていた―――が、大きな手指と緑のクリームで汚れた白い手袋と夜色のハンカチに阻まれて見ることは叶わなかった。そして続けて必要なもの、と問われればしばし考えてから緩く首を振る)……いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます。
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月2日
そうか?…ならば少々行ってくる(使えなくなったカラトリーを横目で見遣りつつ立ち上がれば、微妙に肌寒く感じる手を軽く握りつつ後方のカウンターへと近づき先に対応した雀斑の店員へと事情を説明した後、新しいカラトリーの箱を受け取り踵を返す。手の中で微かに聞こえる食器の擦れる音。日常に近いその音に自然と落ち着いてゆく思考に肩の力を抜くも、途中大きな声が聞こえてくれば思わず視線がそちらへと引き寄せられる。瞳に映るのはまだ幼さの残る若い女子二人。付き合う男の事を話しているのか愚痴というには嬉しそうな声音の会話を微笑ましい気持ちで耳に入れつつ足を進めるゆくも、一口頂戴の声と共に差し出されたフォークを食む女子が目に映れば思わず瞳を瞬かせた。宵は恋人同士がするというが目の前の女子二人は付き合う者が居るのに当たり前の様に口を開けている。ならば親しい間柄ならば当たり前の事なのではないかと、
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月2日
そう思考を巡らせれば先迄の戸惑いが目の前から去るかの様で自然と口元に笑みが浮かんだ。そういえば赤毛の所有者も、己が肉を授かった直後から事ある毎に面倒だと口を開けて居た。大事だと想う気持ちは共に過ごす内に生じはしたが、肉を授かった直後の己へは面白い旅の連れ合い程度の気持ちしか無かっただろう。故にきっと宵の言う常識がずれて居るだけで普通の事なのだろうと、そう軽い足取りで席へと戻ればカラトリーの箱を机に置き再び席について)…食事中席を立つ等なんだ、行儀悪くすまんな。では、残りも食うか(そして新しいカラトリーを手に取れば再び切り分け口に運び始めるも、ふと瞳を細めると目の前の相手へ視線を向けて)先は可笑しな事を言っていたが…あそこの女子二人も食べさせあっていたぞ?宵の常識が古いのではないか?(そしてまだ話に夢中になっているだろう若い女子二人へ視線を向けた後、どこか得意気な笑みを向けているようだ)
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逢坂・宵 2019年4月3日
(店内の風景と同化していく彼の背を見送ってから、再び思考の海に沈む。彼はどうしたのだろうか。あの様子は何かにひどく驚いたらしいものだった。となると自分の言葉に引っかかるものがあったのだろうか。彼にそのような衝撃を覚えさせるほど大それたことを言ったつもりは、もちろんない)……なんでしょうね……(重ねて思うが、軽い気持ちで伝えたはずだったのだ。仲睦まじく食べ物を互いのフォークで食べさせあうヒトの営みの一例として、何とはなしに挙げたつもりだったのだ。首を捻るもやはり答えは出ない。そうであるならば、もしかしたら問題は別のところにあるのかとまで考えたその時、戻ってきた彼の姿が視界に見えた。そちらへと焦点を合わせれば、先ほどとは打って変わって吹っ切れたようにも映るその面差しに、さらにわからなくなった気がした。ぽかん、あまりの落差に呆けたように口と目が開く)……ザッフィーロ、君?
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逢坂・宵 2019年4月3日
(そうして告げられたご機嫌な説話に、自然と肩眉が上がる。僕の常識が古いなどとは何事ですか、と口を開こうとして、あそこの女子二人、と言われたそちらへと視線を移す。身に着ける制服は近くの高校のものらしく、傍らの大きな鞄は部活用のようにも映る。彼の言うとおり、今度はわたしねー♪とばかりにもう一度、一口分に切り分けたベーグルサンドにフォークを突き刺して相手の口へと運んでいる様子だった)……もしかして、僕たちは女子高生だった……?(少々混乱する思考でつぶやいた次の瞬間首を振る。相手のように感化されやすくてはいけない。常識を教えると決意した…のだが、こうも巷に応用の利く常識があふれているとどう教えればいいのかわからなくなる)……じゃなくて、いい歳した男性同士の食べさせあいを見てからおっしゃってください。僕がきみより現代の常識に疎いとでもおっしゃるのですか(不満げに鼻を鳴らして、じとりと上目で見上げる)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月4日
(口内に広がるピスタチオクリームの香ばしいナッツの香りが口内から鼻へと届けば満足げに鼻を鳴らしつつもう一口…もう一口と切り分け口に運び行くも、塩気のある物も食うかと、ちらと隣のサーモンとアボカドのベーグルを見ればそちらも具が零れぬ様器用にナイフとフォークで切り分けんとナイフを動かしていた―が。ぽつと目の前の相手から零れた言の葉を聞けばナイフを引く手を思わず止めて)…女子高生…?…何を言っているんだ?俺らのこの体躯で女ではなかろう。こう、人間の女性とは一般的にもう少し背が小さく力が弱い気を遣い守ってやらんといかん物だろう?美醜は未だに良く分からんが…それ位は流石に見分けはついてはいるが?
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月4日
(何故か時折鶴澤は男かと認識に混濁が時々起こるが…と、僅かに食み出しかけていたアボカドをナイフの背でベーグルの中に押し込めながら続け行くも、ちらと相手へ視線を向ければ長く生きては居るがこの身は脳も修復されるのだろう?…未だ果たせていない旅の約束もある故…大丈夫かと。たぶん己の事は棚にあげつつきっとボケを心配しているのか眉を下げ心配げな瞳を相手へと向けていたーが。赤紫の滲む藍色の相手の瞳が不満気な色を滲ませながら己へと向けられた様を捉えれば態とらしく首を振って)まあ多少嵩張るというのは解るが…テーブルからはみ出て居らん故、迷惑はかけて居らんだろう?それに宵かて口を開けていただろうに(そして他の者も気にしていなさそうだが…?と、きっと多分やり取りを聞きながらも見ざる言わざる状態になっているのだろう、周囲のやけに静かな店内の客をぐるりと見回しているかもしれない)
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逢坂・宵 2019年4月5日
ああ、そう言いますよねきみは……そういうことではなくてですね(どのように説明すれば相手の理解を得られるのだろうか。彼に対してはたとえ話すらも置き換えにされてしまうようだった。どう説明したものかと考えあぐねて)……姿かたちとか、身のなりの話ではないのです。あくまで女子高生がするようなことを、僕らもしているのかと……そういう疑問だったんですよ(とは、そこまで言っても相手にとっては説明不足のような気がする。どうにもこの手のたとえ話では相手と思考のすれ違いが発生するようだった。続いた相手の言葉には、気にしていないのではなくて、固唾をのんで見守っている状態では……?と思いつつ、相手に続いてそれとなく視線を動かさずに周囲の様子を探る。多少の会話は聞こえては来るが、先ほどから声高に喋っていた集団の声も心なしか遠くなった気がする)
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逢坂・宵 2019年4月5日
UDCアース……特に日本ではですが、年頃の少女たちであれば少女の嗜みとして、そして時には大人の女性となっても、同性相手には気軽さがありますので……親しく心許せる間柄の女友達にはひな鳥のように食べ物を分け与える習性があるのです。けれど、日本の男性にはそれはあまりみられないんです。あるとしても、一つの品を食べさせあうのではなく、同じ品を頼みともに食べる、ということが多いようです。成人した男性であればなおのこと。ですから、僕らの食べさせ合いは日本の方々にとって不思議なものを見るような目の対象であってですね……(そこまで説明してふと我に返る。なぜ自分はベーグルを食べに来て、相手に降雪を垂れているのだ。なんだか目の前のベーグルが憎らしくなって、バンズにフォークを突き刺す。そして瞬く間に切り分ければ口に運び、あっという間にチキンカツのベーグルサンドを平らげた)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月7日
…?親しく心を許せると言うならば信頼と気安さならば宵には感じて居るがな。だが…信を置ける者への証と言うならば他の皆にも強請った方が良いのか…?(紡ぐ相手の言の葉に食わせ合いの定義が再び揺らげば悩む様に眉を寄せながらまあ、皆確かに攻撃はしてこんだろうが…と。ベーグルを切り分ける手を止め首を捻る。各旅団では確かに雛鳥の如く皆食料を貰ってはいる。ならば今度皆に作法として教えるべきなのだろうかと。一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねない思考を巡らせつつ考えこみはじめていたが、ふと何やら思い出せば僅かに眉を寄せつつ小さく息を吐いて)それに色々良くはわからんが…なんだ。そもそも以前先にしてきたのは宵だったではないか?(何やら難しい定義を先から言われては居るが、食わせ合いの始まりを今更ながらに思い出せば何やら言いたげなじどりとした視線が相手へと自然と向いてゆく)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月7日
(だがそれと同時に視線の先―目の前のチキンカツサンドがみるみる内に相手の口の中へと消えて行く様を見れば思わず身を乗り出した。肉汁の滴るあれは、実を言うならばもう一口、欲しかった)…宵…、…その、もう一口くれても良かったのだがな…?(そして名残惜しそうに消えて行くベーグルチキンカツサンドを眺めながらぼそりと小さく続ければやはり持ち帰り様に追加で頼むか…?と。真剣さが漂う言の葉を漏らしつつ己もサーモンとアボカドのベーグルを口の中へと切り分け放って行く。とろと口の中で蕩ける様なアボカドの食感にサーモンの僅かな燻された桜の香を楽しんだ後、果実のベーグルの甘さとピスタチオの濃厚な甘みを堪能し始め行くも、口内に放ったソレを飲み込むと共にふと思いついた疑問と共に視線が向いた)この店は本当に美味いが…宵は情報を何処で仕入れて居るのだ?俺一人では確実にこの様な存在が在るという事にも辿り着けなかっただろう故に
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逢坂・宵 2019年4月7日
……あの、僕の話聞いてます? というより、理解していただいてます?(さっきから相手の言葉は自分の説明の一部だけを拾い、答えているような気がしてならない。何かの脳の不具合か、鈍い頭痛のようなものも感じてきた。そもそもその考え方が違うのだと、どう説明すればわかってもらえるのだろうか。この様子では早々に自分が諦めるほうが早い気がしてきた)はぁ……とにかく、ほかの方にはしないでくださいね。僕はもうあきらm……いえ、慣れましたから構いませんが、その方々まで周囲に興味の眼で見られることになりますから(女性同士なら微笑ましく見られますが、男同士や男女はそう、やはり恋仲にある関係で行うこととみられていますから――そう説明したその時、最初の食わせあいについて指摘されればひくりと喉がひきつった)
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逢坂・宵 2019年4月7日
……ですからあれは楽な手法でしたし、そもそも見ている人が限られる場だったでしょう。このような衆人環視の場であれば僕ももう少しは考えました(まったく目の前の大男は体躯に似合わず純粋なのか何なのか。先の見えない押し問答をしているのがなんだか馬鹿らしくなって、残るオムレツ風ベーグルサンドに向かってフォークとナイフを突き刺した。早々にチキンカツベーグルを片付けたことによる相手の恨み言が目の前から聞こえている気がするが気にしない。小さな腹いせのつもりもあって、もちもちさっくりとしたベーグルを切り裂けばオムレツに見立てた楕円形の玉子焼きにも似たそれに当たる。ふわりとしたその皮をナイフで断てば、半熟の中身が零れ落ちんばかりにはみ出た。フォークをさしなおして口に運べば、およそ丁寧とは言えないしぐさでもぐもぐと咀嚼した)……義妹ですよ。こういうものを調べるのが好きな義理の妹がいるので、彼女から聞いたのです。
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月8日
…?そうか…?その違いがやはり理解が出来んのだが…?(一応男女の区別は付く事は付くも、そもそも未だに女は細く小さい故に護らねばならぬ、男は頑丈で比較的体躯が大きいという見分け方や一般的な知識として知っているという意味しか持たぬせいかきっと犬や猫を見ているかの様な感覚なのだろう。雄犬二匹が同じ皿の飯を食っているかの様な…又は雌猫二匹が猫団子で寝ているかの様な感覚なのか己が絡まぬ限り理解や実感という物はどうも薄い様で。それ故か相手の言葉に僅かに首を傾がせ声音を投げるも、最後の一口の果実のそれをフォークへ刺して)矢張り宵かて楽だと思っているのではないか。信を置いていると伝えるに周囲の目が気になる…という物は解らんが…。…まあ、なんだ。なるべく頭に置いて置こう
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月8日
(そして僅かに頷きつつその一口を口内に放り込む。最後のそれを名残惜し気に舌で味わいながらも、目の前の相手の手元からとろりと広がる卵に気付けば大きく喉を鳴らし口内のそれを飲み込んで)…宵、その…卵も美味そうだが?(何となくこの場で再び口を開ければ再び人間の男女論が飛ぶ事になるのだろうとそう判断すれば、先迄果実のベーグルが乗っていたスペースへと視線を落とし。そして再び相手の手元を見遣るとサーモンとアボカドも美味いが?と。暗に交換を示唆しつつ、軽くフォークにてベーグルを寄せスペースを広げていた…が。次いだ声音を聞けば瞳を瞬かせて)ん?宵には義妹が居るのか。ヤドリガミ故血の繋がりという物は望めぬ物だが…家族として在れる者が居るのは羨ましいな(そして今度会ってみたいものだと、そう思わずと言った風情に目元を緩めつつ残り1/4程になったベーグルを切り分けつつ声を漏らしているかもしれず)
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逢坂・宵 2019年4月8日
……きみにとってはその機微と申しますか、その細かな感覚を理解してからご説明するほうが早そうですね……。とはいっても、この調子ではその時が来るかどうか実に怪しいですが(きょとん、と心底不思議そうな相手の様子はやはり、その述べている認識以上のものでも以下のものでもないのだろう。彼自身の人の身の男女としての認識は、一種の動物に対するそれに近いかもしれないと思った。とにかく僕以外にはしないでくださいね、と強く念押しする。部分的に一般聴衆として聞けば別の意味で認識されかねない言葉ではあったが、そうもかまってはいられなかった。この食事が終われば合うことのない通りすがりの一般人からの認識よりも、目の前の彼の認識のほうをとった。頭に置いておく、との言葉には重々しくうなずいて、そうしてください、とため息交じりにつぶやいた)
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逢坂・宵 2019年4月8日
(次の一口を切り分けるべくナイフとフォークでてきぱきとオムレツ風ベーグルを解体にかかっていた矢先、相手の生唾をのむ音と物欲しげな声音にそちらに視線を向けた。何よりも雄弁な銀色の瞳はこちらの手元のベーグルに注がれ、半熟の玉子の中身が零れ落ちん様をじっと眺めている。続いて視線を映したかと思えば、己が手元のサーモンとアボカドのベーグルサンドにも言及して。こうして遠回しに強請るのは上手いのにな、と小さく苦笑いした。とりあえず一口分を切り分けてから、にっこりと笑い)言わなければ伝わりませんよ、ザッフィーロ君。……前の主人のところで一緒に過ごしたミレナリィドールです。そうですね、今度一緒に会いに行きましょうか(気が強くしたたかな彼女は彼を気に入るのか。どちらかというとなかなか難易度が高いかもしれない―――そんなことを考えながら、手元のベーグルサンドを切り分け終えれば相手の様子を窺うように視線を向けて)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月10日
…機微というがな…。お前が難しい事を言うからいけんのだろう…と。後何というかやんわりと貶されては居らんか…?(相手の声音に思わず引き結んだ唇を開けば不満げな声音を思わずといった風情に漏らすも、黄金色にも見える卵の黄身が挟まれたベーグルが再び切り分けられ行く様を見れば、自然と相手の手元へ視線は向いた。甘味や食べ物を宵へと強請る時にいつも暗に察して貰えるかのように言ってはみる物の案の定其の侭すんなりと分けて貰える訳もなく―止まった手と共に投げられた言の葉と態とらしいその笑みを見れば、何やら言いたげな瞳を向けつつ動きを止めれば、僅かな逡巡の後口を開いて)…だから、その…なんだ。一口づつ交換せんか?ピスタチオの物とでも良いが…と言うか言いたい事は解るだろう…!本当に図太くなり居って…
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月10日
(不満げに細められた瞳を相手へと向けながらも、軽くフォークで押えたサーモンとアボカドのベーグルとピスタチオのそれを崩れぬ様一口づつ切り分ければ己のプレートの端に取り易い様に寄せた後、ここに乗せてほしいのだというかの様に空いたプレートの箇所を軽くフォークでつついていた―が。続く声を聞けば行儀悪く動かしていたフォークを止めて)…良いのか?ならば義妹殿さえ良ければ是非に。共に過ごした時間が長いのならば珍しい宵の話も聞けそう故に…楽しみにして居よう(相手の考えて居る事はきっと知らぬが仏という物なのだろう。何処か楽し気に瞳を細めつつ、ミレナリィドールと言うが…年の頃はどの位なのだ?手土産には何が喜ぶだろうかと。そうフォークとナイフの手を止めた侭声音を続けているかもしれない)
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逢坂・宵 2019年4月10日
さぁ? 貶すなんてとてもとても。気のせいではありませんか(しれっとそう宣うも口元には笑みが滲んでいる。事実、そうなりそうなのだから仕方ない。不満げな様子の相手も笑みを誘う一因となり得た。……こうして食べ物を分け与えるときには毎度のように相手が言外に強請るような言葉を投げてきてはしっかりと頼む言い方に直させるのは、躾に似たものもあるが不満げな相手の表情も見ていて楽しいからであった。じとりとした軽く睨むような銀の瞳が心地いい)はい、よくできました。ふふ、毎度毎度きみがそうして不満たらたらに言い直すさまを見ているのが実に楽しいんですよ。きみだってよく僕をからかうでしょう? おあいこさまです(にこにこと機嫌よく笑えば、フォークとナイフを使って相手の皿の空いたところに、切り分けたオムレツベーグルサンドを移す。それから相手の皿をじっと眺め、どちらにしようか迷ったのちに)……ピスタチオのほうをください。
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逢坂・宵 2019年4月10日
実のところを言うと、僕も義妹にはきみに会わせろとせっつかれているんですよ。依頼から持ち帰る土産が多くなりましたし、土産話にはきみの話もすることがあるので気になった様子ですが(とは言うものの、彼女の口ぶりから見るに自分を心配してのことだろう。最後の主人のころからともにいる彼女にとっては、箱入りの自分がきちんとした生活を送れているか――それだけでも気に掛ける要素はあるのだから。自分の昔話については……おそらく義妹のことであるから、初対面でいきなり都合の悪いことは言いはしまい)16歳の今どきの女の子ですよ。最近は焼き菓子菓子を好むようですが―――ああそう言えば、ここの店に行くと言ったら土産話をねだられました(年頃の乙女らしく菓子類を好むようになっているのだろう。甘味と土産話を持ち帰ればきっと、彼女の警戒心もいくらかは和らぐだろうと)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月11日
…口調と表情が合って居らんのだが?…まあ、気のせいと言うのならば気のせいという事にさせて貰おう(相手の口元に敷かれた笑み。それを見れば眉を上げ更に不満げに再び唇が結ばれかけるも、オムレツのベーグルが己のプレートの上に乗せられ行けば鼻から軽く息を吐きつつ不満げに続けかけた声音を飲み込んだ。躾…否、犬や馬の様に調教をされているような気もしないでもない…が。まあ目の前に置かれた柔らかな黄金色の―どこか己の本体を彷彿とさせる様な中身が零れるそれをみればそれへと自然と意識が行きまぁ良いかとそう考え視線を移す。見るからにふわりと柔らかそうなその卵。どの様な味がするのかと脳裏で想像を馳せながらも、どこか楽し気な声音と共に向けられた声の意味を捉えれば相手の上機嫌さとは反対に、自然と細められた己の瞳に思わず相手がきっと楽しんでいる…どこか不満げな色が再び滲むのをしっかりはっきりと自覚して)
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月11日
…矢張り解って言っているのではないか。本当に悪趣味な…と…。…俺か?俺はなんだ、宵が表情を崩す様が楽しいのだから仕方なかろう(きっと似た様な物なのだろうが己の事はきっと棚に上げているのだろう。しれっとそう声を続け行くも、己の皿の上―緑色が鮮やかなベーグルへ向けられた視線と共に声が投げられれば、何やら自然と口端に嫌な笑みが広がって行って)…両方持って行ってくれても良かったのだが、ピスタチオで良いのか?(そして持っていたフォークにてベーグルを刺せば零れかけたソースを掬いつつ相手の口元へとフォークを差し出した)ほら、口を開けろ。…宵にならば良いのだろう?
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月11日
(笑みに細められた瞳と共に向けられた声音は先とは違い相手が渋ると明らかに解っているもので。未だ何故渋るのかは解らぬながらもこのベーグル店という場が宵の何かに触れるのだろうとは何となく想像出来る。ならば先の意趣返しにはなるのだろうとそう判断したのか念を押すかのように笑みと共に首を傾がせつつ口を開くのを待つかの様にフォークをさし出し続けている―も、続いた声を聞けば一瞬瞳を見開くもどこか嬉しそうに口元を緩めた)…そうか。どの様な話なのかが気になるが…そう言って貰えるのならば幸いだ…と。ん?こちらの菓子に興味があるのならば義妹君様にも買って行かねばな。甘味ならば果実とピスタチオは美味いゆえ購入するとして…義妹殿に好きな味等ないのか?幼子ならば甘ければ喜んでくれそうだが…16となると味の好みも出て来よう。…下手な物は手土産に出来んから、な
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逢坂・宵 2019年4月11日
そうそう、あまり気にしすぎてはいけませんよ。まぁ……気にされても白状する気はさらさらありませんが(相手が理解しえないというならば、自分はそれを前提に行動するだけだった。それは特に不快なことではなく、相手のその思考はある種の美点と考えているから。この誘惑と策謀の多い世界で、この忙しい仕事で、自分の思考を強固に保って生き抜くことはどれほど難しいことなのだろう。そうして相手の視線の移り変わりを眺めていれば、どうやら意識をほぼベーグルに向けることに成功したらしい。半熟の玉子がまるで蜜が滴るようにとろりと零れかければ、落ちぬように軽くフォークですくってその上へ撫でて。そうしてフォークを話せば自分の皿へとそれを戻す)悪趣味、その言葉をそのままそっくりお返しいたしますよ。きみこそ僕などの反応をからかって楽しんでいるではありませんか。僕が言っているのはそういうことです。
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逢坂・宵 2019年4月11日
(僕の不満げな顔も楽しげに笑って眺めているではないですか。言外にそう匂わせながら、おそらく相手のからかいと自分のからかいの意味はそれぞれさほど違いはないのだろう。実際、己と相手の言は似通ったことを挙げている。そうしていたものの、じわりと滲むように相手の口元に笑みが掃かれるのを見て――これは嫌な予感がする。ぴく、と目元を引きつらせて背筋をただせば、目の前の形のいい指は案の定、自らのフォークでピスタチオのベーグルをぷすりと刺した。どう見てもこちらの皿に分け与える、そんな動きではない。こいつ――。明らかに自分が嫌がることを解っている動きに、苦虫を噛み潰した顔を隠さず浮かべてから数秒迷い。そうして観念して、前かがみになって口を開けた)……わかりましたよ。ああ、彼女は甘味の好き嫌いはなく何でも食べていますね……ピスタチオも気に入ると思います。彼女のためを思って選んだ味で喜ぶと思いますよ。
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月14日
…ん?どうかしたのか?ピスタチオ味のベーグルは美味いぞ?(相手の楽し気な顔が僅かに歪み苦々しい物へと変わって行けば先とは反対にどこか上機嫌に口元を緩め相手の顔へと銀の瞳を向ける。視線の先に映るのは引き攣る目元にぴんと伸ばしただされた背筋…その様子から警戒の色が滲み出ている様を感じれば、自然と口端に敷いた笑みを深めながら相手の口元にてベーグルが刺さったフォークを軽く揺らした)…確かになんだ、宵の顔が色々な表情を滲ませてくるのは確かに楽しいな?(そして己の意図を察したのか、じわと相手の整った顔に滲む渋い表情を眺めつつ笑みの形に細めた瞳を向けていた―が。口を開けた相手を見れば満足げにその口内にフォークを差し入れた後、ゆっくりと引いて)…美味いだろう?アボカドとサーモンの方も食うか?
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ザッフィーロ・アドラツィオーネ 2019年4月14日
(そしてきっと、目元に滲んだ―明らかに揶揄う様な笑みは其の侭に首を傾がせゆくも、次がれた声を聞けば未だ手元に残る一口分のピスタチオのそれへと視線を移動させ)そうか。確かに品のいい甘みがとても美味かったからな。…義兄上も気に入っていたといえば喜んでくれるだろう(そう嬉しそうに顎を引き頷けば、後は甘味の舌休めにこのオムライスのベーグルも購入するかと、半熟の卵がつやと美味さを主張し光るベーグルへとフォークを向けると、蕩ける様な―濃厚な卵の味と香りに満足げな声を漏らしつつ残りサーモンのみになったベーグルを見ればサクサクと切り分けながら口へと運んで)…そう決まったならば持ち帰り用の甘味を選ばんといかんからな。宵も選ぶのを手伝ってくれるのだろう?(そして手土産とは別に己の分も更に買い足し大荷物になりそうな…そんな予感を感じさせるかの様にケースへ視線を向けながらベーグル店の時間は過ぎて行くのだろう―)
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逢坂・宵 2019年4月14日
この……意地悪な指輪ですね(相手は往々にして自分を図太くなったと言うが、それは相手のこの意地悪さに影響されたのではないかと心底思う。きらりと煌めく銀の瞳がこちらに向けられれば、その瞳に込められた感情に気づいて剣呑に目を細める)僕などをおちょくって何がそんなに楽しいのでしょうか……。きみも物好きですよね(至極楽しそうな相手の様子にため息ひとつ。口の中に差し入れられたベーグルサンドの一切れを頬張って顔を引けば、もぐもぐと咀嚼した。口内に広がる甘い味わいとベーグルの柔らかな触感。ふわふわとしたそれを白い歯で噛み切りつつ、不満げに相手の眼差しをねめつけた)……サーモンとアボカドのほうもいただきましょう(こうなったら相手の皿に残ったベーグルサンドをすべて駆逐してやろうか。そうすれば相手の苦々しい表情がもう一度見られるかもしれない。そう考えつつ口の中に残ったものを噛み砕き終えれば飲み込んだ)
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逢坂・宵 2019年4月14日
……喜ぶかどうかはわかりませんが、まぁ彼女は興味くらい引いてくれるでしょう(自分に似て食には頓着しないが、美味な甘味にはうるさい年頃の少女である。時折義兄である自分でも扱いに困るところがあるし、気が利かず罵られることだってある。それでもこのようなベーグルの食道楽にはきっと喜んでもらえるだろうと判断した。相手の皿に残ったサーモンのベーグルにフォークを伸ばして突き刺さんと試みながら、向けられたつぶやきには言葉を返す)それはもちろん、手伝いますよ。彼女のご機嫌伺いの品ですからね。ついでに他にもこんなベーグルがあったと、土産話にもなるでしょうから(狙ったサーモンのベーグルにフォークを刺すのに成功したなら、そのまま己の口へと運ぶだろう。そして相手の何かもの言いたげな視線を受けながら勝ち誇って笑ってみせるのだ。その仕返しに荷物を持たされるかもしれないがそれは上手くかわしてみせようと、そう思い微笑んだ)
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逢坂・宵 2019年4月14日
(〆)
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