[逢花-fiore-]
ヴェレーノ・マリス 2022年7月5日
アリスラビリンス――『幻華の国』
そう呼ばれた不思議の国は、鮮やかに。
或いは甘やかに、或いは静やかに、或いは艶やかに。
数多の花々がその国を一面に包み込んでいる。
そんな花に染められた国の一端。
其処は、青彩と紫彩の花がよく映える花の園。
その鮮やかな色彩はまるで海にでも抱かれた錯覚を覚えてしまいそうなほど、神秘的な世界を魅せる。
――不思議の世界のそんな神秘の花の国
青花と同じ”蒼”秘める銀狼と気侭に花々の間を潜る毒蝶が迷いこんだのだとか。
.✿.+.✿.
🦋..此方はお招きした方との戯れ処
🦋..≪御招待≫
ベスティア・クローヴェル(f05323)様
🦋..区切りのよい処までゆるりと。
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ヴェレーノ・マリス 2022年7月6日
(ふんわりと降り立つ花の園。大海原のように…或いは蒼炎が如く彩を揺らして、その青と紫の花々はこの身を出迎える。
――何故このような園に降り立ったのか。
今を考えれば、気紛れに浮遊していたが為の無意識で迷いこんだだけかもしれない。或いは、この青と紫の花が手招くように薫らせる甘くも心惹かれる花の香りのせいか)
(さして、面白みがなければ帰りゆくつもりだった。…然して、降り立ったその先には――毒蝶と同じように花に誘われた迷い子がいたのだ。この花々とは対照的な紅色を瞳に宿す――白銀髪の人狼様が)
――貴方様も、迷われたのですか?この花々の香りに連れられて。
(なんて。ありきたりな言葉で人狼様に一声をかけてみる。…不思議とこの園には二人しかいなかった。だからか、毒蝶の声は広い園の中でもよく響いたような、そんな気がした)
ベスティア・クローヴェル 2022年7月10日
(散歩に行こう。ただなんとなくそう思って、適当に送り届けて貰ったのが数刻前の話。ただ景色を楽しみながら歩いていて、偶然この花畑を見つけた時はまるで海にでも来たかのように思えた。その神秘的な光景に時間を忘れるくらい見惚れ、気が付いた時にはどっちから歩いてきたのかわからなくなっていた)
(迷った。そう理解するまで、然程時間はかからなかった。何も考えずに歩いていたこともあって、匂いを辿って戻ることも出来ず、途方に暮れるしかない。しゃがみ込んで花を眺めて現実逃避をしていると、声のした方へと顔を向ける)
……まぁ、そんなところ。ここの花に見惚れていたら、どっちから来たかわからなくなってね。途方に暮れていたんだ。
(さっきまで誰かいた様子がなく、急に現れたのに不思議と警戒する気はおきなかった。)あなたは、この花畑の妖精さんか何かだったりする?
ヴェレーノ・マリス 2022年7月20日
(此方を振り返る人狼様に、柔らかに微笑を向ける。…紅玉のように美しい瞳。そんな第一印象を心に思いながら、人狼様の言葉に耳を傾けると『まあ』と口許に手を添えて楽し気に笑みを零す)
私が、妖精ですか?
…ふふっ。警戒もなく、そのように尋ねられたのは初めてですね。特に貴方様のような種族の方に。
この姿が、この美しい花々を護る妖精種に見えましたか?
(確かに。紫花に目を向ければ、己が身と同じ彩を持つ花々。けれど、この毒蝶の彩は命有る者には等しく害を含んでいる為、人狼種のように勘が鋭いと思われる種族には警戒される…と思ったのだが――この幻想的な花の世に心惑わされてしまったのかしら?なんてささやかな疑問を持ちながら、首を傾げてみせよう)
ベスティア・クローヴェル 2022年7月25日
(立ち上がってパンパンとズボンについた汚れを軽く払う。そして少しだけバツが悪そうに目を逸らした)
流石に少し突飛な話だったかな。
さっきまで誰かがいるような気配はなかったのに、突然姿が現れたから。
…それに、あなたの纏う雰囲気というか、色合いもここの花にそっくりで。「もしかして」なんて思ってしまったんだ。
(突飛な話をして申し訳ないと思いつつ、相手の様子を窺う。不思議そうに首を傾げる姿はやはりとても絵になっていて、童話やファンタジーのお話に出てくる妖精のように綺麗だ。あまり他者の容姿に関心を持つ方ではないけれど、どうしても目を離すことが出来なかった)
ヴェレーノ・マリス 2022年8月2日
(バツが悪そうな顔をした貴女に蝶はくすっと花咲くように笑み零す)
よいのですよ。咎めているのではございません。
この国は夢を咲かす幻華の楽園。ならば、現れた者が妖精に感じても可笑しな事はないのですわ。
――あらあら。とても、可愛らしい事を仰るお嬢様ね…?
ですが、此処は光栄です…とお答えした方が幾分は気が紛れましょうか?
(そう戯れるような言葉を紡ぎながら、ふわりと地に膝を着く。そうして紫彩の花弁を指先で撫でてみよう。花々の揺らめきは、己が彩とよく溶け合う。この身の彩を溶かし出したような花の色だから)
……その疑問の答えは…紙一重なものとなるやもしれませんね。私が
妖なる者である事に間違いはございませんから。
(己から目が離せぬ貴女に娘は微笑みかける。この花の香りのように甘く、蕩かしたような柔らかな笑み。然してそれは蠱惑さも感じられる妖の微笑かもしれぬ)
ベスティア・クローヴェル 2022年8月3日
気分をがしたわけじゃないようで、安心はした。
妖精っぽいって言われて嫌な気分になる種は少ないだろうけど、絶対とは言い切れないから。
(笑みを零し、気分を害したわけじゃないことがわかると、胸をホッと撫で下ろした)
この国…? そっか。いつの間にかどっかの国に入り込んじゃってたのか。
夢を咲かせるなんて言うのだから、帰り道くらい教えてくれてもよさそうなものだけど…。
(迷ったことを棚に上げながら軽く愚痴ると、クンクンと周囲の匂いを嗅ぐ。んー……としばらく悩むような仕草をしてから、お手上げとでもいうように軽く肩を竦めて)
そういう本をよく読むんだ。あと、ここはその本の中でしか見たことのない世界のようだったから。
まぁ、本物の妖精が、物語だと悪役筆頭の狼に近付くわけはないか。
……当たらずとも遠からず、といった返答はちょっと予想外だったけど。
ヴェレーノ・マリス 2022年9月7日
ふふ、ご安心くださいな。
私はその稀な一人ではございませんから、ね?
寧ろ蝶のように舞い上がってしまうかもしれませんよ。
(なんて、冗談めかしに言葉を続けて。貴方の安心した仕草にはそっと目許を綻ばせよう)
此の世界は、不思議な世界ですからね。
屹度、気紛れな世界なのでしょう。気紛れに夢を咲かせ、招き…帰り道も世界の思う侭かもしれませんわ?
本の中でしか…という事は、別の世界では「不思議の国のアリス」…などが定番的なタイトルの書物でしょうか。
さてはて。どうでしょうね。
妖精も種が数多あるが故に好奇心旺盛な種ですと、怖いもの知らずにも狼に近づくかもしれません。妖精には、悪役筆頭にも足る存在もおりますから。
(予想外だった。そう紡ぐ貴女に頷いて見せれば、己の胸元に手を当てよう)
――よろしければ此処はひとつ。
改めて自己紹介でも致しましょうか?答え合わせを兼ねて。
ベスティア・クローヴェル 2022年9月22日
喜びのあまり蝶のように舞い上がるだなんて、それはそれで珍しいと思うけどな。
(気を使ってくれたのであろう言葉に、「ふふっ」と小さく笑い声が零れる)
気紛れ、か。それは困った。力尽くで帰れるような手段でもあればよかったんだけど、生憎とそんな力はないし。
帰宅許可が出るまで、ここで大人しくしているしかなさそうだ。
(諦めたように地面に座り込むと、そのままパタンと仰向けに倒れた)
童話だと、それが一番定番だね。
後は大衆向けのファンタジー小説にも、綺麗な花畑に棲む妖精なんてのは出てくる。
――空想物と現実を混同してしまうくらいには、ここが綺麗な場所で、あなたは不思議な雰囲気を纏っている。
そうだね。まだ自己紹介すらしていなかった。
ベスティア・クローヴェル。突然ここに閉じ込められて、途方に暮れている人狼。
まだ当分帰れそうにないし、予定がないなら時間潰しに付き合ってくれると助かるよ
ヴェレーノ・マリス 2022年11月12日
そうですわねぇ。
グリモア猟兵様方がいらっしゃったのならば、或いは帰る手段も見つかったのでしょうけれど…。
ふふ、きっと一人ではない分退屈は致しませんよ。
(地面に倒れる彼女の近くに、己もそっと座ってみる)
大衆向けの小説ですか。そういった書物をそういえばUDCアースの本屋さんで見かけたことがありますね。様々な種族が混在する冒険のお話も合った気がします。
――ふふ、これがこの世界のラビリンスが見せる幻想なのでしょうね。ただ一人の話相手である私を不思議と思えるのですから。
(貴女の名前を聞けば、にこりと微笑み)
私はヴェレーノ・マリスですわ。貴女様と同じく、この場所に閉じ込められた毒蝶の
妖でございます。
ええ、私も同じ状況ですからね。ベスティア様が宜しければ、私も暫しの歓談でもして頂けたら幸いですわ。
ベスティア・クローヴェル 2022年11月24日
グリモア持ちの事を知ってるってことは、同業か。それなら色々と話が早くて助かる。
現地民の話を聞くのも中々面白くはあるんだけど、やっぱり猟兵同士じゃないと通じない話とかあるもの。
(仰向けで空を見上げていると近くに座り込む気配を感じて、顔をそちらの方へと向けて様子を窺う)
この綺麗な花畑から妖精と見紛う姿が現れたら、誰だって不思議だと思うな。
そして、世の中が平和で、誰も苦しまずに安心して生活できるというなら、この幻想に閉じ込められたままでもよかったんだけど。
……残念ながら、そういうわけにもかないのが世知辛いね。
(向けられた笑顔にこちらも軽く笑い返し、告げられた種に「なるほどなぁ…」と小さく呟いた)
いい返事を貰えて助かった。これで「嫌です」なんて言われてしまったら、ここで一人ポツンと過ごさないといけなくなるからね。
それで、ヴェレーノはここに閉じ込められて長いの? それともさっき来たばかりな感じ?
ヴェレーノ・マリス 2023年2月11日
ふふ、言葉とは言ってみるものですわね。
そうですわね。私達だからこそ、対処できるアクシデントという事もございますから。
こういう摩訶不思議な事が起こった時は、かえって同業者の方と共に居るのが安心ですわよね。
(此方の様子を窺う深紅の眼差しには一つの微笑みを向けようか)
美しい世界にいるというのに、それを赦さぬ在り方というのもある種の虚しさを感じるものですわね。
何せ、いまこの時が安全だと思っていても、もしかしたらば誰かに企てられたものかもしれない。
そう深く深く考える程、窮屈になりますわね。
あらあら。そんな意地悪は致しませんわ。(くすっ)此処で断ってしまったら私もまた暇を持て余す時が流れてしまうのですから。
…私は少し時間が経っておりますね。1時間と少しはお散歩していた気がします。ベスティア様は、いつから此方へ?
ベスティア・クローヴェル 2023年2月15日
本当に、最近は私達でなければ対処できない出来事が多すぎる。グリモア持ちからの依頼もそうだし、今回の件も。
不幸中の幸いは、この神隠しに巻き込まれた一般人がいないこと、かな。
(向けられた表情に少しだけ緊張が和らいだようで、「守りながら戦うのは苦手なんだ」と軽くほやいた)
この眼に映っている光景は実は幻だったり、はたまた夢の中の世界だったりして、ね。
物事の裏を考え出したらキリがないけれど、そういうのは手掛かりが増えて、推理に必要な材料が揃ってからでも遅くはないはず。
幸い、急いで脱出しなければならないような用事も無いし。もう少しだけ、純粋にこの景色を楽しんでも罰は当たらないと思いたいね。
ふふっ。それもそうか。でも、空からこの花畑を見ることが出来るなら、時間なんて忘れてしまいそうなものだけど。
多分、同じかもう少し長い、かな。あまりにも綺麗だったから、時間を忘れて見惚れてしまっていたから。
ヴェレーノ・マリス 2023年5月28日
一般人が迷い込まれていたら…それこそグリモア猟兵の皆様のご依頼案件になりましょうか。
神隠しとはオブリビオンが引き起こす歪と紙一重な現象ですから。
ふふ。心配なさらないで。
私も腐っても妖で猟兵ですから。戦うのは得意なのですよ。戦になったとしてもお任せくださいな。
(鬼人のように力強さは持ち合わせてはおりませんが、なんて悪戯っぽくウィンク一つと見せながら)
もしかしたら…その可能性も0ではないのかもしれないと思えば推理は止めどなくなりますわ。
しかし…ベスティア様の仰る通り、この状況を見ても急ぐ必要もないでしょう。
恐らくはこの国の見せる悪戯でしょうからね。
思う存分と楽しんで、世界がよしとしたならばそのうちに帰る事を許される…そんな気がしますわ。
ヴェレーノ・マリス 2023年5月28日
ええ、その通り。蝶の姿で飛行している間はとても気持ちがよく。飛んでいるのか夢の中なのか感覚が奪われてしまったようでした。
そうでしたか。…それなら、私達は同じタイミングでこの国に迷い込んでしまったのですね。…きっと、一人じゃ退屈だろうと…花々が逢わせてくれたのかも。…なんて思えば少しはロマンチックかしら?
ベスティア・クローヴェル 2023年6月12日
この花畑が二度と帰さないって言ったり、オウガが襲ってくるようだったらグリモア案件になるかもね。
ただ巻き込まれて、しばらくしたら帰れますってだけならそこまで害は無さそうだし。
もしかしたら、この綺麗な花畑を自慢したいだけなのかも知れないし、ね。
(ヴェレーノから視線を外して、花畑の方に向ける。この光景を楽しむかのように、少しだけ微笑んだ)
私も鬼人のような力強さはないな。けど、他の猟兵と同じくらいには戦えるつもり。
もしここが悪意を向けてきた時は頼りにさせて貰うよ(ふふっと笑いながら、握手を求めるように右手を差し出して)
情報がない状態であれこれ推測しても仕方ない、か。
ただこの国を見せる為だけにこんな悪戯をするなんて、人騒がせにも程がある。
今の所、私とヴェレーノ以外に気配は感じないし、誰かに見せびらかしたいって気持ちはわからなくもない。
……だって、こんなにも綺麗なのだから。
ベスティア・クローヴェル 2023年6月12日
それはなんともロマンチックな話だ。
であれば、そのロマンチックな雰囲気に乗じてダンスのひとつでも誘うべきかな。
(至って真剣な雰囲気で手を差し出してから、「なんて、ね」と冗談めいた口調で笑いかけて)
…まぁ、ダンスなんてやったことないんだけど。