【模擬戦】その刃の向かう先
カイム・クローバー 2022年5月7日
――遠くで潮騒の音が聴こえる。
近代のビル街が立ち並ぶ、かつて栄華を誇ったであろうその都市は既に廃墟と化して久しい。
島の名はスクラップ島。
かつては猟兵とオブリビオン・フォーミュラの分身体が激闘を繰り広げた地であるが……今、此処を訪れているのはたった二人の猟兵である。
【模擬戦ルール】
・ダイスは【下限有利】
・互いのHPは【5】からスタート
・先攻後攻は【低い目の方】が好きな方を選べる
・クリティカルは【1~5】、ファンブルは【96~00(100)】で判定
・クリティカルの場合、攻撃側は与えるダメージ2。対抗側は反撃で相手に1ダメージ
・ファンブルの場合、攻撃側は強制失敗。防御側は確定で防御成功するので防御ダイス無しで攻撃ダイスを振って下さい。対抗側は追加で1ダメージ
・両方がクリティカルだった場合、防御側が有利とします(攻撃側はダメージを与えられず、反撃で1ダメージ貰う)
・攻守両方の値が同値だった場合、攻撃側主導で再度ダイスを振る
RP終了時には『RP終了』のアンケートをお願いします
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カタリナ・エスペランサ 2022年5月27日
【防御失敗】【HP:5→4】
ッ――!
(自分の扱うそれとは異なる神殺の業、魔剣の刃を掠めるに留めて
猶もその破壊力は身を抉るようなダメージと共に通り過ぎる。
体勢を大きく崩され、その身は吹き飛ばされるように地に……転がらない)
けれど、譲らないわ。攻めるのは私の方っ!
(瞬時にして爆発するように魔力が高まる。
【狼牙天裂】――再びの開戦を彩る斬撃。
打ち負けるという結果を捻じ伏せ、正面からの一閃は全霊の気迫と共に放たれる)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年5月27日
(身を擦り合わせる程の至近距離が即座に必殺の間合いと化し、振り切った所為で剣に宿った黒銀の残滓が尾を引いた。彼女の態勢を大きく崩し、その身を吹き飛ばす。猟兵としての体格は軽量級だろうその身体はそのまま――)
……ま、こんなモンじゃ終わらねぇわな。
(大地に塗れることなく、彼女の翼が空を打つ。この手に感じたのは余りにも浅い手応え。掠めるに留めたその技量、身のこなし。迸る魔力の爆発を感じたのはこの瞬間)
(再度、開戦を告げる斬撃が閃く。弾幕の囮を使わない、死角を突かない――しかして、全霊の気迫と共に振るわれるは『不可能』という事象、結果すら斬り伏せる一撃)
攻められるのは嫌いじゃない。最も、俺は倍にして返す主義だが。
(軽口は止まず。激しく暴れ始める内側を表に出さぬよう、努めていつも通りを振舞う。右の瞳がほんの僅かに金色を帯びた。振るわれた騎士剣に無造作に右の掌を向けた――)
【防御】
カイム・クローバー 2022年5月27日
【防御成功】【HP:5】
(騎士剣が右の掌を斬り裂こうとした刹那。男の右腕が異質な物へと変化する。紫雷を纏い、肌は人より離れ、無機物めいた黒銀の右腕。人の腕と呼ぶにそれは余りにかけ離れていて)
あんまりじっくり見ないでくれよ?個人的には忌々しいモンなんでね。
(【邪神の右腕】。騎士剣の刀身を力を込めて握る。陽光の輝きを反射するその刀身、破壊までには至らず。だが、この膂力を活かせば騎士剣を握る女性を剣越しに持ち上げる事はそう難しい事ではない)
替えのダガーは持ってるんだろ?手を離せばどうとでもなる問題だ。――そうだろ?
(武器から手を放せ、という挑発。一息に持ち上げ、反対側へ。そのまま今度こそ、その翼を地に塗れさせる為に剣ごと叩き付けようとして)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年5月29日
お互い様、ね……!
(自分にとっては魔神の力も忌々しい余分という点では変わらず。
いや、嫌いながらもその力を振るう頻度には違いがあるか。
或いは彼の扱う邪神の力と自分の宿した魔神の力……
どこか似ているものがあるような、無いような)
……分かって言ってる、それ?
(煽られたのは騎士としての在り方、ではない。
常闇世界の黒騎士たち、自身より強大な怪物たちに立ち向かう彼らなら
上辺を投げ捨ててでも勝利を選ぶだろう。
ただ、それが正解だとしても。
言われた通りに動くのは癪だという反骨心がその挑発を無視させない)
手を離せばどうとでもなる? そうね、それも此方の台詞!
(持ち上げられた勢いのまま、急激な加速。
【災華殲尽】――数字にして125tの膂力に抗うは、11900km/hの超高速。
邪神の右腕に剣を掴まれたまま、瞬時にして青年を高空まで連れ去る)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年5月29日
【防御成功】【HP:4】
さぁ、此処からは私の番っ!
(【失楽の呪姫】の自己強化は人知を超えた膂力と加速の負荷をも
かろうじて抑え込み……ひとたび上空へとステージを移せば、
たとえ振り回されようと暴風を乗りこなすように巧みに受け流してみせる。
舞う羽が示す彩りは金色、破魔の雷を宿す弾幕が全方位からカイムへと襲い掛かり)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年5月29日
【攻撃失敗】Fumble...
っ、と――
(力に対して速さ、強引に勝負の分野をずらしはしたが
状況そのものは僅かに拮抗。
自身の姿勢と弾幕の弾道、同時に意識を割く程の余力は足りず……
逆転の好機、しかしあと一手を攻めきれない)
(無効票)
カイム・クローバー 2022年5月30日
(人の理を外れた膂力と瞬時に加速する圧倒的な超高速。拮抗したのはほんの一瞬。地から離れた男の身体が高空へと攫われる。穏やかな海風は彼女の速度によって身体を叩く突風となって。島を一望できる高空からの心地良い景色――を楽しもうにも、周囲に弾ける破魔の雷がそれを許してくれそうにない)
空でのデートがお望みなら言ってくれりゃ良かったのに。次はブルーアルカディア辺りを候補にしておくとしようか。
(掴んだ刀身をあっさり自ら手を放す。右腕が人の腕へと変化するのは時間にして一秒に満たない。重力により、地へと引っ張られる男の身体に襲い掛かるは僅かに精彩を欠いた破魔の雷。眼前に映るソレを美しいと眺められるのは右目の金色が未だ、消えていないからだろうか)
(ホルスターから銃を引き抜いた。破魔の雷の羽根を紫雷の銃弾で残らず全て撃ち落とす。右手に握った銃口が陽光を背負った彼女に向いた。陰となって今の彼女の表情は見えない)
カイム・クローバー 2022年5月30日
(逆に彼女からは見えたかも知れない。重力に引かれながらも口元に変わらぬ笑み。躱してみな、と言葉にはしない挑発。【戦場の咆哮】が陽光に向けて吼える。眼前の魔神にたった一発の牙を突き立てようと――)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月1日
実はあの世界もまだご無沙汰なのよね、機会があれば悪くないかも。
(軽口に素っ気なく応じ、雷羽弾幕と入れ替わりに黒風が揺らめく。
咄嗟に展開した防御と言えど神権を冠するユーベルコード、
並の弾丸であればベクトルを反転させ跳ね返す事さえ容易いのだが)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月1日
【防御成功】【HP:4】
(弾丸はたった一発、だが神権を以ても容易く一蹴とはいかないのは
異能以上にその牙に込められたものの重さだろうか。
双魔銃の咆哮を半ば相殺するように黒風もまた空間にノイズを残して消える)
想定以上という事も織り込み済み、一瞬だって手を緩める気は無いわ。
……さっき斬撃を止められた返礼もあるものね!
(面白みも無い真顔は逆光で見えなかっただろう。
騎士剣を構えている姿は見えた筈だ。
……既に放たれた斬撃は見えていただろうか。
1秒の100分の1より更に迅く寸断するは【空覇絶閃】、
見えてからではもう遅い。
果たしてその斬撃を凌ぐ事は叶っただろうか)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月1日
おいおい…とっておきだぜ?痕が残らない程度の掠り傷くらいは許してくれても良いんじゃねぇの?
(自由落下の最中、黒風が銃弾を飲み込んだのを目撃し、予想される結果に溜息を付いた。これが地上なら肩を竦めていただろう。銃弾はその勢いをあっさり殺され、彼女に対して無力なゴミとなって地に誘われた。此処から見えた黒い風がコチラにとって無害なまま蒼天に溶けて消えたのはせめてもの僥倖だったか……いや)
…仕掛けて来たか。疾ぇな。
(間髪容れず騎士剣を構える姿が映ったのはほんの一瞬。地に誘われるまま、高度を下げ続け、比例するように彼女の姿は遠く離れて行く。権能による落雷も吹き荒れる炎の姿も見えない。代わりに迫るのは風を斬り裂くような――)
もしかして。そっちも倍にして返す主義?
(此処からでは最早、声は聞こえないだろう。地上への激突まで後、ほんの数m――)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月1日
【防御失敗】【HP:5→4】
(自由落下を続けていた男の身体が唐突に消えた。彼女なら気付けるかもしれない。背後に会ったハズの陽光。それが突如“遮られた”事に)
よぉ。
(両手持ちした剣を上段に構えた姿で、酷く短い挨拶。【空間跳躍】。猟兵を指定して瞬間的に移動する所謂テレポート。だが、完全には躱し切れず、身体に刻んだ傷は先程付けられた斬撃。人ならざる者の零れた赤い血液は天の御使いの純白の翼に一点の染みを付けようとして)
突然現れたタネ明かしをしてやりたいトコだが、生憎、時間が無くてね。
(既に自由落下が始まろうとしている。今、この空は彼女の聖域だ。猟兵の身で在れど、己では空に留まれるのはほんの一瞬)
残念だ。機空挺の上なら存分に語れるんだが。
(剣を大きく振るう。【骸割り】が狙うは彼女そのものではない。彼女の手から奪えなかった騎士剣。それを破壊しようと目論んだのだ)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月4日
気にしないわ。すぐ手品の種明かしをせがむほど野暮じゃないもの。
(実は連射も効く【空覇絶閃】だが、背後を斬るのはまた別の技術。
故に……それこそ手品の要領で空いた手に七つ道具の一つを掴む。
クラッカーボール、いわゆる癇癪玉。
振り向きもせず後ろ手に軽く放り投げる――咄嗟に込めた過剰なまでの魔力と共に。
視界を灼く光と轟音、チープな即席の閃光弾でも牽制程度にはなるか)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月4日
【防御成功】【HP:4】
(渾身の一撃を紙一重に躱し、舞うような身のこなしで向き直る。
至近で爆ぜた閃光弾の影響は自身にも多少残っているが、
驕傲を冠する力場の感知で知覚を補い打つは次の一手)
さて……ゲームではこういうの、ボスラッシュと言うのよね。まずは一体目。
(何やら不穏な呟きは青年の耳に届いただろうか。
【異聞降臨】――空を蹴り疾駆する黄金の流星、
金剛のたてがみを煌めかせる獅子がカイムへと襲い掛かる)
それは嘗て最も強靭な肉体を持つと定義された無双の化身、
打倒し得るのは決して揺るがぬ正義を持つ勇士のみ……
なんて、昔話の焼き直しだけれど。乗り越えてみる?
(言葉の上では伸るか反るかと、試すような問いを投げかけて)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月6日
(上段に構えた剣を振るう――前に、二人の間に球状の邪魔者が割り込んだ。後ろ手に放り投げられたソレが、視界全体を白い光で焼き尽くす閃光弾だと気付いたのは、既に蒼天を閃光で染め上げた後であった)
――――――ッ!
(振るった剣は空しく空を切る。勢い任せの剣で捉えられる程、容易い相手ではない事は他の誰より、自身が知っている。彼女がこの機を逃さないだろうことも)
(空を裂いた態勢のまま、重力に引かれる。眩いばかりの閃光の影響で閉じた瞳には空も景色も映らない。落下を始める前に耳に届いたのは不穏な呟き。次いで唸り声を上げる獣のような咆哮)
ボスラッシュの一体目?てっきり俺が悪役かと思ったが。どうやら主役側だったらしい。
(獣の唸り声は直ぐ其処に。背後から文字通り、“空を駆ける”程の速度で迫ってきているのを感じる。視界は未だ、正常に戻らず。地に叩き付けられるのが先か、獣の牙に掛かるのが先か)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月6日
【防御成功】【HP:4】
(獲物と見定めた男にその牙を突き付けんと迫る。人間の皮膚など肉ごと容易く貫くだろう牙が首筋に噛み込もうと――迫った刹那、獣の腹を刺し貫いて先に姿を現したのは男の持つ剣の切っ先)
ビンゴだ。
(右手に持つ剣を唸り声を頼りに背面へと突き出しただけ。腹を貫いたというのに、獣は一切怯むことなくその牙を、爪を、獲物に向けて全力で振るおうとする。僅かに回復した男の視界に映るのは黄金の鬣を持つ獅子)
ハッ、こりゃ随分とデカイ猫だ。よぉ、猫ちゃん、ご機嫌いかが?
(打倒しうるは揺るがぬ正義を持つ勇士のみ。言葉を頭で反芻した。試してみようか)
(獅子と上下を入れ替える。右手で剣で押さえたまま、両足で獅子の身体を踏む。銃口は空を舞う彼女に向いた。【魔弾の射手】が放たれる。その銃弾はワザと彼女の肩を掠めるような、致命傷には到底なり得ない軌道の銃弾)
(地に激突。其処には無傷のままの男の姿)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月12日
(金獅子の護りを容易く貫いたのは“資格”を満たしたが故か、
その剣の特異性ゆえか、或いは両方か。
それはそうと――怒気を孕んだ咆哮、
先の強襲をも上回る苛烈さで襲い掛かる爪牙。挑発への返礼としては些か過激だが、
その分狙いも粗いそれを捌く事自体は容易いだろう)
それじゃ、次ね?
(画面にノイズの走るように、その姿が一瞬だけブレる。
サーコートに薄っすらと幾何学模様が浮かび上がり、
ロングスカートがその脚を隠して……
魔弾を絡めとるように展開されるは蜘蛛糸が織りなす多重障壁)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月12日
【防御成功】【HP:4】
(一つ、二つ、三つ。四つ目を貫く事は叶わず、
蜘蛛糸の障壁に阻まれた弾丸は逸らされ消える)
この糸は嘗て聖域を守護した大蜘蛛の権能。
もちろん攻め手にも使えるけれど……そろそろコレの相手をしてもらいましょうか。
(ぱちんと指を弾くと同時、鈍い振動と共に大地が割れる。
現れるは流動する水銀の体躯、此度は崩壊したビル群ほどの巨体を持つ多頭の大蛇)
それは星々をも喰らう神罰の具現、意思無きが故に最も厳格な粛清装置。
……ある意味、一番の障害かもね?
(歌うように口ずさむ。数多の化身の中でも最も融通の利かない一面、
その猛攻には召喚した側であるカタリナまで警戒するように目を細めて)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月13日
(地上から空を見上げれば、陽光に照らされた蜘蛛糸の微かな輝きが見える。糸そのものによる輝きではない。糸が紡いだ面が障壁となり、その障壁に陽光の輝きが反射しているのだ)
随分と故郷想いの蜘蛛も居たモンだ。聖域ってのはよっぽど餌に困らないのか?
(軽口を叩く余裕がある。先の獅子もこの蜘蛛糸の障壁も厄介ではあるが、倒せるし、貫ける。異能の主である魔神の長姉を先まで相手にしていた事を考えると子供の絵描き歌並みに“簡単”な話だった。…それが姿を現すまでは)
(小気味よく軽やかに。しなやかな細い指が鳴らす音が耳に残った。次いで振動。大地が歪な音を立て、倒壊した建物を飲み込んでいく。割れた大地から海水が溢れ出て――いや、違う)
………おいおい、冗談だろ?
(その正体に気付いた男が空中に浮かぶ彼女に苦笑を投げかける。海水は生き物のように首を持ち上げたりはしないだろう。ましてやその首は一本ではないと来た)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月13日
【防御成功】【HP:4】
(建物を飲み込んだのは海水ではなく水銀。その体躯は崩壊したビル群にも匹敵する。首を持ち上げた全高はビルを上回る)
俺が止めるのを確信してるのか、それとも島ごと沈める気か?
(大蛇を見つめる彼女の瞳に、いつもの余裕はない。今日、何度目かの溜息が零れた)
ドラマチックな最後を飾る為に取っておいたんだが、そうも言ってられねぇか。
(暴れ始める大蛇。ビルを積み木の如く倒し、緑の木々は水銀に呑まれてその色を喪った。銃弾を一発叩き込む。流動する内側に沈んだ銀はあっさり水銀に浸されたが、注意を引けたらしい。首が男の方に向いた)
(右手を掲げる。“蒼い雷”が弾ける。見えるだろう。“神殺しの蒼雷”の異能。【万華鏡の微笑】が)
確かに練習に付き合ってくれとは言ったぜ。けど、まさかぶっつけ本番だとは思わなかった。
(これほどの化身なら術者に僅かにシンクロによる衝撃くらいは与えられるか…?)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月18日
通過儀礼という言い方も好きではないけれど、
貴方がこれを乗り越えるのを期待しているのは確かね。
それに……これも私、という事。
(自身もこの水銀の多頭蛇も同じく魔神の化身、数多備えた性質の一面。
完全に同一という訳ではないが、
さりとて兄弟姉妹に例えるには更に近しいもう一つの自分。
堕ちる前の魔神は果たすべき役割に応じて守護者にも災厄にもなった。
……それが必要な事なら、
自分もあの金獅子のように猛り、多頭蛇のように荒ぶるだろう)
手本は十分に見たでしょう。
手が滑って自滅しても助けてはあげないけれど。
(無数の眼光が一斉に神殺しの蒼雷を射抜き、万物を喰らう牙が襲い掛かる。
今回この化身が召喚に応じたのは
魔神権能へのアクセス権を譲渡された不届者を抹殺する為。
つまるところ……未だ彼を認めていない化身、その筆頭という訳で)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月18日
【防御失敗】【HP:4→3】
(総身が痺れる程の破裂音が戦場の空気を震わせる。
意思持つ洪水のように殺到していた蛇頭は
蒼雷の備えた神殺しの特性をまともに受けて消し飛び、
気化した毒霧さえも焼き尽くされ消えていく)
一手で半分も持っていくとはね。けれど油断できる程の猶予は無いわよ?
(何があっても対応できるように高度を下げる。
蒼雷に焼かれた部分は再生しない。
だが、それ以外の部分から新たに生じた蛇頭が一秒の停滞も無く追撃を仕掛ける。
純粋に膨大な質量ゆえの耐久性、かなり縮んで猶も
一般的なヒュドラに見劣りしない巨躯がしなる鞭のように空を裂いて)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月19日
俺はてっきり、手取り足取り教えてくれる事を期待してたんだがね?
(蒼雷が巨躯なる大蛇に再度、降り注ぐ。積み木のように倒され、散らばったビル群をも飲み込み、島全体を蒼い閃光で染める。焦げた空気の充満した臭いは島の風に吹かれて尚、潮の香りを此処まで運んではこない。そして耳朶を打つのは)
(水銀の流動体から“首を生やした”歪な音。吹き飛ばせなかった残る首からは間断なく歓迎の挨拶を受けている)
不死身かよ、この化物。UDCのアニメや漫画なら空気を読んで大人しく消滅するトコだぜ?
(圧倒的な質量による暴威。一回り小さくなっても人間などとは比べるべくもない巨躯。至近距離に迫った首の一本に蒼雷を叩き付ける。爆発する直前、大きくバックステップで距離を取る。飛び散った水銀の残滓が先まで立っていた地を蝕んだ)
……随分とカタリナの眷属には嫌われてるらしい。
(息が僅かに上がる。蒼雷による体力の消費は予想以上だ)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月19日
【防御成功】【HP:4】
(ほぼ不死身の大蛇を従え、向こう側に居る彼女の姿は正しく天の御使いの姿をした“厄災”。しかし、大蛇に紛れて動く様子はない。只、其処に在るだけだ)
乗り越えるのを期待してるって言ったな?力を扱うのに足り得るかの試練ってヤツか。
(また新たに首を生やした大蛇が生意気な獲物を飲み込もうと二方向から迫る。正面を駆け、差し迫った首を躱す。躱し切れないコートの裾が水銀に浸され、紺色を失わせるもその肉体に影響はない。男の左手に蒼い雷が灯った)
手本じゃあ身体に直接纏わせてた。――が、今の俺にはその域まで到達出来なくてね。
(剣に蒼い雷が奔る。刀身に刻まれた赤い文字が生き物であるかのように脈動する。その視線は多頭の大蛇に向いている)
…ご主人様に良い所を見せたいって想いは買うぜ。けど、悪ぃな。魅せるのは俺の役目なのさ。
(剣の切っ先を向けた。瞬間、加速する、【蒼雷の一撃】。)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月21日
真っ当な生物のカタチもしていないものね、その化身。
(生き物なら脳なり心臓といった何かしらの“核”が存在する。
だが、この多頭蛇にはそれが無い。
既に放たれた魔法の類、滅びという指向性を与えられた現象に近しい)
……眷属もまぁ、思うところはあるかもしれないけれど。
(先刻召喚した不死鳥たちの攻撃は普段より苛烈だったかもしれないが。
それはそれと横に置いて)
眷属というよりは化身、その一部ね。
魔神の備えた一面……絶対性を守るために自分の事を知られたくない、だとか。
本当の同胞以外と慣れ合う気は無い、だとか。
……私(化身)に近付くという事は必然的に、
魔神にも大なり小なり近づくという事だもの。
そうして拒絶する要素を曲げるには相応の理由が必要という訳。
(滅びの権化が理屈や情で止まる道理など無く、
故に理性など削ぎ落とした多頭蛇はただ標的を屠るまで
技も何も無く正面から攻撃を重ねるのみ)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月21日
【防御成功】【HP:3】
(どこか他人事のように淡々と告げながら、口にしなかった事もある。
これ程の力と意思を見せられたら仕方ない……そんな名目を
欲したのは自分自身でもある事。
その理由がただの奥手の照れ隠しだと、もしバレたら呆れられてしまうだろうか)
そうね。私から贈った力だけど、身に余るようなら反発も強まるでしょう。
まぁ……私だって使いこなすのに何年も掛けたんだもの。
そう容易くものにされてもね?
(時期とその時点での下地、相性の差もある。
言葉とは裏腹に声には焚き付けるような響きがあり……
事実、蒼雷の一撃は威力も速度も申し分なく滅びの権化を焼き斬った。
多頭蛇に反撃を許したのはその切れ味が鋭すぎたためか。
神殺しの蒼雷に焼かれ消えるまでの刹那、
水銀の塊は最後の一瞬まで猛攻を緩めず押し寄せる。
……凌ぎきればどうやら、新たな化身が更に現れる事は無いようだが)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月21日
(未だ水銀の塊はその姿を保ち続けていた。技など知らぬ、と言わんばかりに圧倒的質量と多頭による執拗な猛撃。周囲一帯を沈める理性無き暴力性は、標的を完全に目の前の飛び回る羽虫に切り替えている)
そいつはgoodなニュースだぜ。つまり俺は結果的に麗しの魔神サマにも近付いてるってワケだ。神サマ嫌いの俺が神々の長姉に自ら近付いているなんざ笑えるね。最高だ。
(崩れたビルを足場に飛ぶ。高度を下げたカタリナのすぐ隣。半壊して側面が吹き曝しのビルに腰を掛けて座る。その手には古臭い一冊の本)
UDCじゃ美人を手に入れるには昔から、試練があるらしい。内容は似たり寄ったりだが…大概は化物退治。
(ペラペラと捲り、パタンと閉じる。表紙に掛かれていたタイトルは辛うじて『日本書紀』とだけ読み取れた。それを雑にカタリナに向けて投げた)
正直、内容は全然知らないんだがね。
(水銀の多頭が男の座っているビルを破壊しようと――)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月21日
【防御成功】【HP:4】
(激突。鬱陶しい羽虫をビルごと粉砕しようという凄まじい衝突音)
RPGじゃスリップダメージって言うらしい。触れたが最後、標的が消滅するまでその威が衰えることは無い。まぁ……アンタは随分、粘った方だと思うがな。
(崩れたビルから無造作に歩みを進める。蒼雷の一撃と蒼い雷をその身に浴びた時点で消滅は約束された結末。それでも、今わの際迄衰える事無き暴威)
(声帯の無い多頭の大蛇に咆哮はない。ボロボロと朽ちるかのように水銀の内部を蒼い雷が奔り続ける。その巨躯は最初に比べ明らかに小さい)
拒絶する要素を曲げるには理由が必要。だが、逆に言えば力を示せば近くで居られるって事だろ?
(腰元から愛銃を引き抜いた。魅せるようにスピンさせ、銃口を横に重ねて最後に残った大蛇の頭に向けた)
――Jackpot。
(蒼い雷を纏った弾丸が最後の頭を撃ち抜いた。空に光る一滴の彗星のように蒼い軌跡を描いた)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月25日
良い目を見る者には相応の資格がある。
勧善懲悪然り、分かり易い物語性というものね。
(物の道理などと言うには説得力に乏しく、
だが納得する為に多くの人間がそう在ってほしいと思う理由付けの話。
投げ渡された本は律儀に手に取り、
一瞥だけくれてから胸元のペンダントに収納する。
軽く翼を羽ばたかせ足場を蹴った直後、
それまで二人の居た空間を殺到する水銀が粉砕して)
……否定はしないわ。
(最初からその為の提案であり、仄めかしてきた主旨なのだが。
改めて言葉にされると素直に肯定する事はせず)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月25日
【防御失敗】【HP:3→2】
(水銀の体内を幾多の蒼雷が駆け抜ける。
末期の暴走も終幕を迎え、その身は幻のように溶け消えて……
顔色一つ変えぬまま、ダメージは確実に蓄積していく)
お疲れ様。十分と言うにはまだ少し早いけれど……
次が正真正銘の最後よ。ご武運を。
(消耗度合いを測るようにカイムを見て、それから少し距離を開ける。
――気配が変わる。
騎士装束は煌めく羽衣に変じて翻り、三対六翼を広げた頭上には光輪。
それまでの冷徹なポーカーフェイスは
傲慢と拒絶を隠そうともしない仏頂面にとって代わる。
これまでの激戦の消耗も重なり、オーバーロードと呼ぶには
不完全も甚だしいが……それは魔神の本性、紛れもない真の姿)
……気に食わんな。
(騎士剣は身の丈ほどもある大剣へと形を変え、
薙ぎ払えば[第六神権]――拒絶を冠する破壊権能を纏う斬撃が
空間ごと捻じ伏せながら駆け抜ける)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月26日
…今度は何を呼ぶつもりだ?言っておくが、アレを見せられた後だ。少々のサプライズじゃ動じない自信がある。
(『アレ』の部分を顎で示し。大惨事を引き起こした後のビル街を指す。水銀が浸した後の地はさながら障害物の無い広大な平野といった有様)
(投げられた視線の意味を探る事はしない。彼女が少し距離を置く。隙だとすら思わせない優美な振る舞い。――気配が凍り付いた、かのように錯覚する)
……お出ましか。
(男の口元の笑みは深く。迎え撃つ為に剣を構え、足先に力を込め、先手を取ろうと動いて――一見無造作にも見える薙ぎ払いで、自身の半身が大きく出血した事に気付いた)
(彼女の意図はどのような物か。戯れ程度の一撃か、或いは目覚めて直ぐ、伸びをする程度の物だったのか。その『斬撃』は空間を捻じ伏せ飲み込み、男の身体を斬り裂いた――此処までが10秒後の未来)
――ヤベェな。
(口元から笑みが消えた。咄嗟に回避行動を取る)
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月26日
【防御成功】【HP:4】
(一秒前まで己が居た空間が“ズレた”。それが破壊して斬り裂いたのだと認識するのに数秒要した。概念を断つのは彼女の十八番とも呼べる技だが、それとはまた趣旨が異なるように感じる)
気に食わないってのは?酒も飯の用意も出来てないって言う意味で怒ってるなら、悪かった。この状況だ。用意する時間が取れなくてね。
(“ズレた”空間は既に戻っている。やれやれ、と頭を振って、傲慢と拒絶の仏頂面へと言葉が投げられた。彼女であって彼女ではない存在。先までの化身達と同じく、基を彼女とする者)
それとも…。気に食わない理由ってのは“人間如き”に消耗させられたこと、とか?
(カマを掛ける程度に神々の長姉へと問う。気配は凍り付き、耳に潮騒の音は入ってこない。距離を空けて尚、威圧感がある)
(銃口を向ける。聞き慣れた咆哮はまだ耳に残った。――どうやら、俺がおかしくなったワケじゃないらしい)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年6月28日
斯様な状況で供物を用意されたところで白々しい。
消耗? これまで戯れていたのは化身に過ぎん。
……真なる神を何と心得るか。
我が意を知るは我のみ、我が行いを定めるは我のみ。
反するは不敬であり、これを見過ごすは寛容でなく怠慢である。
故に――
(問いには律儀に、台本でも読み上げるような答えを返す。
建前だ。
最早それしか残されていない、故に何よりも執着する絶対性という建前。
銃声を置き去りに迫る弾丸にも動こうとはせず、ただ一瞥をくれるのみ)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年6月28日
【防御成功】【HP:2】
(魔神の与えられた六番目の権能、害あるものを打ち砕く破壊の力。
それは放たれた弾丸と一瞬だけ拮抗し、そして今回は
この世界に存在し続ける事を認めず消し飛ばした)
赦しはせん。だが……化身に免じて裁きではなく試練をくれてやろう。
(黒雷の火花が散る。再び励起されるは失楽の呪姫たる権能、
先は使おうとしなかったもう一つの力。
剣だけを狙った黒雷のように細かな加減をする気の微塵も無い無慈悲さは
先の多頭蛇にも通じるものがあるだろうか。
森羅万象を焼き尽くす紅蓮の劫火は炎の形をとった終焉の概念。
さながら世界という絵画を紅一色の絵の具で塗り潰すように、
もはや原形を留めない戦場を蹂躙せんと荒れ狂う。
言葉の上では試練と言い換えたが実のところ滅殺の神罰と大差ない。
……そうでもなければまるで、
化身の思惑通りに譲歩したかのように見えてしまうというだけの話)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年6月29日
(蒼雷ごと銃弾が塵芥となって消し飛ぶその様子に、男は苦笑を浮かべる)
そりゃ、有難いね。銃弾には替えがあるが、俺の身体に替えは無い。塵となって消えるのは勘弁願いトコだ。
偉大なる神々の長姉様の意に反した罪人にも裁きじゃなく試練という慈悲を向けてくれるってんなら、次の朝からお祈りぐらいは考えて見ても良い。
(銃口を向けながら、魔剣を地に刺し、空いた手で十字を切るような仕草をする。彼女の周囲で黒雷が弾ける様子が見て取れた。【万華鏡の微笑】で扱いの難しい権能の一つ。あらゆる加護を殺す黒き雷は制御は勿論、生み出す事すら容易い存在ではない――そして、もう一つ)
コレが神の試練だって?
(荒れ狂う劫火が戦場を呑み込もうとその威を広げる。熱によるものか終焉によるものか、地を浸した水銀ですら為す統べなく蒸発していく)
大蛇を始末したと思った矢先にコレだ。自伝でも出してみるか。大ヒット間違いなしだろうぜ。
【防御】
カイム・クローバー 2022年6月29日
【防御失敗】【HP:4→3】
(その手に持つ剣に炎が宿る。黒く、熱く、輝きを放たないというのに銀色にも見える異色の炎。神の世界を焼き払ったという逸話。しかして、人の身ではそれを扱い得るには至らない。
故にこそ。その刀身は解かれる事無き封印が宿る。神の世界の終焉を彩ったという意味では、かの紅蓮の劫火にも匹敵するだろうが――未だその封印は解かれぬまま。だからこそ、その力を扱う術を身に着けたのだ。
――人の身で在り続ける為に)
派手にトバすぜ!
(振り切った剣が黒銀の炎の力を解放した。【無慈悲なる衝撃】。封印の施されたそれは劫火を消し去るまでには至らない。とはいえ、劫火の浸食を押し止めるぐらいは出来る)
互いにウェルダンに焼き上がるのは勿体ねぇ面してるんだからよ。直接対決と行こうぜ?
(浸食を留め、疾駆の勢いで彼女に向かって剣を振るう。氷のように整った表情。しかし感じる威圧感は邪神の比ではない)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年7月6日
ふん。阿諛も信仰も上辺のものに興味は無い。
(向けられるそれの真贋には触れず憮然と言い捨てる。
紅蓮と黒銀のせめぎ合う只中、一直線に迫るカイムを見下ろせば
拒絶の意思そのものが指向性を持って接近を阻む。
――止まらない。
念動の力場が縛り絡め取るより、剣の間合いに至る方が速い)
……不届き者め。
(直接対決という構図に眉を顰めこそすれど、そこに糾弾や軽侮の色は無く。
お膳立てされた状況だとしても“試練”自体を破綻させる気は無いらしく、
正面から大剣を振るい迎え撃ち)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年7月6日
【防御失敗】【HP:2→1】
チッ……。
(刃に乗せた力と勢い、互いの体勢に余力の差。
押し切られる筈だった交錯はしかし真逆の結果を生み、
振り抜いた大剣はカイムの剣を押し返し後退を強いた。
【第一神権】により横車を押した代償は相応、
大剣を握る腕に走った軋むような手応えはカイムにも感じ取れたかもしれない。
……最初に大剣を薙いだ時のような[第六神権]の発現、
空間諸共捻じ伏せるような破壊を伴わなかったのは何故か?
シームレスに大剣から離した左掌を標的に向け、握り込む)
世界さえ、あまりに脆い。
逃れてみせるがいい――貴様に出来るのなら。
(受ける側からすれば全方位から超重力が迫るように感じるだろうか。
カタリナのユーベルコードの中でも単純な破壊力では最大の一つ、
【世界の不完全証明】が牙を剥く)
【攻撃】
(無効票)
カイム・クローバー 2022年7月8日
…そいつは褒め言葉として受け取っておくぜ。
(押し返され、一息付こうと魔剣を肩に担ぎ直す。勢いに膂力、己の磨いた技術を以てして、尚、彼女に魔剣の刃を届かせるのは容易ではない。とはいえ、結果的にダメージの蓄積はあるらしい。軋むような手応えがその僅かな証拠であると確信していた)
頑固者ってのは本当らしいな?少しはダメージのあるフリぐらいしたらどうだ?
(己の腕を叩き、示して見せる。最も彼女が認めるかどうか。認めたとしても“試練”は中止にならないだろう。合格するか、死か。極端な二択だと笑ってしまう)
(大剣は既に彼女の手から離れていて――左掌が自身に向けられている。迫るような恐怖が全身に纏わりついたのはこの瞬間だった)
迫る熱狂的な包囲網とは。人気者は辛いってヤツか?泣けてくるぜ…ったく。
(超重力の空間破壊。対象を圧潰させる死の包囲網。――逃げ場など何処にも有りはしない)
【防御】
カイム・クローバー 2022年7月8日
【防御成功】【HP:3】
(空間が圧縮される。あらゆる存在を許さない疑似的な重力崩壊に巻き込まれた男は――)
ふぅ、何とか今回も俺は生き延びたらしいな。
(――それでも生きていた。【汝、恐れを知らず】。全身に紫雷を奔らせた男は汗で張り付いた前髪を掻き上げる)
しぶとさは俺の魅力の一つでね。ま、本日二度目の死ぬか生きるか、ギリギリのトコだったが。ツキは落ちちゃいないらしい。
(銃口を向ける)
このツキに。
(幸運の女神はいつもギャンブルに対しては微笑んではくれないが)
賭けてみるとしようか。
(どうやら今だけは見放さないらしい。視界の向こうにカタリナと同じ顔、同じ声、同じ肉体を持った長姉の姿が映る。【万華鏡の微笑】。
彼女の笑った顔を思い出していた。
一発の銃弾が彼女目掛けて放たれる。長姉の持つ最初の権能、第一神権を以て。)
――――俺が勝ったら笑ってくれよ。それが報酬だ。
(銃口から燻る煙を吹き消した)
【攻撃】
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年7月17日
戯れに興じるほど酔狂ではない。
(軽口は切り捨て、青年は果たして超重力を凌ぎ得るかと目を細め)
……忌々しい力だ。
だが、人間の手札に成り下がった権能にまでかかずらうほど過敏でもない。
(超重力の崩壊現象を跳ね除けた紫雷、邪神由来の異能に眉根を寄せる。
彼女からすれば不倶戴天の神紛いから生じた力だとしても、
それも人間の足掻きであれば捨て置く事もあるという……
譲歩や配慮という表現は好まないだろう。一方的な線引きだ)
……ふん。
(それ以上を言葉にする事は無く、大剣を薙いで迎え撃つ。
権能の貸出元である以上、相手が如何な力を引き出したかも理解した上で)
【防御】
カタリナ・エスペランサ 2022年7月23日
【防御失敗】【HP:1→0】Fumble...【ラウンド2:勝者、カイム】
(その権能が要求するのは未来を望む心。
魔神の……未来を司る御使いであった者の試練に対する答えとして、
或いはその結果が全てだったとも言えるだろうか。
その銃弾はカイムの意図した通りに空を貫き、斯くして翼は地へと墜ちていく。
三対六翼は見慣れた双翼に、羽衣は常の装束に。
――ほんの僅か、皮肉げに口角が上がったように見えたかもしれない。
地上の寸前でバランスを取り直し、どうにか危なげない風を装って
着地してみせたのは最後のプライドだろう)
……ああ、まったく。一本取られたわね。
(安堵と疲労と、それはそれとして一抹の悔しさと。
幾つかの感情を綯い交ぜに、素顔の
カタリナが嘆息する)
(無効票)
カイム・クローバー 2022年7月25日
(蒼い空が銃痕の軌跡を残した。吹き消した銃口から燻る煙は風に浚われて消える。軌跡と引き換えに三対六翼が地へと墜ちる。男は知る由もないが、その姿は叛逆の果てに追放されたその瞬間に酷似していたかもしれない)
(地に落ちる姿に男が駆け出した。見慣れた双翼、羽衣は常の装束。聖剣の如き威容の大剣も既に無く、感じていた威圧感は消えている。落下地点で抱き止めるように両腕を広げて――――地上の寸前で彼女はバランスを取り直した。その華奢な身体を抱き止めるつもりだったが、地にそのまま無抵抗に堕ちるなど、どうやら、彼女のプライドが許さなかったらしい)
――そう言うなよ。こっちだってギリギリだったさ。
(結局、何も乗る事が無くお役御免だった両腕はそのまま、肩を竦めるのに回った)
切り札まで切った。締めのサプライズのつもりだったんだぜ?
(素顔の彼女の様子に笑みを浮かべた。悔しさは抜けきらないらしい)
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年8月8日
余裕綽々の方が沽券に関わるというものよ。
まぁ……そうね。魅せ方は上々、お疲れ様と言っておきましょうか。
(心技体、見るべきは見られた。伝えるべきは伝えられた。
“試練”は終わりと締め括り、見る影も無く破壊され尽くした周囲を見渡して)
長居するには味気ない景色ね。今日はそろそろ戻りましょう?
(くるりと踵を返せば金の長髪と尾が翻る)
(無効票)
カイム・クローバー 2022年8月15日
――酷い有様だ。
(崩れて瓦礫となったビル街、抉れて所々が水銀に浸された地面、半ばからへし折れた木々。この島で戦争でも起こったのかと疑いたくなる凄惨な光景。“試練”の舞台となった不運な島はその原型を失いつつあった)
おいおい。まだ肝心な話を聞いてないぜ?
(くるりと踵を返すと同時に黄金の髪と尾が翻る。その背に向けて腕を組んだまま、声を投げた)
“試練”は終わり。そうなると、合否判定が必要だろ?
この場を離れてから、言うつもりかも知れないが……こう見えて俺はせっかちでね。結果ってのは早く知りたくなる。
(男の表情には余裕が滲み出ていた。結果を分かって聞いている、そんな表情。
素顔の彼女の口からハッキリと
合格させるつもりなのだ)
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年9月4日
……こうして無事に帰れる事が答えでしょう。
(足を止め、振り返りもせずに素っ気なく。
その声だけでも彼の浮かべている表情を察するのは容易い事で。
……今回は自分の我儘に付き合ってもらった形だ。
多少のサービスも誠意の内かと短い嘆息を一つ)
……魔神の備える数多の化身、その総意として貴方との関係は肯定されたわ。
あくまで今回は、だけど。
(この期に及んで煮え切らない事はプライドが許さず、
とはいえ改めて言葉にするのも気恥ずかしく。
さながら黒板消しでも掛けようとするかのように尻尾だけがぱたぱたと揺れた)
(無効票)
カイム・クローバー 2022年9月7日
その言い方だと、まるで『次回は分からない』と言いたげだ。
(島を後にしようとする彼女が歩みを止めた。振り返る事無く告げられた言葉は
素顔の彼女らしく素っ気無い物ではあったが――
ぱたぱたと揺れる尾が潜んだ感情を物語るように。
不器用な気持ちを代弁するかのように揺れていた)
――次回も勝つさ。勝って手に入れる……なんて、俺にしちゃスマートじゃないが。強引なやり方はお気に召さないか?
(男はその場から動くワケでもなく。プリズム色の双翼が覗く背に向かって軽快な口調。
距離を詰めて表情を伺おうとしないのは振り向かない閃風の舞手に対してのある種の気遣いか。
どちらにせよ、この問答を最後に彼女も島を離れようと動くだろう。太陽は頂点を過ぎ、辺りが淡い茜色に染まりつつあった)
(無効票)
カタリナ・エスペランサ 2022年9月23日
そうね。未来はあらゆる可能性を許容するものだから。
これからもずっと、なんて油断は禁物という事。
(色合いを変えていく空、傾いていく斜陽を見上げる。
……自分ではない自分の記憶、遠い日の決別を思い出す。
恐れはしない。信じない訳でもない。
ただ、どんな可能性が現実になるとしても折れない為に、
寧ろ自分自身に言い聞かせる)
望むところよ。それくらいの気概はある方が……安心できるわ。
(声は淡々とした調子ながら、敗ける気は無いという強気を滲ませて。
……ぽつりと零れた言葉の最後は、或いは風に紛れて消えただろうか)
(RP終了)
カイム・クローバー 2022年9月28日
(変わらぬ強気が彼女らしい、と声に出さずに笑う。歩き出そうと、前に進み続けようとする姿勢、決められた未来などないと振り返りもせずに告げる彼女の言葉は、自分自身へ抱く想いが形になった物なのだろうかと。それが分かるくらいには彼女の事を理解していて)
…………そうかい。それなら安心だ。
(望むところだと言う。距離の所為か、はたまた自身の疲労の所為によるものか――彼女が発した最後の言葉は風の悪戯に吹かれて消えて、その詳細を知る事は叶わなかった。歩み続ける背から、茜色の空に視線を映す。耳に届くのは最初と変わらない潮騒の音)
――強くなる理由がまた一つ出来たな。
(
刃の向かう先が願わくばアイツと居られるように。何処か遠くでカモメの声が聴こえた気がした)
(RP終了)