【RP1】蒼穹の匣
空廼・柩 2018年12月16日
散らかったままの書類。無造作に積み上げられた報告書。
放置されたパソコンは、今ではスクリーンセーバーが起動している。
すっかり冷めた珈琲の水面に、薄ら窓越しの空が映り込んだ。
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空廼・柩 2018年12月16日
(起動したまま、放置されたパソコンの前。スタンダードなオフィスチェアの上に深々と座り込む男は一向に動かない)――(静かに、静かに――まるで息を止めてしまったかのように――男はその場で、眼鏡を掛けたまま眠りこけていた)
空廼・柩 2018年12月16日
(不意のノック音に、大袈裟に身を震わせチェアから落ちる。跳ねる心の臓を押さえ、ずり落ちた眼鏡の位置を整えながら、慌てて扉の前へと向かう)お、起きてます。起きてます!(恐らく上司がやってきたのだろう。それ以外に此処へ訪れる者を知らぬからこそ――)………え、誰?(突然の来訪者に、男はレンズで隠した瞳を丸くしたのだった)
https://tw6.jp/character/status/f00795
火奈本・火花 2018年12月16日
(入室の為にしたノックが却って相手を驚かせしまったようで、室内から聞こえる慌ただしい音に面食らう。開かれた扉の先に居たのは色白で、何処か不健康そうな研究員の男)……あ、ええと。エージェント・火奈本です。(見知らぬ相手が訪ねてきた驚愕が分かる表情に、少しだけクスリ笑う。手短な自己紹介は、それだけで良いかな、と少し楽観的に)ここ、第370研究室で良かったですよね?
空廼・柩 2018年12月16日
――ん、エージェント? もしかして、あんたも同業者?(小首を傾げ、しげしげと扉前に立つ彼女を観察する。仮にも此処はUDCの本部だ。ただの女が易々と入り込めるような場所ではない)…なぁんだ、主任じゃなかったのか。驚いて損したよ(安堵にも似た吐息を零し、肩の力を抜く)ああ、此処が第370研究室だけれど…こんな窓際部署に何の用な――
クイン・ナイト 2018年12月16日
あ、(その“青い瞳”がきゅぴんと光った。光ったというのは文字通り正しく、しかし少女の目元はVR用のヘッドセットで覆われていた。その何かしらの装置が光ったのだ。)(仮想世界を通し、灰色の男とその前に立つ来客らしき女――二人ともこちらの視点からは都合良く動物アバターへと変換されているわけだが――を見る。)そこ!そこの人!そこの人に用事があって、…呼ばれて来たのにゃ!!(じったばった。)
火奈本・火花 2018年12月16日
あはは、もちろん同業者ですよ。もちろん主任でもない初対面です、実は――、(少し愛想染みた笑い。観察される視線には慣れないが、技術畑の研究職である相手に他意はないだろう。肩を竦めて)(紡ごうとした言葉は叫び声に中断される。奇怪なヘッドセットを付けた少女を眼鏡越しの視線が捉えて)――……侵入者?(自然、ジャケットの懐へと手が伸びる。剣呑に細められた瞳が状況を察するべく警備員と少女、視界の端の灰色の男を見て)
空廼・柩 2018年12月17日
………は?(そこの人? 用事? 何を言っているんだ、あの少女は。思わず隣に立つエージェントを名乗る女を見る)……え、あんたの知り合いか何か?(思わず尋ねてしまったが、どうやら彼女の様子を見るに違うらしい)…ああ、もう。ちょっと待ってて(ひらり手を振ると、警備員の元へ。少女には自分の方から注意して外に出しておくと説明、渋々解放を同意してもらえたようだ。思わず盛大な溜息が毀れてしまう)…兎に角二人とも、事情聞くにしろ用事聞くにしろ立ち話もなんだし部屋入れ。
クイン・ナイト 2018年12月18日
(悪足掻きにも程がある無理な言い訳が通った――とはいえないけれど結果的に有効だったように思う。) …思い切り腕掴まれたから痛いんだけど!(なお騒ぐ余力を残し、来客女性の隣に並ぶ。先程のささやかな空気の変化にはヘッドセットのせいで気付けていない。すごすごと部屋へ足を踏み入れる。リュックにぶら下がるみたらし団子のキーホルダーを揺らして。)
火奈本・火花 2018年12月19日
(男の機転を横目に見ながら、右手には緊張を残したまま。迎え入れるよりそのまま警備員に渡した方が良いんじゃないか、と元々良くない目付きの眉根に皺が寄る。解放された少女が横に並びながら付いた悪態に)……そりゃ。捕まえてるんだから当然ですよね。(聞こえてるかどうかなんて関係なく、小さく漏らした溜息交じりの言葉。気持ちを切り替えようと眼鏡の位置を直して)では、失礼します。(促されるまま、部屋に入ろうと)
空廼・柩 2018年12月20日
いきなりも何も、あんたは此処が何処か知らないの?(半ば呆れにも似た言葉を少女に向け――その傍らで緊張状態を保ち続ける女の視線に、思わずぎょっとする)頼むから乱闘騒ぎを起こすならこの部屋以外でしてくれよ? これでも一応ちゃんと整理はしてるんだから(言いつつ招き入れた室内――強い珈琲の匂いと、所狭しと乱雑に書類散らばる空間。そして、硝子越しに鮮やかな空が続いていた)――さて、と(こほん、咳払いをひとつ)…あんた等、ところでこの場所に何しに来たの? 火奈本…だったっけ? あんたの場合は同業だからまだ分かるけれど、俺なんかに用事があるってのが良く分からないし(卑屈ではなく、純粋な疑問だった)
クイン・ナイト 2018年12月21日
正直なところ、立派な建物だにゃーくらいしかわかってないにゃ。(呆れ声は二人分、肩越し振り返り不服そうに唇を尖らせる。ヘッドセットのせいで表情らしいものが見られるのは唯一そこだけだ。) あ、(けれど、鮮やかに続く空の風景を見付け、ぱたぱたとそちらへ走り寄っていく。)すごーい。ステキな眺め!(エージェント同士のやり取りに混ざることなく。混ざれるはずもないのだが。)
火奈本・火花 2018年12月21日
(眼前の男の咳払いに姿勢を正す。直接の上司でこそないが、先輩後輩部署を問わず同僚に敬意を払うのは信条のようなもので)――失礼しました。私、近年急激に増加したUDC存在への対応として別支部から応援を頼まれて来ました。正式な配属先はまだ決定していませんが、少しでもUDCの情報を得られればと思い、この第370研究室に訪問させて頂きました。……空廼・柩研究員でよろしかったですよね?(油断無く張った姿勢で固めの言葉を並べながら、視線はちらちらと奔放な少女を無視しきれない)……私の要件は言いましたが、貴女は? そもそも名前と所属は?(窓辺に寄っていく少女に向けて伸ばした手。襟首を掴もうとした指先は空を切る)(溜息を一つ。「貴方が部屋に入れてるんだから何とかしてよ」とばかりに、赤い瞳の視線を眼鏡越しに男へ向けた)
空廼・柩 2018年12月23日
(ぎしり、椅子に深く腰掛けては己のデスクに頬杖をつく。マグカップに手を伸ばして珈琲を啜るも、すっかり冷えたせいか、苦味と渋みが強かった)ふぅん、別支部からの。確かに最近やたらと数が増えたというか強くなったと云うか、職員だけでは対応しきれぬからと猟兵の力も借り出した始末だしなぁ。つかUDCの情報が欲しいんだったら、此処を頼らずとももっと大きな研究室とかそっちに聞いた方が良かったんだないの? ――猟兵から話を聞きたいってことだったら、話は別だけれど(怖気づくことなく、赤い瞳を眼鏡越しにじっと捉え、つと視線は窓際の少女へ)…おおかた、そこの子もそうなんじゃない? あんな子、地球にはそうそういないだろ(飽くまで己に備わった第六感ではあったけれど、確信はあった)
火奈本・火花 2018年12月24日
(男から向けられる視線を正面から受け止めて、肩を竦める。伸ばした姿勢はそのままに)規模の大小と研究の内容はイコールではありませんからね。大きな研究室には確かに様々な情報が集まりはしますが……欲しい情報が必ずあるとは限りません。考えられる全てのルートを確保しておくのは重要です、それに(と、一区切り呼吸を挟む。目の前の男の全容を改めて観察する。背は高いだろう、だが血色の悪いの肌は見るからに不健康そうで、これなら機動部隊や鍛えたDクラスの方がはるかに強そうには見えるが)――仰る通り、同じ猟兵の知見は貴重です。実際にUDCと相対した経験は、報告書や数字からだけでは得られませんからね。……その子も、猟兵だから部屋に入れてみた、と?(たしかに地球でみるような格好ではない。猟兵としての任務の中で、似たような格好を見た事はあった気がする)
クイン・ナイト 2018年12月25日
(ふんふーん、なんて微かな鼻歌さえも響かせ景色を堪能していたが。何やら小難しく聞こえる二人の会話の中で注意が此方に向いた気もして、ちらっと振り返る。) んにゃ?なまえ?…俺はクイン。クイン・ナイト。あー、UDCねUDC。えーと、Undefined Creature――だろ?(無駄に発音良く、どや顔で言ってみせ、)それくらいはさすがに、猟兵なりたての俺にもわかるにゃ。…深くはアレだけど…(ぽそぽそ)
空廼・柩 2018年12月25日
(ほら、と言わんばかりに肩を竦め)まあ仮に違ったとしても適当に記憶処理施して街に放り出せば良かっただけだし、あそこで知らん振りなんてしようものならば、もっと騒ぎそうっていうか…(小さく、溜息ひとつ)欲しい情報があれば、適当にどうぞ。UDCに関する報告書はそこらへんに置いてある筈だから(積み重なった紙の束を見遣っては――ふと、)……あれ。え、何俺の顔に何か付いてる?(観察とも取れる視線にきょとんと)…あ、そういや名乗ってなかったっけ。俺は柩――空廼柩。ま、宜しく頼むよ。同僚さん達(ひらり、手を振って)
クイン・ナイト 2019年1月6日
いたいけな女子高生を街に放り出すとか…っ(ささっと両腕で自らの体を庇う所作。)えーっと、ヒツギ? …俺はクイン。クイン・ナイト。まあまあ、これも何かの縁だしよろしくするのにゃ。…、(お世辞にも整理整頓とは呼べぬ書類の山を見渡し。)時間ならあるし、片付けとか手伝おっか?猫の恩返しというやつ!(暇という表現は避け、制服の腕を捲る。)
空廼・柩 2019年1月6日
はいはい。それが嫌だったら、今度からちゃんと自分の身分を明かしてから入ってきなよ。此処、割と怖いところだし(大袈裟な少女の挙動に溜息ひとつ)うん、ヒツギ(頷きながら)ふぅん…クイン。クイン・ナイト――『女王の騎士』的な? …てか猫って恩返しするもんだっけ。何処に何があるか普通に分かるし片付けする必要性があるかどうかは疑問だけれど…あーでも……まあ、部屋は定期的に整理し解かないと主任が五月蝿いからなぁ(がしがしと頭を掻いて)…じゃあ、折角だしお願い出来る? その都度指示はするから。
火奈本・火花 2019年1月8日
火奈本です。火奈本・火花――エージェント、兼猟兵です。(ひらりと振られた手に、肩を竦めるようにして応えて。猫の恩返し、という言葉にそんな映画があったな、なんてどうでも良い思考が浮かんだ)……確かに整理整頓が必要な部屋には思えますね。私も、UDCの資料をお借りできればと思って来たのではありますが……手伝いましょう。空廼研究員が分かっていても、他の誰かが分かる程度に整理されていなければ、非常時に対応できませんし。(部屋を一瞥。さてどうしようかと、顎に手を付けて思考を始めながら)……どこか触ってはいけない場所はありますか? そこは避けて整理をしますが。
クイン・ナイト 2019年1月10日
何も悪いことなんてしようとしてないのに…(不満が燻り蘇ったか、ぶつぶつと独りごちて。)騎士と取るか夜と取るかは任せよう。ふふん。ヒツギに、ヒバナ。音が似てて仲良しだにゃー。(交互に2人を見た。仮に見ているのが架空世界のアバターだったとしても、性能のいいコンピューターは声や表情筋の動きにてある程度の感情は反映してくれる。)猫の恩返しはアニメでも有名なタイトルがあるだろ?しらにゃいの?(手身近なところにあるファイルを手に取る。棚を見渡し、)指示をおねがいしまーす。じゃないと片っ端からなんでもいじっちゃうぞ。俺とヒバナで手分けしてやればきっとあっという間だぜ!
空廼・柩 2019年1月12日
それだけ機密なものが多い場所ってこと。下手するとその場で銃殺、なんてこともありえるかもだぜ?(脅す訳ではないが、独り言つ少女へ事実を突きつけ)…って、え。何でそんな二人とも整理整頓する気満々なの? もしや意外と几帳面?(眼鏡の奥に隠された目を丸くしながら)ああ…何と言うか、俺自体こっちに移民した身でもあるから、あまり世俗――特に娯楽には疎いっていうか。別に見られても困るような代物はないから勝手に掃除してくれて構わないけれど…量結構あるよ?
空廼・柩 2019年4月14日
(――暫くして)(二人の乙女の手によって片付けられたオフィスは、見違えるほど綺麗になったという)(〆)