【個別】エインズワースの追想
レイラ・エインズワース 2021年12月22日
『……来月ちょっと時間欲しいなって思ってサ』
その時指定された日の夕刻のこと。
数日前に角灯が悪戯っぽく笑いながら押し付けてきたのは一通の手紙。
当日開けてと言われていたそれを開けば書かれているのたのはシンプルな文章。
“夕方くらいに部屋まで来て。
私はいないけど、開けて入って、机の上にあるものに触れて。
追記
いないからって部屋の中はあんまり見ないでネ”
その言葉の通り、部屋の中は誰もいないようで。
ただただ、机の上には炎が揺らぐ角明かりが置いてあるだけだ。
◆Datum・Platz
クリスマスイブ・夕刻
■■■■■■■の■
◆willkommen!
鳴宮・匡(凪の海・f01612)
2
鳴宮・匡 2021年12月23日
(そういう日々が――)
(――――きっと、俺にとって“幸せ”って呼べるものなんだ)
レイラ・エインズワース 2021年12月23日
それは前向きに検討させてもらおうカナ。
(なんてふわっふわなことを言ってのけて見せて)
……どれだけのコトをもらったと思ってるのサ、本当にネ。
そこはまぁ、急だなとか、おもったコトもなかったわけじゃないケド。でも、うん。
そのくらい大事な思いなんだナ、って、思って。
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月23日
やっぱりネ。捨てられないヨ。私が最初にしたお願いも、撤回するつもりはないカラ。
でも、ね。でもネ。
私もそんなもらった未来をつなぎ続けてたいカラ。
受け取ったものに応えていきたいカラ。
進んでいくために、その瞬間を先延ばしにし続けるコトはできるんじゃないカナって思って、て────
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月23日
……そっか。
(そうまでして、そこまでして)
そんな風に思っててくれてて、そんな風に背負ってくれる人がいるのは、きっと幸せなコトで。
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月23日
それだけ大事な気持ちを、“なかったコト”になんて、できっこないんだカラ。
……そう、言ってくれたなら。
ちゃんと私の言葉で、返さなくちゃネ。
(扉を押し開ける)
(と、同時に燃え盛る炎はその姿を完全に隠すほどに大きくなって)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
え、あ
…………、そ、そっか。
(自分で言っておいてちょっと想像したら恥ずかしくなった)
……、ただ一生懸命なだけだったからさ。
周りのこと、ちゃんと見られてたか、わからないし。
レイラのことちゃんと考えられないで、ただ自分の気持ちだけで話してたことだって、きっとあって。
でも――でも、うん。
俺がレイラのために何かできてたんなら、よかった、って思ってる。
鳴宮・匡 2021年12月26日
うん、……うん。そうだと、思う。
全部、わかるわけじゃないけど、でも。
生きたいって気持ちと、消えたいって気持ちが一緒に存在することは、どうしても――偽れないよな。
だって、それも、自分なんだから。
でも、……うん、そう、きっと、その通りで――
その気持ちだけに塗り潰されないように、“生きていたい”を繋ぎ続けていくことは、できるって思って、――――
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
だから、――――
(それを、“幸せなことだ”と、言葉にする)(そのことに、少しだけ、喉の奥が詰まったような心地に、なって)
(苦しい、ではなく)(さっき感じた、“嬉しい”に似た、それ)
(開かれた扉の奥――に、目を向けるよりも先に)
(燃え盛る紫の焔が、彼女の姿を覆っていくさまを見た)
(いつか。ずっと昔、彼女を怒らせてしまった日のことが、少しだけ脳裏に過る)
(あの時は――手を伸ばすことができなかったけれど――)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(今は、迷わず)
(彼女のほうへ、手を伸ばして)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
……必死さが、こうして対に届いたのかもネ。
だから本当に、ありがたい、って思ってるんダ、感謝もいっぱいしてるんダ。
独りじゃなくテ、誰かと一緒ナラ
……つないでいけるんじゃないカナ、ってそう思えたのは匡サンのおかげ、だから――――
(炎が大きく揺らめく、その身を覆い隠した炎徐々に足元から消えていくけれど)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(あの日と違うのは、その向こう側にいる角灯は消えていないこと)
(そして、その姿が微かに変わって――けれど、ほとんどそのままで、“レイラ”として過ごした形をのこしていて)
(延ばされた手に視線を送る)
(くすっと嬉しそうに笑えば)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(――花が咲くみたいだ、って思った)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(紫の焔が晴れて、そこに見えた姿)
(伸ばした手に触れた、手の感触)
(掌に落とされた、小さな輝石)
(順繰り、目を落として)
(それでもその口から言葉が紡がれ始めたなら、真っ直ぐにその目を見詰めて)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(――言葉を挟まずにずっと聞いていたのは)
(言葉が出なかったからかもしれない)
(言いたいことはきっといっぱいあって)
(でも言葉にならなくて)
(何よりも、今必要なのは、たくさんの言葉ではないような気が、して)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(――――だから)
(水底からあふれ出すみたいに胸の裡を埋めた言葉は、)
うん、
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
……俺も、君の隣を歩いていたい。
(その一言に、全部、込めることにした)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(眼鏡の向こう側、赤い瞳を細めて、微笑んで)
(ほっとしたような、嬉しいような、そんな感情の混ざりあった表情)
(きゅっと重ねた手。力を強めて引けば)
よかった。
(――本当に、よかった)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
隣を、一緒に歩かせてくだサイ。
(なんてはにかんで笑って)
………今日はね、見せたいものが、あって。
(開けたドアの先。中庭を臨むバルコニー、その向こうの景色は)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
どう、カナ。
(青く広がる瑠璃唐草、真っ赤に色づく楓、満天の星、滝と湖、夜空を彩る花火、満開の桜の花、霧に煙る島の飛沫、巨大な騎士の彫像、遠くに見えるのは山岳のような甲、立ち並ぶ屋台と提灯の明かり、空へと舞い上がる灯篭、他にもたくさんの――――)
(歩いてきた足跡を再演したもの)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(笑顔を返して、重ねた手を握り返す)
……それはもう、こっちのセリフでもあると思うけど。
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
……今日も、明日も、その先も。
隣を、歩いていかせてほしい。
(――永遠、なんていうものは)(自分にはないけれど、それでも)
この歩みの続く限り、一緒にいたいから。
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
……、あ、えっと。見せたい、もの。
(と、言われて初めて、視線は眼鏡越しの紅玉から、扉の向こう側、招くように誘われたその先へ向いて――)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
――――。
(そこに広がっていた、たくさんの景色は)
(これまで、一緒に歩いてきた日々の追想)
…………、
(すごいな)(なんて、自然と、口から言葉が零れていた)
(ひとつひとつ、見遣れば思い浮かぶ)
(交わした言葉や、彼女の表情――自分の中に生まれた想い)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(ああ、)
(――やっぱり、積み重ねてきたものは)
(全て、意味のあるものだったんだ、と思えたし)
(何より――)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(その中で微笑む彼女の姿が、)
……うん。すごく、綺麗だ。
(本当に、本当に、綺麗だ――と)
(ただ、そう思った)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
じゃ、一緒ダ。……おんなじコトを思ってる。ちょっとうれしいネ。
うん、よかったら一緒ニ。……本当にずっとだカラ、覚悟しておいてよネ。
(なんて、くすっと冗談めかせて笑って)
返品は受け付けてナイから。
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(零れる感想にはふふ、と得意げな笑みが溢れて)
それはもう、頑張って作ったから、サ。……再現しながら、いろんなコト思い出してネ。
思えばいろいろしたヨネ。……たくさん歩いてきて、それが今につながってるんだナって思って、サ。
……絶対二人でみたいナって、思ったんダ。
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
……これからも、綺麗なモノ、見に行こうネ。
(つないだ手を放して、向き直る。じぃっとその高い位置の顔を見上げて、傍へと寄って)
鳴宮・匡 2021年12月26日
それもこっちのセリフだけど。
(なんて、おかしそうに笑って)……離れたい、なんて絶対に思わないくらい、幸せにするつもりだから。
そっちも覚悟しておいてくれよ?
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
うん、……俺も、この景色を見ながら色んなこと、思い出してた。
話したこと、感じたこととか……
そういうものが糧になって、この景色に繋がってるなら――
(彼女の追想を彩るものが、いつかの贖罪だけではなくなって)
(ともに歩んできた景色や。一緒に感じた想いや、紡いできた思い出を――そこに、添えられたのだとしたら)
本当によかった、って思う。
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
と
、…………。
(うん、と頷こうとして――少しだけ近づいた距離に、目を瞠った)
……うん。
これからも、綺麗なものも。美味しいものとか、楽しいことも、全部。
一緒に、見たり、感じたり、できたらいいなって…………
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
…………、あの、レイラ。
(ああ、……どうしよう)
その、ええと、
(胸の中に湧き上がってくるのは、今まで、感じたことのない気持ちだった)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(――本当に、厄介だなと思う)
(恋とか、そういうものって)
(最初は、幸せになってくれたらよくて)
(でも、いつか、笑顔を見せてほしいと思うようになって)
(いつの間にか、隣に居たいと思うようになって)
(それで、今、それを、許してもらえたら――)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
ごめん
、…………その、
……抱きしめて、も、いいかな。
(触れたい、離したくない、と、思ってしまう)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
ふふふ、じゃ、楽しみにしておこうカナ。……私もいっぱい渡していくつもりだカラ。
お互いしっかり覚悟しておかないとネ。楽しみになってきたヨ。
(一緒に景色を眺めて)
……ほんとにいろんなところを歩いてきたんだナって。ながいこときたネ、本当に。
ありがとう、匡さんたちのおかげカナ。
(なんて、笑って)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(じぃっとその、顔を見上げる。動揺するようすには、くすっと笑って)
……やっぱり、まだ中学生くらい。
(冗談めかせてそんな風に言えば)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(距離を詰め、背伸びをして)
……いいカナじゃなくて。一緒に歩いていくんだから、問答無用でしちゃって、いいんダヨ。
(背に手を回す。きゅっとその体をくっつけるとともに)
(背伸びしてギリギリ届くだろうか、頬へとくちづけをおとす)
鳴宮・匡 2021年12月26日
――――。
(――「中学生くらい」なんて言葉に返そうとした言葉は、そのまま喉の奥に引っ込んでしまった)
(背中に回された手の感触に、近づいた距離に、頬に触れた柔らかさに)
(何もかもを忘れないはずの頭が、その前に交わした言葉に何を返そうとしたのかさえ思い出せなくなって)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
…………。
そのうち追いつきます……。
(それしか言えなかった)(言えなかった、けど)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(自分よりずいぶんと小柄で華奢な、その背中に腕を回して)
(そっと、抱きしめ返して)
(――その髪に、そっと、口付けを落とす)
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
(当然ながらもうそれだけでも考えられないくらい顔が熱くて多分相手には全然見せられない表情をしていると思うから)
(顔を見られないようにぎゅっと強めに、腕の中に閉じ込めるみたいに抱きしめて)
(でも多分そうすると、どんな時でも変わらなかったはずの心臓の鼓動が随分な早鐘を打っていることははっきり伝わってしまうのだが)
(顔を見られるよりましだと割り切ることにした)
……その、ええと、……今言うのもあれなんだけど。
俺も、渡したいものがあって
、…………
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
…………なん、だけど、
ごめん、もう少し、あとでいいかな。
……もう少し、こうしていたいんだ。
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
……期待しテル。
あれだけ長い距離を先に歩いていって、追い抜いていったんだからネ。
そっちも大丈夫だヨ、きっと行けるヨ。
(なんて、くすくすと可笑しそうに笑う)(こういうやり取りができることすら、嬉しくて)
(その顔をじっと見上げたまま、小さく片目を閉じて)
(無効票)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
(髪に感じる小さな感触)
……ふふ、ご褒美返そうかと思ったケド、つかまっちゃったネ。
暖かい。
(そっと目を閉じて、背に回した腕の力を強めて)
そっか、うん。
(、)
レイラ・エインズワース 2021年12月26日
後でで、いいヨ。
もうしばらく、こうしていたいカラ。
(そっとその体へ体重を預けた)
鳴宮・匡 2021年12月26日
追撃の予定を普通に立てない。
(なんて、声音ばかり大袈裟に咎めるように作ってみせたが、相変わらず顔はまだ赤いままだ)
(締まらないな、なんて息を吐いて)
……うん、レイラも暖かいよ。
なんか、……幸せ、ってこういうものなのかなって、思う。
(無効票)
鳴宮・匡 2021年12月26日
ん、……ありがと。
(預けられた分を受け止めるように、しっかりと抱きしめ返して)
(そっと、耳元に唇を寄せる)
好きだよ、レイラ。
(零れた言葉は、)
(でも、胸の裡を埋めた気持ちを表すには、足りないような気がして)
(――この気持ちを、どういう言葉にすればいいんだろう)
(思って、けれど、それは一瞬で)
(浮かんできた言葉が、すとんと自分の中で落ちたから)
(溢れそうなくらいに大きなこの気持ちを伝える、たったひとつの言葉を)
(、)
鳴宮・匡 2021年12月26日
――愛してる。
(ただ、それだけを)(言葉にした)