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バトルオブフラワーズ⑩〜見得と名乗りと詠唱と~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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●兎や兎、何見て跳ねる、エモい何かを見て跳ねる
 システム・フラワーズの中枢へ至るための第1関門は突破された。未だ、猟兵たちは6つのザ・ステージを制圧し続けており、中枢への侵攻が可能だ――その先に居るのは第2の幹部、カワイイ怪人ラビットバニー。
 花の絨毯が織りなす中枢回廊で、かの兎はエモい何かを求めて跳ね踊る。

●中二病になると絶対やるよね?
 グリモアベースにて。ニコラの背後には咲き乱れる花を足場とするシステム・フラワーズの内部空間と、その足場の上を跳ねまわりながら片手のタブレットを眺めるオブリビオンの姿が映し出されていた。
「第1関門の突破、お疲れ様ね……引き続き、幹部級オブリビオンとの遭遇地点まで案内させていただくわ。次の相手は、絶対無敵のシールドを持つオブリビオン、ラビットバニーよ」
 ラビットバニーの姿がグリモアから投入される――まず目を引くのはその豊満な肢体と、頭に被っている人を小馬鹿にした表情の兎面だろう。男性猟兵の一部が、ラビットバニーの胸や太ももを見てごくりと生唾を呑むが、ニコラはそれを無視して淡々と説明を続ける。
「絶対無敵の名の通り、こちらの攻撃は完全にシャットアウトされるわ……とはいえ、第1関門を超えた皆なら分かると思うけれど、やはりラビットバニーにも攻略法があるわ」
 グリモア猟兵たちが見た予知情報によれば、かの無敵バリアはある弱点を持つのだという。
「――ラビットバニーは感動、感激といったエモさに弱いわ」
 ……。
 だからどうしろと。目の前で豪華客船が沈む有名な映画でも上映すればいいのか――バリアを一瞬破るだけで2時間以上かかるというのは攻略法にしてはコスパが悪すぎる、などと猟兵たちが一様にげんなりとした表情をする。
「で、ニコラが捕捉したラビットバニーが特に好むタイプのエモさなのだけれどね?」
 ニコラのグリモアが映す映像が切り替わる。簡素な作りの1枚スライドへと書かれているのは次の3か条。

・名乗れ!
・技名を叫べ!
・できるなら強そうな詠唱があればなおよし!

 ――つまりは、アニメや特撮などでキャラクターがよくやるアレである。
「名乗りや技名、詠唱がかっこよければかっこいい程効果は高いわ。皆も経験あるでしょう? ――新たに編み出した技に名前を付けようと徹夜した経験が。その時の情動を再現するつもりでぶつければ、きっとバリアを突き抜けることができるわ」
 ニコラの言葉に、照れてはにかむものや遠いところを見る目をするものなど、猟兵の反応は様々。
「――まぁ、バリアの堅牢さに胡坐をかいているようだから、初撃はそれでどうにかなると思うわ」
 注意点としてニコラが告げるのは、バリアを破ってようやく勝負の土俵に上がれるのだ、ということ。幹部級、というだけあってその実力は生半可ではない……かっこいい詠唱と共に派手な一撃をかました後に油断しないように、だそうだ。
「やるべきことは分かったわね? 見得を切り、名乗りを上げ、サイコーの詠唱をかましてきなさい!」
 転移ゲート、オープン。
「ニコラ・クローディアが龍詞により言祝ぐわ――戦ってらっしゃい、イェーガー!」
 現地に行けぬ分、それっぽい名乗りを決めてニコラは猟兵たちを送り出した。


Reyo
 はじめましての方ははじめまして、そうでないかたはいつもありがとうございます。Reyoです。エイプモンキー戦お疲れ様でした、次のウサギに行きましょう。

 さて、本シナリオでは以下の特殊ルールがあります。
====================
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
====================

 以上のルールの上でラビットバニーを撃破するため、本シナリオでは「かっこいい名乗りと技発動時の詠唱」からなるエモさによってバリアを破りに行くこととなります。
 プレイングはキャラ口調で名乗りや詠唱を書いていただけると判りやすいです。名乗りと詠唱からどういう攻撃を放つのかの説明もお忘れなく添えていただけると助かります。
 それでは――見得切って、参りましょう!
 
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

イクトス・ソーブレ
情動!情念!心を揺さぶれば良いのだな!
ふははは、我も助力させてもらおうではないか!

ローブをはためかせ、ドクロの杖を掲げ高らかに名乗ろうではないか!
我が名はイクトス!人の願いにより生まれし『死』を司る暗黒神である!
ふはは、我とまみえる幸運に震えるが良いのであるなぁ!

WIZUC
闇属性と大渦の組み合わせ(杖の先を下に向け
冥府より出でよ我が眷属!
渦巻き逆巻き荒ぶる波となり大地を侵せ!
汝の名は大海龍(リヴァイアサン)!世界を飲み込む神龍の名也!
闇の渦に飲まれよ、暗黒大渦巻(ダクネスメイルストロム)!
渦巻く闇の大渦でバニーを飲み込むのであるな!

やられてもタダではすまさぬ
くっ、我を気にせず先にいくのである!


誘宵・カレン
気配を完全に絶って背後から大鎌での一撃。

……防がれるのは当然です。
意識を惹き付けられれば充分ですよ。


何者かと問われれば、
―――無慈悲なる死神の女王(cruel queen)と答えます。

『――我こそは死神を統べる王の血脈。冥府に住まう血の通わぬ断罪と審判の女王なり。
 我が身に纏うは暗夜の衣。故に白夜よ、雷霆よ、そして天に輝く太陽よ。汝らの栄光は我には届かぬ。――疾く諦めよ、我の前より去れ。
 我が手に携えるは断罪の大鎌。嘆き苦しみ悲しみ痛み――嗚呼、我は総てを引き受けよう。罪は罪人の誇りとなれ。

 ―――此処に誓おう。死を司る者の名に於いて 』


大袈裟に言い放ちます。
ま、やる事は単なる一撃ですけどねー



●死より出でて刈り取る者たち
 トントン、とラビットバニーはブーツの踵位置を検める。片手にはタブレット――これから来るであろう猟兵たちとの戦いに備え、ラビットバニーは己の弱点である「エモい何某」を先んじて摂取することによりエモ耐性を高めようとしていた。
「は~まじやばい……やっぱり名乗ってカッコつけてこそっしょ」
 タブレットの画面をタップして次の動画を再生。ラビットバニーが閲覧しているのはアニメやゲームから集めた様々な必殺技バンクシーンらしい。
「……それで、イェーガークンは一体どういうのをあーしに見せてくれるん?」
「フッ、ハハハハハ! さすが幹部級オブリビオン、我の存在にここまで素早く気付くとはな!」
 黒いローブをはためかせ、その存在を誇示するは転移ゲートより現れたイクトス・ソーブレ(情念浄罪の暗黒神・f18187)であった。
「――その登場の仕方、あーしが動画を見てなかったら100点だったけど……」
「そうか……では改めて名乗らせてもらおう!」
 僅かにたじろぐラビットバニーに対し、イクトスはその反応を意に介することなく名乗りを続ける。
 ――掲げるは杖、誇るはその名だ。
「我が名はイクトス――人の願いより生まれし死をつかさどる暗黒神である!」
 名乗りと共に、イクトスの周囲で大気が騒めき、花の絨毯が闇の色に染まる。掲げた杖を勢いよく振り下ろし、足場である花の絨毯を叩けば戦場に漆黒の彼岸花が開いた。
「――冥府より出でよ我が眷属! 渦巻き逆巻き、荒ぶる波となり大地を犯せ……汝の号は大海龍、名はリヴァイアサン、世界を呑む神龍也ッ!」
「うっわ、エッモ――じゃない! それ以上やらせるわけねーし!」
 イクトスの詠唱に聞き惚れていたラビットバニーも、召喚が形となり胴の長い龍と化した時点で己を取り戻す。イクトスが召喚陣としたのは花の足場……そうであるのなら、そこはラビットバニーも掌握可能な範囲だ。絶対障壁を展開しつつ伸ばした五指から繋がる糸が花の絨毯を手繰り、イクトスの召喚術を妨害。
「だが、遅い――闇の渦に飲まれよ! ダークネス・メイルストロム!」
 ラビットバニーへと真正面から黒の大海龍が激突――絶対障壁の形が浮かび上がり、それに僅かにヒビを入れた。
「エモいはエモいけど――技の威力そのものが足りてないし!」
「くっ、相性が悪い、であるか?」
 そしてラビットバニーの意識がイクトスへと向いたその瞬間。

 ――甲高い音を立て、絶対障壁の一部が切断された。

「――!? あーしのバリアが! 誰だし!?」
「問われたならば返しましょう――死神を統べる王の血脈、冥府に住み血の通わぬ断罪と審判を司るCruel Queenと!」
 バリアの一部を切断したのは誘宵・カレン(cruel queen・f17601)の操る大鎌である。イクトスの大詠唱を隠れ蓑に接近し、ユーベルコードの相性による威力減衰を補ったのだ。
「くっ――モンキーもこういう量にやられたってことぉ?」
 イクトスの大海龍とほぼ相殺する形となった絶対障壁を再展開しつつ、ラビットバニーは赤ベコキャノンの砲口をカレンへと向け――放つ、放つ、放つ。どういう機構かは判らないが連射される砲弾をカレンはギリギリのラインで回避。踊るような動作を魅せつつ、唱えるはユーベルコードの起動詠唱だ。
「我が身に纏うは暗夜の衣。故に白夜よ雷霆よ、そして天に輝く太陽よ、汝らの栄光は我には届かぬ――疾く諦め、我の前より去れ」
「ちょ、そういうの反則ッ!?」
 カレンの詠う声にあからさまにラビットバニーが狼狽える――どうやら早くもエモさの限界値を突破威されつつあるらしい。
「我が手に携えるは断罪の大鎌。嘆き苦しみ悲しみ痛み――嗚呼、我はすべてを引き受けよう、罪は罪人の誇りとなれ――」
 振りかぶられる大鎌。ダンスのようなステップで遠心力を載せられた一撃に破壊力は十分。
「――此処に誓おう、死を司る者の名に於いて」
 斬、という響きは涼やかに。まるで熱したナイフでバターを切るかのように、カレンの一撃がラビットバニーの絶対障壁を切り裂く。
「ああ、もう、エモい、エモいけど――イェーガーはウザいっ!」
 ――しかし、その一閃の先にラビットバニーは居らず。障壁を切り裂く僅かな抵抗により速度を落とした大鎌から逃れたラビットバニーは、尊い感情と忌々しい思いの板挟みになりながら叫んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミスト・ペルメオス
【POW】
また厄介な敵ですね…。
ともかく、やれるだけやってみましょう。この世界を守るためにッ。

「――やるぞッ、ブラックバード…!!」

自前の機械鎧を駆って参戦。
最初からスラスターを全力稼働させて飛行し、可能ならば上空からけたたましい音と共に飛来する形で戦闘領域に進出。
進出後は念動力を最大限に活用しつつ、有効射程に入り次第【オープンファイア】。手数重視で弾幕を張りつつ突貫する。

「まずは一撃ッ!(可変速ビームキャノン/対機動兵器モード)」
「次だッ!(ビームアサルトライフル)」
「まだまだッ!(マシンキャノン)」
「これでェッ!(可変速ビームキャノン/対艦・対拠点モード)」

※他の方との共闘等、歓迎です


アリルティリア・アリルアノン
空間にノイズが走った後、仮想空間から実体化してきたかのような演出で登場!
「ネガティブハートにスマイル配信☆
バーチャル魔法少女(ウィッチ)、アリルちゃんだよ♪
魔法少女っぽく可愛らしくポーズを決めて、つかみはバッチリ!

「解析、開始――」
まずは相手が使ってくるであろう「おはなハッキング」を解析して、UCエミュレーターで頂き!
これを使って一時的に花の足場を操作し返します
「コピー完了!『おはなハッキング』エミュレート!」
更にホログラフィックペタルを発動、
足場の花が舞うのに紛れて光の花びらで攻撃しちゃいます!
「悪しきデータを焼き尽くす、輝く正義の花よ舞え!ホログラフィックペタル!」


秋月・信子
@SPD
エモ…い?(ROSETTAを操作して言語検索)
なるほど、格好いい台詞…ですか
そう言うのはちょっと苦手でですけど、頑張ってみます
まず…影をボルトアクションライフルに纏わせて魔弾を放つに特化させた魔銃に【武器改造】(リデザイン)します
それは銃身は1つしかありませんが、弾を装填する薬室が3つしかない魔の銃
次に銀の弾丸に刻まれた聖句をそれぞれ【祈り】ながら読み上げ装填していきます
―汝は面(かお)に汗して食物を食い終に土に帰らん
―其は其の中より取られたればなり
―汝は塵なれば塵に返るべきなり
―灰は灰に、塵は塵に……過去は過去に!
貴方が犯した罪を数えながら骸の海に還りなさい……ブレイク・ショット!!



●猟兵、合体攻撃
 先行した2人の猟兵が何とかバリアを破り一撃を繰り出し、けれども戦線は膠着。1度見たエモさは効かないぞとまでに絶対障壁の堅牢さを見せつけていた。
 そんな中――
「ネガティブハートにスマイル配信☆ バーチャルウィッチ、アリルちゃんだよ♪」
「ちょぉ、まだお替りくるの、イェーガー!?」
 空間転移の際の演出を煌びやかに――まるで空間から滲み出て仮想現実が実体化するようにして登場するのはアリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)だ。ノイズのような空間のひずみが七色に光り、アリルティリアの周囲を取り囲む。その様はまるで魔法少女系アニメの変身バンクのよう。
「うっらやましぃ~! モンキーがやられてなければあーしもああいうの出してもらうのにぃ!」
 地団駄を踏みつつ、ラビットモンキーは新手の猟兵に即時対応。ひとまず猟兵の動きを縛るために花の絨毯を操作しにかかった。
「――そう来ると思ってました! そのユーベルコード、解析しちゃいます!」
 しかしその動作はアリルティリアの予想通り。向けられた花の絨毯による拘束をかいくぐり、ユーベルコードを解析して権限を奪い取る――さすがにそのまま絶対障壁を貫通してラビットバニーを拘束するまでは行かないが、それでも他の猟兵たちに向けられる花の拘束を減らすことに成功した。
「――足止めが出来ないのなら、今ですよ!」
 そして――その瞬間を待ちかねていた猟兵が動く。
「――ありがたい! やるぞっ、ブラックバード――まずは一撃ッ!」
 超音速で飛来するは漆黒纏う一騎の鎧装騎兵――それを駆るはミスト・ペルメオス(新米猟兵・f05377)、軍人にして猟兵。ミストはアリルティリアに無線通信を送りつつ鎧装直結の可変速ビームキャノンを構えながら突入、掃射――遠距離から放つは高初速かつ高貫通力の一対。ソニックブームにより空気が破裂する音に加え、熱された空間が悲鳴を上げた。
「そんな一撃、エモさの欠片もないし!」
 対するラビットバニーはミストの攻撃を鼻で笑いながら絶対障壁でガード――それどころか赤ベコキャノンを構えて反撃までしてのける。
「どこを見ている――まだまだ、次ィ!」
 しかし、ミストは折れることなく攻撃を続行。絶対障壁目掛け、構えたビームアサルトライフルと鎧装に搭載されたマシンキャノンを一斉射。マシンキャノンでの継続的な射撃に加え、命中精度を求めてバースト射撃されるアサルトライフルが弾幕となってラビットバニーを襲い――
「まさか、全部まとめて一連の攻撃ってことぉ!?」
 初撃から途切れぬ攻撃、しかしミストの表情に自棄はない。そこに「何」を見たのか、ラビットバニーの絶対障壁が僅かに乱れた。
「――コンタクト! これでェッ!」
 そして絶対障壁への激突も厭わず直進するミストは、鎧装の装甲で強引に絶対障壁を破り、超至近距離から渾身の一撃を放つ。用いるは可変速ビームキャノン――弾幕射撃中に冷却とモード切替を終えたソレは、鋭さよりも鈍く相手を圧し潰すことを目的とした重い砲撃モード。
「武器全部盛りとか卑怯だしぃ!?」
 ゴッ、という花の絨毯を吹き飛ばす一撃。爆炎が挙がり――ラビットバニーが煤けた姿でそこから飛び出る。遅れて爆炎から飛び出すのは再加速したミストの鎧装。
「目標の想定位置への追い込み完了――!」
「決め台詞――じゃない!? どういうこ」
 と、というラビットバニーの声は宙に弾けて消えた。
「――一体、どこか」
 ら、という声が再び弾けて消える。
 超遠距離――下手をすれば、第1関門であるエイプモンキーとの主戦場のほうが近い位置から放たれた狙撃が、ラビットバニーの頭部をしつこく狙い撃つ。
 ミストの言葉が意味していたのは、その狙撃手――秋月・信子(魔弾の射手・f00732)のキルポイントまで誘導し終えたということ。

 ――汝は面に汗して食物を食い終に土へ還らん
 ――其は其の中よりとられたればなり
 ――汝は塵なれば塵に返るべきなり

 低く、微かに響く聖句詠唱。その一言の度に飛来する狙撃の銃弾。ラビットバニーは回避を優先しつつ絶対障壁を張りカンフーモードへと至るが――既にその軌道すら信子の想定内。
「――灰は灰に、塵に塵に……過去は、過去に! 犯した罪を数えて骸の海に還りなさい!」
 詠唱終了。都合、3発の銃弾により為されるユーベルコードの名は破鎧の魔弾。
「連携からの狙撃――ちっくしょー、かっこよすぎっしょお!?」
 貫く最後の一発が、ラビットバニーの被る兎面、その眉間にめり込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

荒谷・つかさ


つまり、真っ向からの立ち合いをすればいいのね。
望むところよ。

「我が名は荒谷・つかさ……神をも薙ぐ、刃也!」

コードは詠唱一節ごとに五芒星の陣を一画ずつ、手に携えた「大悪魔斬【暁】」で描いていく
『木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む』(五芒星を描く)
『……これ即ち五行相生、星の理也!』(ぐるりと頂点を円で繋ぎ陣を完成させる)
『五行同期、精霊降臨!』(中心を切っ先で貫きながら陣をくぐり、発動&突撃)

初手の突きでバリアが破れたなら、あとは攻撃力強化された能力で真っ向勝負。
砲弾は見切りつつ残像出る速度の踏み込みで躱し、怪力と鎧砕き技能を活かして確実なダメージを与えるわ。


白鳥・深菜
「ワイルドハント【遊撃担当】白鳥・深菜。
私は隙に現れ好きに狩る……だから、全力で行くわよ?」

まずは詠唱。
それは世界に己の行動を理解させる言葉――

「災厄は一度のみならず。命終わるその時まで潰える事は無し。
災厄は忘れど現れる。世終わるその時まで幾度と舞い戻る。
されど我、災厄を制し御す術を持つ者なり――」

そして【希望と災厄の金色剣】で細剣と短剣に魔力を宿す。

「宿すは<光>の<二重星>、放つは相並ぶ最高の双刃!」

災厄の魔力を込めた細剣の突きを放ち、まずバリアを砕く!

「――これで狩る!」

続けて短剣を続けて放ち――【狩猟せし命に終焉を】!

「名付けて――【舞い戻る災厄に終焉を】(カラミティ・ハント)!」



●一鬼一梟、ワイルドハント
 多数の猟兵に囲まれ、されど未だにラビットバニーは健在。一対多で拮抗状態を保てるあたり、彼女の実力は本物である。なにより前提条件である絶対障壁の攻略、乱戦と化した今、それが最大の課題でもあった。
 誰か、新たなエモを提供する猟兵はいないか。バリアを突破できぬ者も増えてきた、その瞬間。
「――ワイルドハント、斬り込み担当。姓は荒谷、名はつかさ……神をも薙ぐ、刃也!」
「……ここにきて正統派来てるし!?」
 乱戦の中、敢えて真正面から名乗りを上げてカチ込む――荒谷・つかさ(風剣と炎拳の羅刹巫女・f02032)の小柄な体躯から放たれた大音声は、ただそれだけでラビットバニーのエモごころをくすぐった。
「幹部級オブリビオン、ラビットバニーとお見受けするわ……まさか、たかが猟兵ひとりが増えた程度で泣き言上げたりしないわよね?」
「あ、あったりまえだし! 今のでちょっと絶対無敵バリアが揺らいだりしてないしぃ????」
 愛刀、大悪魔斬【暁】の柄に手を掛け軽く挑発を入れるつかさに対し、応えるラビットバニーの声は語尾が揺れに揺れる。
「そう、なら――受けてもらうわよ、私の一刀をッ!」
 鍔鳴り、抜刀――本来、手入れの行き届いた刀では鳴りえぬ「涼やかなあの音」が戦場に鳴り響く。この時点で演出過多。絶対障壁でつかさ以外の猟兵が放つ攻撃を弾きつつも、ラビットバニーのエモ度メーターが上がっていくのが手に取るようにわかる。
「木は火を――」
 正眼の構えから袈裟へ一刀――呪力の込められた切っ先が、空間へ一筋の光を生む。
「火は土を、土は金を、金は水を、水は木を――」
 逆袈裟、撫で、払い、そして最後の一刀で最初の頂きへと切っ先が戻れば生み出されるは五芒の星。
「……これ即ち五行相生――星の理也!」
 くるりと星の頂点をつなぎ合わせる動きで刀を緩く振り――構えるは水平、切っ先をラビットバニーへ向けた。
「――ここまで、前振り……!? 既に、エモすぎるッ――!」
「その通りよ、ラビットバニー――五行同期、精霊降臨ッ!」
 踏み込みは鋭く――切っ先で描いた陣の中心を切っ先で突き破り、つかさの一歩は一瞬でラビットバニーの懐へ至った。名乗りの場面から完成されたその突きを、ラビットバニーの障壁が防げるはずもない。
「エモさだけで、殺す気ィ!?」
「いいえ、真っ向から立ち会わせてもらうわよ」
 カンフーモードを発動すらなく、赤ベコキャノンでの応戦を余儀なくされるラビットバニー。絶対障壁を張りなおそうにも、つかさは既に障壁の圏内にいる――ならばせめて、他猟兵からの攻撃をカットするべく障壁を再起動するラビットバニー。
「――ワイルドハント、遊撃担当。白鳥・深菜……隙に現れ、好きに狩るわよ?」
「ま、また来たしぃ!?!?」
 しかし、障壁が再展開されようというその瞬間。つかさと同様の名乗りを以て不意に姿を現したのは白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)だ。先の正々堂々の名乗りとは真逆につかさとラビットバニーの乱戦へと割って入るその姿は、つかさを武士とすれば忍者であった。
「さぁ、世界よ――私を理解しなさい」
 再展開された障壁にねじ込まれる銀のレイピア。その一刺しで己の位置を確保した深菜はその勢いのままレイピアによる刺突を連続で放ち、世界へと語りかける。その姿を顕した瞬間から、既に魔力の昂ぶりは最高潮――深菜にとって渾身かつ最大の一撃が幕を開けた。
「災厄は一度のみならず。命終わるその時まで潰える事は無し――災厄は忘れど現れる。世終わるその時まで幾度と舞い戻る――」
「攻撃しながら詠唱って――もう、また新手のエモォ!」
 ラビットバニーが身悶えするような動きでなんとかレイピアの刺突を躱すが――とてもではないが捌ききれる連撃ではなかった。深菜の詠唱が最後の一節に入るその瞬間、レイピアの切っ先がラビットバニーを捉える。
「されど我、災厄を制し御す術を持つ者なり――」
 刺突の一撃に光が宿る。そこに加えて抜き放つは一振りの短剣。
「宿すは光の二重星、放つは相並ぶ最高の双刃――その名は【舞い戻る災厄に終焉を】!」
 極光交差。刺突のレイピアと斬撃の短剣が重なり、ラビットバニーを強かにぶちのめすに飽き足らずその余波だけでラビットバニーの絶対障壁を砕いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朝倉・くしな
旅団チーム【OX-MEN】参加
アドリブ等歓迎

OX-MENメンバーとは一列に横並びに登場し
自分の番になったら両手をパンと合わせ、自信に満ちた顔で名乗ります

●番。"鬼道羅刹僧"朝倉くしな
ポジションは『オックスクルセイダー』
特技はジャッジメントクルセイドとブレイクです

名乗りが終わったらジャッジメントクルセイドを撃ちますが
多分カンフーに避けられますので

おもむろに顔の頭巾を残して衣服を全て脱ぎます
※全裸・羞恥はなし

どさどさと服を地面に落として行き
今まで重しをつけながら戦っていたのですが
ここからは本気のスピードをお見せしましょうと速度の速くなったUCを撃ちます

"破壊"を"戒め"ましょう


オックスマン・ポジクラーシャ
【OX-MEN】

遅れてすまない。状況は理解した。
名乗らせてもらおう。俺の名はオックスマン・ポジクラーシャ。
立ち位置は破壊者だ。

そして我が叫びに応え、目覚めよ!俺の内に眠る吸血鬼の血よ!
血統覚醒!
俺には破壊する事しかできないが、それが誰かの為になるというのならば!
それぞれの立ち位置を示し戦うものが共に在るならば!
時にこの兜を捨てて戦うのも悪くはない!

跳ね回る兎とあらばまずはその機動力を破壊する!
そのキャノン、発射の瞬間には必ずや隙が出来よう……そこを突く!
俺もOX-MENを集めた意地がある。
勝利は一人で作るものではない……破壊はその道筋にすぎんのだ!
今こそその力を示せ、漆黒剣!


聖護院・カプラ
天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。
星を救えと仏呼ぶ。
聖護院カプラ――いえ、ここではオックスマンキャスターと名乗らせていただきましょう。

私のユーベルコードの詠唱前にやはり絶対無敵バリアを張りましたか。
システム・フラワーズの制御も行う等用意周到な事です。
このままでは勝ち目がない……いえ。

以前にもこのような危機がありました。銀河皇帝との最終決戦です。
その時とて、膝を付き倒れそうになった私を支えてくれたのは
その世界の住人達の声でした。

1つ1つは小さな声かもしれない。
ですがそれが唱和となる時、『宇宙の意志』と呼べる物へと変化するのです!

力は貸し借りする物ではありません。力を合わせ……この世界を守りましょう!


叢雲・源次
【OX-MEN】

エモさとは程多い男ではあるが…しかし、やるべき事と己の立ち位置は分かっている。

名乗るほどの者ではないが…あえて言うのであれば、通りすがりの『守護者』だ。憶えておけ。
(丹精な顔立ちながら微動だにせぬ表情。【覚悟】を秘めた紅き双眸。UDCアースの侍が仲間を背に構えを取る。どんなに打たれようと【激痛耐性】で耐え忍び、反撃の機を伺うそれはまさに守護者)

伊達に守護者(ディフェンダー)を任命されたわけではないのでな…だが、別に倒してしまってもいいのだろう?
(口の端から血反吐を流れることも構わず)
【ダッシュ】【早業】で肉薄する

「…無明抜刀」
詠唱は、それのみ。一意専心、只、斬るのみ


杜鬼・クロウ
【OX-MEN】
アドリブカオス厨二ツッコミ◎

ハ、エモ?
格好良く決めりゃァ問題ねェだろうが!
暴れ…ようと思ったがメンバー的に本当に止めるヤツいねェな大丈夫かよ

此処にも一人、天命受けし者在り(片目覆い厨二炸裂
ポジションはオックスジャマー
名をクロウ
我等OX-MENに敵非ず(決めポーズばっちり
平伏せウサギ野郎
イヤ、アマか

お前らが気持ちよく戦えるようお膳立てしてヤんよ
俺に感謝しろや、オラァ!

攻撃の妨害と撹乱させ隙作る
バリア破壊目指す
詠唱唱え【杜の使い魔】使用
仲間乗せて特攻かますも可
連携見せつけハイタッチ
敵の攻撃は見切り・第六感で躱す
仲間のピンチに武器受け・かばう
属性攻撃・2回攻撃で灼熱の焔宿し焼き尽くす



●OX-MEN
 ――猟兵の数は多数。ラビットバニーも、さすがに障壁を抜かれた回数が増えてきたことも相まって満身創痍。戦局の趨勢はほぼ猟兵側に傾いているが、ラビットバニーを倒しきるための最後の一手が足りていない。既にこの場に居る猟兵たちは、己の持つ熱い思いをぶつけ切った後。1度見たエモは2度と通じないのはさすが幹部級オブリビオン。
「――さすがに、もう品切れっしょ、イェーガー?」
 ぜいぜいと肩で息をしながら絶対障壁越しに猟兵たちを挑発するラビットバニーは、疲労しつつも己の勝利を確信していた――もう、猟兵側に絶対無敵バリアを破る手段はないものだと。
 戦場がしんと静まり返る……それは、ラビットバニーの言葉を言外に肯定する猟兵たちの沈黙であり。
「――なるほど、状況は理解した」
 戦場に降り立つ新たな猟兵たちを歓迎する静けさでもあった。
「天命受けし者、此処に在り――ポジション、OX-ジャマー。クロウ」
 システム・フラワーズの中枢へ至る花道の上に立ち、名乗りを上げるは5つの影。
「名乗る程の名は在らず、敢えて言うのならば守護者――ポジション、OX-ディフェンダー。憶えておけ」
 一刀をゆらりと構え、一歩前へ。守護者を任ずるかの猟兵はその字名の通り仲間を守る盾の位置へ着く。
「征くは鬼道、字名は羅刹――ポジション、OX-クルセイダー、朝倉くしな」
 戦場に響き渡る一拍。重ね構えた掌は祈る形を持ちながらも彼の猟兵の表情にあるのは祈りではなく自信。
「天呼ぶ地呼ぶ人が呼ぶ、星を救えと仏呼ぶ――此処で名乗るべきは、OX-キャスターでしょう」
 巨躯から滲む功徳を隠そうともせず、戦争機械の猟兵は果たすべき役目を穏やかな声で告げた。
「遅くなってすまない――俺の名はオックスマン・ポジクラーシャ。ポジション、OX-クラッシャー」
 そして全員の声を受けて告げるは、5人の中央に立った漆黒の猟兵。その名をオックスマン・ポジクラーシャ(遅れてきた破壊者・f12872)――OX-MENを束ねる者。
「――戦隊モノ、ヒーローアッセンブルッ……! なんで、あーしはこの瞬間までそれを忘れていたのかッ……!」
 毅然たる名乗りを受けて、ラビットバニーが滂沱の涙を流す――のは生憎ながら兎面に隠れて見えないが。その声音に涙が滲むのは、オブリビオンが過去の残滓となる前にどこかで見た「ヒーロー」をOX-MENに見たからか。
「――とまぁ、格好良く決めりゃァそのバリアも役立たず」
 おちょくるような口調でラビットバニーを煽りつつ、杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)が指を鳴らす。
「古来より太陽神に司りし者よ。禍鬼から依り代を護られたしその力を我に貸せ──来たれ!我が命運尽きるまで、汝と共に在り!」
 呼び出すは全幅3mはあろうかという巨大な八咫烏。その背に乗ったクロウが、OX-MENたちの先陣を切った。
「お前らが気持ちよく戦えるようお膳立てしてヤんよぉ――感謝しろや、オラァ!」
「――ツンデレェ! むしろ良く今までキャラ被りしなかったァ!?」
 涙声の次は鼻血を吹きそうなハイテンションを見せるラビットバニー。無論、クロウはそんなラビットバニーに遠慮などするはずもなく。振りかぶった身の丈ほどもある長剣で剣風を巻き起こし、ラビットバニーを牽制する。
「いつも、助かりますよ、クロウさん――!」
 次いで飛び出すはくしな。花の絨毯を疾走し、繰り出す一撃はそのポジションにもあるように十字に交差する打撃の軌跡を描く。
「そんな、ヌルい一撃であーしのバリアが――」
 クロウの牽制をいなしながら、ラビットバニーはくしなに対しては余裕の表情――なぜならばそこに「エモさ」が足りないからとでも言いたげな。
「……破れないのなら、もっと早くなるだけです!」
「ゑっ?」
 台詞を奪われ肩を透かされ――唐突に霞んだくしなの姿にラビットバニーは狼狽えた。どさり、という音は錘を仕込まれた衣擦れ。花の絨毯に、つい寸刻前まで「くしながそこに居た形跡」として僧服が残る。
「エモいエモくないでいえばエモいけどどっちかっていうとこれは痴z」
「いいえ、これもまたジャッジメント・クルセイド――」
 拘束具としての僧服を脱ぎ捨てたくしなの姿は、残像すら残さない超高速。その一糸纏わぬ姿を猟兵どころかラビットバニーすら捉えることはなく。むしろ、視認できぬほどの超高速と錘の仕込まれた拘束具としての服、という2つのアイテムがラビットバニーの感じるエモさを補強した。
「――クロウの牽制、くしなの高速攻撃。なるほど、それでも倒れぬとは絶対障壁は未だ健在ですか」
 結跏趺坐の姿勢を取った聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)はそう呟き、さてどうやってあの障壁を乗り越えるか――あるいは障壁展開が不可能なほどの「情動」をあのオブリビオンに与えるべきか、沈思黙考し徳を練る。
「――ッ、ただ座ってるだけなら、あーしのユベコで、縛っちゃうしぃ!」
 そんなカプラの様子を咎めて、ラビットバニーはカプラが動き出す前に拘束してしまおうと花の絨毯を操作するユーベルコードを展開。ラビットバニーの意志に応じ、花の絨毯はすぐさまカプラに牙を剥く。
「伊達に守護者を任じているわけではないぞ、オブリビオン」
 が、その一撃はカプラに届くことなく遮られ、切り捨てられる。舞い散る花弁の向こうで刀を構えなおすのは叢雲・源次(炎獄機関・f14403)――OX-ディフェンダーである彼は、カプラがラビットバニーにターゲットされたと判断するや否や、その射線に己を曝してカプラを守ったのだ。
「無表情系イケメン……ツンデレとの温度差で余計にエモいッ!」
 そして、そうする源次の姿にときめいて勝手に自爆するラビットバニー。クロウやくしなへの対応も忘れ、一瞬とはいえ足を止めてしまったラビットバニーを――OX-MENのリーダーは見逃さない。
「見ただろう、オブリビオン――俺たちの勝利は独りで創るものではないのだ。故に――勝利を願いOX-MENを集めた意地というものを、俺は示さねばならん!」
 ――力を示せ。
 詠唱は短く。求めるは端的に。4人の仲間と連携し、オックスマンの漆黒剣がラビットバニーの絶対障壁を一閃の元に薙ぎ砕く。
「俺には破壊することしか出来ん――だが、それが誰かの為になるというのなら! それぞれの立ち位置を示し、支え戦う者が共に在るのなら!」
「――ヤダ、もうエモいとかじゃない……単純に、カッコイイ……」
 オックスマンの叫びからワンテンポ遅れ、その覚悟と矜持を見せつけられたラビットバニーが障壁を維持することすらできぬエモさに溺れる。
「その通り、私がOX-キャスターを名乗るも、彼の理に共感したが故――力は貸し借りする物に非ず。あの、銀河皇帝をも圧倒したのは、小さな個々の声が唱和した宇宙の意志なのです……!」
 くしなとクロウが拓き、源次が守り――オックスマンとカプラがその道を征く。
「OX-クラッシャー――私の力、あなたに合わせます」
「応! ……これが、俺たちの――OX-MENの――猟兵の、力だ!」

 ――斬――

 幹部級オブリビオン、ラビットバニー。エモさを求め、エモさに溺れたかの兎が骸の海へと還る寸前に見たのは、どこまでも重い「意志」が込められた猟兵たちの姿であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月13日


挿絵イラスト