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バトルオブフラワーズ⑩～この子は感受性が強い子なんです

作者：JUNK.O

●エモ死を狙ってゴーゴゴー！
「みんな聞いてくれ、エイプモンキーが死んだ」
　ブサイクなケットシーのグリモア猟兵、ハンニバル・エルバッキー（キャプテン・ユニバース・f02423）が猟兵たちに向きなおった。
「だが我々の攻撃はまだ止まらないんぬ。次は大幹部ラビットバニーがシステム・フラワーズまでの道を阻んでいるんぬ。我々はブサ猫さんチーム特攻野郎エースとしてこれを撃破しに向かうんぬ」
　ハンニバルの投影する立体映像にはウサギの被り物をしたナイスバディな女性。敵の周囲は光が覆っている。
「ラビットバニーは絶対無敵バリアを張っている、これは一切の攻撃を通さない文字通りの絶対無敵バリアなんぬ」
　ただし、とハンニバルは付け加える。
「奴さんが感動すれば……エモい光景を見せつければ、集中が揺らぎ一時的にバリアを突破できるだろう。そこをドン、ぬ」
　今回の作戦ではラビットバニーを消耗させることが目的となる。強敵相手なので撃破に至るのは困難と推定してのことだ。
　幸いなことにラビットバニーは感情が動きやすく、いわば「エモいかどうかの判断がガバガバ」だそう。
「パッショナブルなパフォーマンスからSNSでバズりそうな些細な光景まで！きっと子猫ちゃんが飼い主に甘えているのを見るだけでもバリアが薄まると思うんぬ！バリアを薄めるエモい行動を取って薄まったら殴れ！ぬ！」
　ただし、バリアを無効化してもそこは大幹部。一筋縄では行かないだろう。
「敵はただでさえ強力なんぬ。今回の戦いは苛烈を極めると予想されるんぬ。連携を取っての行動が推奨だぬ。パッション系のキャッツから言わせれば、エモい現象というのは人と人とのやり取りの中で生まれるものなんぬ。感情を揺さぶったらあとは流れでヨロシク！」
　そう言ってハンニバルはグリモアを吐き出した。転送先はラビットバニーが陣取る「咲き乱れる花々の足場」だ。

第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン 【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    うさちゃんカンフー 【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 WIZ   :    おはなハッキング 【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。 イラスト：和狸56 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●オペラチックマカブル
　男装したリサ・ムーンリッド（知の探求者・エルフの錬金術師・f09977）と白いドレスに身を包んだラヴ・フェイタリティ（怪奇！地下世界の落ちものメインヒロイン！・f17338）、二人は花々の足場に降り立った。
「この戦場そのものが丸ごとエモい！この祭り乗らざるを得ない！」
「いいぜ、エモいのがお好みならエグいくらいのエモを叩き込んでやらぁ！」
「来たなー、猟兵！軽くボコしてやるっしょ」
　ラビットバニーは絶対無敵バリアを展開すると、両手の指先からシステム・フラワーズを制御する光線を放った。【おはなハッキング】は花の足場を自由に操作して対象の動きを一時的に封じる。
　次いで【うさちゃんカンフー】で兎面の目が光り、『うさちゃんカンフーモード』に変身したラビットバニーは接近してくる足場に乗っているリサへと攻撃を繰り出す。
　ラヴとリサ、二人の距離が遠ざかる中、リサが唐突に歌い出す。
「私は～フェイタリティ伯爵に使える、一人の騎士～」
「ムッ、いきなり何っしょ！？」
　強力なうさちゃんカンフーを受けるも、耐えるリサ。
「伯爵の娘のラヴ様へ、想いを寄せる～けれど身分の差で想いは告げられない～」
　設定を完璧に演じきることで自身を超強化するユーベルコード、ただし自身は今回、呪縛の代償を得る。歌う以外の行動を阻害されることで防御力が高まっている状態だ。
「ああ、リサ！たとえ共に歌うのがこの一時だけだとしても、だからこそ私だけを見ていて欲しい!」
　ラビットバニーから遠ざかる足場、その上のラヴも演じだす。
「この身は仕える身～けれど同時に、あなたへ募るこの思い～だからラヴ様は傷つけさせない、この身を犠牲にしても～]
「貴方が見てきた幾千の花に埋もれぬよう、貴方の心に私の姿を刻み付けて、さぁ、共に歌いましょう。たとえ空の星が墜ちようと、私たちの愛は不滅だと！」
　移動する足場の上、離れていく二人の距離がその身分の差を表しているかのよう。しかし、心は共にあり。
　足場同士が近付いた時、ラヴは徹底防戦に務めていた傷だらけのリサを抱きとめた。
「姫様、ご無事ですか…」
　その光景を見て突如、興奮するラビットバニー。
「やだこれ、エモい！」
　半分は自分が足場を動かす事で演出されていたのだけれど、二人の計画以上にエモい場面は演出できたようだ。ラビットバニーの周囲の光が薄れた。その機を見て、ラヴとリサは寄り添ったままバニーへと決めポーズを取った。
『ラヴ・カタストロフィ！』
　二人の魔力がこもった指先はユーベルコード【ラヴカタストロフィ】を放つ。次元を貫いて飛来する謎の隕石！創作ダンスをトリガーに発動出来るこのメテオストライクは命中率が高い。
　ラビットバニーに隕石が直撃する。
「やったか！？」
　ラヴが確認を取る。黒煙の中から現れるは、軽症に留まったラビットバニーの姿だった。
「バリアは破られたけど、効いてないし……！」
　曲がりなりにも怪人軍団の大幹部、バリアを抜きにしても高い能力を持つ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●かわいいきつねがどんどんでてきた
「さっきはしてやられたっしょ！しかーし！絶対無敵バリア再展開！」
　ラビットバニーは再び輝く障壁を張る。子狐に化けて立ち向かうのは呪われし者という扱いを受けた聖者、甘甘・ききん（可哀想な　人の振りをする狐・f17353）だ。
　さっそく両手の指先からシステム・フラワーズを制御する【おはなハッキング】を放ち、ききんの動きを封じるラビットバニー！
「こゃーん」
　ききんの動きが封じられる。お花畑をころころと転がっていく子狐！ジタジタと身じろぎし足を必死に動かす！
　ききんは思った。一人でもやれる、旅団の皆と約束したんだ！というしてない約束の力を受けろ！これが絆の力だ！
「いやぁん！なんかカーワーイーイー！……う、なんか身体の動きが鈍いし？」
　そのかわいい子狐の挙動に感情を動かされたラビットバニー、バリアへの集中が乱れる。ききんにはすべて計算づくだった。
　このかわいい挙動で集中をそらし、且つ発動させたユーベルコード【干乾飢饉】で自身への欲望を集め、狂おしいほどの飢えと渇きを与える。
　ラビットバニーは飢えと渇きに耐え、見ているだけでダメージを受けると悟ると、足場を操作することでききんを遠ざけていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

●アイス屋銀ちゃん
　いちいちバリアが途絶える。そのたびに張らなくては。
　ラビットバニーの兎面が光る。うさちゃんカンフーモードに変身だ！スピードと反応速度が爆発的に増大！
「足場の上に屋台を作るべ！」
　ドワーフの技術者、銀山・昭平（田舎っぺからくり親父・f01103）ははっぴ姿でお花畑の上に立つ。ユーベルコード【祭具複製】で屋台を生成。
　お祭りに関わる物を作った場合のみ極めて精巧なレプリカを作るこのユーベルコード、屋台を作ってしまえばそれはもう本物と同然。お祭り男昭平！
「アチョー！」
　バリアを展開しながら高速で迫るラビットバニー、その目に飛び込んできたのは……アイス！
　イチゴアイスにいちごシロップをかけ、カット苺を乗せて頂点にはラビットバニーの頭部を模したクッキー！
「これがおらが考える“エモい”だべ！」
「あー写真映えする！これ写真映えする！」
　思わずカメラで昭平のアイスを撮影するラビットバニー！アイスを食べるラビットバニー！
「いまだマヒるべ！」
　昭平はバリアを再展開される前に、マヒ毒を塗った『銀山流超小型絡繰手裏剣』を投擲！
「痛いっ！しびれっ！」
　ラビットバニーは一時的マヒ！高速化しても鈍っては意味がない。追撃に『蒸気機動式万能絡繰レンチ』でひと殴りする昭平！
「食べ物に毒を盛るのはさすがに出来ねぇべよ……」
　幼少期のトラウマにより空腹を恐れる昭平。食事は尊いと思う彼にアイスそのものを毒とすることは出来なかった。
「ぐぐぐ、しびれるけれど……バリアを張るし……」
　マヒから回復したラビットバニーは絶対無敵バリアを展開した。

成功 🔵​🔵​🔴​

●戦場に咲く赤
　スラム生まれのグラフィティ猟兵、短夜・いろは（やさぐれスプラトゥーン・f15837）がラビットバニーに立ち向かう！
　バリアを展開済みのラビットバニーは、おはなハッキングを用いて足場を操作し、いろはの行動を封じる。攻撃を通さない絶対無敵バリア、行動を封じるおはなハッキング。二つを用いるラビットバニーは徹底して防戦に有利だ。
「クッ……バリアは兎も角この足場が……」
「あーしには近づけないっしょ！追撃いくし！」
　遠ざかるいろはに向けて放たれる赤べこキャノン。着弾した花びらの足場から花の嵐が巻き起こる。
　いろはは戦線脱落を覚悟したが、それでも闘志は死なない。否、闘志にあらず。それは未来に託すアート魂！
「花びらを操るなら……テメーが操ったのを、逆に利用してやる！」
　ラビットバニーに向けてグレネードランチャーを構えるいろは。
「絶対無敵バリアにはそんなもん通用しないじゃん！」
　いろはが狙ったのはラビットバニーではない。まして彼女が携えるものは攻撃用途のグレネードランチャーではない。宙を舞う花弁に放たれるペイント弾！
「花びらを真っ赤に染め上げる！」
　パステル色をした花びらが真っ赤に染まる。いろはのユーベルコード【High Precious】は芸術的表現を用いて相手の感情を動かし心理的ダメージを与える攻撃だ！
「すっごい綺麗！？」
　情熱的に染め上げられた花々のエモみからバリアは一時的に破れる。そのアートはバニーの好みに合致し、彼女は精神的ダメージを受ける！
「ばっ、バリア再展開いくっしょ！」
「ラビットバニー！！私の最後のアートだぜー！受け取ってくれー！」
　花びらの足場が押しやられる。猟兵の魂を見せたいろはは戦場から遠ざかっていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

●異形を運ぶ空の便
「食らってろ！赤べこキャノン！」
　バリアの向こうから放たれる赤べこの砲撃。連射されるキャノンに数々の猟兵が吹き飛ばされていく。
　蘇芳・薊（悪食・f01370）が足場を蹴りながら刻印の刻まれた片腕を変化させ、砲撃を切り払う。
「こっち来んなし！」
　バニーは花々の足場を操る。接近することも困難。ついにはさばくのも間に合わず、赤べこの砲撃が薊の足元へと着弾した。
　爆風による煙が晴れた頃、そこに薊の姿はない。
「……ん？どこいった！？」
　轟音を響かせ宙を舞う一機の輸送機。縄梯子に掴まるのはフリーの運び屋、ケイ・エルビス（ミッドナイト・ラン・f06706）だ。梯子の下には薊も変化させた片腕をフック状の鉤爪にしてぶら下がっている。
「ケイさん、良いタイミングでした！」
「上空からなら足場が動いても影響しない！」
「ところで、誰が操縦しているんですか？」
「いまは音声認識さ♪」
　ケイは自動操縦で旧型戦術輸送機『アトラス』を戦場上空に待機させていた。アトラスは航空ショーさながらに大空を舞い、ラビットバニーのかぶりものを飛行機雲で描く。同時に鳴らされる空砲。派手に戦場上空を演出していく。
「こういうのはどうだいラビットバニー！お前のハートに届いたかい！」
　ラビットバニーに向けて親指を立てるケイ。絶対無敵バリアが途絶する。
「やっべ、航空ショーとか超アガる！」
　バニーを囲む光の壁が緩んだのを見計らい、ケイはアトラスのコクピットに乗り込んだ。
「カードは揃った！手動操作に切り替えて……ショータイム！」
　普段は遠隔操作で扱うユーベルコード【カウボーイ】を手動に替え、急降下爆撃とガトリング一斉射！誘導弾がバニーの周囲を焼き払う！バニーはガトリングを跳躍回避、着撃した地面を花びらが舞い散る。
「危なっ！バリア張り直し……」
「この距離なら足場は動かせないでしょう！」
　薊は腕の変化を解いて降下、着地。爆風により花が乱れ飛ぶ中を、左手の刻印を見せながらバニーへと静かに歩み寄る。
「私は悪を食らう者、悪食な怪物。食べ応えのありそうな兎さん、無駄な抵抗を辞め私のご飯になって下さいね？」
　向ける笑顔にはグールドライバーとしての食欲が混ざった捕食者の視線。すくむバニーに対し、ユーベルコード【化身変生】にて悪魔を思わせる戦闘捕食形態へと変身する薊。バニーは恐怖した。
「く、来るなぁ！」
　バリアを張り直せず、赤べこキャノンをハンマーのように振り回すバニー。薊は異形の尾を振って敵を弾き飛ばす。ケイもガトリング射撃で援護。
「あーしがここまで追い詰められるなんてさぁ！」
　後ずさるバニーは意識を集中させ、バリアを再展開。花の足場を動かして薊を遠ざける。ケイの射撃も花の足場を動かすことで一旦阻まれた。
　バニーはだいぶ消耗しているのか、肩で息をしている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●二人の愛を誓う剣
　戦場には相変わらず、赤べこキャノンが乱射される。
「見えた」
　次々と飛んでくる砲撃を切り捨てながら進む猟兵。武家出身の剣術家、六道・紫音（剣聖・f01807）と、その肩に乗る暗殺者にしてシーフのフェアリー、ルビィ・リオネッタ（小さな暗殺蝶・f01944）。二人は相棒にして恋人同士。
　砲弾は確実に見切り、切り捨てている。残像を伴う縮地により、自身の間合いまで距離を詰めた紫音。彼我の距離は最早眼前。
「シオン！アイツにはバリアが……」
「ああ。だが、ルビィ……君とならどんな敵にも負けはしない」
　一度足を止め、花の地面に宝刀を突き刺す紫音。肩に乗せた恋人を両手で包み、口づけする。
「だから一緒に戦ってくれ、ルビィ。俺は、君にこの剣を捧げよう！」
　敵の感情に訴える前に、自身の心を震わせる。紫音は剣を手に取ると、刃の切っ先を掲げて宣誓した。
「あううぅ……し、しおん…嬉しいけど敵が見てるわ」
　ルビィは耳まで真っ赤に染めあげる。そんな光景を見ていたラビットバニー、一部始終に目を取られて攻撃の手が緩んでいた。
「……エモーーーーーーーーーーい！！！！」
「み、見ないでよっ！」
　恥ずかしさに顔を赤くしたままルビィが先に飛び込んだ。黒く変化して距離を詰める。
「あっ、おっ、危なっ！？」
　素早い動きに翻弄されるラビットバニー。ルビィのユーベルコード【黒蝶のトッカータ】は思考速度と動体視力を強化する。一撃、二撃と銀のレイピアがバニーを切り裂く！
「痛っ……このぉ！」
　バニーはうさちゃんカンフーで反撃を試みた。こちらも速度が上がるユーベルコード！互角の速度となったバニーの裏拳がルビィに迫る！
　恋人へ放たれた裏拳、遮るように飛び出す紫音。彼は痛烈な一撃により口から血を滴らせるも、攻撃に集中する。
「壱之太刀…斬鋼！」
　ユーベルコード【壱之太刀《斬鋼》】による捨て身の三重斬撃がラビットバニーの身を切断！裏拳を放った右腕に裂傷を負うバニー！
「こんの……っ！吹っ飛べ！」
　バニーは紫音に再び威力の高い赤べこキャノンを放つが、その動きはルビィにはスローモーションに見える。砲弾まで最速で羽ばたき、蹴りで弾道を逸らす！
「ありがとう、ルビィ」
　肩へと着地した恋人へ微笑みを向ける紫音。攻撃がしかと命中したことを確認して距離を取る。
「アタシも守ってもらったし……シオンの気持ちは嬉しかったから。……後で２人きりになったら、もう一度聞かせてよね」
「エモーーーーい！！……じゃなくてバリア！！」
　ラビットバニー、大興奮。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●零距離零度
「さて……」
　陰陽師の医者、芦屋・晴久（謎に包まれた怪しき医師・f00321）はタバコに火を付け、サングラス越しに目を細める。足場と相手の感情をなんとかしなければ。
　【破道の鎚・天道柱】は自然界に存在する属性を持った結界柱を召喚出来るユーベルコードだ。結界柱からは選んだ属性の散弾が放たれる。
「其は歩む者を阻みし試練の一柱」
「バリアに足場、あーしには通用しないっしょ……！」
　37本の氷の柱が戦闘領域の宙に浮かびあがった。柱からは着弾点を凍結させる氷の散弾！
「そうですねぇ、簡単に通用するとは思っていません。ですから」
　花々のフィールド全体が凍りつく。凍結した花の足場はおはなハッキングによる操作を受け付けない。
「んなっ、操作が効かないっ！だーけーどー！まだバリアは張っているし！」
　凍結した花畑に着地する傭兵。マルガ・ヴァイツェネガー（絶望を砕き生を掴む者・f11395）が、尚も氷の散弾が飛ぶ戦域を駆け抜ける。
「マルガ君、これは試練の道。あとは貴女に託しますよ」
「はいっ！芦屋さんの起こした氷の嵐、無駄にはさせませんとも！」
　凍結した足場は動きにくいが、凍りつき隆起した地面をスライディングで滑走し、手を付いて跳ね上がる事で迅速に接近していくマルガ。
　無差別に飛来する氷の弾丸は拳銃の『デザートイーグル』で撃ち落とし、ブレードライフルの『マグナレイド零式』で切り払う。
「この……っ、赤べこキャノン！」
　命中精度を高めた赤べこがマルガを捕捉。が、砲撃はマグナレイドを巧みに扱い叩き落とした！手さばきは最早一種の戦いの芸術！
　追い詰められるバニーは声にこそ出さないが、そのアクションに感情を大きく揺さぶられたのか絶対無敵バリアが薄らいだ。接敵するマルガ！
　ラビットバニーの視界、マルガが身を捩ると氷の弾丸がその後方より一直線に飛んできていた。
「しまっ！？」
　氷の弾丸の直撃を受け、凍結するラビットバニー！
「Jagdhund・Beschiesung、霰の中のダンス……是非踊りましょう！！」
　ユーベルコード【Jagdhund・Beschiesung】、マルガは凍りついたラビットバニーに向けマグナレイドの刃を叩きつける！避ける事の叶わぬバニーに更に引き金を引き、零距離射撃！凍結していたラビットバニーはついに粉々に砕け散った……！

●一戦終えて
　タバコの煙を吐き出しながら、晴久は状況終了を報告。凍結した花畑を駆けて駆け寄るマルガ。
「やったね、これでラビットバニーは撃破！」
「……いえ、彼女はオブリビオン。ここで撃破しても何度でも蘇ります」
「そっかぁ、残念」
「ですが、短期間に集中して何度か倒せば復活が間に合わなくなるでしょう」
　他の猟兵たちもラビットバニーを撃破出来ると良いが。思いながら、晴久は氷の柱にタバコを押し付けて消火した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年05月16日