1
バトルオブフラワーズ⑩〜無敵の結解を取り払え

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ
🔒
#ラビットバニー


0




「エイプモンキー討伐お疲れさま。おかげで、システム・フラワーズの第二階層へと進む道が開かれたわ」
 いつもの伊達メガネをくいと持ち上げて、田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)はさっそく資料を提示する。
「改めて説明しておくと、システム・フラワーズの内部は『咲き乱れる花々の空間』で、『花々が集まって足場になる』仕組みになってるんだけど、各階層をつなぐ通路を作り出すためには階層を守護しているオブリビオンを討伐する必要があるの」
 オブリビオンはたとえ死亡してもすぐに復活する。そこで、大量の討伐チームを編成して復活が追い付かない勢いで殺し尽くすというのがこの作戦の趣旨であり、この場に集まった猟兵たちもその一チームだった。
「前置きはこのくらいでいいかしら? じゃあさっそく、ターゲットについて説明するわね」


「第二階層のエリアボスはカワイイ怪人『ラビットバニー』よ。脳みそに必要な栄養を全部胸部の脂肪に回してるようなふざけた外見だけど、その能力も馬鹿げた代物なの」
 その名も『絶対無敵バリア』。
 説明は不要だろう。
 十歳児が思いついたようなネーミングだが、実際に戦わねばならない立場からすれば悪夢のような能力だ。
「『絶対無敵バリア』を破る方法は皆無。ただし、バリアの維持には相当気を遣うみたいでね。ラビットバニーの感情を何かしらの方法で揺さぶることができれば、こちらの攻撃を通すことも可能だと思う」
 幸いにして、ラビットバニーは非情に感動しやすい性格らしい。
 箸が転んでも『エモい!』と感じるので、バリアを解除するのはハードルが低いようだ。
『エモい』って何かって? ほら、こう‥‥‥あるじゃん。SNSにあげたら「いいね」がもらえそうな、何か。
 とりあえず『絶対無敵バリア』は案外どうとでもなると分かって猟兵たちは安堵するが、ユウナは厳しい表情で釘を刺した。
「言っておくけど、相手は怪人軍団の大幹部。”たかが”無敵バリアが張れる程度で、世界で五指に入る実力者になれるわけがないわ。決して油断しないでね」


黒姫小旅
 どうも、黒姫小旅でございます。
 幹部戦パートII。
 場合によっては容赦なくひどい目に合わせる所存ですので、ゆめゆめ油断のなきように。

●特殊な戦闘ルール
====================
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
====================
63




第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

遠呂智・景明
アドリブ・連携歓迎

エモさ、ってのはよく分からねぇが、あいつの心を乱せばいいのか。

んじゃUC『風林火陰山雷番外 風・林』の使用準備だけして待機だ。

来いよ兎公。てめぇの一撃、受け止めてやる。

てめぇに魅せてやるのは男の、刀の意地だ。

格好つけたがただじゃすまねぇだろうな。
が、そこは気合い。歯ァ食いしばるぞ。
【見切り】で急所を外しつつ、【激痛耐性】で痛みを耐えきる。
身体中から血が出るし力が入らねぇかもしれねぇ。
きっとボロボロな有様だろうよ。
だが、倒れねぇよ。
てめぇを斬るまではな。

ばりあとやらが剥がれたら【早業】を用いつつUCで神速かつ不可視の斬撃を放つ。
刀の頃から繰り返してきた動作だ。
外さねぇさ絶対に。



「『エモさ』ってのはよく分からねぇが……」
 遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)は首をひねりながら戦場に降り立ち、眼前にそびえ立つ大幹部を睨め付けた。
「来いよ兎公。てめぇの一撃、受け止めてやる。男の、刀の意地ってやつを魅せてやろうじゃねぇか」
『ひゃっほ――ッ! イケメンの啖呵いただきました――――ッッ!!』
「早ぇよ!?」
 開口一番でラビットバニーのテンションはMAX。興奮のあまり、怪人は絶対無敵バリアの制御を手放してしまう。
「ハードル低いどころか、地中に埋まってるぞ」
 それでいいのか、と景明のツッコミが……――――
『まあ、ソレはソレとして――』
 ……気付いたら、目の前にいた。
『――死んで?』
 瞬間、景明は”五回殺された”。
 右手で目潰し、喉に左手刀、心臓に双掌打、みぞおちに肘鉄、股間へ蹴り上げ、必殺の五連打が景明を襲い、その体が紙人形のように吹き飛ばされる。
『このユーベルコードさー。寿命が減るのがアレなんだけど、秒以下で終わらせればモーマンタイじゃん。そう思わない?』
 ヒラヒラと手を振りながら、友達を相手にしているような気楽な口調でラビットバニーは語り掛けるが、景明は倒れ伏したままピクリとも動かない。
『ま、残念でしたまたどーぞーってことで…………お?』
 ザシュッ!
 その時、怪人の手に斬撃が走った。玉の肌が裂け、鮮血が噴き上がる。
「……ま、まだ終わらねぇよ。てめぇを斬るまではな」
 震える体にムチ打って、景明が身を起こした。
 眉が削がれ、首には裂傷、あばらが砕け、内臓は悲鳴を上げており、下半身のことは考えたくない。ヤドリガミにとって人型は仮初の器に過ぎないが、”死”を直感するには十分すぎるほどの重傷だ。
 しかしそれでも、景明は生きていて、お返しに不可視の斬撃を叩きこむこともできた。――賭けは、こちらの勝ちだ。
『へえ、ちゃんと急所守ってんじゃん。ゼッタイ殺せたと思ったのに。ってか、よくカウンター当てたよね」
「舐めんな。刀の頃から繰り返してきた動作だ。外すもんかよ」
 半死半生、虫の息でありながら、闘志だけは微塵も衰えることなく敵を睨む。そんな景明の姿に、ラビットバニーは心底楽しそうに低く笑った。
『カッコいいじゃん。あんた、かなりエモいよ』

成功 🔵​🔵​🔴​

二天堂・たま
エモい…って何だ?感情を揺さぶる何かと言われても…。
とりあえずどうやって攻撃するかでも宣言してみるか。

キミを今から、ワタシの肉球で“てしっ”と叩く。(UC:ケットシーインパクトで)
もしかしたら足の肉球で“てしっ”とするかもしれん。

まぁ…バリアだけで幹部になったワケではないようだし、どう攻撃を回避して接近するかが悩ましいな。
UC:親指チックの相棒を花の足場をかいくぐって敵の元に走らせ、ワタシ自身は逃げ足やフェイントを駆使して回避に専念する。
相棒が敵の懐まで接近出来たら大きくジャンプして注目を集めてから居場所交換すれば、攻撃の隙をついて接近出来るかな。




 エモい……かどうかは分からないが、どうやって攻撃するか宣言してみた。
「キミを今から、ワタシの肉球で“てしっ”と叩く」
 二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)はケットシー。二足歩行する猫の姿をした妖精の一種だ。青みがかった灰色のモフモフは思わず抱きしめたくなる魅力があるが、ぷにぷに肉球も捨てがたい。
『キャアアア! にゃんこ激カワやっべーエモい!』
 だからかどうか分からないが、ラビットバニーはあっさり引っかかった。
 周囲を覆っていたバリアが消失したのを見て、たまは緑の瞳を煌めかせる。
『よっしゃアガってきたー! ってワケで死ね!』
 手の平……ならぬ肉球の上で踊らされるラビットバニーだが、腐っても大幹部。一分の隙もなく、足場を構成する花々に向けてハッキングビームを放った。
 唐突に、足裏の感触が消える。
「わっ、っとと!?」
 足場を失ったたまは慌てて他所に飛び移り、その頭上に影が落ちた。
 津波のごとく盛り上がった花々が降ってきた。外見は柔らかそうな花弁だが、その実オブリビオンとの激戦を繰り広げてびくともしない頑丈な足場である。飲み込まれたら命が危ないと、たまは必死で回避した。
『あっはは、まじエモいんですけど! そらそら、もっと頑張んなって!』
 命懸けで逃げ惑うさまが面白くてしかたない、と兎頭の怪人は花々をけしかけて……
『……ぴよ!』
 その足元から、突然ヒヨコが飛び出した。
 まるまるカワイイ小さなヒヨコ。ラビットバニーは訳も分からず、呆気にとられてヒヨコと見つめ合い、
――瞬ッ!
 ヒヨコが灰猫に切り替わった。
 変身、ではない。ヒヨコの正体は【親指チック】。召喚主と位置座標を入れ替える能力を持つ、ユーベルコード製のヒヨコさんである。
 たまは無策で逃げ回っていたわけではなかった。親指チックが怪人のそばに近寄るまで時間を稼いでいたのである。
 そして相棒がポジションにたどり着いたところで、満を持して位置交換を発動。テレポートによる絶好の不意打ちチャンスを手に入れたのだ。
「宣言通り、“てしっ”と行くぞ!」
 たまは大きく右腕を振りかぶり、肉球に浄化の波動を宿して殴りかかろうと……
『遅っせーよ!』
 その鼻先に、赤べこを乗せたキャノン砲が突き付けられた。
 ……二つ目のユーベルコードを使っては間に合わない!
 瞬時に判断し、発動をキャンセル。素の右手を振るった。
 ガリッ! と猫爪が何かを引っ掻いた手応えだけを残し、たまはゼロ距離射撃をもろに喰らって吹き飛ばされ、そのまま戦線離脱したのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

デナイル・ヒステリカル
アリス(f02153)と連携

絶対無敵バリアによる防御は厄介です
しかし予知によって敵の弱点が見えているならば
「バリアは無敵ではない」

同行しているアリスさんがUCを発動するまでの間、足場の操作によって彼女が妨害を受けないように、僕たち二人の足場をハッキングして操作に対抗をします

強敵の使用するUCに対抗できるのか問題は有りますが、僕の目的は時間稼ぎ
アリスさんが世界を変異させるまでの短時間であるならば対抗も可能だと判断しました

世界の変異を確認し、UCを発動
辺りに満ちる力を取り込み輝きを増した雷が湖を伝わりラビットに到達、攻撃します
UC発動の余波で地上から天に昇る蒼いイナヅマが水面を照らし瞬くでしょう!


アリス・レヴェリー
デナイル(f03357)と連携

対抗するデナイルさんの影から隙を窺って、隙を見つけたら【真鍮の轍】によって自身の足先を起点に、わたしがA&Wの世界で訪れた秘境の思い出を波紋のように広げ、周囲の空間を鏡面のような水面にどこまでも続く青い空と白い雲を映す浅い湖に変異させましょう。

目の眩むような色とりどりの花々は無い、一面の空のような景色。
本当の自然の残っていないキマイラFではこの透き通った風は吹かないんじゃないかしら?

この空間の特性はA&Wの秘境故に辺りに満ちた静謐な魔力。あと綺麗。
それはデナイルさんが放つ雷に力を与え、わたしの持つ秒針に似た形の細剣に【属性攻撃】を纏わせる時も力になってくれる筈よ。




 続いて戦場の土……ではなく花を踏んだのは二人組。
 片や黒縁眼鏡のバーチャルキャラクターの青年、デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)。片やエプロンドレスを纏った幼きミレナリィドール、アリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)。
 ルーツは違えど共に人の手で造られた存在である二人は、会敵と同時に陣形を組んだ。
 前衛にはデナイルが立って防御の構え。アリスは後衛でユーベルコードの準備に取り掛かる。
『何かするつもり? ガッカリさせないでよね!』
 期待するような声とは裏腹に、怪人はいち早く猟兵たちを成敗すべくシステム・フラワーズの制御ビームを放った。
 地面が隆起し、絶望的な大質量の花々が二人へと襲いかかる。
 準備中のアリスは逃げることができない。しかし、だからこそデナイルがいる。
「ごめんなさい、あと一秒かかる!」
「大丈夫、任せて!」
 姫を守る騎士のごとく立ち塞がり、デナイルは黒縁眼鏡を電脳ゴーグルへと付け替えると、電脳空間を展開して花々へのアクセスを試みた。
 ――残り1.00秒
「UC改変プログラム、起動!」
 とっておきのハッキングツールを用いて、制御ビームに干渉する。
 ――残り0.86秒
 歴戦の猟兵たちの中でも随一の技能を誇るデナイルだったが、彼をもってしてもラビットバニーに対抗するのは至難の業だ。
 ――0.68秒
 統制された動きを見せていた花々に、ノイズが混じる。
 ――0.53秒
 花の一部が停止し、
 ――0.44
『無駄だから!』
 ――0.39
 電脳ゴーグルが煙を噴いて、
 ――0.26
 あと少し。
 ――0.……ズウゥゥゥン!!
 地殻変動のような轟音を響かせて、花の大津波が二人を飲み込んだ。
 コンマ一秒、届かなかった。誰もがそう思った時だった。
「……どれもたしかに、わたしの歩んできた道」
 波紋のように、世界の改変が始まった。


 それはかつて、アックス&ウィザーズ世界でのこと。とある秘境を訪れたときの思い出だ。
 見上げれば、どこまでも続く青空と白雲。見下ろせば、やはり果てしない青と白。
 それは巨大な湖だった。広く浅く、薄っすらと広がる水鏡が天上を映して、世界の全てが空になってしまったかのような幻想的な光景を作り出す。
 【真鍮の轍】、周囲を空間ごと変異させてアリスの思い出の中にある世界を作り出すユーベルコードによって、花々が咲き乱れるシステム・フラワーズの内部は一変していた。
『やっば、ナニコレまじエモいんですけど!? 映えすぎヤバたん、ってかこの透き通るような魔力が何とも言えないぃぃぃっ!!』
 ラビットバニーは感動のあまり、絶対無敵バリアどころか戦闘態勢を取ることも忘れてもだえた。なんかスマホ取り出して、むっちゃ自撮りとかしてる。
「PSIプログラム実行……収斂完了」
 その背後で、蒼き稲妻が音もなく揺らめいた。
 間一髪、花々の拘束から逃れたデナイルが、握った拳を怪人の隙だらけな背中へと向ける。
 ――【轟く雷鳴】!!
 電光雷撃が大気をぶち破った。
 本物の雷にも匹敵する蒼雷は湖に満ちる静謐な魔力を受けて目が眩むほどに輝き、雷鳴を轟かせながら水面を駆け抜けて、オブリビオンを消し炭に変え……
『って、危っな!? むっちゃ余所見してたし!』
 頭上から声。
 気付いたときには、超高速の『うさちゃんカンフーモード』に変身したラビットバニーの間合いの内。デナイルは一蹴りで昏倒し、助けようとしたアリスも細剣を構える間すら与えられずに殴り飛ばされた。
『エモいもん見せてもらってあんがとね。けどまあ、ユーベルコード対策が片っぽだけじゃ足りないよねってことで、残念無念また来週!』

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

芦屋・晴久
猿の次は兎ですね。

感情を揺さぶる事が必要……さて御魂、貴女の出番です
感情とは力の根源、喜び、怒り、悲しみ、楽しみ、それ全てが思わぬ力となる



銀髪の従者を召喚し、二人がかりで攻めます
感動したいというのならばそれを促す為に感情を昂らせましょう
花が存在しているこの地は他より龍脈が太い
四神相奏……大地の力を高揚させて能力を上げるこの力で活性化させる事により敵の感情も共に昂らせて見せましょう
これは攻撃ではないので通ると見ます

御魂、貴女はバリアが解けたなら敵に向かい術式を組んで当たりなさい。

もし私の目論見が外れたのならば全力で逃げて他の猟兵を呼ぶのです。
これは命令であり絶対です。

さぁ、行きましょう。




「さて御魂、貴女の出番です」
 芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)が呼びかけると、召喚陣から銀髪少女の姿をした式神が現れた。
 少女と並んで駆けながら、晴久は次なる式を打つ。
「――其は四神の陰堕とし奉る共振の言霊」
 ユーベルコード【三之式・四神創奏】。花々で造られた大地の中を走る龍脈……と呼ぶのが正しいのかは不明だが、とにかくエネルギーの通り道から力を借りて、かの兎頭の感情に揺さぶりをかける。
『お? ナニコレ初体験。ワケ分かんないけど、とりあえずアガる――ッ!』
 これでいいのかってくらい易々と策に掛かり、ラビットバニーはテンションが上がってバリアを構築できなくなってしまった。
 すかさず、晴久の式神【御魂】が飛び込んでいく。
 御魂は走りながら術式展開。持ち前の魔術および医療のスキルを駆使して、麻酔を打ち込み怪人の動きを封じようと試みる……が、
『いやいや、それはダメっしょ』
 突如として足元の花々がうねったかと思うと、人間の手のような形になって御魂を捕らえた。銀髪の少女型式神はジタバタともがくが、花の手は万力のような力で握り締めて放そうとしない。
『ユーベルコードってさー。二つも三つも使うのは隙がデカすぎるから、あーしみたいな格上相手にする時は一つにしぼった方がいいよ。……ってか、あんたの場合はそれ以下だけど』
 ため息交じりな声とともに、晴久の背後にも花の手が出現。逃げる間もなく掴み取られてしまう。
『バリアが消えたってさー。あーしの攻撃を凌いだわけじゃないじゃん? それなのに、「とにかく突っ込め!」はナイっしょ』
 表情が変わらないはずの兎の被り物に、怖いものが宿った。
『絶対無敵バリアさえ何とかすれば、後はそこらの三下と同じように倒せると思った? それはチョット舐めすぎっていうかー。……サガるんだよねー』
 ――視界がシェイクされた。
 花の手が、晴久と御魂を握ったままぶん回す。
 右へ左へグワングワンと行ったり来たり、二度三度ほど地面に叩き付けておいて、仕上げに天高くへと放り投げた。
 遥か彼方へ投げ捨てられた二人は、幸いにも花の足場があるところへ柔らかに墜落したものの、しばらくは指一本動かすのもままならず、ただ呻き声を上げることしかできなかった。

失敗 🔴​🔴​🔴​

火土金水・明
「初めてお会いします、『ラビットバニー』さん。キマイラフューチャーの世界の人々のためにも、あなたを倒しにきました。」
さて、攻撃の前に使い魔の黒猫のクロを仰向けにして布団を掛けて「猫が寝込んだ。」
【WIZ】で攻撃です。
【高速詠唱】した【属性攻撃】の【全力魔法】の【破魔】属性の【サンダーボルト】で『ラビットバニー』を【フェイント】を掛けつつ【2回攻撃】します。
「駄洒落でも、喜んでいただけたようで。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。




 戦場に駆け付けた火土金水・明(人間のウィザード・f01561)が真っ先に行ったこと。それは、お布団を敷くことだった。
『……は?』
 ポカンとしているラビットバニーを尻目に、明は敷布の上に使い魔の黒猫クロを寝かせると、そっと掛け布団を被せてやって――そして一言。
「猫が寝込んだ」
 ……ネコガネコンダ。
 明、渾身のネタである。反応やいかに? と伺うと、ラビットバニーは無言でプルプル震えてる。
 ……あれ、スベッたかな?
 ちょっと不安になる明だったが、
『…………ぷ。プゥワッッハハハハハハハハハハ!!! ね、猫が! 猫がネコんだって! アヒャヒャヒャヒャ!! ま、まじでウケるんですけど!!』
 大爆笑だった。
 涙目でヒーヒー言ってるうちに、当然のことながら絶対無敵バリアは解除されてしまう。
「隙あり!」
 明は即座に行動した。
 高速で呪文詠唱、腹を抱えて笑い転げるラビットバニーに人差し指を向け――落雷!
『クフフフフフ、ヒホホホホホ……って、危な!?』
 神速の電光が墜ちる寸前で、ラビットバニーは対処した。足元の花々をハッキング、傘のように頭上を守らせて受け止めようと……
「まだです!」
 一直線に堕ちる雷が、よじれた。
 竹を割ったように真っ二つに弾けて花の傘を回り込み、前後からの挟み撃ちで兎怪人を貫かんとする。
 死角を取った! これなら防げまいと確信して明は拳を握り――
『――ん、残念っした』
 花々が壁となってそびえ立ち、雷撃を受け止めた。ありったけの魔力を込めた【サンダーボルト】は、花の壁をわずかに焦がしただけで力尽き、あえなく消失する。
「そ、そんな……」
『技能レベルたけーのは分かるんだけどさ、それだけじゃエモみが足んないわけ。……とりあえず技能使って? 後はその場のノリで? みたいな? ンなだから、ギリで対応できちゃうんだっての。もっとさ、明確なビジョンつーか戦略っつーかが欲しいよね』
 パチンと指を鳴らして花壁を消し、無傷のままでラビットバニーは進み出る。
『あと、もっと根本的な話でさ……』
 その声が、一段と低くなった。
『……こっちからの攻撃に対する警戒ゼロってどゆことよ。舐めてんのかテメー』
 殺気。
 いきなり、明の周囲に咲き乱れていた花々がざわめいた。花の足場が隆起して、四方を取り囲む。
「っ!? に、逃げ……」
 異変に気付いた時には、すでに遅かった。声を出す間すら与えられることなく、明は花の中に埋葬されてしまう。
『はい、しゅーりょーっと。次から格上相手にするときは、もっと警戒心を持つようにねー。……って、ここで死んでたら意味ないけど』
 ケラケラと高笑いしながら、兎頭の怪人はどこへともなく歩み去っていく。


 ……その後、明はどうにか花々の墓穴から抜け出すことに成功したのだが、彼女を待っていたのはラビットバニー討伐失敗の報であった。
【END】

失敗 🔴​🔴​🔴​



最終結果:失敗

完成日:2019年05月13日


挿絵イラスト