バトルオブフラワーズ⑥〜コミカル地雷原で踊れ〜
「皆さん、『システム・フラワーズ』への入口が開きました!」
綺麗に真っ二つに割れたキマイラフューチャーの中心へと渡る通路が現れたことに猟兵達が歓声を上げる。
その中でルウ・アイゼルネ(飄々とした仲介役・f11945)は目の前に集まっている猟兵達に説明を始めた。
「まだ状況を把握してない方に説明致しますと、キマイラフューチャーに開いているあの隙間から現在オブリビオン・フォーミュラである『ドン・フリーダム』によって占拠された『システム・フラワーズ』……一般的にはコンコンシステムと呼ばれている物の中枢部に行けるようになったのですが、突入するための通路である『ザ・ステージ』にはまだドン・フリーダムの配下のオブリビオン達がまだまだ大量に確認されています」
恐らくザ・ステージにいるオブリビオン達は大急ぎでシステム・フラワーズへの通路を消滅させようと動いてくる。
その動きを牽制、または粉砕するためには依然として、ザ・ステージに猟兵達を派遣する必要があるそうだ。
「そこで今回は『ザ・ダンスステージ』の攻略をお願いいたします」
ルウが案内するザ・ダンスステージには特殊な結界が張られており、『ダンシングフィーバー』という特殊戦闘ルールが適用される。
基本のルールは、どんな形であれ相手を倒せば勝ち。
しかしその様子はテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継されている。
そして戦闘の立ち回りの中にダンスパフォーマンスを交えて視聴者を感動させる事ができれば『フィーバー』なるものが発生する。
フィーバーが発生すると起こした者が行った攻撃の効果は大幅にパワーアップし、逆に発生しないと半減以下になってしまうそうだ。
「華麗なダンスと戦闘を融合させ、視聴者を感動させなければオブリビオンを撃破することは出来ません。……読む分ではめちゃくちゃ難しそうですが、簡単なことです。相手のみっともない姿をキマイラフューチャー中にさらして、自分をかっこよく見せればオールオッケーです」
長々としていた説明を適当にまとめたルウがタブレットを操作すると、ザ・ダンスステージで猟兵達を待ち構えるオブリビオンの姿が表示された。
「相手はネズミのキマイラのオブリビオンです。人をおちょくるような妨害系のユーベルコードを多く使ってくるようです。……くれぐれも引っかかって世間の笑い者にならないようにお気をつけてくださいませ」
平岡祐樹
リズムゲームは足より手派、平岡です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
ザニーユがガンガン仕掛けてくるカートゥーンなトラップを避けつつ、カッコいい技を全世界に発信して『システム・フラワーズ』への侵攻を盤石の物にしましょう!
第1章 ボス戦
『ザニーユ・モア』
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POW : ぺちゃんこになっちゃえ!
【対象の頭上】から【対象のレベルの二乗tの重さの金床】を放ち、【ぺちゃんこにする事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : スラップスティックショータイム!
いま戦っている対象に有効な【コミカルな結果を引き起こす道具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : もっと笑わせる為に!
戦闘力のない【カートゥーン風に変換されるテレビカメラ】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【出演者の滑稽な姿を見た視聴者の笑い】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:笹にゃ うらら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「クロ・ネコノ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高鷲・諒一朗
ダンスなら任せてくれよお、ってな!
スカイダンサーの真髄を見せてやらぁ!
技能『ダンス』を最大限に活用できるように
長い四肢を使って腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ
とにかく楽しく! しっかり最後まで踊りきるぜえ
おれが楽しめば中継されている視聴者も楽しんでくれる、
そう信じて踊り続けるしかねぇ!
見栄えも考えて、エンタメ性も重視しつつ
とにかく見ていてワクワクするような、楽しい踊りを提供してぇ!
妨害してくるなら、その対応もダンスに含めて対処してぇ
いっそ妨害も含めてこっちのダンスに引きこんじまえば
問題ないんじゃねぇかねぇ?
ここぞというときに攻撃できそうなら
『金狼ステップ』で攻撃していくぜえ!
「ダンスなら任せてくれよお、ってな!」
そう言ってダンスステージに立った高鷲・諒一朗(ミルザム・f17861)は長い四肢を使って、腕の振りや体のひねりも加え演出しつつ「とにかく楽しく」をモットーに踊り始めた。
「スカイダンサーの真髄を見せてやらぁ!」
見栄えも考えて、エンタメ性も重視しつつ、とにかく見ていてワクワクするような楽しい踊りに、視聴する者達からの「いいね!」の数字がどんどん増えていく。
自分自身が楽しめば中継されている視聴者も楽しんでくれる、その信念はしっかりと届いているようだ。
それを快く思わない奴が一人、物陰に隠れていた。
「ここでド派手な失敗をしたら『悪いね』が一気に増えるだろーなぁー」
ザニーユがユーベルコードを発動させると、物陰から嫌な音をたてて風船が膨らみ始めた。
「中身はドリアン・ガスだ、人狼の鼻には効果抜群だろぉー」
溜まりまくった風船が爆発四散し、そこから流れてくるあまりの臭さに悶絶する高鷲の姿を想像するザニーユの顔はガスマスクに隠れてわからないが、卑しい笑みを浮かべていることだけは確定的に明らかであった。
そして風船が膨らむ音は高鷲の耳にも入った。
妨害してくるなら、その対応もダンスに含めて対処……いっそのこと妨害をダンスの演出に見せかけることで更なる視聴者の興奮に繋がることを画策していた高鷲は風船を即座に割ることを決めた。
『おっどろうぜえー! ってなあ!』
高鷲のステップを踏む足から空気の刃が飛ぶ。空気の刃はまだ膨らみきっていない風船を捉えて割った。
「うっ、なんだこの臭い……!」
風船の中にわずかに溜まっていたドリアン・ガスがステージに流れ、高鷲は顔をしかめるが、風船が割れたことにより補給が止まったため大惨事を避けることには成功した。
「なにやってるのー! もっと膨らませて、超巨大にさせて、いつ割れるんだ、ってみんなをドキドキさせないとー!」
ザニーユが高鷲に対してそう抗議するが、視聴者はそんな物を求めてはいない。
俺が見たいのはバラエティじゃなくてダンスだ、というコメントが打ち込まれたのを見てザニーユは悔しそうに唸るのであった。
成功
🔵🔵🔴
シュガー・ラビット
アドリブ大歓迎!
【目的】魔法少女(物理)シュガー☆ドロップとして、悪さをするねずみくんにお仕置きするよ!
【行動】
ねずみくんと戦ってる様子もキマイラフューチャーに中継されてるんだね!楽しそうじゃん?せっかくだし、見ているみんなも楽しませられるようなパフォーマンス&戦闘目指して頑張るよ〜!
戦場にはトラップが沢山あるみたいだから、よーく注意しながらダメージ与えていきたいねっ!使うアイテムは【キャロット☆ストライカー】だよ!トラップを避けつつ、ねずみくんを追いかけて突撃しちゃえー!
そして、接近戦に持ち込んだらUC【にくきゅうぱんち!】でノックアウト。させちゃうんだからっ☆
「魔法少女シュガー☆ドロップとして、悪さをするねずみくんにお仕置きするよ!」
そう言ってニンジンを模した可愛らしいバイク、キャロット☆ストライカーに跨ってステージに飛び込んできたシュガー・ラビット(白くて小さなふわふわ☘️・f02321)の姿にザニーユは目をひん剥いた。
「ふぁっ!?」
「ねずみくんと戦ってる様子もキマイラフューチャーに中継されてるんだね! 楽しそうじゃん? せっかくだし、見ているみんなも楽しませられるようなパフォーマンス&戦闘目指して頑張るよ〜!」
そう言ってひたすらバイクで追い回すシュガーにザニーユは時折後ろを確認しながら逃げる。
「ちょっと待って待って待って! ねぇコメント見てなかったの!? 『俺が見たいのはバラエティじゃなくてダンスだ』ってコメントあったじゃん!! バイクを乗り回す行為はダンスじゃないと思うんだ!!」
先ほどまでの自分の行動を完全に棚に上げて叫ぶザニーユへ、ステージの上にあるスピーカーやテーブルの上に器用に乗ったり飛び越えたりしながらシュガーは笑顔で答えた。
「ダンスだよ? ほら、自転車とかバイクとかでウィリーさせながら回転する芸人さんとかいるでしょ?」
「ダンスと曲芸は違うと思うよぉー!?」
ザニーユが悲鳴をあげながら画鋲をばら撒く。しかしキャロット☆ストライカーはパンクすることなく、逆に画鋲を蹴散らしながら速度を上げていく。
『くらえーっ!にくきゅうぱーんち!』
「ぐふぅ!」
そしてその勢いのままバイクから飛び降りたシュガーの【にくきゅうぱんち!】がザニーユの顔面に直撃し、めり込む。さらにその一撃は一発では終わらず、ポカポカと可愛らしい打撃音と一緒に何度も叩き込まれる。
そんなシュガー☆ドロップ渾身の一発はザニーユの体をもふもふの毛玉で包み込み、動けなくした。
「も、もふもふぅ……」
『おおー、ブラボー、ブラボー!』
『……俺らは一体何を見せられているんだ?』
その様子にアクションや曲芸が好きな視聴者は歓声を上げていたが、ダンス好きの視聴者はあっけに取られてしまっていた。
成功
🔵🔵🔴
梯・剛士
なるほどなー、ダンスか。
俺の体感系音ゲーで鍛えたステップの見せ所だぜ!
ヴァリウード、アゲアゲなBGMよろしくなー!
ヴァリウード「お任せください、我が主」
バトルキャラクターズで小さな獣人型キャラクターを召喚
戦場に散らばせて、そのキャラクター達と次々ハイタッチしつつ、ザニーユのカートゥーンなトラップを躱すようにBGMに乗って華麗にステップを踏む
ハイタッチしたキャラクターから順々にザニーユに攻撃させる
複数同時にハイタッチしたキャラクターは融合して強力にしてから攻撃
「これぞ、ダンシング・キャラクターズ・ムーブメントってな!」
キャラクターが足りなくなったら再召喚で攻撃継続だぜ
アドリブ歓迎
「なるほどなー、ダンスか。俺の体感系音ゲーで鍛えたステップの見せ所だぜ!」
そう自信満々に声を上げる梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)の後ろには赤い目を持つ巨大な群青色の毛並みを持った人狼が控えていた。
「ヴァリウード、アゲアゲなBGMよろしくなー!」
「お任せください、我が主」
勇んでステージに飛び出す剛士の後ろで、ヴァリウードと呼ばれた人狼は右腕を胸の前に当て頭を下げる。
「もふ、もふぅ……はっ。いけない、まだまだステージは終わってないんだよ!」
毛玉の呪縛から解放されたザニーユがはね起き上がると、速めのテンポのダンスチューンが場内に流れ出す。
中央のステージで、後ろにあるモニターで映し出されている矢印に合わせ、まるでダンスゲームをしているかのように華麗なステップを踏んでいる剛士の周りには、小さな動物を模したバーチャルキャラクターが飛び上がるように登場しては、ステージのあちこちに散らばって踊り始めていた。
『なにこれカワユス!』
『エモさの極み』
女性の視聴者と見られるコメントが打ち込まれる中、ザニーユは再び場外に下がる。そして再び現れたザニーユの手に持たれていたのは巨大なバズーカだった。
「どっせーい!」
勇ましい掛け声と共にバズーカの中から何かが放たれる。出てきたのは電撃をまとった矢印の形をした弾だった。
それが現れた瞬間、後ろの画面やバーチャルキャラクター達の動きが止まった。
「その矢印は踏んじゃダメな矢印だからね! ステップを踏んだらその時点でゲームオーバー!」
「なら、ステージから降りるまでさ!」
剛士がバーチャルキャラクターとハイタッチを交わすと、止まっていたキャラクター達が次々とステージから降り、それぞれ様々な種類の銃を構え、勝ち誇るように笑っていたザニーユに向けて撃った。
「ひぎゃあーっ!?」
「ありがとうな、わざわざステップを踏まなくて良い時間を与えてくれて!」
剛士がステージ上を走りながら両手でキャラクター達とタッチを交わすと近くにいたキャラクター同士がくっついていき、巨大なキマイラのバーチャルキャラクターが誕生した。
キマイラは触ったら柔らかそうな丸い腕を振り上げ、目の前の弾丸の雨に気を取られているザニーユに向けて思いっ切り叩きつけた。
「これぞ、ダンシング・キャラクターズ・ムーブメントってな!」
電撃の矢印が消え、流れ始めた矢印に剛士はステップを再開する。
そのステップに呼応するかのように新たに現れたキャラクター達を隠すかのように、ペラペラに潰されたザニーユの体が風に飛ばされてカメラの視界を遮っていった。
大成功
🔵🔵🔵
鎧坂・灯理
@SPD
礼儀作法の一環として踊りも覚えては居るが、相手がオブリビオンではな。
気の削がれる事甚だしいというものだ。
なので、踊りはUCで呼び出した【執事】に任せよう。
こいつは戦闘以外は完璧でね。サルサダンスでも踊らせておくさ。
私は、そうだな。そこのネズミを踊らせてやろうか。
バイクで駆け回りながら、足下をサブマシンガンでなぎ払ってやる。
ほら、せいぜいコミカルに踊りたまえよ。
鎧坂・灯理(不退転・f14037)は不機嫌だった。
名家の産まれであった灯理は礼儀作法の一環として踊りを覚えては居るが、対戦相手はオブリビオンだと聞いてしまっては気が削がれてしまう物である。
そのため、端から代役を立てる気でステージに臨んでいた。
『手伝ってくれ』
空気入れの先を口に入れ、急激に膨らんでいくザニーユを冷めた目で見ていた灯理が一言呟くと、その隣に頭だけが人の形をしていない、タキシード姿の何かが姿を現した。
「こいつは戦闘以外は完璧でね。サルサダンスでも踊らせておくさ」
コメント欄が悲鳴に包まれる中、灯理が指を鳴らすと軽快なラテンのリズムがステージ内に流れ始めると同時に「執事」と呼称される何かはステップを踏み始めた。
腕を振りながら、流れるような身のこなしを見せる執事を尻目に灯理はサブマシンガンに姿を変えた銃をリロードしていた。
「私は、そうだな。そこのネズミを踊らせてやろうか」
そう言って灯理はエンジンを吹かすとバイクで空気入れを轢き飛ばし、元の形に戻ったザニーユの足下をサブマシンガンでなぎ払う。
「ほら、せいぜいコミカルに踊りたまえ」
「のぉぉぉぉぉっ!?」
執事のサルサダンスとザニーユの即席のタップダンスに視聴者のボルテージが上がっていく。それを見たザニーユは涙目になりながら叫んだ。
「カモン、『スラップスティックショータイム!』」
すると天井から大量の液体が落ち、ステージ上にいた出演者全員に降りかかった。
その液体によって執事やザニーユは派手に転ぶ中、灯理のバイクも滑って倒れそうになる。
「ちっ……!」
灯理は咄嗟に銃を離すと両手でハンドルを握ってバイクを宙へと浮かし、難を逃れた。
なおも立とうとするザニーユの足が銃に偶然当たり、遠くへと流される。
灯理はすぐに銃を取りに向かったが、水が中に入ってしまっているのを見て忌々しげに舌打ちをして銃をホルスターの中にしまった。
成功
🔵🔵🔴
各務・瞳子
踊るんはこの子や。名前はリュカ。宜しゅうに(愛らしくお辞儀するからくり人形)
コンセプトはコミカル可愛い人形劇
軽快なリズムに合わせてリュカを踊らせながら、うちはガジェットでフォローに回る
「こんな事もあろうかと!」
パイが飛んで来たら傘広げてかばったり、落ちてきた一斗缶をツッコミ君でなぎ払ったり
自身もコメディタッチの動きを心掛ける。どっちも致命的なダメージはオーラで防御するし、動き回りながらガジェット罠(挟まれると痛いバネ式ネズミ捕り)仕掛けて誘導やな
もしリュカが滑って転んだら……クスンと泣いてまう仕草の後、健気にダンス再開。うちの子は可愛いさかい(断言)、世のおねーさま方をキュンキュンさせたるわ!
「踊るんはこの子や。名前はリュカ。宜しゅうに」
「また代役か、ちくしょーめ!」
カメラに向かって愛らしくお辞儀する青い目のからくり人形の紹介をする各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)にザニーユがわめき散らす。どうやら先ほどの灯理からの猛攻がトラウマになってしまっているようだ。
軽快なリズムに合わせてリュカを踊らせながら、瞳子は周りを回るように離れていく。
「相方が踊れなくなっていれば攻撃は意味ないんだよぉ! くらえぇ!」
『こんな事もあろうかと!』
リュカに向かって思いっ切りパイを投じるザニーユの射線に割り込むように、傘を広げた瞳子が割り込む。
透明な傘があっという間に真っ白になる中、コメディタッチの動きを心掛けて瞳子はわざと顔を傘から出して舌を出す。
その後ろで、リュカは先ほどぶちまけられていた液体に足を取られて転んでいた。
リュカはクスンと泣いてしまう仕草をした後、目をぬぐい健気にダンスを再開。その動きにコメント欄の母性が刺激された。
「うちの子は可愛いさかい、世のおねーさま方をキュンキュンさせたるわ!」
『リュカたん可愛い』などのコメントに彩られるモニターを見て勝ち誇るように笑う瞳子に向かって、ザニーユは頭を真っ赤にさせて叫んだ。
「その立ち位置は僕の物なんだよぉ! 『ぺちゃんこになっちゃえ!』」
「させへんで!」
天井から落ちてきた金床がリュカに直撃する前に瞳子はツッコミ君のフルスイングで弾き飛ばす。
ちなみに瞳子は決して怪力ではない。 リュカを守ろうとする想いがこの奇跡を生んだのだが、今それは重要なことではない。
「うっそ、どんな怪力なんだよ⁉︎」
慌てるザニーユが足の位置を変えるとガチャンという音と共に足に激痛が走った。
金床のあまりの重さに手が痺れ、ツッコミ君を地面に落とした瞳子は息を吐いた。
「ネズミはしっかり、捕らえないとな?」
ザニーユの右足にはバネ式のネズミ取りがしっかりと噛み付いていた。
あまりの痛さにザニーユは屈んで外そうとするが蒸気の力で挟み込む金具はそう簡単に外れない。……いや、そもそも金具に手をかけることすら叶わなかった。
とてつもない勢いで飛ぶ方向を変えた金床はザニーユの顔面に直撃すると、一切速度を落とすことなく壁にめり込んだ。
あまりに凄まじい音に、カメラは一斉にザニーユからリュカに写す対象を移した。グロい映像を映してしまったら炎上してしまうからね、仕方ないね。
リュカは瞳子に駆け寄るとその手を慈しむように撫でて、どこにも怪我がないことが分かるとコテンと首を傾げた。
「大丈夫やで、ありがとな」
そんなハートフルな様子がキマイラフューチャーに流される中、完全に忘れさられたザニーユはめり込んだ壁と金床の隙間から何かを求めるようにじわじわと手を伸ばしたが、力尽きて注目されることなく消えていった。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2019年05月15日
宿敵
『ザニーユ・モア』
を撃破!
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