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バトルオブフラワーズ⑧〜つよくてかわいい侵略者!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●救援要請
「皆様、お集りいただきありがとうございます。世界コードネーム:キマイラフューチャーにて、オブリビオンの出現が確認されました」
 シスター服に身を包んだグリモア猟兵が、自分の呼びかけに応じてグリモアベースに集った猟兵達へ語りだす。

「え、さっきもこのセリフ聞いた? 残念ながらまだまだ聞いていただきますよ、戦争は始まったばかりなのです」
 既に何回か戦いを終えた猟兵も混じってはいるが、キマイラフューチャーの中枢、システム・フラワーズへの道を開くには、まだまだ多くのステージを突破する必要があるのだ。
 だからこそ、グリモア猟兵は新たな戦場へと猟兵たちを案内する。

「次に皆様が向かっていただくのはペイントステージ、この世界の市街地を模した戦場で、複数のオブリビオンを追い回していただきます」
 ああ、あくまで街並みが再現されているだけですので、街の損壊や住民の避難などは気にしないでくださいな。
 そう言いながらグリモア猟兵が手元の機器を操作し、猟兵たちの前に3体のオブリビオンを映し出す。

「この子達が今回皆様と戦うオブリビオンですね。特殊な塗料を用い、街中を黒く染め上げようと走り回っています」
 ザ・ステージと呼ばれるこれらの戦場は、それぞれに特殊な戦闘ルールが定められている。
 それを守らなければ本来の力が出せなかったり、敗北条件が満たされた場合、猟兵達が強制的に追い出されてしまうなど、その力は様々だ。

「今回は後者。『クロヌリスレイヤー』と名付けられたこのルールでは、オブリビオンが街のすべてを黒く塗りつぶした瞬間、皆様は強制排除。ええ、要するに敗北です」
 そして、一度黒く塗られた場所を回復させる手段は存在しない。
 今回の戦いで猟兵に求められるのは、街にはびこるオブリビオン達の速やかな発見、撃破だ。

「オブリビオン達にもいくらか傾向があるようですね。見つかることを前提で集団で一気に塗りつぶし、出会った猟兵を返り討ちにせんとする者もいれば、単独で見つからないことを重視して行動する子も、様々です」
 どのようなオブリビオンを狙うかをしっかり定め、想定される行動に応じた攻撃を行っていくのも重要となるのだろう。

「さて、長々と話しましたが時間は有限。質問がなければ、転移を始めていきますよ」
 そうして、グリモアの光を強めだした彼女が、転移の間際にニヤリと笑い。

「――ええ、戦争ではありますが、同時に遊戯であるのがこの世界の流儀です。ちょっとくらい、羽目を外しても罰は当たりませんよ」


北辰
 OP閲覧ありがとうございます。
 ペイントステージが微妙に足りないって聞いたから。北辰です。

●特殊戦闘ルール『クロヌリスレイヤー』
 キマイラフューチャーの街並みを模して作られた戦場で、多数の集団敵が、街中を『闇のような黒色』に塗りつぶしています。
 街並みが全て塗りつぶされると『敗北』なので、その前に集団敵を撃破しなければなりません。

 要するに鬼ごっことかくれんぼです!
 ボス戦と異なり、此方から塗りつぶしのアクションを行うルールではないのでご注意を。
 いえ、塗りつぶすなとは言いませんが、それが特別有利というわけではないのですな。
 OP内で書いた通り、索敵能力や、見つけた敵の下に素早く駆け付ける手段などをアピールしていただくと、カッコいい描写をお届けしやすいかとは思います。

 幹部戦までもあと少し。
 そこへ至る道を開く為、皆様のお力をお貸しください。
 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『つよくてかわいいアニマルズ』

POW   :    丸太クマさん怪人・ウェポン
【丸太兵器 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド
【鉄球攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ピコハン 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィサラ・ヴァイン
うん、そろそろ聞き飽きて来たよね、そのセリフ
キマイラFが割れた時も最初は驚いたけど慣れてきた感あるし
これが陳腐化…いや、世界の危機も星が割れるのも割と重要な事だけども…新しい物好きの世界で、陳腐化は致命的だよ
私は塗り潰しの妨害を行います
まだ塗られてない場所で【霧中の死】で見通しの悪い猛毒の霧を発生させて、敵が近付けないように
無理やり霧の中に入って来るなら、そこは私の狩場
そもそも猛毒の霧だけで相当[恐怖を与える]と思いますけど、更にだめ押し
《ヴィサラの心眼》と[第六感]で敵を補足、[目立たない]ように[毒使い]の猛毒の蛇に咬み付かせて[暗殺]
…この辺りの戦術、使い回しなんだよなぁ…新しい事早よ…



●ルーチンハント
 戦場となっている模擬市街地。
 そのとある路地を、赤い霧がすっぽりと覆い隠してしまっていた。

「うん、そろそろ聞き飽きて来たよね、ああいうセリフ」
 霧の中、グリモアベースでの言葉を振り返りながら苦笑する少女。
 ヴィサラ・ヴァイン(魔女噛みのゴルゴン・f00702)もまた、既にいくつものステージを渡り歩いてきた猟兵の一人だ。
 自らが住んでいた世界が真っ二つになった当初こそ驚いたものだが、今ではなんだか慣れてしまってきたような。
 これが陳腐化。これはマズい。
 この一大事に緊張感が薄れるのも問題だし、何より、いいねと新しさこそ重要なこの世界での陳腐化はあってはならぬ事……!

 と、ここまで考えたところでヴィサラは注意を周囲へ戻す。
 今集中しなければならないのは、オブリビオン達の色塗りをいかに妨害するか。
 説明によれば、街並みのすべてが塗りつぶされた時点で猟兵の敗北だ。
 逆に考えれば、1か所でも塗りつぶされない限り、強制敗北にはならない。
 その思惑の下、ヴィサラが自身のユーベルコード、【霧中の死(デスミスト)】を使用した結果が、この霧に閉ざされた区域だ。
 見通しの悪い猛毒の霧が満ちる空間、立ち入る者もそうそういまい。
 そう、思っていたのだけど。

「あ、また毒で倒れた……根性あるなぁ、ここのオブリビオン」
 何故か止まらない。
 無謀にも霧の中に突入するオブリビオンが、少しずつ、ヴィサラの周りを黒く染め上げてから毒に倒れる。
 ペースは遅いが、このままだと多数のオブリビオン討伐と引き換えに、このエリアも塗りつぶされてしまいそう。
 先も見えない霧の中だというのに、こいつ等には恐怖というものが無いのだろうか。

 ――どちらにしても、同じことなのだけど。

 霧の中、心眼を働かせたヴィサラが、音も無くオブリビオンの背後へと回る。
 可愛らしい帽子の下から伸びる緑の髪。
 その先が変じた、ヴィサラのキマイラたる証明、猛毒の蛇が、静かにオブリビオンの首筋へと牙を立てた。
 哀れな獲物は、最後のあがきすらできず、回った毒で意識を失っていく。

「よし、これなら処理できる……とはいえ、これも使いまわしの戦術なんだよなぁ」
 陳腐化の魔の手は彼女自身にも。
 早く新しいこと起きないかなと考えながら。
 彼女は霧の中で狩りを続ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

シーザー・ゴールドマン
【WIZ】
《ローマの奔流》で悪魔の軍団を召喚。
五体一組の小隊を38作って分散。
始め大きく囲み、見つけ次第に攻撃して数を減らしつつ徐々に追い込む。
撃ち漏らしをなくす為に少なくとも同じ道を違う小隊が3隊以上が通るルートを策定する。
シーザー自身は予め追い込む場所に敵を撃破しながら進み、悪魔の軍団が追い込むのを待つ。
最後は白く塗り潰してあげよう、と追い込まれた敵相手に
白い焔(属性攻撃:聖&炎×衝撃波×範囲攻撃)で焼き尽くします。

最初のルート策定時にはちょっと飛んで上空から
「まあ、黒塗りしながら移動しているので場所を教えてくれているようなものだね」
といった感じで一番、効率的な殲滅ルートを考えます。



●逃げ場はない
 名を、【ローマの奔流(デウス・レギオー)】。
 シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の呼び出したその悪魔達は、まさしく軍団と呼ぶに相応しい規模だった。
 その数、総勢190。とはいえ、一体一体は、オブリビオンの攻撃1つで消し飛ぶ脆弱なものだ。
 真に優れていたのは、軍勢の主たるシーザーの、統率者としてのその手腕。周囲を隙無く警戒する5体一組の小隊編成、同じ道を複数の小隊が通ることで、討ち漏らしを防がんとするルート策定。
 ダークセイヴァーの『赤公爵』、生粋のカリスマとして生まれ出たシーザーにとってこの多対多の戦いは、最も得意とする戦場の1つであった。

「ウサッ、ウサァー!?」
 当然、オブリビオンとてただ無力に追い回される訳ではない。
 兎を模した怪人がその武器を振るえば、追いすがる悪魔達はあっさりと消し飛んでいく。
 が、それでも数の差は圧倒的だ。
 倒しても次々に現れる邪悪な軍勢、そのまさしく悪魔じみた攻勢は、もはやどちらがオブリビオンだか曖昧に思えてくるほど。
 切りが無い、やってられるか! そう叫ぶように包囲を突破したオブリビオンが、悪魔を無視して逃走を始める。こいつ等を倒す必要などどこにも無い、街をすべて黒く染め上げればいいのだ。既に塗りつぶした此処に留まる理由など、ありはしない。

 走り、走り、走り続け。
 追い立てられるオブリビオン達は、ふと疑問を覚える。
 先ほどから、既に塗りつぶした黒い街を走るばかり。
 一向に、目的地である、未だ染められていない区域に出られる様子は無い。
 おかしい、ここまで広範囲の場所を塗りつぶせていたか?
 そう思考しながらも走るオブリビオン達は、とある大きな広場に出た。

 放射状に走る道、自分達が出た道とは違う箇所から、同じく悪魔に追い立てられたであろう、オブリビオンの仲間達。
 そして、そのすべての視線が集中する円い広場に、シーザーは立っていた。

「まあ、黒塗りしながら移動しているので、場所を教えてくれているようなものだね」
 ちょっと空を飛べば一目瞭然。おかげで、進軍ルート決めが、随分やりやすかった。
 そう微笑むシーザーの周りに揺らめく、オブリビオン達の塗料とは真逆の白い焔。
 最初から、この男の手のひらの上だった。
 焔に飲まれる直前、オブリビオン達がそれに気づいたことは、果たして幸運だったのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

芦屋・晴久
アドリブ連携歓迎

さぁ行くとしましょう。
ルールという枷によりそう簡単には行かないでしょうが私の知識と戦略により皆さんを導くと致します。

おいでなさい御魂、私と同等の力を持つ貴女の力を借ります。
先ずは私が周囲の気の流れ……生物の気を探索します。
発見したら敢えて牽制を入れる事で彼の者達を中央に誘導して固めます
貴女は【天道柱】を持ってして私が指定した地点に炎の弾丸を撃ち込み下さい。
相手は多い、効率的に行きましょう。


対策としましては……ん……どうして天道柱では無く【五行相生】を?
それでは私も巻き込まれてしまいますよ?
あ、冷蔵庫のプリン美味しかっt……

アーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!


真守・有栖
つよい。かわいい。あにまる。
強狼にして愛狼たる私の出番ね!

こないだ戦ったのとは違うあにまるね?
きーきー喧しいお猿さんも現れて、あちこち動物だらけじゃないの。
……なーるほど?
この戦争はどのあにまるがお山の大将かを決める争いでもある、と。
そーゆーことね!
なおのこと、負けられないわ!
うるふなあにまるたる私の狼力(おおかみぢから)を魅せてあげる!

……って、ちょ!?まだ狼語りの最中よ!?不意打ちはずるいわ?!

ばったり出会った集団の奇襲(?)にわぐぐ、と唸り苦戦するも。

月喰、一気にいくわよ……!

鞘走れば迸る烈光。
念じるは“斬”の一意。

瞬閃。

意念に応えし光刃が数多の敵をまとめてまるごとずばっと成敗よ……!



●※大成功です
 つよい。かわいい。あにまる。
 その言葉を聞いて、人々は何を連想すべきだろうか。
 現在進行形で街を塗りつぶすあんちくしょう? いやいや、違うでしょ?

「つよい。かわいい。あにまる。すなわち、強狼にして愛狼たる私の出番ね!」
 急に決めポーズをとって叫ぶ可愛い人狼さん、真守・有栖(月喰の巫女・f15177)を想像するのが人の正しい姿であろう!
 勿論、有栖とて現在の危機的状況は理解している。
 此処ではアニマルズが暴れ、別の戦場でも違った形のアニマルが現れ、また別のとこではお猿さんが出てきた。
 此処まで材料が揃えば、有栖のおおかみさん頭脳は真実を見通せる。

「この戦争は、どのあにまるがお山の大将かを決める争いでもある……!」
 なおのこと、負けられないわ!
 シリアスな顔で言い放つ彼女はいたって真面目だ。
 マジのガチで、この戦争を通してあにまる界の頂点を狙いに来ていた――!

「さあ、うるふなあにまるたる私の狼力(おおかみぢから)を魅せてあぎゃー!?」
 だが、同じく頂点を狙うライバルが誇り高き者ばかりであるとは限らない。
 なんということか、有栖の狼語りの最中に不意打ちをする不届き者が現れたのだ!
 いつの間にか、有栖を囲むようにわらわらと現れるアニマルズ。
 完全包囲、有栖さんは大ピンチである!

「……どうしましょうか、御魂」
 建物の上から、それを見つめる2人の影。
 有栖と同じ猟兵、芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)と、彼が呼び出した式神、御魂であった。
 彼らもまた『やっべーわ』みたいな顔をしているが、有栖とは、その背景の感情が少々異なる。
 ――そう、ぶっちゃけ、ここにアニマルズを追い込んだのは彼らであった!
 いや、いい感じの広場に追い込めば楽に処理できるんじゃないかと、彼らも彼らで真面目に猟兵業を行っていたのだ。
 そしたらなんか居たんですよ。広場の中央で、狼語りをしているお嬢さんが。

「ええ、事故ではありますが、私の責任。しっかり助けなくてはいけませんね」
 宙に浮かぶ護符に乗った晴久が、颯爽と有栖の下へと降り立つ。
 絶妙なタイミングで助けに入る頼れる大人を演出するグラサン、これをマッチポンプと言います。
 それでも有栖は救援に来てくれた良い人と認識する。だって良い子だから、そしてぽんこつだから。

「ありがとう、おじさん! おじさんも気を付けてね!」
 故に、この言葉にも悪気はない。
 ちょっとだけしょんぼりする芦屋晴久32歳。お兄さんを名乗るのはきつくなってきたかなと自分でも思うけれど、人に言われるのは少し悲しい年ごろである。

 そんな事もは露知らず、背後を気にする必要がなくなった有栖が一気に駆ける。
 構える刀の銘は月喰。満月に狂う人狼にとって、この上ない皮肉であり、この上なく相応しい光刃を煌めかせ、裂光と共にオブリビオンを鎧袖一触に斬り捨てていく!
 あれ、これ助け必要だったかな、なんて思う晴久の視線を背に受けながら、彼女は一気にオブリビオンの包囲を抜け、少女の姿をした式神と合流する。
 それを式神、御魂は笑顔で迎え。

 残りのオブリビオンに炎の竜巻をぶち込んだ。

「え、あの、なにやってるの、おじさんまだ居たわよ!?」
 アーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
「なに、冷蔵庫のプリン? いつの間にかなくなってた?」
 アーーーーーーーーーーーーーーーー!!!! アーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
「んー……有罪ね、それは!」
 アーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 ――それなら、私が美味しいお店教えてあげるわ!
 おじさんの断末魔が響く中、人狼と式神の間に美しい友情が芽生えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
まずは索敵からですか
この程度の広さでしたら……

まずは見える中で最も高い建物の屋上へ
「ここならいいでしょう」
戦場全体を見渡せる高さに来たら
通常可聴範囲外の高音で【歌唱】
反響を聞きわけ【情報収集】、【学習力】で敵の位置を割り出します
「ここからだとあそこが近いですね」
UCを発動し指先からフィールムを伸ばしビルの屋上へ括りつけ空中ブランコの様に空から敵の元へ急行しましょう

そのまま空の散歩を続けながら敵の傍へと来たら【武器改造】したアルジェントムから【属性攻撃:爆破】のミサイルの【範囲攻撃】でその場所の敵を一掃
そのまま次の敵がいる場所へ空から向かいます
「歩くよりだいぶ早くていいですね」


織銀・有士郎
ま、後顧の憂いを絶つっていうのも立派な仕事だろ。
……別にあのサルへの対策が面倒臭かったわけじゃないぞ?

「よーし、こういう局面こそお前の出番だ。頼むぞえーと……大根?」
不服そうな顔だな……気に入らなかったか?
ライオンライドで黄金のライオンを召喚。
ライオンの機動力と野生の勘を駆使してなるべく素早く敵を見つけて妨害したいところ。
誰かと連携して素早く倒すものアリだと思うが、敵の数が多そうだし微妙か?
攻撃は早業による斬撃とライオンとの連携攻撃。だたライオンは最初から出してるし、ピコハンには注意したほうが良いか。

……帰ったらライオンの名前を再考すべきかな。



●それでは最後はお静かに
「おーい、機嫌直してくれよ大根。そんなに嫌か? この名前」
 黄金のライオンに跨り、戦場を駆けていくのは銀髪の麗人。
 名を織銀・有士郎(織りなす銀の一振り・f17872)、後顧の憂いを絶つべくこの戦場に現れた猟兵の一人だ。
 本人曰く、別に某モンキーへの対策が面倒臭かったわけではないとのこと。
 動機はとにかく、街に降り立った彼女の動きは優秀だ。呼び出したライオンの獣特有の感知能力を活かし、陰に潜むオブリビオンを迅速に探し出し、これを討伐。
 錆びついた刀を振るい、わらわらと現れるオブリビオンの最中を潜り抜け、確実にその数を減らしていく。
 しかし、困ったことが一つ。
 ライオンが明らかに不機嫌である――!

「だいこーん、もうちょっと優しく動いてくれても……うおっと!?」
 振り落とされそうになりながらも、大根にしがみつく有士郎。
 さっきから暴れ馬ならぬ暴れライオン状態となっている大根。
 おかしい、いくら名前が不満であっても、ここまで暴れるようなものなのか?
 そう疑問を覚える彼女は正しい。
 大根の意思は、名前よりも、もっと耐えがたいものへの怒りで一杯だ。

「お、おい大根、どこ行くんだ!?」
 上で叫ぶ主を乗せたまま、大根が真っすぐに駆け出す。
 憤怒の表情で向かう、その先で。

 なんか、オブリビオンが天高く吹き飛んでいた。

「――ここからだと、あそこが近いですね」
 時間を少しだけ戻す。
 この戦場でも最も高い建物の上に登る影。メイド服に身を包んだミレナリィドール、アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は、極めて効率的にオブリビオン達を探し出すことに成功していた。
 とはいえ、折角ここまで登ったのだ。また街中に降りて建物を迂回しながらそこへ向かうのも少々面倒。
 しかしそこはメイドさん、華麗に、そして素早く目的地へと向かう手段もきちんと用意してあるのだ。
 しなやかに指をふれば、しゃらりと音を立てて飛び出す鋼糸。
 ドールたる彼女に搭載された奇跡の機能、ユーベルコードによって展開されるそれは、彼女の意により自在に動く。
 それを目の前のビル群へと飛ばしてやれば、即席の空中ブランコの準備は完了だ。
 どちらかといえば、別の世界で聞いたヒーローを思い出しますね、などと考えながら、黒いまだら模様に染まった街の空をアマータが駆けていく。

 そうして敵の下までたどり着いたなら、後は簡単。
 手に持ったトランクから展開されるミサイルを真上から打ち込んでやれば、飛び道具を持たないオブリビオンに抵抗の余地など無い。
 そうして一方的に敵をせん滅し、さっさと次のオブリビオンを倒しに行こうと。
 そう思ったのだけど。

「グルルルルァァァァ!!」
「うお、人が居る! 大根、ストップ、だいこぉーん!!」
「……ライオン?」
 怒り狂った獅子の乱入で、思わず足を止めざるを得なかった。
 いったい何が、そう考えるアマータが、ふと心当たりを思い出す。

 アマータのオブリビオン捜索、すなわち、可聴範囲外の高音で行われたエコーロケーション。
 他の人間には聞こえぬはずの音ではあるが、獣の聴覚を持つものならば。
 街中に響き渡った甲高い歌唱、それも、オブリビオンを探り当てるために何度も繰り返されたものを聞いていたのであれば。
 ちょっとくらい混乱したりするのかもしれませんね、と一人納得するメイドさんであった。

 何はともあれ。
 猟兵同士で合流できたのなら、協力しない手もない。
 アマータがミサイルでオブリビオンを蹴散らしていく一方で、有士郎が建物の陰に隠れた残党を切り捨てていく。
 刀で大群に斬りこむより、小さな塊にまで空爆を行っていくよりも、ずっと効率的にオブリビオンが駆逐されていく。
 面白いように数が減る。敵の攻撃も、空を征くアマータには届かないし、空爆の混乱に斬りこむ有士郎にも当てられない。
 もはや、猟兵たちの勝利は決定的だ。
 そんな戦いの中で。

「……帰ったら、ライオンの名前を再考すべきかな」
 そう疲れた顔で呟く有士郎を肯定するように、大根が小さく、がうと吠えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト